八幡side
全競技が終了して閉会式を行なっている。3年生のリレーは赤組がワンツーフィニッシュで終わったから50点を獲得した。俺ら2年のリレーの時点で勝ちは決まっていたのだが、さらに点差を広げた。まさにオーバーキルならぬオーバーポイントだな。何言ってんだ俺?
そして今は表彰式が行われている。優勝は赤組だったので、赤組の団長に優勝旗が渡された。そして次は部門別に渡される。
放送係『ではまず最初に徒競走の部から紹介していきます。1年生女子の部………』
放送係『続いて2年女子の部に移ります。3位○○さん、2位○○さん、そして1位時崎さん。呼ばれた生徒は前へ登壇してください。』
狂三も徒競走ではぶっちぎりだったからな。周りに速い奴が居なかったが、それでも狂三が速かったのは否定しない。
放送係『続いて2年男子の部。3位葉山くん、2位○○くん、1位比企谷くん。呼ばれた生徒は前に登壇してください。』
去年ももらったような気はするが、あんまし覚えてねぇんだよな………でも今年は覚えてられそうだ。
それからも俺は色々な表彰を授与された。借り物競争で最速1位の表彰、救出ゲームで1番多く罰ゲームを受けた表彰、借り物競争は分かるが、救出ゲームの表彰は絶対お遊びだろ。こんなの表彰されても全く嬉しくねぇよ。
放送係『続いて優秀選手賞と最優秀選手賞の発表と授与に移りたいと思います。』
優秀選手賞は赤組白組問わず、男女1名に授与される。全員赤組だったりして……まぁ無いけど。
そして授与されたのは
白組 葉山隼人
赤組 城廻めぐり
この2人だった。めぐりは徒競走でも2位に入ってて、3年の競技、障害物競争で1位、リレーでも1人抜かす等して組に貢献している。それが評価されたのだろう。
葉山の結果はまぁ当然だろう。
放送係『続いて最優秀選手賞の発表です。女子の最優秀選手は………2年赤組、時崎さん!そして男子は………2年赤組、比企谷くん!呼ばれた2人は前まで登壇してください!』
俺でいいのか?もっとふさわしい奴いると思うんだがなぁ………文句たれる3年生とかいないと良いんだが……そしたら文化祭じゃあねぇけど、そいつらと同じレベルになるけど。
ーーー体育祭終了ーーー
体育祭が終わった後は椅子の裏を雑巾で砂とかを取ってから担任の話を聞いて下校になる。部活のある奴は少ないだろう。ていうかやろうと思う顧問いるのか?だとしたら鬼だよな。地震も体育祭で疲れてるはずなのに、その上で部活だなんて。
それにしても、この賞状たちどうしよう………とても不本意な賞状も1つあるし。
狂三「流石は八幡さんですわね、これだけの賞状を授与されるだけのことはありますわ。」
八幡「要らん賞状もあるけどな。しかしこれどうする?持って帰りたいのは山々だが、サイズがデカい。かといって歩いて持って帰るのも見せびらかしているようで気が引ける。」
狂三「良いではありませんの。八幡さんはそれだけ活躍したのですから、誰からも責められる義理はありませんわ。」
だが個人的には手に持って帰るのは嫌だ。どうにかしたい。何でA4サイズじゃねぇんだよ。何でB4なんて微妙なサイズの用紙使うかね?
pipipi…pipipi…
八幡「はい、比企谷です。」
麗『八幡、貴方が世界で1番愛している女性、麗よ。今時間大丈夫かしら?』
八幡「世界で1番愛しているは余計だが、時間なら大丈夫だ。どうかしたか?」
麗『私は帰るけれど、八幡さえ良ければ送るわよ。勿論時崎組長の娘さんも一緒に。』
それはありがたい。目立つかもしれんが、賞状ぶら下げて帰るよりかはマシだ。
八幡「分かった、頼んでもいいか?」
麗『えぇ、じゃあ校門前で待ってるわ。貴方は目立つのは嫌いでしょうから、車は別の場所で待機させておくわ。待ってるわね。』
八幡「姉さんの存在自体がもう目立ってるようなものだが、取り敢えず了解。すぐ向かう。」
そして俺は電話を切って狂三に今の話を告げる。
八幡「狂三、麗姉さんが俺らを家まで送ってくれるそうだ。お前も乗るか?」
狂三「いえ、私のお父様も『一緒に乗せて帰る。』と先程ご連絡を頂きましたので、折角ですがご遠慮させて頂きますわ。麗お姉様にはよろしくお伝えくださいまし。」
八幡「そうか、分かった。」
ーーー校門前ーーー
八幡「………」
俺、あそこに行きたくないんだけど。めっちゃ人だかりできてんじゃん。絶対麗姉さんだろ、それ以外考えられねぇ。他に誰があんな注目集められるって話だよ。もう素通りして「あら八幡、漸く来たのね。」帰ろ………うと思ったけど、出来ませんね、はい。
八幡「姉さん、ブランド商品の紹介でもしてたのか?何だよこの人だかりは?」
麗「あら失礼ね。私はそんな押し売りのような前はしないわよ。貴方を待っていたら次々と集まってきたのよ。私はそんなつもり毛頭なかったわ。」
まぁ麗姉さんは無駄な事は一切しない人だから、今の言葉に嘘はないだろう。
麗「じゃあ行きましょう。私も久しぶりに我が家へ帰ろうと思っていたからちょうど良いわ。」
八幡「年単位で帰省するのどうにかしろよ。忙しいのは分かるが、母ちゃんと小町だって姉さんと会いたがってるんだからよ。」
麗「努力はするわ。さっ、行きましょう。」
激動の体育祭は、これにて幕を閉じたのであった。