やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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西の動き

 

ーーーーーー

 

 

ーーー関西・某事務所ーーー

 

 

最大極道組織、神戸連合が拠点とする関西地方。今分かっている情報では、直系110団体、構成員23,000人の大組織だった。100を超える団体の中の1つの組の事務所で密かに話し合いがされていた。

 

 

椎橋「………」

 

???「………」

 

???「………」

 

 

1人は神戸連合の直参組長の椎橋謙三だった。残りの2人は椎橋の部下が同僚の者だろう。

 

 

椎橋「お前らに来てもらったんは他でもない。お前ら、俺の為に動く気はあるか?」

 

???「そんなご無体なことをおっしゃられるな〜椎橋の親父殿。我々は貴方の傘下組織の……いや、あんたの子分ですよ?お断りする理由がどこにあるというのです?」

 

???「……遺憾だが童満(どうまん)の意見に同意だ。我々は親父の組織から独立した身、親父の命令なら喜んで受けよう。」

 

椎橋「その命令が千葉に攻め込め、っちゅう命令でもお前らは聞くか?」

 

 

そう、椎橋は関東の極道組織、千葉仁堂会に攻め込む気なのだ。以前、幹部会での話し合いで3代目神戸連合会長の言葉にあった、『千葉には戦争を仕掛けない。』を無視して行動しようとしているのだ。

 

 

童満「それは良いことを聞いた!最近は何処もつまらないから、刺激が欲しかったところです!!この童満琢磨(どうまんたくま)、喜んで引き受けましょう!」

 

 

3代目神戸連合系・童満会会長 童満琢磨

 

 

???「………赤座鬼狛治(あかざきこうじ)も左に同意だ。この命は元々親父に託したも同然。神戸連合にではない。親父の為に使わせてもらう。」

 

 

3代目神戸連合系・赤座鬼組組長 赤座鬼狛治

 

 

椎橋「おぉ、そうか!!お前らを独立させておいて良かったわ!!全くホンマに頼りになるな、お前らは!ほんで作戦やけど、ただ千葉に攻めるんじゃ華がない。だから……相手の組の直系を狙う。3次団体の中でも生粋の武闘派のお前らが合わさって攻め込めば、いくら直系でもただのダメージでは済まない筈や。」

 

赤座鬼「しかし親父、相手も警戒しているはず。そう簡単には入れてもらえないと思うが?それに千葉はどこもガードが固い。」

 

童満「そうだなぁ……赤座鬼殿の言うことも一理ある。我々が攻め落とせそうな組も限りがあると思われますよ?特に比企谷組は我々では不可能だ。何処を攻めるというのです?」

 

椎橋「安心せいや。難しい所は攻めん。ていうか比企谷組を攻めたらお前らが返り討ちに遭うわ。話戻すぞ。お前らに攻めて欲しいんは……胡蝶組や。」

 

 

そう言って椎橋は2枚の写真を出してきた。そこに映されていたのは………カナエとしのぶだった。

 

 

椎橋「この2人を生け捕りにして連れて来いや。こいつらは薬学に精通しとる。役に立つやろうからな。他は……殺しても構わへん。俺の仕入れた情報ではこの組、武闘派ではないみたいなんや。落とすのは簡単やろ。せやけど何人か腕利きは連れて行け。念には念をや。ええな?」

 

童満「おぉっ!!これはまた良い女じゃないか!!親父殿、この2人は俺の組で預からせてもらってもよろしいかな?中々食べ応えがありそうだ………」

 

 

童満は不気味な笑みを浮かべながら椎橋に質問した。その顔は既に手中に収めているかのような、既に自分の物にしたかのような下卑た顔つきだった。

 

 

椎橋「お前は相変わらずの女好きやな………だから『女喰い(おんなぐい)』なんてあだ名がつくんや。まぁええわ、好きにせい。後はお前らに任せるわ。」

 

童満「ありがとうございます!!赤座鬼殿、それでも良いか!?」

 

赤座鬼「………好きにしろ、俺は女に興味はない。ただ強い奴と戦えればそれで良い。」

 

童満「そうか!!上々だ!!俺も俄然やる気が出てきた!!早速準備に取り掛かろう!俺は先に失礼させてもらう!!叔父貴、失礼します!!」

 

 

童満は上機嫌になりながらその場を去った。

 

 

椎橋「はぁ……童満に限って油断はないやろうが、女が手に入ると思って浮かれているかもしれん。赤座鬼、嫌かもしれんが、あいつのフォロー頼むわ。一緒に攻め込む以上、必要最低限の連携は必要やから、頼んだで。」

 

赤座鬼「………承知した。だが俺は直接のフォローは回らない。部下にやらせる。俺も強い奴と戦いたい。あいつに戦いの邪魔はされたくない。」

 

 

椎橋は再び頭を抑えた。そして頭を上げると呆れた表情から喜びの表情に変わっていた。

 

 

椎橋「お前も相変わらずのようやな。強い奴との喧嘩が何よりの楽しみとは変わっとるが、期待しとるで?なぁ、『顔面殺し』よぉ?」

 

赤座鬼「………その名で呼ぶのはやめろ、いくら親父でも許さんぞ。」

 

椎橋「やってみるか?ええで、久しぶりに親子喧嘩でもするか?お前が俺に勝てるとは思えへんけどな。どないする?」

 

赤座鬼「………準備に入る、失礼する。」

 

 

赤座鬼も部屋から出て行った。1人部屋に残されている椎橋は薄ら笑いを浮かべていた。

 

 

椎橋「奴らホンマに使えるのう。まぁこれも奴らが深く聞いてこんかったからや。千葉に牙剥いたら、その時点で処刑対象……童満、赤座鬼、お前らには済まんと思うてるが、ウチの代わりにやってもらうで。へへへへ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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