八幡side
八幡「浅見、お前らの所はどうだ?シノギは順調か?もし行き詰まっていたなら応援を寄越すぞ?」
浅見「いえ、大丈夫です。若様が思っておられる程の心配事はありません。シノギも順調そのものですし、むしろ上納金が少しずつ上がっているとも言えます。本部長の八千代様にも良いご報告が出来ると思います。」
八幡「そうか……他の所ではどうだ?シノギ以外でも構わない。治安やトラブル、事件とか起きていたらすぐに知らせろ。特に龍園、お前らが担当している所は元々治安は悪いところだ。何かないか?」
龍園「あるわけねぇだろ。あの一帯は俺が既に支配したも同然だぜ?道端にいる雑魚共だって俺が通れば立って頭下げてくれんだからよ。それに、何かあればすぐに俺の耳に入るようにしてある。八十神会の名に泥は塗らせねぇよ。」
流石だな……こいつの言葉には自信もあるからか、嘘には思えないし、確信を持てる。
八幡「ならいい。鬼頭、お前の所はどうだ?厳密に言うとシマではない。お前のまとめているαはどうだ?まだ意見が割れているのか?」
鬼頭「……割れています。拮抗状態というところです。攻撃派、防御派、無派閥、合わせて25名がバランスよく振り分けられているので、未だに攻撃派と防御派が言い合いをしているような感じです。」
八幡「まだ続いてるのかよ……」
有栖「鬼頭さん、貴方はどうされたいのです?貴方の考えは理解していますが、貴方の考えでαの動きは大きく変わります。貴方の作りたいように作って良いのですよ。勿論、当たり前の事ですが、総代の意向に背かない範囲で、ですよ?」
鬼頭「………ではこの幹部会が終わり次第、舎弟頭補佐を集めて話し合いを行います。もしどうしても話し合いが進まない場合は、俺の考えでこれからのαを作っていきます。それでもよろしいですか、総代?」
八幡「あぁ。チームの方針はお前に任せる。戦略を練るのは俺か有栖だからな、頼んだぞ。」
まぁ後は何とかするだろう。後は………
八幡「次はδだが、堀北……また須藤か?」
堀北「はい。私や補佐からも注意しているのですが、態度も素行も良好にはなっておりません。いっそγに行かせてみてはと思っています。」
龍園「あの猿の面倒をウチで見ろっていうのか鈴音?冗談キツいぜ、あんな奴の世話なんて見切れるかよ、めんどくせぇ。命令しただけでキレる奴をどうやって駒にしろってんだよ。」
堀北「貴方でも出来ない事はあるのね。」
龍園「出来ない?俺はめんどくせぇって言っただけで出来ないとは言ってねぇ。勝手に勘違いするんじゃねぇよ。俺をお前らと一緒にするな。」
堀北「………」
狂三「あらあら、少しおいたが過ぎますわね。今は会議中ですわよ?」
龍園「若頭、俺は別に会議を邪魔したつもりはねぇぜ?鈴音が変なこと言うから乗っかっただけだ。」
鈴音「物は言いようね。貴方は素直に謝罪出来ないのかしら?すみませんでした、時崎若頭。」
………まぁ良いだろう。
八幡「次からは気をつけろ。須藤に関してだが、様子見ってことにしておく。もしこのまま態度が治らないようであれば、坂柳組に戻すことも視野に入れてある。その事を須藤にも伝えておけ。」
堀北「……分かりました。」
八幡「βは……問題ないようだな。このままの調子で続けてくれ。一ノ瀬、何か報告はあるか?」
一ノ瀬「いいえ、特にありません。どれも順調です。人も足りてるので問題点も特にありません。」八幡「舎弟頭の報告は以上にする。じゃあ次は顧問、何かあるか?」
有栖「私からも特にありません。先程のδの須藤くんではありませんが、あまりにも組に悪影響を及ぼすようであれば、八十神会から坂柳組へと戻って頂きます。これは総代と坂柳組長が交わした内容です。自身のチームの人たちにも伝えておいてくださいね。」
八幡「……若頭はあるか?」
時崎「いえ、ありませんわ。」
八幡「そうか。なら俺からだな。後もう少ししたら、俺と狂三は修学旅行で3日間留守にする。だからまた坂柳顧問を総代代行に立てて、浅見を若頭代行に立てる。他はその補佐に当たれ。3日間だけだが、その隙をついて狙ってくる奴らもいるかもしれないから用心しておけ。敵は神戸連合だけとは限らない。八十神会以外の組の行動にも注意しておけ。俺からも以上だ。最後に質問や意見はあるか?」
周りを見渡すが、手を挙げている人物は居なかった。どうやら問題はなさそうだ。
八幡「よし、なら今日はこれで解散だ。各自チームにさっき顧問が言っていた事を確実に伝えろ。チーム内、もしくはこの組に泥を塗るような真似をするような奴はこの組から追放されることだと思え、ってな。」
そして舎弟頭全員が部屋から出て行った。残ったのは顧問の有栖と若頭の狂三と俺の3人だった。
有栖「またいなくなってしまうんですね………寂しいです。八幡さんはそうやって妻をおいて他の愛人とイチャイチャするのですね。」
八幡「結婚もしてねぇのになにが妻だ。まぁでも悪いとは思ってる。お前には負担ばかり掛けちまっていることも否めない。土産は何が良い?お前の欲しいものを買ってこよう。」
有栖「考えておきますわ。あっ、でも1つだけ絶対に欲しいものがあります。」
八幡「何だ?」
有栖「八幡さんをください♪」
八幡「18歳になってみてお前の事が1番に好きだったらくれてやるよ。もちろんその時は、お前は俺のものになってるけどな。」