やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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依頼の拒否

 

 

八幡side

 

 

高校生活において最も楽しむべきイベント、それは秋に行われる2年生の伝統行事である修学旅行だ。行き先は関西の京都なのだが、俺としては少し厄介な場所だ。敵の本拠地だからだ。今回は修学旅行という名目で行くから組の代紋は背負ってないが、もし俺の正体がバレていたら必ずあっちから突っ掛かってくる筈だからな。俺だけなら良いが、学校を巻き込むわけにはいかないしな。

 

だが個人的にはこの修学旅行は不参加にして欲しいと思っている。比企谷組若頭としての仕事と八十神会総代としての仕事があるからだ。代理を任せている有栖の負担がただでさえ大きいのに、これ以上無償では任せきれない部分も出てくる。少し有栖には褒美をやらないといけない感じもするし。

 

 

だが今は目先の事を考えよう。それは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

班決めである。因みに俺の居る班は……

 

 

○班

 

比企谷八幡

時崎狂三

川崎沙希

 

 

この3人だけである。皆グループで作ったか、仲良しで作ったかになるな。まぁ別に良いけどよ。だがこれじゃあ残った奴等と組む事になりそうだ。

 

 

八幡「もう余った奴等と組むで良いだろ、時間取るのもアホらしいし勿体ねぇ。」

 

狂三「そうですわね。」

 

???「比企谷君、だよね?」

 

 

俺の前に来たのは白みがかったグレーの短髪でジャージを着ていて、短パンの下にはスパッツを着用した生徒だった。ほう、このルックスで男子かよ。このクラスの女子、顔面偏差値でコイツに負けてんじゃね?失礼だから言わないけど。

 

 

八幡「あぁ、そうだが?」

 

戸塚「半年も一緒なのに話したのは初めてだよね。僕は戸塚彩加です、よろしくね。」

 

八幡「あぁ、よろしく頼む。俺にとっては初めての男子の友達って感覚だな。」

 

戸塚「……比企谷君、僕が男だって分かるの?」

 

八幡「?女子だったのか?」

 

戸塚「ううん、男子だよ!凄いよ、最初から僕を男として見てくれた人は比企谷君だけだよ!」

 

八幡「え、マジ?ソイツ絶対見た目だけでしか判断しない奴だろ。俺ならそんな事はしないぞ?」

 

戸塚「ありがとう!ねぇ、今日初めて話した相手だけどさ、比企谷君の事名前で呼んでもいいかな?何だか比企谷君とは仲良く出来そうだから!」

 

八幡「自分で言うのも何だが、俺ヤクザだぞ?」

 

戸塚「関係無いよ!それに比企谷君って学校での評価とか凄く高いんだよ!多分学校の新聞とか読まなさそうだから知らないと思うけど。」

 

 

学校の新聞か……そんなのもあったんだな。今度見てみる事にするか。

 

 

八幡「まぁお前が名前呼びしたいのなら好きにしろ。俺は別にどっちで呼ばれたいとかそういう拘りは無いから気にしない。」

 

戸塚「うん、分かったよ八幡!」ニコッ!

 

 

………すげぇ、邪心を一切感じない笑顔だ。

 

 

ーーー放課後・奉仕部部室ーーー

 

 

八幡「雪乃〜、お邪魔しても良いか?」

 

雪乃「あら、比企谷君。お仕事かしら?」

 

八幡「いや、今日はゆっくりしたいだけだ。この空間はそれにもってこいだからな。邪魔だったら出て行くが、俺が居ても平気か?」

 

雪乃「依頼の邪魔をしないのであれば構わないわ。(寧ろ貴方だったらずっと此処に居て欲しいわ。)」

 

八幡「そうか、サンキュー。」

 

 

俺は扉側にある椅子に座って楽な姿勢を取る。ベッドを使いたいところだが、あれは睡眠不足の時に使うと決めているから、普段は使用しない事にしている。俺の私物みたいに言ってしまったが、他誰も使わなくね?使ってるのか?

 

 

雪乃「そういえば比企谷君、修学旅行の班決めは終わったの?」

 

八幡「あぁ、取り敢えずはな。あまりもんの班だから可もなく不可もなくってところだな。」

 

雪乃「やはりクラス内では比企谷君はまだ浮いた存在なのかしら?」

 

八幡「ぽいな。まだヤクザっていうのが抜けないらしい。まぁ簡単に抜けられても困るけどよ。一応本当の事だし。」

 

 

だがそう考えると戸塚の奴は凄いな……俺をヤクザだと知っていながらあの行動力だ。多分この学校の大抵の男子よりは芯は強いと思う。度胸も。

 

 

コンコンッ

 

 

雪乃「………どうぞ。」

 

 

………あれ?今なんか雪乃の声が少し低くなかったか?

 

 

葉山「やぁ。」

 

 

葉山、それに戸部も。

 

 

雪乃「何か?」

 

 

おい雪乃、今の言い方なんか棘があるように聞こえなくもないぞ?低い声で『何か?』は無いぞ?

 

 

葉山「ちょっと相談事があって連れて来たんだけど………聞いてもらえないかな?」

 

八幡「なら俺は居ない方がいいか?」

 

雪乃「いいえ、貴方はお客人だから居てくれて構わないわ。ゆっくりしていて。(寧ろこの部活が終わるまでずっと此処に居てちょうだい。)」

 

八幡「そ、そうか?」

 

雪乃「それで相談とは?」

 

葉山「……ほら。」

 

戸部「いや、やっぱやめとくわ~。なんかあんまり他人には聞かせたくない相談事っしょ~これ。」

 

葉山「頼みに来ているのはこっちなんだから、そんな事を言うなよ。」

 

戸部「いやでもさ~、なんか気が引けるっていうか~、比企谷君に相談しても答えがかなりストレートになって帰ってくるような気がするんだわ~。」

 

八幡「何で悩んでいるのかは知らんが、とりあえず俺は出る事に「待ちなさい。」……え?」

 

雪乃「何処へ行くの?」

 

八幡「いや、依頼だろ?俺が居たんじゃ言い辛そうにしてたからお暇しようと思っだけだが……」

 

雪乃「出ていく必要は無いわ。だって彼等がお引き取りすれば済む話だもの。」

 

葉・戸「え?」

 

八幡「え?」

 

雪乃「礼儀も知らない、礼節も弁えない、そんな輩の相談をこちらが聞く必要なんて無いでしょう。それに何よりも1番許せなかったのは比企谷君を邪魔者扱いした事よ。早急にお引き取り願うわ。私はそちらの相談とやらをもう聞きたくないわ。出て行ってちょうだい。」

 

 

………さっきまで普通だったよな?隠してたのか?もしかして今日の雪乃、機嫌悪い?

 

 

 

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