八幡side
………葉山達はその後、何とか話だけでも聞いてくれないかと頼み込んでいたが、雪乃は全く受け付けない状態だったので、結局そのまま出て行ってしまった。けど、受けない理由って俺だったんだ。俺を邪魔者扱いしたからって理由ぶっ飛びすぎじゃない?そして雪乃の奴、なんか少し不機嫌じゃね?
八幡「………あー雪乃?質問していいか?」
雪乃「何かしら?」
八幡「今お前って機嫌悪かったりする?」
雪乃「………そうね、彼等が発した言葉に気分を害する言葉が含まれていたから、それでかしらね。」
八幡「そうか……やっぱりそうだったか。」
雪乃「っ……そんなに不機嫌そうに見えるのかしら?怒ってそうな顔をしていたの?」
八幡「顔もそうだが雰囲気がな。『私、今怒ってます。』みたいな雰囲気を曝け出してたぞ。」
雪乃「そうだったのね、ごめんなさい。決して比企谷君のせいではないから安心して頂戴。」
あぁ、それは本当に安心した。俺のせいで不機嫌になってしまっのではないかって思っちゃったよ。
八幡「………」
ポンポンッ
雪乃「え?」
八幡「………」ナデナデ
雪乃「え、あ、あの……比企谷君?」
八幡「ん?何だ?」ナデナデ
雪乃「こ、これは………何かしら?」
八幡「何の………あっ、すまん。無意識にやってたわ。はな「さなくて良いわ。続けてもらっても良いかしら?」……-いいのか?」
雪乃「えぇ、お願いしても良いかしら?」
八幡「………まぁ、お前が良いなら。」
雪乃「♪〜」
分からん奴だ……撫でるのをやめようと思ったら続けるように言ってくるし、しかも今はすげぇ気持ち良さそうにしている。いや別に良いんだけど、普段とのギャップがあるから今の雪乃を見たら違和感しかないな。
ーーー10分後ーーー
八幡「………」
雪乃「すぅ……すぅ……」
え、ちょっと?この子寝ちゃったんだけど?部活ほったらかして眠りに掛かってしまったんですけど?しかもなんかさっきよりも椅子の位置近いし、俺の肩を枕代わりにしちゃってるよこの子。寄ってきてるよね?これ絶対寄ってきてるよね?
雪乃「すぅ……すぅ……」
八幡「……部活終わるまで待つか。」
コンコンッ
え?こんな時に依頼人?あぁ〜どうしよう……俺が勝手に受けるわけにもいかねぇし、だからといって勝手に入れさせるのも気が引ける。
仕方ない、居留守だ。
ガラガラ〜
おいっ、勝手に入ってくるなよ!
海老名「こんにちは〜……っあれ、ちゃんといた。何とか言ってよ〜。」
八幡「済まんな。けど今はこの部屋の部長さんがお休み中でな、依頼しようにも聞けない状態だ。依頼ならまた今度にしてくれ。」
海老名「うぅ〜ん困ったなぁ……今でなきゃ都合が悪いんだけどな〜。」
八幡「そんなに急ぎなのか?」
海老名「うん、とべっちの事なんだけど……」
さっき来たな……まさかそれと関係しているのか?依頼内容聞いてないから分からないけど。
八幡「戸部ならさっき葉山と此処に来たが、雪乃の機嫌の損ねて依頼は拒否された。だから俺らは何ら関わりはねぇぞ。俺は元々ねぇけど。」
海老名「あれ、そうなの?てっきり依頼を受けたものだと思い込んでたよ〜。」
八幡「何?お前らのグループで面倒事でも起きてんの?だとしたらこの部に持ち込むのはやめろよ?そんなのこいつからしてみれば良い迷惑だからな。」
海老名「あはは……正論だね。でも雪ノ下さんが依頼をお断りしたのなら私も依頼をする気はないからもう帰るね。」
八幡「興味があるわけじゃないが、お前らのグループで何か起きてんの?ホントにすげぇどうでもいいし、興味ないけど。」
海老名「うぅ〜ん、言えないかな。」
八幡「なら最初から依頼しに来んな。ハッキリ言えない依頼なら、こいつは受けないと思うぞ。仮に俺がこいつの立場だったら絶対に受けねぇ。」
だってそうだろ?グループ内は良くて他の奴らはダメだったら、そのグループ内で解決して欲しいものだね。正直言って迷惑でしかない。
八幡「まぁ雪ノ下からって葉山にも伝えておいてくれ。『面倒事なら貴方達のグループで解決して。私の部活は便利屋じゃない。』とでもな。」
海老名「うん、伝えておくよ。それじゃあね。」
そう言って眼鏡の女子は部室から出て行った。一体何なのかねぇ?あのグループが抱えている問題は?
八幡「しかし起きないねぇ……こいつ普段どのくらい寝てんの?ちゃんと睡眠取ってる?俺も忙しい時は2〜3時間くらいしか取ってないから人のことは言えないが、雪乃がこんなにも起きないって珍しいな。修学旅行が楽しみで眠れないとか?」
ーーー最終下校時刻ーーー
八幡「おーい雪乃、起きろ〜。下校時刻だぞ〜。」
雪乃「……んっ、んん……比企谷君?」
八幡「おう、比企谷君だ。おはよう。」
雪乃「おはよう……?あら?私は………っ!ひ、比企谷君!今って何時!?」
八幡「最終下校時刻だから5時半。」
雪乃「な、なんて事………ずっと寝ていたなんて。まさかその間、ずっと比企谷君が?」
八幡「お前を1人にしておくわけにはいかないからな。不埒な輩が来てお前に如何わしい事をするかもしれないからな、そんなわけだ。」
雪乃「あ、ありがとう……それと、こんな時間までごめんなさい。」
八幡「気にすんな。」