八幡side
ーーー清水寺ーーー
やっと今日の目的地に着いたか……まぁ今は幸い班行動じゃないから好きなように行動が出来る。今日で自由にできる時間は今くらいだろうな、自由に回れるのは。あとは明日に各自で行動できるくらいだ。さて、俺は何処に行くかね………
狂三「では何処から見てまわりましょうか?」
八幡「……お前も自由にして良いんだぞ?ていうか自由にしろよ、今だけだぞ?」
狂三「では私もこう言いますわ。私は八幡さんと行動を共にしたいので、八幡さんの行きたい場所にお供いたしますわ。」
八幡「……お前の行きたい場所ってないわけ?」
狂三「特にはありませんわ。ですが、気になる所はございますわ。」
八幡「ならそこに行けば良いだろ。」
狂三「そこは1人で行くには少し勇気がいる場所ですから八幡さんが宜しければ……」
八幡「……そこって地主神社の恋占いの石のことじゃねぇだろうな?」
狂三「流石は八幡さんです♪私の心の中はお見通しというわけですわね♪」
八幡「はぁ………分かった、じゃあ行くぞ。」
狂三「はい♪」
ーーー地主神社・手前側の石ーーー
狂三「……中々並んでいますわね。」
八幡「だが成功した奴はまだいないようだ。」
狂三「一見簡単そうに見えますけれど、どうやらそれなりに難しいようですわね。」
平衡感覚がなくなるとかか?それとも他の何かか?まぁ俺は待つ側だから別にどうでもいいけど。
ーーー数分後ーーー
狂三「私達の番ですわね。」
八幡「おう。そんじゃ待ってるからやって来い。」
狂三「はい、では行って参りますわ。」
しかし、アドバイスをするのもありなのか………その場合は誰かに助けを貰って恋が成就されるみたいだ。けど狂三は1人で行くって言ってたみたいだからそのまま行かせてやろう。とはいえ、なんかあったら危ないから少し距離を置いた場所で見守るか。
狂三「………」
集中しているな。この調子なら………ん?あいつらは………何する気だ?………っ!
俺は少し離れた場所から狂三を見守っていたが、その近くにいた男が狂三に近づいていた。イタズラをしようとしているつもりだろうが、これは見過ごせないな。
八幡「おい。」
「っ!?」
八幡「テメェ今何しようとしていた?」
「な、何の事だよ!?」
八幡「お前、今狂三に手を出そうとしていたな?」
「し、知らねぇよ!」
八幡「ほう、そうか。ならその手に持っているスマホのアプリは何ていうんだ?俺にはカメラに見えるんだが?」
「観光してたんだ!これくらい起動させるだろ!」
八幡「録画状態にしながらカメラを上向きにしてか?あり得ねぇな。」
「う、うるせぇ!」
男は俺に殴りかかってきたから俺はその腕を後ろに受け流して男の足を引っ掛けて転ばせた。その拍子に男が手放したスマホの写真を念の為に確認した。
八幡「うわぁ………マジかよ。」
中身は女性の下着を盗撮した動画やら画像が保存されていた。しかも10枚なんて数じゃない。今日だけで50枚とかそんな数だ。こいつ………もう突き出すしかねぇだろ。
「お、おい!それを返せっ!」
八幡「返す訳ねぇだろ。開館時間と同時に盗撮か?随分と暇な奴なんだな、お前。」
「お、お前っ!言ったな……僕の、僕だけの秘密だったのに……っ!!」
八幡「その秘密にウチの学校の女が巻き込まれてんだ、無視するわけねぇだろうが。それに安心しな。お前に逃げ場なんてねぇし、警察も呼んである。盗撮が趣味の男を捕まえたので来て下さいってな。」
その後もその盗撮男は何とかしてスマホを取り返そうと躍起になっていたが、動きがどうのこうの以前にメタボだから、メチャメチャ動きが鈍くて余裕で躱せる。ていうか周りの視線が痛いな……特にあの盗撮男に向ける視線の嵐がすげぇ。狂三なんて今にも殺せそうな目で見てるし。
ーーー数分後ーーー
警察「ご連絡があったのは此処ですか?」
八幡「あぁ、はい。コイツです。この男が隣に居るウチと同じ女子生徒を盗撮しようとしていました。未遂でしてたが、その前にも盗撮していたみたいです。この携帯に写真が入ってます。」
警察「ご協力感謝致します!おい、連行しろ。」
男は項垂れたまま警察に連行された。とりあえずこれで一件落着だな。さて、俺らも退散するか。
パチパチパチパチッ!!
………今目立ってる以上に目立たないように!!
ーーー音羽の滝ーーー
狂三「……何故逃げる必要があったのです?」
八幡「あの場に留まってみろ、見世物になるようなものだろ。そんなのはゴメンだ。」
狂三「八幡さんは相変わらずですわね。それよりも、此処は音羽の滝ですわね。これなら八幡さんも参加できると思いますわよ?やっていかれませんか?」
八幡「そうだな。ちょうど喉も渇いていたし、願い事がてら水分補給するか。」
狂三「そうですわね。八幡さんのおねが………八幡さん、あれを。」
八幡「ん?なんだ?なんかあるの………えぇ〜嘘だろ、幾ら出会いがないからってダメだろそれは。」
俺らが見た光景は、平塚先生が恋愛成就の水を手に入れようとしていた。ん?普通だって?片手にビ○グマンの空きボトル持って手に入れようとしていなければ普通だろうよ。絶対に届かねぇだろ、アレ。