世界ランカーにはチートはいりませんよ。   作:天道 士

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 原作の主人公登場と事件の発端について書くため、随分と長くなってしまいました。


第十話

 

原作主人公(キリト)side

 

 

「いらっしゃいませ。」

 

 

 店を見渡すと、俺を呼び出した人物はすぐに見つかった。

 

 

「おーい。キリトくん、こっちこっちー。」

 

「あ、ぁ。」

 

 俺は少し俯きながら、呼ばれた方へ歩いて行った。

 席に着くと、その男は、

 

「ここは僕がもつから、何でも好きに頼んでいいよ。」

 

 と言った。

 

「じゃあ、遠慮なくそうさせてもらいます。」

 

「ぎこちないなー、その喋り方。話づらそうだから、ALOと同じでいいよ。」

 

 現実ではあの事件以来、お世話になっているがこの男はどこか信用ならい。と思うところがある。

 

「そ、そう。じゃあ、それも遠慮無く……。」

 

(「って、たっか!こんなの奢るとかこの男本当になにを考えているのだろう?まあ、遠慮なく頼むが。」)

 

「え、えと、カフェ ア ラ ネージュと、りんごのシプースト。それから、シュー ア ラ クレーム。」

 

「ご足労願って、悪かったねー。」

 

 と、全く悪びれることなくその男は言った。

 

「そう思うなら、銀座なんざ呼び出すなよ。それと、人前でその呼び方は辞めてくれ。」

 

 心の底からそう俺は思う。

 

「うん?つれないなー。一年前に病院で目覚めた君のもとに、真っ先に駆けつけたのは僕じゃないか。」

 

 それを言われたら、何も言い返せないが…。

 

「で、何のようなんだ?もう、SAO関係の話は随分と喋った筈だろ?菊岡さん。」

 

 菊岡はメニュー表を閉じた。

 

「ところが、今日はちょっと違っててね。これを見てくれ。」

 

 そう言って、菊岡はタブレットを取り出し、俺に渡した。そこには、知らない人物の写真が写っていた。

 

「誰だ?」

 

 そう言って返すと、菊岡はテーブルに置いて、俺に見せながら説明し出した。

 

「えーと、先月11月の14日だな。東京都中野区の某アパートで、掃除をしていた大家が、異臭に気付いた。これはと言うことで電子ロックを解除して、踏み込んで、この男を死んでいるのを発見した。死後5日半だった。部屋は散らかっていたが、荒らされた様子はなく、遺体はベッドに横になっていた。そして頭に……。」

 

「アミュスフィアか。」

 

 俺は思わずそう口にしていた。

 

「その通り。変死ということで、司法解剖が行われた。死因は急性心不全となった。」

 

「心不全ってのは、心臓が止まったってことか。何で止まったんだ?」

 

「わからない。」

 

 

「お待たせ致しました。」

 

 ウェイターが頼んでいたものを持って来てくれた。

 

「死亡後、時間が経ち過ぎていたし、犯罪性も薄かったこともあって、あまり精密な解剖は行われなかった。ただ、彼は二日間何も食べずにログインしっぱなしだったらしい。」

 

「その手の話は、そんなに珍しくないだろ。何があるんだこのケースに。」

 

「インストールされていたゲームは、ガン ゲイル オンライン知ってるかい?」

 

「そりゃもちろん。日本で唯一、プロがいるMMOゲームだからな。」

 

「彼はガン ゲイル オンライン、略称GGOで、10月に行われた最強者決定イベントで優勝していた。キャラクター名はゼクシード。」

 

「じゃあ、死んだ時もGGOに……。」

 

「いや、MMOストリームという番組に、ゼクシードの再現アバターで出演中だったようだ。ログで時間が分かっている。で、ここからは未確認情報なんだが、丁度彼が発作を起こした時刻に、GGO内で妙な出来事があったって、ブログに書いているユーザーがいるんだ。」

 

「みょう?」

 

「とある酒場で、問題の時刻丁度に一人のプレーヤーが、おかしな行動をしたらしい。なんでも、テレビのゼクシード氏にむかって、裁きを受けろ。などと叫んで銃を発砲したということだ。それを見ていたプレーヤーの一人が、偶然音声ログを撮っていて、動画サイトにアップした。ファイルには日本標準時のカウンターも記録されていて、テレビへの銃撃とゼクシードが、番組出演中に突如消滅したのがほぼ同時刻だった。」

 

 そんなSAOじゃあるまいし、俺はりんごのシプースを食べながら、聞き流した。

 

「偶然だろ。」

 

「もう一件あるんだ。」

 

 思わず俺は、食べている手を止めた。

 

「っ何?」

 

「今度のは11月28日、埼玉県さいたま市某所。やはり、二階建てアパートの一室で、死体が発見された。新聞の回郵員が中を覗くと、布団の上にアミュスフィアを被った人間が横たわっていて、同じく異臭が____。」

 

「「っんふ、ウッフン。」」

 

 隣の席から注意されてしまった。

 

「ま、詳しい死体の状況は省くとして、今度も死因は心不全。彼もGGOの有力プレーヤーだった。キャラネームは、うす塩たらこ。今度はゲームの中だね。彼はその時刻、ギルドの集会に出てたらしい。そこで乱入したプレーヤーに銃撃された。」

 

「銃撃した奴はゼクシードの時と同じなのか?」

 

「おそらく。やはり、裁き,力といった言葉の後に、同じキャラクターネームを名乗っている。」

 

「どんな?」

 

「デスガン。」

 

「デス、ガン?」

 

「ま、九割方偶然か、デマだろうとは僕も思うよ。だからここは仮定の話さ。キリトくんは可能だと思うかい?ゲーム内の銃撃によって、プレーヤー本人の心臓を止めることが____。」

 

「有り得ない話だと思うけど…………。菊岡さん、アンタ実はもう一通り検証済みじゃないのか?エリート様連中が、頭を絞った後なら今更俺なんかの出番はない筈だぞ。」

 

「いやいやいや、僕はキリトくんにそんなことするわけないじゃないか。」

 

と、菊岡は慌てて否定した。

 

「僕は君と話すのが、好きなんだから。」

 

「やめだ。結論、ゲーム内からの干渉で、プレーヤーの心臓を止めるのは不可能。銃撃と二人の心臓発作は偶然に一致。」

 

 そう言って、俺は帰ろうとしたが、彼はそれを止めた。

 

「まった、待った。ケーキもう一つ頼んでいいからさ、あと少し付き合ってくれ。いやー、キリトくんがその結論を言葉にしてくれて、ホッとしたよ。実は僕も同じ考えなんだ。この二つの死はゲーム内の銃撃によるものではない。ということで、改めて頼むんだが……、ガン ゲイル オンラインにログインして、このデスガンなる男と接触してくれないかな。」

 

「ハッキリ言ったらどうだ?菊岡さん。撃たれて来いってことだろ。」

 

 と言うと、菊岡は頭を掻きながら、

 

「いやーまあ。」

 

 と、認めた。

 

「やだよ。何かあったらどーすんだよ!」

 

 そう言って背を向けると、服の裾を掴まれた。

 

「さっきその可能性がないって、合意に達したじゃないか。それにこのデスガン氏は、ターゲットにかなり厳密なこだわりがあるようなんだ。」

 

「こだわり?」

 

 俺は椅子に座り直して、モンブランを追加で頼んだ。

 

「イエス。ゼクシードと、うす塩たらこは、名の通ったトッププレーヤーだった。つまり、強くないと撃ってくれないんだよ、多分。彼の茅場先生が最強と認めた君なら。」

 

「ムリだよ!GGOってのはそんな甘いゲームじゃないんだ。プロがウヨウヨしてるんだぞ。」

 

「それだ。そのプロってのは、どういうことなんだい?」

 

「文字通りだよ。GGOは全バーチャルMMOで唯一ゲームコインの現実還元システムを採用しているんだ。」

 

「ほお。」

 

 菊岡は興味深そうに、呟いた。

 

「簡単に言えば、稼いだ金を現実の金として、ペイバッグすることが可能なんだよ。プロってのは、GGO内で毎月コンスタントに稼ぐ連中さ。トッププレーヤーで、月に20万〜30万ってとこらしい。そういった理由でGGOのハイレベル連中は、他のMMOプレーヤーとは比較にならないほど、時間と情熱を注ぎ込んでいるのさ。俺なんかが、のこのこ出ていっても相手になるもんか。他をあたってくれ。」

 

「まったまった、他の宛なんてないってば、プロの相手が荷が重いって言うのであれば、調査協力費という名目で報酬を払おうじゃないか。これだけ。」

 

そう言って菊岡は指を三本立てた。

 

「何でそこまでこだわるんだ?ネットに有りがちな、オカルト話しじゃないか。」

 

 そうだそこまでこの男が気にかけるには、それだけの理由が必要だ。

 

「実はね、上の方が気にしてるんだよね。フルダイブ技術が現実に及ぼす影響というのは、今や各分野で最も注目されている。この一件が、それを規制しようとする勢力に利用される前に事実を把握しておきたい。その核心がほしい。こんなところでどうかな。」

 

「へぇ。」

 

「だから、真相を知るにはGGO内で直接、接触する他ないんだよ。行ってくれるかい?」

 

 

 




ここまで読んでくださりありがとうございます。

???の正体は誰がいいでしょうか。

  • 主人公(黒田直樹)
  • 新たな敵(既存)
  • 新たな敵(オリキャラ)
  • シノン(朝田詩乃)
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