世界ランカーにはチートはいりませんよ。   作:天道 士

12 / 16
 次回の投稿が遅れるかもしれないので、予めご承知おき下さい。


第十二話

詩乃side

 

 

 

 

 

 

「詩乃は俺に前世の記憶があるって、言ったら信じてくれる?」

 

 そう言った彼の顔は真剣そのものだった。

 

 

 

 

 

 

「俺は前世で人を殺したんだ。何人もの人をこの手で。」

 

 彼はどこか遠くを見つめていた。

 

「高校2年の時、俺は部活仲間とカラオケに行った後、一人でお金を下ろしに郵便局に立ち寄ったんだ。

 そこで事件が起きた。銃を持ち、覆面を被った男たちがいきなり現れたんだ。

 そこで俺はその内の一人の男から、銃を奪いその場にいた覆面の男たちを全員殺した。   

 何の抵抗をさせる余地を与えずに俺は___。

 最後の男は完全にもう戦意はなかったんだ。けど俺は、俺はそいつを殺したんだ。

 全員、全員だぞ!そいつら一度も銃を撃つことすら、してないのに!それなのに俺は______殺したんだ。

 きっと、その時の俺は狂っていたんだ。

 いや違う。

 元からだ、元々俺は狂っていたんだ。

 今だって俺は狂っている。こんなことを話しところで罪が軽くなるわけでも、ましてや、なくなることなんてないのに…!

 俺は殺人鬼なんだ。人を沢山殺した。

 でもこの世界で、GGOで合法的に人を殺せると知った時、俺は喜んだんだ!殺してもいいんだと。殺せるんだと。そして俺は忘れようとしていた。忘れてはいけないのに。自分から逃げたんだ。ゲームに。

 そう。ゲームだ。俺はきっと殺した時も、ゲームだと思って人を簡単に殺したんだ。

 だからあんなに楽しそうに、無抵抗な人間を簡単に、単純に、何も考えず!

 おれはひとを殺した、ん、だ____。」 

 

 

 

 

 彼は泣いていた。さっきまで、大声で怒鳴っていたのに、静かに。自分を抱えて。

 

 彼は声も出さずに泣いていた。

 

 

 

 

 

 私は彼をどうすることも出来なかった。

 

 私は……。私はどうだろう。私も人を殺した。

 けど、彼のようにこんなに自分を責めるほど、殺した人のことを考えたことがあっただろうか。

 それどころか、私はさも自分だけが被害者かのように思っていたではないか。

 彼の強さがようやく分かった。彼の強さは、どんな困難でも真っ直ぐに立ち向かえるところだ。自分の罪から逃れることなく、真っ直ぐに向き合い、苦しんで。

 やはり、彼は強い。

 そんな彼が自分に本当のことを打ち明けて、話してくれたのに私は何をしているのだろう。私も話さなければ____何を?私も貴方と同じ人殺しです。とでも言えばいいのか。

 違う。そうじゃない。そんなことを言いたいわけじゃない。私は、私は………!

 

 

 

 

 いつの間にか震えていた私の手を彼が握っていた。彼の手もまた私のように震えていた。




 ここまで読んで下さりありがとうございます。

???の正体は誰がいいでしょうか。

  • 主人公(黒田直樹)
  • 新たな敵(既存)
  • 新たな敵(オリキャラ)
  • シノン(朝田詩乃)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。