と言うことで、一日遅いですが、あけましておめでとうございます。
新年をお祝いしての投稿です!
今年もよろしくお願いしますm(*_ _)m
-DEAIKEIBASYA-
クリスの言う最終目的地へと向かう馬車にて、出発時刻を待っていた。
四人乗りではあるものの、現状他の客がいないために貸切状態。
このままだといいなあと思っていたのだが、世の中そんなに甘くはなかった。
「失礼します」
「はーい。ってゆんゆん!?」
「え?クリスさん?カズマさんも!?お二人で何してるんですか?」
出来れば知り合いには会いたくなかったのだが、仕方ないか。
でもまあ、ゆんゆんで助かったな。
ここはちょっとびっくりさせてみるか。
「愛の逃避行ってやつかな。アイツらには内緒で駆け落ち中」
「えっ、ええええええ!?」
「ち、違うからね!」
うんうん。
急な事に驚き顔を赤くするゆんゆんに、恥ずかしがって必死に否定するこれまた顔を赤くしたクリス。
いい眺めだ。
「ってのは嘘で盗賊系のクエストを二人で受けてる所だ」
「そ、そうですよね。カズマさんはめぐみんですもんね」
「俺がめぐみんって何のことだ?」
「えっと、こっちの話です。すみません」
「クリスも分かった風に頷いてるけどなんの事だよ」
二人だけわかってるみたいな感じでイラッとする。
どうせ、俺はめぐみんの保護者だとかそういう話だろう。
「分からなくても問題ないよ。その内分かるだろうし」
「・・・あっ、そうだゆんゆん。これ、あげる」
その内っていつだ?
そんなことよりも大事な話を思い出した。
「えっと、これは?」
「もし、身に危険を感じたらこの魔道具で俺を呼んでくれ。可能な限り早く助けに行くから」
支度する時に魔道具店で見つけた警報装置をゆんゆんに渡す。
これは使用者が鳴らすと、対になる装置を持っている人に警告音と共に居場所を通知してくれる優れもの。
「ど、どうしてこんな物を私に?」
「ゆんゆんは俺の命の恩人だから」
「命の恩人ですか?」
「昨日、オークに襲われて、紅魔の里近くで味わったトラウマを思い出してるんだよ」
あの時のことは絶対に忘れない。
ゆんゆんをパーティーメンバーになんて考えたりもしたけど、めぐみんがいるからな。
「あっ、あの時の」
「俺決めたんだ。ゆんゆんのことは何があっても守るって」
「あ、ありがとうございます」
ソロは危険が多いからな。
少しでも安心材料と言うか支えになるのが恩返しになると思う。
「ここだけ聞くとプロポーズが成功したみたいに見えるんだけど」
「え、えっと」
クリスのせいでゆんゆんがパニック状態になってパンクしてる。
こうなったゆんゆんは変な事言い出すから危ない。
ここは俺が早く話題を変えないと!
「一応言っとくけど、俺が好きなのは」
って何言ってんだ俺は!
まずい。
ゆんゆんが俺への興味で元に戻ってるけど、今度は俺がヤバい。
「好きなのは?」
くっ、こうなったら言うしかない。
俺が愛するアイツの名前を言ってやろう。
「俺が好きなのは、俺の嫁は俺の布団だ!」
「・・・布団?」
「カズマさんって、お布団と会話出来るんですね!」
「ゆんゆん、そういう意味じゃないから」
「え?」
めぐみんがゆんゆんは無機物とも友達になれる本を読んでたと言う話を聞いてたけど事実だったとは……
めぐみん、疑って悪かった。
「ともかく、俺が好きなのはめぐみんだからさっきのはプロポーズじゃない」
・・・あれ?
なんか俺、今おかしなこと言ったような気がする。
でも二人とも頷いてるしな。
多分間違ったこと言ってないと思う。
「最初からそう言えば良かったのに」
「やっぱりカズマさんもそうなんですね」
「お、おう。なんかゆんゆんは勘違いしてると思うけど、取り敢えずそういうことだ」
ゆんゆんは俺が布団と会話できると思ってる気がする。
「も」って表現が表してる。
「あ、あの、いつから好きなんですか?」
「いつから?まあ、気付いたら片時も離れたくない存在になってた」
不登校始めるよりも前から布団とはあまり離れたくなかったしなあ。
学校行かなくなってからはほぼ一緒に過ごしてたし。
「クリスさん聞きましたか!」
「うん。まさかカズマくんがこんなにもめぐみんのこと思ってるなんて思わなかったよ」
「ちょっ、ちょっと待て。なんでめぐみんの名前が出てくんだよ。今布団の話だろ?」
「・・・俺はめぐみんが好きだからってさっき言ってたよね?」
変な感じはそういうことだったのか!
「いや、違うからな。ちょっとめぐみんのこと考えてたから置き換わっただけだって」
ゆんゆんの話でめぐみんが話してたの思い出してからだ。
無意識に本音がポロリではない。
「さっきめぐみんのこと思い浮かべるようなことあったかな?」
「なかったと思いますよ。それでもめぐみんのこと考えてたってことはやっぱり!」
ゆんゆんが凄く目をキラキラさせてる。
この子は俺とめぐみんの関係何処まで知ってるんだろうか?
多分、めぐみんサイドの話は嫌ほど聞かされてるだろうからな。
「だから違うって、確かにアイツのこと好きかもしれないなあって思ったりはしてるけど、そういうのじゃないって」
「かもしれないって何さ」
「だって今クリスに求婚されたら二つ返事で了承するからな」
なんの迷いもなく、手を取ると思う。
だってクリスは常識人だし、俺のこと甘やかしてくれるし、エリスさまだし、メインヒロインだからな!
「そんなこと起こらないけど、分かったよ」
「気になってたんですけど、カズマさんとクリスさんはいつからの仲なんですか?」
「えっと、カズマくんにパンツ盗られた時からかな」
数少ない常識枠のゆんゆんになんて事言ってくれてんだろうか。
これは責任取って貰わないといけないと思う。
「・・・カズマさん、最低」
ゆんゆんからの冷めた目は何よりも俺の心を抉ってくる。
「ち違う!あれは事故だから!その後めぐみんのもとれたけどアレは俺の意思じゃない!てかクリスこそ、俺にパンツ盗られたリベンジとか言って俺のパンツ盗りにきてただろうが」
よし、ゆんゆんの冷たい目が俺からクリスに移った。
クリスも怯んでるみたいだ。
やっぱりゆんゆんの冷たい目は攻撃力が高い。
「クリスさんって男の人のパンツが好きなんですか?」
「ち、違うから!アレはカズマくんのだから意味があったていうか」
「あっ!好きな人の下着が欲しいってことですか!」
何故そっち方面に話が行くのだろう。
そう言えばめぐみんがゆんゆんはむっつりだと言ってたっけ。
「それも違うよ!単に目には目を歯には歯をって感じで…」
「そうかそうか。俺のパンツくらいいくらでもやるぞクリス?」
「カズマくん。これ以上言うとバチ当てるよ?」
どうせアクアみたいなしょうもないやつだろう。
トイレに行きたい時に誰か入ってる的な。
「バチって言うと?」
「めぐみんかダクネスといい感じになった瞬間に邪魔が入る」
「・・・それいつものことなんだが?てか、邪魔がなかったら俺はとっくにめぐみんと紅魔の里で大人の階段登ってんだよ!逆にアレ何とかしてくれよ!」
あの日シルビアが現れさえしなければ、俺は今頃めぐみんと・・・
「こんなこと言ってるのにめぐみんのこと好きだって認めないなんて、やっぱりカズマくんはアクアさんの言う通りツンデレだね」
「ツンデレ、そう言えばめぐみんがカズマさんはツンデレでヘタレだって言ってました」
二人揃って言いたい放題言ってくれるな。
いや、二人っていうかアクアとめぐみんのせいなんだけども。
「よし、帰ったら真っ先にアクアとめぐみんを絞める。これで俺がアイツのこと好きだと思ってないのも証明できるだろ」
「とかいいつつめぐみんとひっつきたいんでしょう?」
ニヤニヤしてるクリスがウザイ。
頬っぺた引っ張ってやろうか。
「はぁ、もういい。分かった俺はめぐみんが好きだ。好き過ぎて一秒でも早く会いたいから帰る」
意図を理解してないゆんゆんが凄く眼を紅くして惚けてる。
対象的にクリスは慌てて取り繕うと慌てている。
「お、落ち着こう。帰るのは良くないよ」
「いいや、片時も離れたくない存在だからな」
「わ、分かった。さっきのは謝るから、帰るのだけは勘弁して!」
「しょうがねえなあ」
帰るとか言いつつも、ここから変える方法分からないからそもそも無理だけどな。
これ以上めぐみん関係で弄られるのは止めたい。
「カズマさん!」
「ゆんゆん?どうした?」
「私、カズマさんとめぐみんのこと応援してます!」
「お、おう」
純粋な目で言われたら否定出来なかった。
それに何処か心地よかった。
応援してるとか言われたの初めてだからだろうな。
俺のこれまでの努力はもっと褒められていいと思う。
アクアじゃないけど、もっと俺を褒めて褒めて甘やかして欲しい。
「一応言っとくが俺はツンデレじゃないからな。仮に俺がツンデレだったらクリスにぷろ『あああああ!!』」
「クリスさん!?」
「ごめん。今、すっごく大きいドラゴンが見えたと思ったらでかい鳥の影だったよ」
プロポーズしてないと言おうと思ったけど、無理だった。
プロポーズした俺が隠すのならわかるけど、どうしてされた側のクリスが騒ぐんだ?
「ドラゴンじゃなくて良かったです」
「そう言えば、ゆんゆんはこんな所で何してんだ?」
「私は修行です。めぐみんを超えられるように!」
「いつもはアクセルだよな?」
「昨日バニルさんから、この紙に書かれた指示通り、行動すればめぐみんを超えられるって聞いたんですよ!」
「・・・それ見てもいいか?」
「どうぞ」
「えっと、馬車に乗り目的地へ。馬車の中であった男性と共に行動しろ?」
「カズマさんのことですよね?」
「でも、俺次の街ではクリスと活動しなきゃなんだが」
「大丈夫だよ。ゆんゆんも一緒に街回ろう」
潜入とかどうするのだろうと思っていたが、この後ゆんゆんが眠ってから聞いた話によると、次の街は現地協力者がいるらしく、潜入とかはないようだ。
故にゆんゆんがいても問題ないよとの事だ。
そんな話を聞いて楽観視していた俺は後悔することとなる。
最終目的まではまだ数日かかるらしく、また、中間地点の街で宿泊することになった。ここでも活動はするらしいけど、楽に終わる算段が着いてるらしい。
ゆんゆんはバニルが宿を用意してくれてるらしい。
そして、俺たちはと言うと全然宿が見つからない。
もはやゆんゆんがバニルで俺らを嘲笑ってるようにも思えて仕方ない。
「俺たちの幸運値って何だよ!」
「あたしが聞きたいよ!行く街行く街で宿屋が空いてないなんて滅多にないのに」
「こうなったらラブホしかねえ」
ゆんゆんがこの街にいるから、あまり使いたくない手だが、この際仕方ない。
それに一回泊まったことがあるしそこまで気にしなくてもいいかもしれない。
「残念だけどこの街にはないよ」
「・・・じゃあどうすんだよ!」
なんで今回の旅は泊まる所に苦労するんだ・・・
いつもなら簡単に宿取れるのに。
まさか、移動中に厄介事に巻き込まれない反動なのか?
「野宿しかないかなあ。この辺はアクセルと変わらない周辺環境だから安全だよ」
「野宿かあ。それしかないか・・・」
初めの街では野宿って言い出したの俺だったけど、今日まで宿泊してたらから出来ればしたくない。
とはいえこうなっては仕方ない。
「夜は決まったから夕飯にしよう」
「中央広場の近くに美味しい店あるのか?」
「ないよ?」
「・・・じゃあどうしてゆんゆんとの集合場所そこにしたんだ?」
中央広場が下車地点だったから確認したけど、あの辺は食べ歩き用のお店しか無かった。
レストランが見え始めたのは商店街に入ってからだ。
わざわざ遠い中央広場にする理由が見つからない。
「明日、馬車に乗る前の集合場所でしょう?」
「ゆんゆんがクリスさんのオススメの店楽しみだなあって言ってたぞ」
「えっと、それはもう店名伝えてあるよ?」
「いつの間に?」
俺はずっと起きてからな。
寝てる間に話が決まったとかそう言うパターンじゃないのは確かだ。
「カズマくんが宿屋の場所聞いてる時にね」
「ああ、あの時か」
「と言うことで夕飯行くよ!」
楽しそうだなあ。
つまりこの街にはいいご飯があるってことだよな。
「で今日は何食べるんだ?」
「それは着いてからのお楽しみってことで」
「へいへい」
毎度このパターンだな。
まあ、何が出るのか考えるのも楽しいんだけど。
偶には何が食べられるのか知ってから入りたい。
「カズマさん!クリスさん!」
「おっ、ゆんゆん丁度いい所に、今日の夕飯何か知ってるか?」
「今日はパスタの美味しいレストランってクリスさんから聞きました」
「そうか。今日はパスタか」
ゆんゆんには話してると思ったが、当たりだったな。
パスタか。
ボロネーゼかカルボナーラかその他にも色々食べたいのはある。
「あ!カズマくんそれズルい!」
「えっと、何か私不味いことしました?」
「いいや。何も。それより、凄く今更な質問なんだけどいいか?」
俺は今更ながらゆんゆんがここにいると言う事に違和感を覚えた。
それを確認しないとな。
「はい。なんですか?」
「めぐみんの監視頼んでたんだけどそれってどうなってるんだ?」
「バニルさんが、めぐみんは何もしないから頼まれてくれと」
バニルが言うなら確実なんだろうけど、一番謝りに行く先増やすのはめぐみんだと思ってたから意外だな。
俺の予想だと、喧嘩吹っかけて母数を増やすのがめぐみんで、アクアは借金作る系、ダクネスはモンスター商会からの苦情等々挙げてない事も含めて何か起こってると思ってた。
確率的にはダクネスだけが何もしないのが一番現実的と踏んでたけど、違ったみたいだ。
「ほう。それで他に何か言ってなかったか?」
「えっと、他には何も」
そう簡単に他の誰かがやらかさないかは分からないか・・・
「その、なんだ。一応アイツの言った通りの言葉で教えて欲しい」
「ええっと、確か、爆裂娘は小僧のことで悩み何も起こさぬから心配せず依頼を受けるが吉。何かあれば代わりにウィズさんが動く故心配するなと」
めぐみんが悩んでるってことは、やっぱり目的がバレてるのか。
これはちゃんと何か買って帰らないとな。
てかウィズにはアクアのことも頼んでるのに、重荷になってなきゃいいんだが。
・・・待てよ?
バニルの考えが読めた。
ウィズをアクアとめぐみんの監視に付けて、ガラクタ仕入れさせない為だな。
バニルも苦労してる。
だからあんなに協力的だったのか。
ああ、ガラクタ買って、誰がやらかすか聞いとけば良かった。
「そうか。なら大丈夫なんだろう。飯行くぞ!」
「ちょっと待って!お店通り過ぎてるよ!」
「・・・お、おう」
レストランに入ると老若男女問わず視線を集めた。
右にはクリス。左にはゆんゆん。両手に花だ。
やっぱり俺は運がいいのかもしれない、クリスもゆんゆんも常識枠だし、可愛いからな。
こう言う日があってこそ幸運値が高いと言える。
「凄く見られてますね」
「前来た時はそんなに見られなかったから余所者だとかじゃないと思うよ」
「多分この状況じゃないか?」
「と言うと?」
「自分で言うのも癪だが、俺パッとしないのに、美女二人と一緒ってのが目を引くんだろうよ」
「「・・・」」
二人とも照れて黙ってしまった。
あの三人ならここでドヤ顔してくるに違いない。
何なら待遇改善を要求するだろう。
「で、でもこんなにも見られるものですか?」
「そ、そうだよ。いくら何でも視線が多いって言うか」
「そう言われると確かに、ずっと見られてるのはおかしいと思う」
二人とも顔真っ赤にしてて可愛い。
俺、この旅に出てよかった。
「カズマくん」
クリスがそう名前を呼んだ瞬間に周囲の人が急に立ち上がって言った。
「英雄カズマ様だ!!」
「英雄がこんな所にいるなんて!」
「握手してください!」
と、夕食を食べる所じゃなくなった。
あとから聞いた話によるとオークを倒した話がこの街にまで伝わっていたらしい。
あの街出身の者が多い街だったから、この熱気らしい。
容姿は茶髪と銀髪のカップルって情報が出回っていたようで、ゆんゆんがいたから確証が持ってなかったと言う。
「カズマさん凄い人気ですね!英雄って呼ばれてましたし」
「この前の街でオークを大量に討伐したからな。死ぬ気で」
「もしかして、その時に戦って思い出したからこの魔道具を?」
流石紅魔族は違うな。
察しがいい。
「ああ、トラウマがフラッシュバックして、ゆんゆんを誰よりも尊敬するだけじゃ足りないって気付いた」
あの恩を返せてなかった。
もっと早くに気付くべきだったのに。
傷心仕切ってたのと色々とドキドキさせられてたので、あの時はそこまで考えが至らなかった。
「えっと、そんな、大したことは」
「ともかく何かあったら駆け付けるから遠慮なく使ってくれよ」
「わ、分かりました」
これで話は終わった。
ギャラリーのいない個室に移して貰えたから後は、ゆっくりパスタを楽しむだけだ、
次は今日投稿予定です。
間に合わなかったら寝正月したものだと思ってください・・・