この素晴らしい読者様に祝福を!   作:めむみん

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今回をどのお祝い事にするかまだ決まってない程、皆さんに感謝することが多いです。本当にいつもありがとうございます!
今回が何かは後で前書きに追記します。
エイプリルフールに投稿したくて、放置して金曜日までゆっくり出来るなと思ってしまったのが遅くなりました笑
Twitterで午前中に呟いたカズマさんが魔王になる話はエイプリルフールの嘘なので投稿しません。


突然の休暇

-TOTUZENNOKYUUKA-

 

個室での食事は今しがた終わった。

普段なら雑談をここでするのだが、今は沈黙が続いている。

静かな部屋に移ると話し始めが難しくなることがある。

それもお互い仲がいいけれど、あまり揃うことの無いメンツが集まるとよくある気まずい現象が、今、発生している。

 

「・・・」

「・・・」

「・・・」

 

入店した時の話の流れが途切れてしまったのが痛い。

何か共通の話題はないだろうか。

クリスとゆんゆんか。

一番話が出来るのはめぐみんの話だが、それを俺から始めると今日の流れ的にいじられるからなあ。

それに移動中に大半の話しちゃってるのも話題に困る要因だ。

 

「「「あの……」」」

 

話し掛けるタイミングまで被って余計に気まずくなった。

こういう時にアクアが居れば盛り上げてくれるのにな。

タラレバ言っても仕方ないか。

 

「えっと、今日の予定なんだけど、あたし一人で行きたい所あるからカズマくんはゆんゆんと二人でゆっくり観光しててもいいよ」

「初めてのホワイトな待遇にびっくりなんだけど」

「そんなことないって!ほら、膝枕とかしてあげたよね!」

 

言われてみれば今回は待遇のいい旅だったと気付かされた。

そして、この話が出たことで、会話がまた途絶える可能性が出てきた。

 

「・・・」

「何でそこで黙るのさ!」

「だって、ゆんゆんが、ほら」

 

顔を真っ赤にしてゆんゆんが惚けたまま動かなくなっている。

膝枕と聞いただけでこうなるのは大袈裟な気もするけど、ゆんゆんには少し早かったのかもしれない。

 

「えっと、ゆんゆん?これは違うんだよ?色々あって」

「多分、何も聞こえてないと思う。後は俺が話しとくから用事とやらに行ってこいよ」

「任せたよ」

 

さて、この後どうしたものか。

ゆんゆんと二人って商店街巡りした時以来だっけ?

いや、めぐみんが帰る間屋敷で二人で待ってたこともあるか。

 

「ゆんゆん、そろそろ店出ないと迷惑になるからこっちに戻ってきてくれ」

「・・・へ?あれ?クリスさんは?」

「クリスはさっき言ってた用事を済ませに行った」

「そ、そうですか」

 

とりあえず、店から出て、近くの公園のベンチに座り落ち着いてから誤解をとくことにした。

移動する間は近くに落ち着いて話せる場所はないかとかそう言ったことしか無かった。

 

「ゆんゆんに言っておくことがある」

「本当に愛の逃避行だったんですね!」

「全然違うから、めぐみんにまだ返事してない段階でそんなこと出来るかよ」

 

って俺は何を口走ってるんだろうか。

これじゃあめぐみんのこと好きと言ってるのとほぼ変わらない気がする。

 

「やっぱりカズマさんはめぐみんが本命なんですね。私はお二人のこと応援してます!」

 

応援か。

ゆいゆいさんの強引なのとは違う、クリスのもなんて言うか、付き合ったらそれを祝福するって言うスタンスだし、恋愛としてはダクネスの恋を応援してるってパターンだから、俺はついでだ。

直接俺を応援してくれるのはゆんゆんが初めてだ。

ここに来るまでも応援すると言ってくれたし、この際否定するのは止めよう。

 

「・・・一度聞いてみたかったんだけど、アイツは俺の事どんな風に話してるんだ?」

「それは直接めぐみんから聞いた方が絶対いいですよ!いつも私に話してること全部カズマさんに直接言えばいいのになあと思ってますから」

 

アイツは本当に何話してるんだろうか。

凄く気になる。

 

「ゆんゆんは、俺の事どう思ってるんだ?」

「まだなのは知ってますけど、めぐみんの彼氏のように思ってます」

「そ、そうか」

 

この認識からしてめぐみんはゆんゆん相手に恋愛自慢してるなこれ。

風呂に入ったこととか話してマウント取って勝負を強引に勝つあの手法。

 

「あっ!さっきの膝枕の件はちゃんとめぐみんに話した方がいいですよ。何か事情があるんですよね?」

「えっと、言わなきゃダメか?」

「私、未だにカズマさんの子供が欲しいって言ったことでグチグチ言われてますから、結構嫉妬深いのは間違いないですよ」

「えっ、あの時からなのか?」

 

あの頃は特に何も無かったと思う。

一緒に風呂入ったのが、俺にとってアイツを恋愛対象として見るようになったきっかけだけど、だからと言ってそれで好きになったかと言われれば否だ。

単なるロリっ娘枠から、守備範囲内のロリっ娘に格上げされただけだからな。

めぐみんからしてもあの時、俺を好きになるなんてないと言ってたし、どのタイミング何だろうか。

 

「あの時はよく分からなかったけど、凄くイライラしてたらしです」

「そうだったのか。俺、てっきり紅魔の里に着いてからだと思ってたからさ。驚いた」

「カズマさんはどうしてまだ返事してないんですか?」

 

おっと、痛い所をつかれた。

一応、好きとは言ってるんだけどな。

断言してないのが問題だけども。

 

「俺だって勇気出して言ったことあるぞ?全部タイミング悪く邪魔が入ったり聞こえてなかったりしただけで」

「私でよければ邪魔が入らないようにお手伝いしますよ?」

「気持ちは嬉しいんだけど、警報が鳴るとかのレベルだからな」

 

シルビアが来るとか、アクアが帰ってくるとか、ダクネスが変なスイッチ入って部屋に来るとか、ダクネスと進展しそうな時は、アクアかめぐみんが来るし。

俺の恋はどうなるんだろうか。

 

「・・・呪われてませんか?」

「俺もそう思ってるけど、アクアは何も無いって言うんだよな」

「アクアさんが否定するということは呪いではないのですね」

 

やっぱりみんなアクアのアークプリーストとしての力は信用してるのな。

死の宣告を祓ったのも、蘇生魔法使ったのも知ってるし、食堂で怪我したやつが居たらその時の気分でだが、回復魔法かけてるからな。

有名なのは当然か。

 

「単純に邪魔が入らない場所を求めるのなら方法はあるにはあるんだけどな」

「それなら実践すればいいだけなのでは?」

「めぐみんの実家でゆいゆいさん主導の同衾なんて、ムードもへったくれもないだろ?しかもそれでさえ邪魔が入ったことあるし」

 

閉じ込められて「ピーしないと出られない部屋」同然の状態で進展させるとかそんな気は起こらなかった。

いや、もちろんめぐみんが付き合ってくださいとか直接言ってきてたら即オーケイだったけど、それはまた別の話……

 

「・・・あの、今みたいに誰も知り合いのいない街にデートに誘うと言うのはどうでしょう?」

「俺とめぐみんだけで何処か行くとか怪し過ぎないか?」

「私がめぐみんを誘ったことにして、カズマさんは新商品開発のための素材集めに出たとすれば分からないと思います」

 

ゆんゆんって本当にいい子だよな。

俺とめぐみんがどうなろうと関係ないのに、デートの為の算段までしてくれるとは。

仲間に引き入れたいけど、めぐみんがうるさいと言うか絶対拗ねるからな。

 

「悪くないけど、多分、アクアがついてくって言うんだよなこういう時。でも爆裂散歩の延長でデートするのはありかなって考えてるから、その時は頼む」

「任せてください!」

 

トラウマの恩師として、友達として、ゆんゆんを大事にしていこう。

俺の恋路を応援してくれてることへのお返しも含めると出来る支援は惜しまないようにしよう。

・・・べ、別にめぐみんのこと好きだって、認めた訳じゃないからな!

 

「所でなんだが、デートって何するんだ?」

「えっと、デートスポット巡ったり、ショッピングしたり、露店巡りが定番だと本に書いてありました」

「そうか。なら今日は露店巡りするか」

 

予行演習とお返しを目的として、今日は全部俺の奢りでもてなししよう。

そして、いつも手玉に取られてるけど、ちゃんとリード出来るように今回でデートの流れを掴んで、あいつを照れさせてやろう。

 

「・・・え?」

「出会ってすぐの頃にも露店巡りしたよな」

「そう、ですね。あの時の冬将軍は今も大事に飾ってますよ」

 

俺としては恥ずかしい思い出だが、ゆんゆんとの良好な関係が築けたイベントでもあるな。

カッコつけて射的で狙撃禁止と気付かずにスキル使ってぬいぐるみ取ったら、怒られて倍料金払ったっけ。

 

「あれは恥ずかしい所見せたな」

「そんなことないです!あの時のカズマさんカッコよかったですよ!」

「そ、そうか?」

 

ゆんゆん的には嬉しかった方が勝ってるみたいだな。

良かった。

でもまあ、既に色々と俺の悪評は知られてるから、今更気にした所で遅いけども。

 

「めぐみんはいい仲間と出会えたんだなあってあの時凄く感動しました」

「ありがとう」

 

普段よいしょはされるけど、心のこもった褒め言葉ってあまり貰ってないから凄く嬉しい。

特に常識人のゆんゆんからって所が大きいと思う。

 

「あの、私なんかと一緒で大丈夫なんですか?」

「クリスが二人でゆっくりって言ってたろ?」

「帰ってからめぐみんが」

「友達同士の遊びにケチつける権利は誰にもねえって」

「ともだち、分かりました!」

 

・・・何か騙してるみたいで変に罪悪感がある。

嘘は言ってないし、本心なんだけども。

いざとなればクリスの指示でしたと言って切り抜けよう。

 

 

 

露天商が集まってる広場までやってきた。

予行演習だと意気込んでやってきた訳なのだが、いざ到着したら何したらいいのか分からずにブラブラ周辺を歩いてるだけだ。

 

「なあ、ゆんゆん。さっき言ってた本で露店で何するか書いてなかったのか?」

「食べ歩きとか、アクセサリーを買ってプレゼントするとかが書いてありました」

「食べ歩きはさっき食べたばかりだからちょっと後に回して、ショッピングするか」

 

食べて直ぐに食べ歩きとかスイーツ系でもキツい。

一つくらいなら別腹もあるから食べられるけど、それはそれこれはこれだ。

 

「はい!あの、カズマさんは何か欲しい物ありますか?」

「ないけどどうした?」

「この魔道具のお礼をと思いまして」

 

緊急通報の魔道具か。

あれ自体がお礼だからそれのお礼を返されたら俺何も恩返しできてないことになるじゃん。

 

「お礼も何も俺からのお礼の品なんだから要らないって、それよかゆんゆんの欲しい物ないか?一応デートの練習も俺としては兼ねてるからさ」

「えっと、でも」

「それに、普段めぐみんから自慢されてる分、自慢できる話作れるだろ?」

 

ゆんゆんが喜ぶと言うか、ゆんゆんのメリットになるのはめぐみんに対抗出来る話だよな。

しかも相手が俺だったら余計に悔しがるだろう。

 

「カズマさんからのプレゼントなんて言ったら睨みきかされて終わりですよ」

「名前伏せればいいんじゃないか?」

「最近ダストさんといること多いので、そっちだと思われるのだけは嫌ですから」

 

ギルドでゆんゆんがダストに惚れたとか、付き合ってるとか何とか噂が流れてるからな。

まあ、ダストはリーンだし、ゆんゆんもその事知ってるし、加えてこの反応は違うな。

ゆんゆんも変な噂立てられて可哀想だ。

 

「そりゃそうだ。そういや、ダストとはいつからの付き合いなんだ?アイツとより、リーンと一緒にいる方がいいと思うんだが」

「ダストさんが難破から救うマッチポンプを仕掛けてきたんですけど、そこにバニルさんが登場して、そこから二人が友人になりました」

 

アクセルで関わらない方がいいやつ筆頭の二人じゃねえか。

バニルは悪感情取ろうとしてこない間はそこまで悪くはないし、その筆頭に数えられてる俺が言うのもなんだけどな。

うちのパーティー全員って巫山戯てると抗議したいけど、めぐみんがそいつらに私刑下してるからもう何も言えないんだよな。

 

「よく分からないけど、分かった。リーンとはどうなんだ?」

「ダストさんに紹介してもらったんですけど断られちゃいました」

「まあ、ダストの紹介だと裏があるって思うから断るのも無理はないかな」

 

断られた時のゆんゆんはショックだったろうけど、俺だって断ってる。

まあ、一旦断ってからゆんゆんが一人の時に声掛けたりはするだろうけど。

 

「カズマさんもそう考えるんですね」

「ああ。それとリーンからしたらゆんゆんは憧れの存在だろうし、急に友達にって言われたら余計に怪しむって」

「私なんかが憧れの存在ですか?」

 

過小評価がゆんゆんの悪い所だよな。

上級魔法が使える現役の冒険者はアクセルでも指で数えられる程しかいないし、数多くの冒険者を俺含めて助けてるし。

 

「ゆんゆんは実感無いかもだけど、結構ギルドで人気あるぞ?」

「ほ、本当ですか?」

「新人冒険者がピンチの時に助けてるんだろ?この前ダストが新人冒険者達にゆんゆん先輩に近付くなって囲まれたらしいし」

 

ダストから愚痴で聞いた時は、俺も囲む側になるつもりだと言ったら怒られたけど、正直な話めぐみんも何とかしないといけないって俺に相談しに来るレベルだからな。

 

「・・・それ、大丈夫だったんですか?」

「アレでも中堅以上の実力はある方だからな。何とか追い返したってさ」

「いえ、新人冒険者の方達です」

 

ダストの心配は必要ないと分かっていたのか、そもそも心配してないのか。

新人冒険者援護のクエストを受けてるゆんゆんからしたら新人たちの方が心配なのは当然か。

 

「何とか追い返したって言ってたけど、幅広い人脈利用して逃げ切っただけだから大丈夫だ」

「それなら良かったです。その幅広い人脈ってどんな方面なんですか」

 

ゆんゆんの表情が曇ってる所からして、裏の繋がりとか気にしてそうだけど、そこは安心して欲しい。

とても健全な組織への人脈だから。

 

「善良なる市民の味方お巡りさん」

「・・・どうして警察がダストさんを守るんですか?」

「ダストが非番の警官に荒くれ集団に襲われると言って盾にして逃げたらしい」

 

いくら取り締まってる相手だったとは言え、見知った相手が助けてくれと言えば助けるのが人情ってもんだ。

警察じゃなくてもそうするだろう。

 

「助けを求められたら断れないのが警察官ですからね。特に見知った顔なら特に・・・」

「そう。新人冒険者達も警官に止められたら何も出来ないからな」

「普段自分を捕まえる人を味方にするなんて何か狡いですね」

 

狡いか。

やっぱり、俺の考える方法って狡猾なのか?

方法としては悪くないと思うんだけどな。

 

「まあ、その方法教えたの俺なんだけどな」

「あっ、いや別にカズマさんが狡いとかって意味じゃ」

「分かってる。それよりあそこの雑貨屋見てみないか?」

 

ここから俺とゆんゆんの露店巡りが本格的に始まるのであった。




次回の更新は未定です。
次は月曜日に投稿する予定です。
次からちゃんと月曜に週一に戻したいです。
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