書きたいストーリーと次に投稿するストーリーが一致しない事案が多発しまして……
今回はカズゆん回です。
-OMIYAGEWOSAGASHITE-
ゆんゆんと模擬デートをすることとなり、今は雑貨屋にいる。
ウチのメンバーへの土産探しも兼ねての露店巡り。
露店と言ってるものの、今いるのは実店舗なんだけども。
「カズマさん!これみてください!」
「ちょむすけに似てるな」
「これ買うのはどうですか?」
めぐみん用に持って来いではあるけれども、何もやらかしてないと聞くともっといいものを買ってあげたいと思う所がある。
このぬいぐるみは一つ前の街でも売っていたし、アクセルでも売っていた気がする。
ゆんゆんがバニル情報を持ってきてくれたのが、逆に悩みの種になってしまうとはな。
「悪くはないけど、旅のお土産って感じがしないんだよな。確かアクセルでも売ってたからさ」
「カズマさんはどんなの想定してますか?」
「アイツらが喜びそうなのって考えてるけどピンと来るものがアクア以外なくてな」
明確に欲しい物が何かと問われて即答できるのはアクアだけだな。
めぐみんは多分修学旅行で男子が買いガチな中二病チックなドラゴンとかドクロのストラップとかだろうし、ダクネスは露骨じゃない可愛い物だろう。
とは言え、めぐみんとダクネスは喜ぶけど土産としては微妙な感じのものしか見つからなくて困ってる。
「アクアさんはどんなものですか?」
「お土産感が欲しいんだよなあ。地酒買ってけば喜ぶのは間違いない」
「確かにお土産っぽくて、アクアさんが喜びそうですね」
やはりアクアと言えば酒と認識されているらしい。
宴会芸見た時はおひねりではなく、酒を奢れって言われてるからなあ。
「先にアクアさんの酒買いに行くのはどうですか?」
「酒って重たいから後にしたいんだよな」
「あの、紅魔の里によるって話でしたよね?」
「えっと、そうだけど、それと酒が関係あるのか?」
話の繋がりが読めない。
ゆんゆんのことだから何か意味があるだろうとは思うけども。
それが分からない。
「この街から紅魔の里への輸送の定期便が明日なので、私の家に送れば問題解決だと思います。酒屋はどこも発送サービスも付けていますから」
「そうか。でもゆんゆんの家宛にすると迷惑じゃないか?」
「カズマさんには色々とお世話になってますからね!困っている友達には手を差し伸べるものですからね!」
友達の所を凄く強調してるし、興奮気味だからこれは断らない方がいいな。
ここで断ったりしたら落ち込まれてしまうこと間違いなし。
「助かるよ。族長にも一本買っておくか」
「いいですよ。この魔道具のお礼だと思ってください」
「でも、受け取るの親父さんだろ?それに届いたら場所食うだろうし。その、ゆんゆんの御家族へのお代だと思ってくれ」
「分かりました」
と話もまとまり、アクアとゆんゆん家へのお土産を買いに行くために酒屋へと向かった。
「いらっしゃい。冒険者カップルが来るのは珍しいね。どんなお酒が欲しいんだい?」
確かに、冒険者は酒屋ではなく、居酒屋とかギルドの食堂とかに行って飲むことしかしないのが一般的だろう。
アクセルの冒険者はそこそこお金に余裕があるから、結構いい酒を酒屋で買ってたりもする。
だがしかし、そんなことをするアクセルの冒険者は例のお店にもお世話になっているから、基本街を離れない。
つまり、アクセルの冒険者がよその街で酒を買う機会もまた同じくないのである。
「一番高い地酒を紅魔の里に送りたいんですけど、五本入り一箱と二本入り一箱を別々の梱包でお願いします」
「えっと、一番高いので大丈夫なのかい?」
「これで足ります?」
とりあえず五十万エリスをポンとテーブルに置いてみた。
「足りる所か多過ぎだよ。資金力を疑って悪かったね。カップル割引と、挨拶割引で十万飛んで八万エリス送料込しておくよ」
ゆんゆんはカップルだとか、挨拶だとか言われて固まって動かなくなってる。
アクアと熟年夫婦と言われたり、ダクネスと新婚さんと言われたり、めぐみんとバカップルと言われたりしてる俺には今更カップルと言われても動じるものはない。
「俺ら付き合ってないので、十万エリス払いますよ」
「そうなのかい?でもお似合いだと思うから割引価格で大丈夫、大丈夫」
「・・・じゃあ、お言葉に甘えて、これでお願いします」
お似合いか。
ゆんゆんが余計に話さなくなってしまった。
この旅はカップルに間違われる旅なのかもしれない。
俺としてはとても美味しい展開なんだけどな。
「おーい。ゆんゆん。宛先の所書いてくれ」
「は、はい」
宛名は二本入りを族長にして、五本入りをゆんゆん宛にすることで差別化しておいた。
同一人物から敢えて名前別の梱包で届いた物を両方開けたりはしないだろう。
「最短で明後日には着くだろうよ。そうだ。嬢ちゃん紅魔族だろう?」
「えっと、一応」
「実は二軒隣にある魔道具店に紅魔族にしか効力を発揮しない装備品があるらしいんだ。見に行くといい」
「情報ありがとうございます」
「おっちゃん。ありがとう」
言われたお店に入ると店内にはスタッフ含め見当たらなかった。
恐らくレジの奥にいるのだろう。
店を見て回っていると、厳重に閉められているショーケースの前でゆんゆんが足を止めた。
「カズマさん、多分、さっきの店主さんが言ってたのこれですね」
「やっぱり分かるもんなんだな」
「かなり高純度なマナタイトが使用されてますよ。ほら、値段も四百万エリスとこの店で一番高いですから」
指輪型のよくあるエンハンス魔道具。
紅魔族限定で高価とはいえ、こんな代物がまだ売れてないのは不思議だ。
「すみません。こちらの魔道具は鑑賞料をお一人様あたり、千エリス取ってますのでお支払いの方を」
「いや、これ買おうかと思ってきたんですよ。ほら」
「これはこれは!すみません。紅魔族の彼女さんに気付かずに失礼しました」
これ俺だけだったら鑑賞料取られてたかもしれないのか。
いや、ゆんゆんがいなければそもそもこの店に辿り着いてない。
ゆんゆんをバニルが寄越した理由が何となく分かってきた気がする。
街に戻ったら要求がありそう・・・
「所でこの魔道具はどんなものですか?」
「これを着用していると爆発魔法や炸裂魔法、ネタ魔法限定ですが、威力が向上すると言うマジックアイテムです」
「ネタ魔法?」
もちろんネタ魔法が何を意味するか分かってるけど、一応聞いておいた。
「ええ、爆裂魔法の別名ですよ。あんな馬鹿げた魔法を覚えるのはリッチーとかのやることなくなった者か、酔った勢いでスキル習得しちゃったとかじゃないといないでしょ。他に居たとしたら相当な馬鹿ですよ」
「・・・これ買います」
「え?本当ですか?」
初めに買いに来たって言ったけどなあ。
まあ、効果聞いてなお買おうと言う人はいなかったってことかな。
正直な話ここの店主へのイメージはあまり宜しくない。
「支払いは小切手でお願いします」
「冒険者が小切手?」
「家には金があるんで、買えますよ」
めちゃくちゃ疑われてる。
黙って俺とゆんゆんを交互に見るだけで商談を進める気は無さそうだ。
紅魔族ならこれを目標に貯めてやってくるとかありそうなのに。
「あの、ダメですか?えっと、これ冒険者カードです。もしこれが嘘なら俺を指名手配してくれればいいので」
「はあ、えっと、アクセルの冒険者ですね。サトウカズマさん。サトウカズマ!?」
俺の名前はやっぱりこの辺じゃ有名らしい。
明らかに態度が変わった。
まあ、これで酒を手に入れられる。
冒険者カードが偽造が簡単に出来ないものでよかった。
情けは人の為ならずってか。
いや、まあ、オーク倒したのは完全に自分の為なんだけども。
「すっ、すみません!御無礼お許しください!」
「で小切手で大丈夫ですか?」
「はい。どうぞどうぞ!前金の一万エリスさえ支払って貰えれば」
「これでお願いします」
予想より前金が少ないな。
と思いながら前金を置いた。
「あの一万でいいんですよ?十万も頂かなくても」
「知り合いにガラクタ仕入れて毎回泣いてるやつがいるからな。これ仕入れた分キツいだろ?今自由にできる最高額だ」
バニルへの感謝を込めてこの店に金出しとこう。
「あ、ありがとうございます!直ぐに梱包しますから、少々お待ちください」
「あの、カズマさん?」
「どうした?」
「本当に買うんですか?」
ゆんゆんは買った場合のあとのことを気にしてるらしい。
俺そんなに金ないと思われてるのかな?
確かに借金してた時期はあるけども。
「おう。めぐみんに持ってこいな魔道具だからな」
「それで、その、カズマさんはこれでプロポーズするんですか?」
めぐみんの彼氏と認識されてるだけはあるな。
それに応援してくれてるのもあるか。
「お土産でプロポーズしないだろう。それにめぐみんにプロポーズする予定とかまだないし」
「カズマさん」
「どうした?」
急に顔を近づけて来た。
興奮状態にあるのは目が紅くなってる所からして分かるけど、これはどのタイプだろう。
怒ってないことしか分からない。
「さっさと告白してください!」
「はあ?」
「カズマさんがヘタレだからと言う所始まって惚気けまくるんですよ!」
・・・アイツはマジでゆんゆんに何を話してんだ。
今度、ゆんゆんからゆっくり話を聞くのもありかもしれない。
「その理論で行くと俺がアイツと付き合いだしたらそれこそ惚気けまくるだろ」
「・・・もうこのままクリスさんと逃避行してください」
これは相当めぐみんに絡まれてるな。
益々めぐみんが何話してるか気になってきた。
「応援するって話はどこ行ったよ」
「めぐみんの話聞いてると偶に私もカズマさんのこと好きだと思われてるんじゃないかなってくらいに、凄く牽制してくるんですよ。アレ女性冒険者の間でも有名で、厄介極まりないです」
牽制ってなんだよ。
俺がモテない理由ってまさかめぐみんが妨害工作してるからなのか?
それ抜きにしても、そもそもモテてないのに、わざわざギルドの女性冒険者達に牽制してなにか意味があるのだろうか?
さっぱり分からん。
「ギルドはどうしてるんだ?」
「ルナさんが耳に蓋するので、何とも」
惚気を止めろなんて話、確かにルナは避けそうな話題だ。
他の職員とて、攻撃力の高いめぐみんを止めるの嫌だろうなあ。
「お待たせしました!こちらになります」
「ありがとうございます。これ小切手です」
「どうも。こちらこそありがとうございます。それにしてもお客さんのお仲間凄いですね。爆発魔法か炸裂魔法が使えるなんて」
「ウチの優秀な魔法使いは爆裂魔法をこよなく愛するやつですからね。凄くて当然ですよ」
言って俺は店の外へと向かう。
ネタ魔法と言ってた店主は今頃大焦りだろうけど、まあ、バニルじゃないけど、悪感情ご馳走様でしたってことでいいや。
「もうカズマさん!あんなこと言って立ち去るから、店主さん凄く顔を白くされてましたよ!」
「しょうがねえだろ。イラッとしたんだから」
呆れたように深いため息をつかれた。
俺に言わせれば最後まで敬語で通したのを褒めて欲しい。
「ゆんゆんだって嫌だったろ?」
「まあ、それにちょっとカズマさんカッコイイなとも思いましたけど」
「ごめん。ちょっと聞こえなかったからもう一回頼む」
カッコイイと言って貰えるのが嬉しい。
ここはもう一度聞いておこう。
「えっと、ちょっとカズマさんカッコイイなあと思いました」
「カズマさんカッコイイの所がよく聞こえないからもう一回」
「聞こえてるじゃないですか!そこだけ切り取られたら恥ずかしくなってきたからもういいません!」
怒らせてしまったどうしよう。
まだ、模擬デート始まってそんなに経ってないのに。
・・・喧嘩するデートだってあるし、練習にはなるか。
「それは残念。で次にダクネスへのお土産なんだけど、何かないか?」
膨れっ面でまだ怒ってるらしい。
プイッと顔を背けて、何も話してくれなくなった。
ゆんゆんの機嫌を取るにはどうしたらいいんだろ?
友達がどうのというのは何の学びにもならないからなしにして、これなんかどうだろう?
「ゆんゆんって怒ってる所も可愛いな」
「・・・」
露骨過ぎたか?
全く反応がない。
こんなことめぐみんとかダクネスには言えないな。
だってアイツらマジで怖いし。
「偶に思うんだけど、めぐみんじゃなくてゆんゆんが仲間になってたら可愛いし、常識人だから多分ゆんゆんのこと好きになってたんじゃないかなあって思ったりもしてるんだけど」
「カズマさん」
「はい」
凄く真剣な顔してる。
いつになくゆんゆんから圧を感じる。
ちょっとからかい過ぎたかもしれない。
「どうして私に言えてめぐみんに言えないんですか!」
「えっと、ゆんゆん?」
思ってた怒りと全くベクトルの違う抗議に驚きを隠せない。
からかわないでくださいとかめぐみんに言いつけますよとか言われると思ってた。
「私も商店街でぬいぐるみ貰った時に、カズマさんが仲間だったらなあとか、考えたりもしてましたし、凄く嬉しいですけど。さっきみたくめぐみんのことを想ってるならさっさと告白してください!」
「・・・ゆんゆん大好き」
こう、正論言われると巫山戯たくなるのが俺の悪い癖。
まあ、ゆんゆんのこと友達として好きなのは嘘じゃないし、その中でも常識人枠だから結構上の方ってのも事実ではあるんだけども。
ここまで来たらはぐらかすしかない。
「もう!カズマさんのバカ!」
煽てる作戦失敗。
次は物で釣ってみるか。
「クレープ食べないか?」
「食べたかったらどうぞ。ここで待ってますから」
「ゆんゆんと一緒に食べたいんだ」
「・・・」
完全に警戒されてる。
こうなったら引っ張って行くしかないか。
「行くぞ。着くまでに何食べたいか決めとけよ」
「あっ!?」
俺が腕を掴んで動き出すことは予想外だったようで、あたふたし始めた。
めぐみんだったら多分、俺があたふたしてるな。
それはそれとして、ゆんゆんは追いついたらそのまま恋人繋ぎをしてきた。
めぐみんと恋人繋ぎした時とは全然違う感覚に襲われて今は俺があたふたしてる。
案外ゆんゆんもこの模擬デート楽しんでるんじゃなかろうか?
なんて考えてるとクレープ屋に到着した。
「いらっしゃい。初々しいねえ」
「俺は練乳いちごで」
「わ、わたしは、いちごとバナナのミックスで」
ゆんゆんが照れてる所見るのが楽しくなってきたどうしよう。
可愛い反応ってついついずっと見てたいって思ってしまうんだよなあ。
因みに初々しいと言われて反応しないのは、露店巡りで散々言われてきたから訂正が面倒になったのである。
「はーい。ちょっと二人きりで待っててね」
店員が奥に行くと沈黙が訪れる。
ゆんゆんは俯いたままだ。
傍から見たら彼女が恥ずかしがってる初々しいカップルに見えるんだろうなこれ。
恋人繋ぎは継続中。
多分、ゆんゆんはもう頭がパンク寸前で、恋人繋ぎしてること自体に気付いて無さそうだ。
「お待たせえ。二人分出来たよ」
「ありがとうございます」
「あ、ありがとうございます」
受け取ろうとした時に気付いたらしく、顔真っ赤にして照れてる。
こういう甘酸っぱいイベントを俺はずっと欲してたんだよ!
照れてるゆんゆん可愛いし、クレープは美味しいし。
めぐみんやダクネスだと何故こうならないのか不思議だ。
所変わって花屋さんに俺たちはいる。
正直、花を買う気は全くないのだが、ゆんゆんがデートするなら花屋さんに行きたいと言うのでやってきた。
「カズマさんはどの花が好きですか?」
「クリス」
「・・・」
ちゃんと答えろと言わんばかりに目を紅くさせて、頬を膨らませるゆんゆん。
この輝き方は怒ってる時のやつだ。
めぐみんやあるえと喧嘩してるから、怒ってる時の紅さはよく知ってる。
「冗談だって、特に好きな花とかはないからさ。強いて言うなら桜かな」
「桜と言えば、初めてカズマさん達が紅魔の里に来た時、満開の時期でしたよね」
「そうそう。アクアとめぐみんの三人で団子屋行って花見してた」
懐かしいなあ。
ゆんゆんから子供が欲しいと言われた時は凄い舞い上がってたよな。
そして、シルビアに捕まってすぐの時も・・・
あの時の俺は馬鹿だった。
相手の情報をちゃんと手に入れておけば良かったのに。
まさかオカマだとは思わなかったし。加えて封印という名のパスワード設定が日本語でされてるとか、アイツがキメラだから兵器を取り込めるとか、色々予想外だった。
「私も桜好きなんですよ」
「じゃあ、今度一緒に見に行くか」
「いいんですか?」
この場合、ゆんゆんが気にしているのは俺のスケジュール的なことより、もっと他のことだと思う。
「その時はめぐみんも連れてな」
「それなら安心です」
めぐみんが普段、ゆんゆんにどんな話してるのか余計に気になってきた。
「次はダクネスさんへのお土産ですよね?」
「そうなんだけど、なかなかいい物が思いつかなくてな」
「花も特産品があるのでいいと思いますよ」
ここに来た時に考えはしたけど、この後帰るまでにかかる時間を考えると難しい。
今日中にテレポート出来るならありなんだけどな。
「でも、帰るまでに枯れちゃうだろ?」
「確かに・・・あっ、まだ行ってなくてお土産見つかりそうな所わかりました!」
「本当か?」
「お土産屋さんです!」
「ゆんゆん、天才だな」
完全に盲点だった。
特産品を集めたお土産屋ならバラエティに富んでいて持ってこいだ。
何故今まで気付かなかったんだろう。
そして、この街最大級と言われるお土産屋に俺達は着いた。
「これとかどうだろう?物はもっといいの探すけどさ」
「ティーカップですか」
「ここら辺の特産品らしいし、ダクネス紅茶よく飲んでるからな。良さげなデザインで高そうなの選んで欲しい」
そこそこなお値段だし、魔道具と比べると見劣りする額ではあるが、こう言うのは気持ちが大事だからな。
「分かりました。えっと、これなんてどうですか?」
「猫と犬の入ったやつか。可愛くていいなこれ。他にはないか?」
女性からの評価が得られる物が多分一番いいと思う。
「他には、これなんてどうでしょう?」
「花柄か。しかもクリスか。これにしようかな」
「これでいいんですか?」
七十万エリスすると言う高さを気にしてるようだけど、四百万エリスの買い物した後だからな。
そこまで驚いてはないみたいだ。
「ダクネスとクリスは親友だからな。こういう趣向を凝らすのもありかなって、思ってさ」
「親友っていいですよね。私も親友が欲しいです」
「そうだな。ゆんゆんとめぐみんいい関係だと思うぞ」
「えっ?私とめぐみんですか?」
「宿敵と書いて友と呼ぶって感じだからな。今後ともウチのめぐみんをよろしく頼むよ」
「いえ、あの、こちらこそいつもお世話になってます」
「それじゃあ俺はこれ買ってくるから、店の入口ら辺で商品見ながら待っててくれないか?」
と一旦別れて、俺はプレゼント梱包込の支払いをして、再度ゆんゆんと合流しようしたら、ゆんゆんがナンパに遭っていた。
「ねえ、キミ、向こうのカフェでお茶しない?」
「え、えっと、人を待ってるので、すみません」
「ちょっと、話するだけでいいからさ」
言ってチャラ男がゆんゆんの手を引っ張りカフェへと歩き出した。
こんなやつ本当に居るんだな。
とか考えてる場合じゃなかった。
「あっ、ちょっと、待ってください!」
「おっと、失礼。俺の彼女から手離して貰えます?」
チャラ男の手を掴んでゆんゆんから手を離させる。
手を掴んでからの回避の動きからして、戦闘経験あるから冒険者だな。
これならいざって時も遠慮なく戦えるってもんだ。
「なんだお前?お前みたいなパッとしない男が彼氏?寝言は寝て言え」
ここまでテンプレートな場面に出くわすとわ。
逆に楽しくなってきた。
この世界にきてからというもの、この展開はよくあるあのパターン!って思ったら全然違うっていう拍子抜けなのとかが多かったからな。
「魔剣持ちのミツルギに勝った俺を舐めるなよ?」
「お前みたいなのに、勇者候補が負けるかよ」
近くで見てたギャラリーまでそーだそーだとか言い出しててウザイんだが。
普通こう言うの俺に支援来るタイミングじゃない?
「そこまで言うなら俺と勝負しろ。あんたも冒険者だろ?俺が勝ったらその子とお茶させて貰う」
「よし乗った。一本勝負だ」
「ああ、もちろん。ルールは相手を気絶か降参させた方の勝ちでどうだ?魔法でも物理攻撃でもなんでも、アリで」
「じゃあ始めるか」
「カズマさん!待ってください」
「ゆんゆん止めてくれるなよ」
ゆんゆんが止めに来るのは分かってた。
自分がお茶すればいいなんて言い出すだろうけど、そうはさせない。
男の知り合いらしきやつが出てきて、スタートの合図を出してくれるらしい。
そして、今、始まった。
「『クリエイト・アース』ッ!」
「は?土作ってどうする気だ?初級魔法ってことは雑魚じゃねえかこいつ」
「『クリエイト・ウォター』ッ!からの『フリーズ』ッ!」
「うわっ!?なんじゃこりゃああああああ!!」
突然の出来事に発狂してる所を後ろから叩いて気絶させた。
勝負あったな。
「じゃあ、行動不能にしたから俺の勝ちってことで、いいよな?」
審判をやっていた男の仲間に確認を取ると首を縦に振った。
それを見ていた野次馬たちからは拍手喝采が起こった。
後のことはその人に任せて俺はゆんゆんと二人でその場を離れた。
「ありがとうございました」
「一人にさせた俺も悪いからな」
「そ、そんなことないですよ!カズマさん凄くカッコよかったです!」
「ありがとう」
「えっと、膝枕しませんか?小説でデート中にすることだと書いてありましたし、戦った後に彼女がしてるシーンとか読んだことありますから」
「お、おう」
気付いたら膝枕する流れになっていた。
近くにあったベンチまで移動して、とりあえず隣に今は座ってる。
この旅でクリスにエリスと続いてゆんゆんの膝枕も堪能出来るとは、やはり運がいいのかもしれない。
これであの店に行かずして、ゆんゆんに慰めてもらってたパターンを実践出来る。
そう思って頭を下ろそうとしたその時、俺達は声をかけられた。
「二人ともお熱いねえ。これ、めぐみんに言ったらゆんゆんもちゃんとライバルだって認めてもらえるんじゃない?」
・・・結局いい所で邪魔が入るんだよな。
まあ、クリスとは邪魔入らずに出来たけど、もうちょっとこう、いつも苦労してる分ここで癒しがあってもいいと思う。
「クリスさん!違いますよ!これは、その、カズマさんがデートの練習をしたいと言っていたので、えっと」
自分も散々カップルだとか言われてきたこと忘れてやいないだろうか?
しかも自分も人前ではないとは言え、膝枕やってたし。
まあ、ゆんゆん焦らせたいだけなんだろうけど。
「ゆんゆんの言う通り。それに元を正せばクリスが俺とゆんゆんに一緒にゆっくりするよう言ったことから始まってるし」
「えっと、そうだっけ?まあ、そんなことより、夕飯に良さげなお店見つけたからそこに行かない?」
「分かった」
「夕飯は何か楽しみです」
ゆんゆんは早く別の話題に変えたいのか立ち上がって、クリスを急かして歩いて行った。
夕飯は何だろうかと、この後の任務はどうなるんだろうと考えながら二人の後を追った。
次回の更新はカズめぐしてるやつです。
投稿は今日二連続を予定してましたが、明日か明後日にします。
加えてデフォルトの更新日を月曜日から火曜日に変更します。