今日はカズクリ宣教師様の誕生日なので、カズクリです。
やはり彼の御仁のスペースに行くと何故かカズクリのネタが湧いてくるのですよ。
不思議です。昨日スペースに入ってなかったら出来てなかったまだできてなかったモノですが、ほぼ一日で書いたので、期待しないでください。
私事の感謝しなければならない何の記念日かは後日追記します。
-URAROUTE-
ゆんゆんを交えた夕飯も終わり、各々寝床へと向かった。
事になってはいるが俺とクリスは今も起きている。
理由は簡単。
本日は活動日。
今回の旅の一番の目的だ。
「助手君?どうしたの?」
「きゃらめりさんの時見たく簡単にいかないかなって考えてた」
「次は貴族の屋敷にある宝物庫から盗むから簡単には行かないよ」
貴族か。
模範的な貴族なのか、悪徳貴族なのか。
それ次第で見つかってからの対応が変わるよな。
前に忍び込んだ時なんて、回収する対象に警備呼ばれたし、本当にこの世界はろくでもない。
「回収するのがまたアイギスみたいなのじゃないよな?」
「今回は指輪型の転移アイテムだから問題ないよ」
「転移?」
「任意の座標に転移出来る優れものだよ。加えて、空中でもそこに留まる事ができて、地中でも、溶岩の中でも転移したモノは安全な状態が確保されるよ。ただし、次の転移先は元いた場所しか選べないよ」
「凄いなそれ。その神器あれば俺とめぐみんの二人で魔王倒せると思う」
確か、最高純度のマナタイトがあれば爆裂魔法も打てるらしいからめぐみんに連発させれば勝てるな。
全財産はたいても魔王討伐の賞金がでかいだろうし、プラスになるはず。
「本当にキミはえげつないこと考えるよね。でも多分無理かな。魔王城は魔法阻害の結界があるから行けないと思うよ」
「はぁ、じゃあもう魔王討伐は諦めるわ」
折角無傷で倒せるいい案だと思ったのに。
正面切って戦うなんてウチのパーティーだと、無理ゲーだ。
今はそれなりに金もある。
慎ましく生活すれば一生生きてけると思う。
「いやいや、今の所一番助手君のパーティーが可能性高いから困るんだけど?」
「いやいや、魔王討伐なんてのはハツラギにでも任せればいいんだって、ハツラツみたいな名前だし」
「名前間違ってるよ?カツラギだよ?ハツラツしてないよ?」
・・・クリスからもちゃんと名前覚えてもらえてないのか。
可哀想に。
流石にミツルギには同情する。
「兎も角、魔剣やら特殊能力やらを持ってる転生者がやればいいと思う」
「何でも願いが叶うんだよ?」
「その前に死んだら意味ないし」
「・・・えっと、今日の活動先の図面がこれなんだけど」
何度も死んでるけど、魔王戦で死んだりしたら恐らく蘇生魔法をアクアが準備する時間なんて貰えないと思う。
クリスにも俺の考えは伝わったのか、露骨に話を元に戻しに来た。
「いつも気になってたんだけど、こういうの何処で手に入れてんの?あとウチの屋敷の図面持ってたりする?」
「前者については黙秘させてもらうよ。後者は持ってるよ。昔は貴族の屋敷だったし」
そういや、アンナだっけか、その子の親が悪徳貴族なんだったか。
それで調査対象になってたわけだ。
今や冒険者の拠点となって、必要は無くなったと言ったところか。
「マジか・・・。何かカラクリとかあったりしないのか?」
「そう言うのはなかったと思うよ」
「そうか。残念」
めぐみんかダクネスの部屋にある鏡がマジックミラーだったりしないかと思ってたのに、本当に残念だ。
アクアの部屋?全く興味無いな。
「西側の塀の点がついてる所に穴があるから、そこから潜入するよ」
「何でそんな所に穴があるんだ?」
「やんちゃな次男坊が抜け出すために作ったけど、その人はもう独立して離れて、知ってる使用人も次男坊に着いて行ったから誰も知らないから安全だよ」
何かの罠かもしれないと思ったけど、それなら安全か。
にしてもよくここまで詳細な情報を集められるよな。
それだけ聞き込み調査を入念にやったのか、あるいは。
「ほうほう。でなんでそんなこと知ってんの?」
「秘密だよ」
「俺らのこと見てたりしないよな?」
「してたらキミとダクネスがキスした話とか知ってると思うけど?」
確かにあの時は驚いてたよな。
とは言えあの時偶々見てなかっただけかもしれない。
それと俺は気付いたら頬にキスされただけで、正しくはダクネスが俺にキスをしてきた話だ。
「あれはダクネスが勝手にしたやつだからな」
「分かってるよ。監視なんてしてないから。安心して欲しいんだけど、それよりも入ってからは南西の厨房裏口から入るよ。ここはシェフが面倒くさがりで帰る時も鍵をしてないから、そこから入るよ」
「・・・いや、ほんと、なんでそんなこと知ってんの?」
さっきから情報の精度が高過ぎるだろ。
何でお抱えシェフの性格と行動パターン知ってんだよ。
何かここまで来ると怖い。
「情報源は気になってももう聞かないで」
「分かったよ。その内めぐみんかダクネスと進展しだしたらそれを見て活動手伝わないとバラス脅しに来るんだろう?」
「しないって!そもそも分からないから!」
等と供述しているが、俺が死ぬ直前のことは見てた反応だしな。
絶対に俺らのこと見てるタイミングあるだろ。
・・・でもまあ、サキュバスの店とかがバレてない所を見ると四六時中監視されてる訳では無いのは、事実な気がしてきた。
「で厨房から入ったらどこ行くんだ?」
「厨房から出て直ぐの分かれ道を左に行くと、階段が出てくるからそこから地下に入って、地下に着いたらここの部屋まで一直線に進んでいくよ」
「セキュリティの問題とかは大丈夫なのか?」
さっきからここに隠れて、巡回を待つとかそう言った類の情報が一切ないのが気にかかる。
宝物庫前には警備がいると考えるのが普通だし。
さっきから話してる感じだと確定情報に基づいて話してるような気がする。
「神器をタダの指輪だと思って雑多に置かれてるから大丈夫だよ。警備は外を厳戒にしてれば大丈夫って考えてる家で、今日は出張で誰もいないから何ら問題は無いよ。問題は宝物庫内にいるセキュリティ用のゴーレムくらいかな」
「・・・やっぱりおかしいよな?いつも何処にあるか探しながらなのになんで知ってんだよ。それに家の方針とか習慣まで知ってるのは流石に変だぞ?」
「・・・キミのような勘のいい冒険者は嫌いじゃないよ」
言いたかっただけだろって思える程に言ってからニヤッとしてた。
まあ、可愛いから許すけども。
「で、なんで知ってるんだ?」
「さっき話して次男坊がつい最近亡くなって、案内した時に貴方の家に神器があるのですが、これが何処にあるか分かりますか?と聞いた所色々と教えて貰えたんだよ」
「・・・リーク元が酷すぎる」
死んで間もない状態の人から聞き出すってどんなだよ。
いや、それで言うと死んで間もない日本人も直ぐに天国か日本での転生か、異世界転生を選択させられてるし似たようなモノか。
総じて神々の死後へのアプローチが酷いって話になるんだけども。
「ちゃんと次は平和な家庭に生まれるようにしたからね」
「いい感じに言ってるけど、それただの買収だからな」
生きてた頃の情報売って、いい家庭に生まれ変われるとかどんなだよ!そう言えばここ来る前に協力者がいるとか言ってたけどまさかこんなことだったなんて……
俺なんて魔王倒してようやっと願いが何でも叶うって段階なのに。
「・・・さあて、計画も話し終わったし、図面を燃やしてくれるかな?」
「はいはい。『ティンダー』移動の計画は分かったけど、ゴーレムはどうするんだ?俺たちじゃ火力不足だろ?」
「そこは助手君の機転で何とかなるはずだから気にしなくていいよ」
つまり無策ってことだな。
おかしいとは思った。
ここまで情報があって、警備なしなら俺を呼ぶ必要は全くない。
クリス一人で事足りる。
最後の難関を俺に処理させるのが目的だったか。
まあ、最終目的地での活動が一番ハードな可能性もあるけどな。
「お頭、ゆんゆんにも協力して貰うのどうです?」
「それはダメ!ゆんゆんをこんなことに参加させちゃダメ!」
「俺は参加していい理由を詳しく!」
そりゃあゆんゆんには汚れ仕事とかして欲しくないけども、俺が良くてゆんゆんはダメとか酷い。
最初から誰かに義賊しない?とか誘うのが良くないと思う。
俺の気持ちを利用して。
「だってカズマくんはもう色々とやってるし」
「お頭が誘ったんでしょうが!」
「・・・と、ともかく、ゆんゆんみたいにピュアな優しい子には頼めないよ」
「俺は汚れてて最低なやつってことですか。そうですか。今から帰ります」
クリスの言ってることもよく分かるけど、だからと言って俺ならば良いとされるのも解せぬ。
ここは粘って待遇改善を要求する流れに持ち込もう。
「そ、そんなことないよ。助手君は神器回収手伝ってくれてるし優しいって!」
「・・・そんな見え透いたお世辞で引き返すとでも?」
「今日は野宿だから、これ終わったら腕枕してあげる」
全く、俺がそんな手に乗ると思っているのだろうか?
めぐみんやダクネスと色々とやってるこの俺が今更腕枕何かで動じることは無い。
この旅でも膝枕をクリスからして貰ったからな。
そう、俺がここで言うべきことは決まっている。
「神器回収行ってみよう!」
クリスの手を取り目的地へと意気揚々と歩き出す俺だった。
手を繋いでる理由は魔力の温存のため、クリスだけが潜伏スキルを使うからだ。
やっぱり今回は役得なのが多いな。
計画通り、この屋敷に住んでたと言う、今は亡き次男坊が作ったとされる穴から敷地内に潜入成功。
これまた情報通り、怠惰なお抱えシェフが施錠していないとされる厨房の裏口まで難なく進み、現在扉をゆっくりと音を立てないように開けている。
本当に敷地内には見張りが居ないことに俺は驚いてる。
もしかするとここの貴族は後ろめたいことなどないのかもしれない。
「よし、通れる位に開けたから進むよ?」
「そろそろ俺がスキル発動するから、廊下に出たら三数えて交代で」
「三、二、一。所で助手君はダンジョンに潜るの興味無いのかな?」
なんの脈絡もなく、クリスは質問してきた。
ダンジョンと言えば、アクアを真剣に置き去りしようか悩む程に面倒なやつしか経験してないから出来れば行きたくない。
それにその次に行った時はダクネスと入ったらバニルと遭遇して散々な目に遭ったし。
「前にアクアと入ったら、アンデッドが湧きまくるわ。友好的だったとは言えリッチーに出くわすわで大変だったから行きたくない」
「いやいや、アンデッドやリッチーは滅ぼすべきだから一緒にダンジョン攻略とアンデッド退治に行こうよ。神器が封印されてるらしいから」
「断固拒否する。と言うかいくら中に人居ないからって、こんなに話してていいのか?」
もし話し声が何処からか聞こえてバレるかもとか想定してないのだろうか?
情報になかった小さい子供がお留守番してるかもしれないし。
「気配さえ消してれば問題ないよ。人の気配全くしないから。で今度一緒にどうかな?」
「断固拒否するって言ったはずなんだけど?まず、ダンジョンに行くとなるとめぐみんがうるさいからな。そこを何とかしないと俺は行かないからな」
ダンジョンに行くとなると最も嫌がるのがめぐみんだ。
今回はクリスと二人でって話だろうが、ダンジョンは基本パーティーで行くものだから、それを勝手にやられるのもめぐみんとしては止めに来ると思う。
それにダクネスもいい顔はしないと思う。
二人でとなると俺達が何故潜るのかは察せられるだろうし、となると危険な場面も想定できるけど、俺達二人だけでやらなきゃだからな。
アクアは、言っても着いてこないだろうからこの際どうでもいい。
「めぐみんも連れてくればいいよ」
「あいつダンジョン入ったら荷物持ちしか出来ないぞ?」
「こういうリスクのある潜入活動じゃなくて、ダンジョンに潜るくらいなら盗賊団としてまた今度って言ってた話にも繋がると思うけど、どうかな?」
「その言い方はずるいぞ。分かった。ダンジョンに行けばいいんだろ?」
俺が絶対に断れない条件持ってくるのが上手すぎる。
結局俺はクリスにも手玉に取られてるわけか。
「それじゃあ、ダンジョンに行くのはこの旅が終わってから一週間後だからよろしく」
「もうちょっと休ませてくれよ」
「そんなこと言ってると神器が何処かの冒険者パーティーに見つかっちゃうよ」
一週間あるだけまだマシか。
よし、ここは待遇のよさを引き換え条件に利用させてもらおう。
「しょうがねえなあ。で取り分は俺とめぐみんで九割でいいよな?」
「なんでさ!そこは三三四であたしが四だよ?寄付するからね」
「寄付するなら俺らにくれよ。俺らが貰う宝よりもよっぽど神器の方が価値高いだろ。それに一週間ですぐにまた次の活動しなきゃいけないんだぞ?」
「・・・わ、分かったよ。その代わり、神器とは別に一割はちゃんと貰うからね?」
これでダンジョンに行けば多分お土産代は回収できるな。
加えてめぐみんの分は多分家に送るだろうから、こめっこもちゃんとご飯が食べられる。
一石二鳥だな。
「ここを右だな」
「違うよ?助手君、ここの間取りちゃんと覚えてる?」
「夢の中で覚えたから、問題はなし!」
「それ問題大有りだよね!夢って何?計画話してすぐにここに来てるはずだよ?」
こめっこが楽しそうにご飯食べてる所想像してたら道を間違えたとは言えない。
「お頭静かに!もう今は潜入中だからいくらなんでも大声はダメだ」
「そうなんだけど、今のキミに言われるのは釈然としない」
そんなことを話してると目的の宝物庫へと到着した。
ここからゴーレムとの戦いが始まる。
『ようこそ。宝物庫へ。一組様二十分までの入室が許可されています。持ち出しは厳禁です。もし、持ち出し行為が発見、もしくは当機への攻撃が確認されれば、賊と認定し、捕縛します』
中に入ると某携帯キャリアが販売している人工知能ロボット、ペリパー君がそこにいたのだから。
それと、ペリパー君を動かす為の端末らしきモノが近くに置いてある。
「侵入者を見分ける機能はついてないらしいな」
「でも持ち出そうとしたら戦わないとだよ?」
その必要は全くないと俺は理解した。
だってこのタブレット型端末がマスターデバイスだろうから、このペルパー君の無力化は容易いだろう。
「いや、戦うことないぞこれ。えっとこれをこうすれば説明書が」
タブレットを触る俺を物珍しそうに眺めるクリス。
日本には直接行ってないのかな?
日本のことで知らないことも多々あるみたいだし。
『モード変更オーダーを確認。三時間スリープモードの後、セキュリティモードを再度起動します』
「ほらな」
ペルパー君の使い方は知らないけど、日本語で丁寧に手順が書かれていたから助かった。
ここのセキュリティザル過ぎるな。
「これ、ここの家の人も仕組み分からないからお宝は入れっぱなしだって話だったのに、流石助手君だね」
「日本人なら誰だってできると思う」
後に俺以外の日本人はスマホを知らないと言う事実に気付くのだが、それはまた別の話だ。
「えっと、これだよ!これ!試しに使ってみるよ」
クリスが見つけた指輪にはエメラルドのような緑色の宝石がついていて、輪っかは恐らく純金だろう。
すごく綺麗なものだ。
「えっと、とりあえず『テレポート』ッ!?」
「おお、ちゃんと使えて・・・」
俺たちの目の前には潜入した屋敷の周りを守る警備員達だった。
何がどうなってこうなった!
「何者だ!?」
「何処から現れた!?」
「おい、あの銀髪の男が持ってるのって主様の宝物庫にあった指輪じゃないか?」
クリスが男認定されて、涙目になってる。
まあ、そんなことよりもこの状況の方が問題だけど。
「賊だ!賊が入ったぞ!」
「正面入り口に人を集めろ!」
「数人は宝物庫に向かわせろ!他にも仲間がいるやもしれん!」
「あっ!巷で有名な銀髪盗賊団じゃないか!?」
「何としても捕まえろ!捕まえれば億万長者だ!」
何で最後の最後でこうなるかな。
しかも結構優秀な方たちが多いようだ。
これは困った。
「とりあえず、戻って早く離脱を!」
「て、『テレポート』ッ!?」
「お頭、馬鹿なんですか?何で転移先を正面入り口にしたんですか?」
「いや、あまり何も考えてなかったというか、あはははは」
こんなことで大丈夫なのだろうかと思いながらも、俺たちは屋敷からの脱出を開始するのであった。
次の更新はカズめぐと断言できます。
更新日とシリーズは未定です。