週一投稿の4週連続を達成しました!
この調子でずっと続けたいです。
-SAIGONOSHIGOTO-
めぐみんの実家に泊めてもらうことになった俺とクリスだったが、クリスは恐らくゆいゆいに眠らされた。
そして、俺はめぐみんと自分の名前以外全部埋められた婚姻届を何故か持ったままめぐみんの部屋に通された。
・・・娘不在の時に、その仲間の男を娘の部屋に通す親ってどうなんだ?
しかも勝手に書類揃えてくるし、部屋にはご丁寧にめぐみんの布団敷いてあるし、次は娘と二人で来てこの部屋でお楽しみくださいとか書いた手紙が置いてあるし……
次めぐみんと二人きりだろうが、仲間と一緒だろうがこの家来たら媚薬盛られた上で閉じ込められてもおかしくない……
ゆいゆいは冗談とか言ってたけど、ひょいざぶろー作のポーションなら多少変な作用あるかもしれないけど、あってもおかしくない。
・・・こんなことならゆんゆんの家に俺とめぐみん二人だけ泊まりに行った方がいいよな。
「兄ちゃん!朝だよ!」
「こめっこか。今行く」
「兄ちゃんおはよう!兄ちゃんのこと好きな姉ちゃんはもうご飯食べてる」
「・・・どういう意味だ?」
昨日誤解は解けたはずなんだけどな?
盗賊の姉ちゃんとかに呼び名はなると思ってたのに。
「銀色の姉ちゃんが兄ちゃんのこと好きだから、兄ちゃん取られないようにかんし?しろってお母さんが言ってた」
「あの人……」
俺は疑ってないけど、クリスは疑ってたわけか。
昨日眠らされてた理由が分かった。
「兄ちゃんは姉ちゃんの男だよね?」
「・・・ああ。朝ご飯だよな?早く行こうぜ」
「うん。兄ちゃん早く家族になってね」
「・・・」
もう、本当に義兄ちゃんでもいいんじゃかろうか。
義妹に当たる子には、好かれてるし、両親はおそらく反対しない。
・・・でも俺とめぐみんのペースとかあったもんじゃないな。
デートすらまともに成功してないし。
「兄ちゃん兄ちゃん」
「何だ?」
「ここに名前書いて」
「おう、任せとけ。よしこれでいいだ、ろ。あっ!?」
俺はこの時アルカンレティアでの出来事を思い出した。
しかし、今回は既に名前を書き終わった後で、手遅れだった。
既視感がもう少し早ければと悔やんでももう遅い。
巧妙に他の欄が隠されていた……
「お母さーん!兄ちゃんが家族になる紙に名前書いた!」
「こめっこ!待て!その紙をお兄ちゃんに返すんだ!」
「こめっこ偉いわね。カズマさん。娘をよろしくお願いしますね。この紙はプロポーズが済んだ時に取りに来てください。プロポーズの前でも構いませんよ」
「・・・はぁ、もういいです。預かっといてください」
・・・外堀埋まってる所の騒ぎじゃないぞこれは。
めぐみんがゆんゆんと二人で一時的に紅魔の里に戻るなんて話になって、ゆいゆいがこれをめぐみんに見せた日にはこれまでのめぐみんの積極性からして、デートのお誘いから役所かホテルに連れてかれる可能性は十分にある。
かと言って持って帰ってアクアなんかに見つかった日には、俺はもう後戻り出来なくなるし、ダグネスでも気まずいことになる。
総合的に判断して、預かって貰う方がいい。
どうせ俺の名前が書かれた婚姻届は里中の人が見ることになるのだろうし、諦めよう。
せめて俺たちの意思で出来る間に終わらせないといけない。
・・・この旅、クリスと色々あったのに、ゆんゆんに会ってからどんどんめぐみんとの関係進展させる方向に話進んでるのはどうしてなんだろう。
おかしいな。
ゆんゆんにクリスからプロポーズされたら即受けるとか何とか話してたのに……
これじゃあ受けられねえじゃん!
今プロポーズされてもめぐみんとかこめっこが脳に過って無理だ……
「はい。早く孫の顔を見たいので、よろしくお願いしますね」
言ってゆいゆいはこめっこと食べたのであろう食器を持って部屋を出ていった。
こめっこはと言うとクリスのことを監視してるのかずっと見ている。
「・・・クリス、このことは誰にも言うなよ」
「言わないよ。と言うかここまで話進んでるのに、まだ付き合ってすらないことに驚きだよ。早くプロポーズすれば?」
「簡単に言ってくれるなよ。俺としては自分の気持ちに整理がついてからだな……」
「同衾、混浴、ほぼ毎日実質デートしてるよね?こんなけやってたら、もうすることなんて限られてると思うんだけど」
同衾はゆいゆいに図られて、めぐみんと二人で閉じ込められただけ。
混浴はお互いに意識してなかった時期の若気の至り。
ほぼ毎日デートってのは爆裂散歩だろうから関係ない。
することが限られてらねえ……
「ナニに限られるのかぜひ教えて欲しい」
「・・・もうこの話はいいでしょ。ご飯早く食べて調査終わらせて帰るよ」
「へいへい。こめっこ、ごめんな。遊んでる時間ないみたいだ」
「兄ちゃんのこと好きだから独り占め?」
「違うからね。カズマくんを少しでも早くめぐみんの元へ帰してあげたいんだよ」
「姉ちゃんは寂しんぼ」
「こめっこ、それ、めぐみんの前で言っちゃダメだからな」
めぐみんからこめっこが最近冷たいとか聞いてたけど、これは中々辛辣だな。
俺としてもめぐみんとこめっこが仲良くしてる所を見てたいし、反抗期かもしれない。
とりあえずフォローだけ入れとこう。
「兄ちゃんはモテモテ」
「それも違うし言っちゃダメだからな」
「でも姉ちゃんが兄ちゃんがモテすぎて困るって手紙書いてた」
・・・それがクリスとゆんゆんの言ってたギルドで有名と言われてる牽制に繋がっている訳か。
しかもあまり聞かない方がいい内容聞いてしまったよなこれ。
「こめっこ。手紙の内容を他人に言ったらダメだからな」
「兄ちゃんは家族になる紙に名前書いたから大丈夫」
「・・・」
こめっこ、恐ろしい子……
ゆいゆいが教えこんだ可能性もあるけど、そんなのとは関係なく言ってそう。
「カズマくん行くよ。帰ってからが怖いんだからね」
「おう。またなこめっこ」
「兄ちゃん達バイバイ!」
もうちょっとこめっこに説明とかしてから出発したかったけど、クリスの言う通り、問題の先送りが出来るこめっこへの説明より優先しないといけないことがある。
アイツらが盛大なミスをやらかす前に帰らないと!
「完全にお兄ちゃん扱いだったね。カズマくん。でいつ結婚するの?」
「・・・んなことよりも、さっさと探そうぜ。こっちだろ。確かこの辺にあるって話だからな」
「ねえねえ、教えてよ。ほらほらお姉さんが聞いてあげるから」
先輩風吹かせてニヤついてるのすげえムカつくな。
他人事だと思って好き勝手言ってくれる。
「うっせえな。それ以上言ったら口塞いで、そのままお頭を花嫁にすっからな」
「・・・助手君、何か見つかった?」
これでめぐみん関係の弄りはもうしてこないだろう。
顔真っ赤にして固まってる。
この手の話慣れてないのに調子乗るからこうなるんだ。
「いや、何も。手掛かりに繋がりそうなのは、あった」
これまでの調査とかに比べたら驚く程簡単に見つかった。
この前の潜入で危機的状況になったのが嘘みたいだ。
特に隠すでもなく、普通に石碑と三段のお重位のサイズの黒くメタリックな箱が置いてある。
「どれどれ、これは紛うことなき日本語の石碑だね」
「ああ、何々……神をも殺せる究極の武器をこの下に収める。だってさ」
物騒な物が出てきたな。
・・・と言うかこれがあればレールガンもどき使わずにシルビア倒せたのでは?
いや、でも、レールガンのあの威力よりも上の神をも殺せるって言う表現になるくらいヤバい兵器ならなかった方がよかったのか?
「・・・神器探しのつもりが、神殺しの武器が出てくるなんてこの里はどうなってるの」
「いや、多分これは、紅魔族の単なる誇張した表現だろ。えっと、これを外したらシフトレバーがあるのか。それでここのレバーをシフトチェンジの容量で、三速飛ばして四速から五速に入れるっと。おっ、何か音がしてきた」
エンジン音みたいな駆動音と共に、石碑が右へ動いた。
恐らくこの下から神殺しが出てくるのだろう。
「助手君って車の免許取れない年だよね」
「クラッチとかアクセルのペダルの操作必要だったら無理だけど、レバーだけなら誰でも出来ると思う」
「・・・そういうものなの?」
「カーアクションのある映画とかアニメ見てたらな」
作品にもよるけど、車で魅せる作品とか数見てたら作り大体解ると思う。
海外のカーチェイスモノ映画とかドラマとかアニメとか、シフトチェンジについて触れる機会は多いし、車の運転に憧れもあってミッション車の作りについて調べてたことあるのも一つの理由だけど、レバーだけなら調べてなくても大丈夫だろう。
「おっ、出てきたこれが神殺しの武器か。ただのパチンコだぞこれ」
「この弾の方が特殊なんじゃない」
「まあ、そんなんだろうな。おっ、説明書だ。なになに、『これはレールガン(仮)使用に必要な魔力を圧縮した弾とそれを撃つためのパチンコだ。魔力の圧縮してみたらどうなるのかなとか思ったらパチンコ玉サイズまで小さくなった。拳銃とか作るの面倒だったから、これ使うやつは自分で銃と薬莢は調達してくれ。パチンコを使ってもいいが威力は核兵器並かもしれない。試し撃ちするのも怖いから何もせずにここに安置することにした。手に余るような武器作るやつとか絶対バカだろ。あっ、これ作ったの俺でした……またコイツか!くそっ!要らないもんばかりポンポン作りやがって!」
紅魔の里に日本語だからコイツだろうとは思ってよ。
思ってたけど、こんな趣味で適当に作りましたみたいな天災ムーブされても困る!
「ど、どうしたの急に」
「デストロイヤーとか、紅魔族とか、レールガンもどきとか、もぐにんにんとか作った迷惑転生者だよ」
「な、なるほどね……」
この転生者さえいなければ、デストロイヤーと戦うことになんかならなかったし、シルビア討伐で苦戦することもなかったし、めぐみんともぐにんにんを、めぐみんと?
コイツいなかったらめぐみんと会えてないのか……
存在否定はやめとこ。
「なんつうもんを雑な封印で片付けてんだコイツは、でも待てよ?」
「どうしたの?」
「これ魔王城に向けて撃ったら防御壁ごと倒せるんじゃないか?」
「そんなことしたら、転生前に聞いてる魔王討伐報酬はなしだよ」
手抜きしたらやっぱりダメか。
実際にやっていいと言われて、相手が魔族でも、核兵器級とか聞いて使う気にもならないけどな。
「そりゃそうか。これはそっちで処理しといてくれ」
「はーい。流石にこれ持ち歩けないから一旦天界戻るよ。助手君はテレポート屋に向かっておいて」
「分かった。めぐみんの家寄ってから向かう」
ゆいゆいに挨拶してなかったのを思い出したからな。
帰る前に一言挨拶しとかないと。
「挨拶は大事だもんね」
言ってクリスは姿を消した。
絶対娘さんをください的な意味で挨拶って言っただろアレ。
とりあえず空のまま再封印してっと。
「おい、そこで何をしている」
「何か見つけたんで気になって触ってただけだ」
「こんな道もない所に?ってめぐみんの夫じゃないか」
ここまで来るともう一々訂正するのも面倒だな。
いや、ぶっころりーはもう結婚したと思う情報渡されてるんだったか。
「こりゃどうも。書類の件は世話になった」
「まさかあのめぐみんが結婚一番乗りなんてみんな驚いてるよ」
「付き合ってすらないけどな」
「え?」
そりゃあ、婚姻届の証人欄を書かさせられたらとっくに結婚してると思うよな。
で、その相手が付き合ってすらないなんていいだしたら驚き隠せないよな。
「あれ、ゆいゆいさんの独断専行だからな。めぐみんは存在自体知らないし、俺も見せられるまで知らなかった。こめっこに仕込まれて自分の欄書いちまったけど」
「・・・てっきりめぐみんが頼んでのことなのかと思って名前書いたのに」
「俺達の結婚報告が遅かったらめぐみん宛に俺の名前入り婚姻届を送られるらしい……」
「なるほど。その、なんだ。めぐみんのことよろしく頼むよ。それはそれとしてどうしてこんな所に来たのか教えて貰えないかな。ここについては里の人間以外は知らない場所なんだけど」
おっと、まずい。
このままだと牢屋行きも有り得そうな聞かれ方だなこれ。
とは言え、相手がぶっころりーで良かった。
買収方法なんて簡単にある。
「ぶっころりー、ここだけの秘密の話なんだけどさ」
「いくら金を積まれても」
「サキュバスの運営する素晴らしい夢を提供してくれる店がアクセルにあってだな」
「その話詳しく聞こう」
「そんなに高くない金額で、望んだ夢が見られるんだ。そのサービスいつでも俺のツケで使っていいと言ったら」
本当に金額面はそこまで高くないからな。
紅魔の里から毎日通うなんてことにはならないだろうし。
「・・・よく考えたらめぐみんの夫になる人物なら紅魔族も同然。ここのことをめぐみんから聞いて気になって見に来たに違いない。さっ、早くテレポート屋に行ってアクセルに行こう兄弟」
「行こう行こうと言いたい所なんだけど、ゆいゆいさんに挨拶してから帰るつもりだからちょっと待って欲しい」
「分かった。テレポート屋で待ってるよ」
ふー、何とかなった。
あるえが条件付きとは言え普通に教えてくれたから油断してた。
アラーム的なの仕掛けられてんだろうな。
来たのがぶっころりーで良かった。
とりあえず今はめぐみんの家に向かわないと。
「あらカズマさん。こんな所でどうされたんですか?」
「ゆいゆいさん丁度いい所に、俺もうアクセルに帰るので挨拶に戻ろうと思ってたんですけど、道が分からなくなって」
「この辺は獣道が多くて迷い易いですからね」
特に疑われては無さそうだな。
ある程度石碑の場所から離れていて良かった。
「泊めてもらってありがとうございました」
「いえいえ、カズマさんは私達の息子ですから、家族とその客人を泊めるのは当然ですよ」
「・・・テレポート屋はどっちですか?」
もう訂正するのがどうでも良くなってきた。
とりあえずアクセルに帰ろう。
帰ってちょむすけに癒されながらベッドで寝よう。
「ここを真っ直ぐに進めば道に出るので、そこを左に曲がって道なりに行けば街が見えてきますよ」
「ありがとうございます。・・・仕送り俺もするんで婚姻届は送らないようにお願いします」
この旅での出費、路銀よりも買収の為の経費の方が高いんじゃないか……
しかも神器回収隠蔽の為に支払ったのよりも、私的な関係維持のための買収に支払う方が高そうなのもおかしい……
「ありがとうございます。これはカズマさんが受け取りにくるまで大切に保管しておきます」
「・・・お願いします。ではまた」
「今度は娘と二人で来てくださいね」
めぐみんと二人で来るのは止めといた方が良さそうだな。
何か企んでるのは間違いない。
今度来る時は宿屋に泊まる方がいいなこれは。
と次来た時のことを考えながら、テレボート屋へと歩き始めた。
テレポート屋の近くに来るとクリスとぶっころりーがお互い少し離れた所で俺を待っていた。
先にクリスが俺に気付き、俺の方へ駆け寄って来た。
それを見てぶっころりーもこちらに気付いたようで、こちらへ向かって歩き始めた。
「遅かったね。こめっこちゃんと遊んでた訳じゃないよね?」
「ちげえよ。色々あったんだよ。なっ、兄弟」
「おう兄弟。所でそこの女性は誰だい?」
「里で噂の俺を狙ってる女盗賊」
これ程に楽な説明はない。
ぶっころりーが警報に呼ばれて来たってことは、高確率で昨日はねりまきの店へは行っていない。
つまり、情報は更新されていないだろうからな。
「ああ、そう言えばねりまきがそんな話してたっけか」
「ちょっと待って!違うから!それに情報の修正するって話だったよねカズマくん」
「俺たちが行くまでは修正前の話を広めてたんだろうよ。だからこそねりまきに修正の依頼した訳だし」
この里において情報が最も集まる場所だからなあの店くらい。
最初の話も同級生経由で聞いたねりまきが広めたと考えるのが普通だろう。
そこを理解せずについて来ていたのかこの人。
「噂が事実じゃないのは君達の会話で察しはつく。それより早くアクセルに行こう」
「話の分かる人でよかった。あたしはクリス。よろしくね」
「我が名はぶっころりー!紅魔族随一の靴屋のせがれにして、自由を追い求めし者!」
「紅魔族一の靴屋ってすごいね」
そこに凄いと思ってる時点で紅魔族への解像度が低いな。
・・・高くても嬉しくはないけど、まあ、俺を連れて来たのはやっぱり正解だったのかもな。
「里に一軒しかないんだろ?」
「そうさ。だから早く継げ継げとうるさく言われてるのを断固拒否しいる所でって、そんな話よりも二人分のテレポート代を貰おうか」
「はいよって、なんでお前に渡すんだ?」
「それはこういうことさ。『テレポート』」
お前テレポート屋で働いてたのかよ!
これ、お金払わなくても良かった説ないか?
だって明らかにテレポート屋より離れた所で、転移してたし。
「いやあ。お金がなくなってきてたから助かった助かった。めぐみんによろしく言っといてくれ。あと、例の店の件また今度頼む。まだ任務が残ってるからね」
やっぱりか……
図られた……
去り際にそんなことを言われた。
「・・・さてと、帰ってきたことだし、クリス。俺はさっさと屋敷に戻ってアイツらがやらかしてないか確認してくる」
「分かったよ。めぐみんへの説明頼むよ。何かされたら恨むからね。またね」
「俺じゃなくて俺の提案蹴った過去の自分を恨め。やれるだけのことはやってみる。またな」
こうして俺とクリスの旅は終わりを告げた。
しかし、これは終わりであって始まりである。
事後処理と言う名の地獄の。
このシリーズの次回作はカズマさん帰宅後のお話になります。
その後は、以前のように別の読み切りとか投稿します。
次回のシリーズは●●を!です。
カズめぐ確定拠出です。