この素晴らしい読者様に祝福を!   作:めむみん

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今回はpixivのフォロワー数が200を越したことを記念して投稿します!
みなさんいつもありがとうございます!
なんとか毎月投稿は出来ました。嘘はついてません。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。


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「あの、お金がないのですよね?良ければこれをどうぞ」

 

言ってその子は俺に二人分の登録手数料とその百倍のお金を渡してきた。

 

「えっ、えっと。こんな大金を見ず知らずの俺らにどうして?」

 

俺がそう言うとその子は一瞬俯いてから口を開いた。

 

「勿論、条件はあります。私をあなた達のパーティーに入れてください」

「え?そんな事でいいのか?しかも俺ら何もやってないけど?」

「何でもいいじゃない。お金は入るしこの子紅魔族だから即戦力になるわよ!」

 

何だか怪しい。

紅魔族が何か知らないが多分強い種族なんだろう。

この金受け取ったら、角から怖いお兄さん達が出てきて囲まれそうな気がする。

 

「先行投資ですよ。私はあなた達が魔王を倒すと人目見て思ったのです」

 

余計に胡散臭くなってきたな。

アクアは浮かれてるけど、女神だから疑う心とかないのか?

ここは一つバシッと撃退してこの女神の俺に対する評価でも上げておこうかな。

 

「本当の事言ってくれよ。話はそれからだ」

「えっ、...」

 

やっぱりだ。

急に挙動不審になった。

辺りを見回してるし、恐らく仲間でも探してどうすべきか確認しているのだろう。

さてとあと一押しでこの子とはお別れだな。

 

「どうした?話せないのか?それだとこのお金怖くて受け取れないんだけど」

「うっ、分かりました。バレては仕方ないですね」

 

ふっ、とうとう観念したようだな。

 

「本当は、その、あなたに一目惚れしました。ですから同じパーティーに入りたいって思って…」

「やっぱりか一目惚れして・・・今なんて?一目惚れって聞こえたんだが」

「うん。私の頭がおかしくなったのかと思ったけどそれで間違いないわ」

 

俺が確認するとアクアがそんな事を言った。

当の本人は恥ずかしそうに杖で顔を隠しながらチラチラこちらを見ている。

えっとあれか?

美人局に移行したのか。

ここでモテ期到来とか浮かれる俺ではない。

あと俺がロリコンではなくて良かった。

 

「本当にそう言うの良いから本当の事言ってくれ、今なら穏便に済ませてやるからさ」

「・・・も、もう一度言わなきゃダメですか?」

 

論点のすり替えを始めたし、間違いない。

異世界来て直ぐにこれではこの世界の治安が心配になってきた。

 

「そうじゃなくて、芝居はいいからさっさと本当の目的をだな」

「何か勘違いしてませんか?」

「何を?」

「私は本気ですよ?これ以外に隠してる事なんてないです」

 

往生際の悪いやつだな。

早く吐けばいいのに。

 

「またまたご冗談を。近くに仲間とかいるんだろ?余所者騙そうたってそう上手くいかないぞ」

「・・・カズマ、もしかしてこの子美人局?」

 

ここでこの・・・えっと女神も気付いたようだ。

何気に名前聴きそびれてたな。

 

「ち、違いますよ!やっぱり疑ってたんですね!」

「やっぱりも何も怪しさしか感じないんだけど」

 

最後まで認めないか。

何かぼそぼそ呟いたあとこの子は言った。

 

「信じて貰えないなら今は帰ります。でも諦めませんからね!」

 

ここまで来ると逆に尊敬するな。

さてとこんな事にカマかけてる余裕はない。

話を元に戻そう。

 

「危なかったわね。騙される所だったわ。でもあの子お金置いてったわよ?」

「一応預かるけどこの金は使わずにバイトで稼ぐぞ」

 

この時俺らは本当にあの子がまた来るとは思いもしていなかった。

 

 

 

バイトで何とか登録手数料と宿代を手にした俺たち二人はギルドで夕食を取っていた。

 

「アクアいいか。今日みたいな事がまたあるかもしれないから気を付けろよ?」

「ええ、上手い話には裏があるって事よね。気を付けるわ」

 

昼間の件でこの女神ことアクアとの絆が深まった。

かと言って恋愛対象かと言われると違う気がする。

まあ、何にせよ仲間同士の仲が良くなった訳だからある意味あの子には感謝だな。

今頃隣町にでも逃げて…

 

「それでどうすればいいのでしょうか?」

 

なかった。

いや、この子何なの?

肝っ玉座り過ぎでしょ。

如何にも人生経験豊富そうなお姉さん二人とあのロリッ娘が話していた。

 

「地道に誤解を解くしかないんじゃないかな?でもその感じだと難しそうよね」

「でもその人も凄いよね。普通ホイホイ乗っちゃいそうな話なのに断るなんて」

 

なんだろう。

これ俺の話だよな?

ちょっと恥ずかしくなって来た。

アクアにどうしようか聴こうと思ったらカウンターで飯食ってやがる。

後で絞めておこう。

 

「はい。私の思った通りの人でした」

「でもそんないい男何処にいたの?」

「そうよね。そんなイケメンで人格者に会ってみたいわ」

 

なんか凄い美化されてる気がする。

もしかして違う人の話ではなかろうか?

でもさっきの流れ的に行くと俺だよな。

 

「それでその人の名前は?」

「カズマと言うらしいです。直接聴いた訳ではないですが一緒にいた女性がそう呼んでいたので」

 

俺で確定した。

あの時はアクアの方だけが名前知ってたしな。

外堀埋め始めたのかこいつは。

どんな手使ってでも騙す気らしい。

 

「へぇー変わった名前の人だね」

「私はカッコイイ名前だと思うのですが」

 

カッコイイ名前って何だよ。

和真なんてざらにある名前・・・じゃないのかここは。

 

「・・・ねえねえ、その名前何処かで聞かなかった?」

「えっ、本当ですか!?」

 

何故こいつはここまで本気なのだろうか?

まさか家族の命懸かっているのだろうか?

そうなるとちょっと気の毒に思えて来た。

だからと言って助ける訳じゃないし、話にも乗らないけど。

 

「う、うん。確か今日冒険者登録に来た凄いアークプリーストの人と一緒にいたような」

 

そうだよな。

あの時、俺は初っ端から冒険者人生より商人の方が向いてるとか言われてたけど、アクアの奴異常なステータスで受付の人興奮してみんな見てたもんな。

知力と幸運値が低いってのが俺と真逆でちょっと気持ち的に楽な面でもあるが。

 

「え?でもあの男の子パッとしない普通の子だったじゃない。不釣り合いな組み合わせで変な服着てたから覚えてるわ」

 

おいこら、誰がパッとしないやつだ!

別にあいつとは付き合ってる訳でもないし不釣り合いだとか言われる筋合いもねえ。

何頷き合ってんだこのお姉さん方。

よし、そろそろこの二人に喧嘩売るのも併せて声掛けよ・・・

 

「・・・多分。その人です。私が好きな人は」

 

気まずそうにロリッ娘は言った。

 

「「えっ、」」

 

その驚き方は失礼にも程があるだろ。

あと俺の存在に気付いたようだ。

顔から焦りを感じる。

 

「緑と黒の服ですよね?」

 

ロリッ娘は気付いてないのか話を続ける。

 

「「あ、うん。と言うかその人なら後ろに」」

「・・・え?」

 

二人の指摘に振り向くとロリッ娘は一気に顔を紅くし、あわあわしだした。

 

「あっ、ど、何処から聞いてたんですか!?い、今のは聞かなかった事に・・・」

 

嘘とは思えない程に悶えている。

この子女優になれるって言うか直ぐに人気子役だな。

どうしたものかと後ろを見るとお姉さん二人は逃げていた。

 

「誤解を解くとかなんかそんな話ら辺だな。随分と美化されてたけど」

「ホント!忘れてください!ううぅっ」

 

やばいどうしようこの子嘘泣き始めたんだけど。

・・・めちゃくちゃ可愛い。

はっ!しっかりしろ俺。

あの女神と言いここには見てくれだけは良い奴がいるんだ。

異世界来て直ぐに借金まみれの生活なんて御免だ。

 

「分かった聞かなかった事にするから泣きやめって周りから見られてるから」

「迷惑掛けてすみませんでしたあああぁぁ」

 

そう叫んで走り去った。

・・・何だったんだ?

やっぱり家族で脅されてんのか?

ちょっと心配だし、後付けてみるか。

 

「カズマ、何処行くの?私お風呂行きたいんですけど」

 

・・・この駄女神はほっておこう。

 

 

 

紅魔族とか呼ばれる種族の子を追いかけ初めて数分。

彼女は魔道具店に入っていった。

 

「失敗しましたあぁぁ」

「お、落ち着いてください。やっぱり初めから恩着せがましく言った方が良かったんじゃないですか?あの額は確かに素直に喜べる額じゃないですから」

 

なるほど。

この優しそうなお姉さんが元締めか仲介人か。

天然そうな顔して怖い事してんな。

巨乳なのに勿体ない。

 

「ウィズはそう言いますが、私はカズマに少しでも好かれたくて」

「一目惚れなんですよね?はやる気持ちは分かりますがゆっくり少しづつの方が変な疑いは掛けられなかったと思いますよ」

 

・・・あれ?

この人も外堀の一人か?

こういう店って冒険者よく来るからかな?

 

「でも、好きな人がお金に困ってたら助けたくなるじゃないですか」

「そ、それは登録手数料だけなら怪しまれなかったのではないでしょうか?」

 

確かにそれだけならラッキーくらいの乗りで受け取ってたかもしれない。

 

「それを早く言ってくださいよ!私カズマに警戒されちゃいましたし、さっきは話聞かれて恥ずかしくて逃げちゃいましたし、もうカズマに近付くの無理ですよ」

 

・・・こうやって見てると嘘ついてない気がしてきた。

これ全部嘘だったら怖過ぎる。

でも俺なんかに如何して?

それこそギルドのお姉さん二人が言ったようにパッとしないやつなのに。

 

「・・・こうなったら最終手段で行きましょう」

 

店主のお姉さんに気付かれた気がする。

どうしよう。

今出て行くの気まずい。

 

「何か手があるんですか!」

「少し値は張りますが惚れ薬を」

 

いきなり何言い出してんだこの店主さん。

てかこの世界にそんな物あるのかよ!

 

「惚れ薬・・・それならってダメですよ!そんなの!私は自分の力であの人に!」

「今ので誤解は解けたと思いますよ?」

 

そういう事か。

この子の真意を俺に見せようとしたのか。

 

「でも惚れ薬があれば・・・え?今なんて言いましたか?」

 

・・・欲望と葛藤する所もあるらしい。

 

「誤解は解けたと思いますよ」

「如何してそんな事が言え・・・あ!」

 

俺に気付いたその子はまた赤面し、わなわなと震えていた。

 

「よ、よう。あの後気になって後付けてたんだけど、本当だったんだな。ごめん。仲間の件受ける事にするから」

「ああああああああああ!!ウィズ図りましたね!こんな店我が爆裂魔法で」

「めぐみんさん落ち着いてください!!そんな事されたらウチだけじゃ済まないですから!」

 

めぐみんと呼ばれた魔法使いはウィズと言う店主に止められていた。

あだ名にさん付けるってどうなってんだろ?

 

「はあ、こうなったら自己紹介ですよね?」

 

言って魔法使いの少女はマントを翻した。

そして変なポーズを取ってから言った。

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の天才にして爆裂魔法を操りし者!」

 

・・・この子中二病患者だったのか。

てかめぐみんって名前なのかよ!

 

「何か失礼な事考えてませんか?」

「べ、別に・・・・・・えっと俺の名前は佐藤和真。最弱職の冒険者にして魔王討伐を目指してる者だ。まあ、諦めつつあるけど」

 

ポーズは流石に恥ずかしいから口上だけ似せといた。

するとめぐみんは目を輝かせていた。

最後の一言までは。

 

「あの諦めつつあるって言うのはどう言う」

「ほら一緒にいた青髪の奴いるだろ?あいつが浪費家で武器整えるのに時間がかかりそうで」

「お金ならありますよ?」

「そ、そういやそうだったな」

 

この状況俺はどうするべきなのだろうか?

自分に一目惚れした子からお金貰うって色々ダメな気がする。

そもそも何故惚れたのだろう?

 

「一ついいか?」

「はい。何でしょう?」

「俺の何処が良かったんだ?」

 

質問に対して悩むこと無く真っ直ぐな目で答えた。

 

「バイトしている所を見掛けて、その働きぶりですね」

 

色んな所でカルチャーショック受けながらバイトを転々としてたからな。

しかもどれも褒められたようなものでは無い。

 

「それ何のバイトしてた時だ?」

「ギルドでウェイトレスしてた時のです」

「二時間足らずでクビになったんだけども」

「畑で秋刀魚が採れる事知らなかったのでしょう?それまでの話ですよ」

「・・・嗚呼」

 

こんな子に見られていたとは気付かなかった。

そりゃあ。

初めの方は気が利くなとか褒められてたけども。

それで惚れるのだろうか?

 

「初めは変わった服の人だなって見てました。それで業務外の仕事を幾つもしていたのを私は見ていたんです。普通は与えられた仕事しかしないのに勤勉な人だなあって思ったんです」

「・・・」

 

なんだろう。

俺の本性知られたら不味い気がする。

引きこもりしてたなんて言えない。

 

「そこから気になり始めて、他のバイトをしている所にも何度か遭遇するうちに気付いたら好きになってしまって、お金に困っていると聞いたので助ければ仲間に入れてくれるのではないかなと思ったのですが軽率でした」

 

大金を出したのを反省してか恥ずかしそうに髪を掻くめぐみん。

どうしよう。

この子は俺の上辺だけ見てるようだし、あまり宜しくないパターンだよな。

 

「難しい顔してどうかしましたか?」

「いや、俺なんかでいいのかなと思ってさ。ほら秋刀魚がどこで取れるか知らない程には世間知らずだぞ俺?」

「構いませんよ。世間知らずでも、元引きこもりでも全く問題ないですよ」

 

こんな子が他にいるだろうか?

いや、居ない。

ギルドでの俺の評判はこいつの話で大体分かる。

タイプとは違うけどここは手を取るしかないだろう。

だってこの子可愛いからな!

今後の成長に期待ってやつだ。

 

「そ、そこまで言われたら……今元引きこもりって言わなかったか?」

「ええ、…もしかして違いましたか?すみませんでした」

「謝らなくていい、あってるから」

 

急に気まずくなってきた。

視線を逸らすと店主さんが微妙な視線を送っていた。

そりゃあヒキニートとか聞いた後だとそうなるよな。

 

「でもどうして知ってるんだ?」

「二人が冒険者登録した日、ギルドに居た人からヒキニートと呼ばれていたと聞きましたので、引きこもりのニートの略かなと思いまして」

「…悔しいけど合ってる」

 

めぐみんはほっとしたのか表情が軽くなった。

相手が引きこもりのニートで安心するなとツッコミたいがやめておこう。

 

「あの、一つ確認ですがアクアさん?はカズマとはどういう関係ですか?」

「あいつは腐れ縁?みたいな所かな」

「そうですか。良かったです」

 

やばい。

この笑顔の攻撃力高過ぎる。

 

「返事はもっとお互いに知ってからでいいのでよろしくお願いしますね?」

「あ、嗚呼。よろしくな」

 

この世界に来て数日で新たな仲間兼俺の彼女候補が出来た。

 

 

 

「今日もいい夢だったな。記憶消して夢見られるとか中々すごいよな」

 

さっきのサキュバスの夢サービスで、頼んだもしめぐみんが一目惚れしていたらと言うものであった。

しかし、俺も馬鹿だな。

普通に手を取ってたらもっと楽しめただろうに。

夢と思ってない故の弊害もあるってことだな。

次はそこも考慮して頼むか。




今回は夢落ちとなってますが、平行世界に祝福を!を作っていた時のボツを転用しただけです。
手抜きですみません。忙しくてこれくらいしか出来なかったのです。
次の記念作はちゃんとしますから御容赦ください!
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