この素晴らしい読者様に祝福を!   作:めむみん

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またもや投稿が遅れすみませんでした。
パーティー交換の勝負が今回終結します!
是非ご覧ください!
この回ではTwitterのフォロワーさんが500人を突破したことを記念して更新しました。ありがとうございます!


決闘の勝敗

-KETTOUNOSYOUHAI-

 

戦勝ムードの俺たちはギルドで宴をしていた。

アクセルハーツだけで二十数匹も討伐したらしいし、俺らもなんだかんだあったが十五はくだらない数を倒している。

これで負けるなんてことないだろうと、カズマのツケにして俺たちはじゃんじゃん飲みまくって、食っている。

 

「あの、こんなに頼んじゃって良いんですか?」

「俺たちの勝ちは約束されてんだ。気にせずに宴を楽しめよ」

「そうよ!カズマが負けなのは確実なの!ゆんゆんも盛り上がってこう!」

 

アクアはとっくに出来上がってる。

正直に言って、だる絡みされるのが面倒だが、今はゆんゆんかアクセルハーツの誰かに行くから俺にはなんの害もない。

 

「ゆんゆんの言う通り、これは頼みすぎでは無いか?」

「いいか?カズマは負けたら何でも言うこと聞くからってこのバトル始めたんだぜ?」

「しかし、まだ決着はついていないぞ?」

「勝ちだと分かってるんだ。問題なんてない!」

 

こんな時だけ常識人みたいなこと言われても困る。

それにもう全部カズマのツケで頼んでるからどの道、俺らが支払う必要はない。

人の金でする宴会程楽しいものがあるだろうか。

いやない!

 

「ダストさん。もし仮に私達が負けたらどうするんですか?」

「そん時は俺が払ってやるよ。まあ、勝ちは決まってるからな」

 

心配性な奴らだ。

俺とアクアを見習えってんだ。

楽しい宴が下がっちまう。

 

「よっ、祝いの『花鳥風月』!!」

「さっすが女神様!もっと凄いの見せてくれ!」

「ノリがいいわね!それじゃあ取っておきを」

 

あれどうやってんだろう。

あんなでかい鳥隠す所なんてないはずなのに。

気になるが、今が楽しければそれでいい!

 

「なんだか賑やかですね。勝ったんですか?」

「勝ったようなものだから前祝いだ」

「絶対勝つ自信があるのよ」

「そうですか。私がいなければ全滅してそうでしたけど」

 

やっぱりこいつだったか。

ドヤ顔がウザイがここは我慢。

 

「あれは助かった。奢りだから何でも頼んでいいぞ」

「気前がいいですね。そんなに倒したのですか。討伐報告が終わったら頼みます」

 

これで楽しむ人間が増えたな。

早く帰ってこい。

驚くあいつらの顔が目に浮かぶ。

 

「楽しかった!ホントカズマって凄いよ!」

「土作って泥水からの氷結のコンボは強かったな」

「カズマの狙撃の腕も凄かった!これは俺らの勝ちだろ」

 

浮かれてるな。

やっぱりリーンがカズマをべた褒めしてるのはモヤモヤする。

テイラーとキースも褒め過ぎだし、緩みすぎだ。

しかし、対象的にカズマはそこまで浮かれていなかった。

 

「まだ安心できないって、向こうには恐らくゆんゆんが、ほらいるだろ」

「一緒にいるだけでしょ?」

「そうだといいんだが」

 

さすがカズマと言った所か。

予測してたか。

まあ、めぐみん込のゆんゆんプラスだと思ってるだろうけど。

それだけじゃ甘いぜ。

 

「派手に宴やってるけど、随分余裕があるの」

「おう、こっちにはアクセルハーツがついてるからな!」

「「「「え!?」」」」

 

これが見たかったんだよ!

絶望に満ちた表情。

バニルの旦那はここにいなかったこと後悔するだろう。

 

「ちょっと待て!こんなのズルだろ!」

「あんたズルして勝手嬉しいの?」

 

キースとリーンがうるさい。

テイラーはカズマの反応を待ってる感じだ。

テイラーのカズマに対する信頼はウチのメンバー以外だと一番だろうからな。

俺は敢えて黙っていると、リアが前にでた。

 

「カズマ、すまない。いつもパーティーを組んでいるから加算してもいいと思ってな」

「分かった。謝ることねえよ。俺の我儘で始めたことだし、俺は報告行ってくる」

 

言ってたカズマはテイラーと受付へ向かった。

そして、残る二人に俺は詰め寄って告げる。

 

「カズマは物分かりが良くて助かるぜ。カズマ達が賭けやってんだ。俺抜きで勝手に進めたお前らも何か言うこと聞けよ」

 

勝ったも同然の状況で、持ちかける賭けはいいな。

しかもこの状況下で断れる奴らじゃない。

 

「わ、分かった。できる範囲で、常識の範疇なら何でも聞くわよ」

「ああ、これまでの借金帳消しとかは無理だぞ」

 

先手を打たれたが、頼みたいことは問題ない。

ここまで賭けでいい気になれるのはいつぶりだろうか。

 

「あ、あのう。ダストさん」

「何だ?今こいつらと話してるところなんだ。後にしてくれ」

「わ、分かりました」

 

全く、今大事な話してるってのにゆんゆんは空気を読む力をもうちょい身につけた方がいいと思う。

そうすりゃあぼっちも解消されるはずだ。

 

「ねえ、ゆんゆんが何か言いたげだけどいいの?重要な話なんじゃないの?」

「お前ら、負けだとわかってて賭けなしにしようとしてるだろ。そうはさせねえぞ」

 

魂胆が丸見えだ。

俺は引っかかりやすい男じゃねえ。

 

「逃げる気はねえよ。それで何して欲しいんだ?」

「キースにはいつもの店七回奢ってもらう」

「それくらいならいいけど、...おい、こんな時に言うなよ」

「いいか?カモフラージュに喫茶店でも奢れよ」

「はあ、分かった。それでいい」

 

よし、さり気なく二個の要求を飲ますことに成功。

さて、あとはリーンとテイラーだが、まずはリーンに告げよう。

 

「リーンお前には俺と・・・」

「勝負だ。ダスト。計算が終わったぞ。・・・あれ?邪魔だったか?」

 

間が悪く、テイラーが戻ってきた。

カズマが報酬担当になったのだろう。

 

「・・・いや、あとでもいいぞ。で、テイラー。どっちから言うんだ?」

「どっちからでもいいぞ」

「じゃあ、俺らからな。まず四人で十七、アクセルハーツの三人が二十三。合計四十だ!」

 

リーンとキースの悲壮感がより際立ってきた。

勝手に交換したお前らが悪い。

俺のありがたみを噛み締めておけってな。

 

「そうか。俺らは二十九だ」

「「よっしゃあ!!」」

 

俺とアクアの二人で喜び合う。

他は大して喜んでない。

何故だろう。

こんなにも喜ばしいことなのに。

 

「で、追加で三十六な」

 

後からやってきたカズマがそんなことを言い出した

今更何を言っても無駄って・・・

三十六?

 

「三十六って何処から来たのよ」

「そうだそうだ!急に数が増える訳ねえだろ!」

 

この短期間にどうやってそこまで増やせるのか。

仮にカズマがそこらの冒険者から聞き出したとしも論外だ。

普段共闘をしてるパーティーなんてない。

 

「お前らアクセルハーツと組んだだろ?だから俺らも他と組んだだけだ」

「オレたちはいつも何処かとつるんでねえ。それこそカズマのパーティーくらいだ」

「そうだよ。カズマ、頑張って探して来てくれたんだろうけど無理だよ」

「俺達は負けだ」

 

さっきとは逆でこっちの二人の方が物分かり良くなってる。

しかし、カズマのこの自信はどこから来てるんだ?

そう思ってカズマを見ていると、カズマの背後から突如ちびっ子が現れた。

 

「真打登場!」

「め、めぐみん!?ど、どうしてめぐみんがカズマといるのよ!」

「ふっ、我が力に魅了されしカズマと契りを交わしたまでです」

「つうことで、俺らの勝ちだからな」

 

どうなってんだ!

不機嫌だったじゃねえかよ。

しかし、ウチはめぐみんとの共闘はやっていない!

これで退けられる!

 

「カズマ、おかしくないか?」

「何が?」

「俺らとお前の嫁さんは組んでねえぞ」

「誰が嫁さんだ」

 

横で顔真っ赤にしてるロリっ子以外に誰がいるよ。

ご本人が契りを交わしたって言ってたろうが。

 

「それよりこいつは今、ゆんゆん枠だぞ?ゆんゆんとはクエスト受けてるだろ?」

「・・・え?」

「カズマ、よく言ってくれた。ダスト、賭けは負けた方が何でも言うこと聞くんだよな?」

「そうね。私達三人一つづつよね?」

「安心しろ、金に関わることは頼まない」

 

安心できるか!

テイラーの要求は安心できるかもしれんが、あとの二人がまずい。

キースはさっき俺が言ったことを丸々だろう。

リーンに関しては何言い出すか分からねえ。

 

「所でダスト。アクアが見えないんだが知らねえか?」

「そこにいただろ?」

 

さっきまで宴会芸を披露していた場所を見るもダクネスとシエロが話しているだけで誰もいなかった。

逃げやがった。

 

「アクアさんならめぐみんがカズマさんと一緒に来るの伝えたら用事を思い出したと言って出ていきましたよ」

「二人が接触してるの知ってたら教えろ!」

「伝えようとしましたよ!ダストさんが聞かなかったんじゃないですか!」

 

あっ、そう言えば何か言ってたな。

『あ、あのう。ダストさん』

『何だ?今こいつらと話してるところなんだ。後にしてくれ』

『わ、分かりました』

あっ・・・

完全に俺のミスじゃねえか。

くそっ、しっかり聞いておけば良かった。

 

「あいつが逃げたってことはこの宴会、俺のツケでやってるだろ」

「はい、勝敗はつくまではやめた方がいいと止めたんですけど」

「ダストとアクアが聞かなくてな。ここは一つ不在のアクアの代わりに私を口汚く罵ってくれ!」

 

ダクネスは通常運転のようだ。

カズマが無視を決め込むと、放置プレイだとか言って喜んでる。

やっぱり、人は見た目より中身だな。

 

「でももし負けたらダストさんが払うと言ってましたからカズマさんは払わなくていいですよ」

「お前何言ってんだ!」

「そうか。ダストあとは頼んだ。俺は逃げたバカを捕まえに行く」

 

言ってカズマは嫁さんを引き連れ去って行った。

・・・って見てる場合じゃねえ。

金がねえ。

ここは一つアクアみたく逃げるしかねえ。

 

「あんた、どこ行くつもりなの?まさか食い逃げなんてしないわよね?」

 

先読みされ、三人に道を塞がれた。

他の道をと思ったが、何処もダクネスやら、アクセルハーツの連中やらがいて逃げ場がない。

 

「俺は今宴会やった分を払えるだけの金持ってねえんだよ!お前らそこを空けるか金をくれるかどっちかにしてくれ!」

「どっちもしないわよ!金がないなら働きなさい!」

「それにもうカズマのツケで通ってんだ。問題ないだろ」

 

そもそも精算は済んでる。

今俺が今払わなければならない訳では無い。

カズマにはおいおい返せばいい。

 

「はぁ、カズマには俺から返しておくが、しっかり俺に返せよ」

「流石テイラー!リーダーはやっぱり違うぜ」

 

持つべきは優しいリーダーだ。

カズマもちょっと煽てりゃ奢ってくれる優しいリーダーだ。

 

「よいしょしても額は減らさないからな」

「そんなつもりじゃねえっての」

「テイラーにお金返すまで、あんたの報酬は生活費以外全部テイラーのだからね」

「それはねえだろ!」

 

労働対価もなしに誰が働くって言うんだ。

働いたら負けってカズマも言ってたくらいだ。

 

「それいいな。あと俺らは金貸さないからな」

「リーンとキースの人でなし!」

 

こいつらに人の心はねえのか?

仲間がこんなに困ってるってのによ。

 

「・・・バカはほっといて、何頼むか決めない?」

「だな。ダスト頑張れよ」

「何でこうなったんだああああ!!」

 

 

 

 

 

遡ること数十分。

 

「今回は完全に負けたな」

「いや、まだ可能性はある。受付終わったら先に戻っててくれ」

 

ゆんゆんが組むのは知ってたけど、まさか、アクセルハーツと組むとは思っても見なかった。

まずい展開ではあるが、受付にめぐみんがいる。

つまり、めぐみんも何かしらを討伐したようだ。加えて、受付に結構時間がかかっているようだからそれなりの数だろう。

ゆんゆんがめぐみんの代わりならば、めぐみんをゆんゆんの代わりとして、仲間にするのは問題ないはず。

 

「あっ、カズマ。負け確定の今の気分はどうです?私たちのありがたみが少しは分かったのではないですか?」

「お前らって言うかアクセルハーツとゆんゆんが強いって話だろ?」

 

三人の実力は誰よりも理解してる。

そのつもりだ。

だがしかし、手放しで冒険を楽しめるのは間違いなくテイラー達と行ったクエスト。

これは間違いない。

 

「アクセルハーツはともかくゆんゆんを持ち上げるとは喧嘩売ってるんですか?」

「そんなつもりはねえよ。俺の中で最強の魔法使いは誰でもないお前だからな」

 

ゆんゆんは一番尊敬する人ではあるが、めぐみんより上かと聞かれれば、ケースバイケースとしか言いようがない。

魔力勝負や一発の攻撃力、討伐数ならめぐみんが勝つだろうし、近接戦も含めた戦い、魔法使いとしての汎用性の高さとなればゆんゆんに分がある。

 

「煽てても何も出ませんよ?」

 

俺の目論見は当然バレている訳だが、ここで引き下がる訳にはいかない。

 

「めぐみんの討伐数を加算させて欲しい」

「嫌です」

 

予想通りの即答。

顔すら見ようとしない。

 

「そこを何とか!」

「私たちを勝手に交換したカズマの言うことは聞きたくないです」

 

やっぱり、怒ってるのか。

自分は近所の子と盗賊団作って遊んでるってのに、いかなものか。

俺のやってることってそれと大して変わらない気がするんだが。

 

「そうは言うけど、めぐみんが参加しないのは知っててやったんだぞ?」

「・・・だから何だって言うんです?さっき聞いただけでしょう?」

「昨日セシリーから聞いてたし、お前があいつとの約束断らないのは分かってたからな」

 

前回みたく、開始早々爆裂魔法を放って勝負所じゃないってことは避けたかった。

それに、変な所で撃たれたら後々面倒だからな。

何処の組織から賠償請求されるか分かったもんじゃない。

 

「・・・それでも仲間を勝手に交換した事実は変わりませんよ?」

 

こいつの仲間想いは、人一倍だな。

・・・まあ、裏切る時はあっさり裏切ってくれるんだが、そこはおいておこう。

 

「今日じゃないけど、爆裂魔法を一日三回撃たせてやる」

「いいでしょう!」

 

やっぱめぐみんには爆裂魔法。

これで勝ちの可能性が出来た

 

「と言うと思いましたか?私を安く見られては困ります」

 

世の中そう簡単にはいかないもんだった。

 

「アクアとダクネスをあてにしてるようですけど、負けた時はどうするんですか?あと、私が手伝ったことで得られる利益を交渉材料にするのはどうかと思うのですよ」

 

めぐみんを舐めてた。

紅魔族は頭がいいか。

それを普段役立てて欲しいけど、言ったら怒らせるだけだしやめとこ。

 

「負けても約束は守る。絶対にだ。勝ったら俺が楽に履行できるだけだ」

「具体的に言うと?」

「それは秘密だけど、嘘は言ってない。例の魔道具持ってきてもいい」

 

等と言ってみたが、全く宛はない。

ハッタリもいい所だが、この際手段を選んでられない。

 

「そこまで言うならいいでしょう。その代わり、明日から毎日付き合って貰いますよ?」

「ついて行けばいいんだろ?分かった。それで討伐数は?」

 

またあの日課か。

最近ゆんゆんと行ってたからな。

久しぶりに行くとなると、なんと言うか楽しみにもなる。

とは言え、三日目辺りから起きるの面倒になるだろうな。

こいつ、爆裂魔法の為なら布団を剥がすという荒業も辞さない覚悟でやってくる。いや、もう捲られてるか。

 

「ざっと三十は超えてます。勝ちはほぼ確定ですよ」

「分かってて、受けないつもりだったのか?」

「ええ、カズマに負けて欲しかったので」

 

相当不機嫌だったようだ。

今は協力してくれる程に落ち着いてるけど、交換の話聞いてすぐなら話すら聞いてくれなかったろうな。

 

「・・・じゃあ、どうして受けたんだ?」

「せっかくのアクアとダクネスに何でも言うことを聞かせる権利を私の為に使うと言ったことと、そうですね。一番はやっぱり」

 

何でもか。

そうだよな。

あの二人に何でもさせられたんだよな。

まあ、めぐみんに魔力をって言うのも何でもさせるに入るけど、こいつの言う通り、自分の為にも使えた訳だ。

他の理由は、爆裂魔法を三回も放てるからとかだろう。

爆裂魔法の為なら霜降り赤蟹食べてから爆裂魔法放つくらいだからな。

・・・やっぱりこれおかしいよな?

 

「惚れた弱みと言うやつですかね」

 

・・・それはズルいだろ。

「あの、黙り込むのはやめて欲しいのですが」

「俺は急にデレるのやめて欲しいんですけど、ちゃんと事前に教えてくれよ」

「そんなムードもへったくれもないことしませんよ。なので慣れてください」

 

こいつ、開き直りやがった。

いや、この場合めぐみんが正しいと思うけど、俺には厳しい。

しかも無自覚でやってくるのが余計にタチが悪い。

 

「早く行かないと負けになっちゃうんじゃないですか?テイラーが報告してますし」

「そうだな。あっ、ついてくるなよ?」

「もちろん分かってます。ヒーローは遅れて来るものですから」

 

流石は紅魔族って所か。

こういう時のお約束は心得てる。

 

「―――ってことがあったんだ」

「やっぱり聞かなきゃ良かったです」

「そうは言うけど、この話できるのゆんゆんしかいないんだぞ?」

「別に私じゃなくてもアクアさん達やアクセルハーツのみなさんもいますよね?」

 

ゆんゆんはもう飽き飽きだと言ったふうに他の相手へ促す。

そんなに面白くない語りしたかな?

 

「いいか?あの三人は賭けの参加者で、アクセルハーツの三人も別行動だし、ただの協力者。ゆんゆんだけが一緒に行動してた代理人なんだよ」

「でもこの話絶対めぐみんもしに来ますし、めぐみんから聞けますよ?」

 

なるほど。

同じ内容を聞く予定があるから、聞くべきじゃなかったってことか。

 

「知ってるか?伝言ゲームはどこかで事実と異なる描写が入るんだ。ちゃんと生の声を聞かなきゃいけない」

「その、私、同じ話二回聞かないといけなくなるんですよ」

「別の視点で物語が聞けるんだぞ?」

 

自分でも嫌なことは分かるけども、ゆんゆん以外に話し相手がいないのも事実。

ここは押し切るしかない。

 

「カズマさんから軽めの惚気入りを聞いて、その次に惚気増し増しのめぐみん語りを聞く気持ちが分かりますか?」

「・・・俺惚気なんてしてたか?」

 

全く身に覚えがない。

めぐみんが魔性だって話はしたけど、いつ惚気話なんかしたっけ?

 

「・・・ともかく、めぐみんが近々この話で惚気に来るのはカズマさんの話を聞いて分かりました」

「まあ、そのなんだ。迷惑かけて悪い」

「カズマさんが謝ることないですよ。めぐみんのより、短くて軽めで、普通に楽しめましたし」

 

あいつ話し出したら止まらないしなあ。

・・・俺の話でそうなってるってなんか嬉しいけど、恥ずい。

 

「そうか?でも聞かなきゃ良かったって言わなかったか?」

「ですから、めぐみんから同じ話をカズマさんから聞いた倍以上の時間をかけて聞かないといけないそこが問題なんですよ」

 

あいつ、どんだけゆんゆんの時間拘束してんだ?

でもそれを毎回聞くくらい予定ないってことだよな・・・

たまには声かけてみるか。

 

「・・・いつもありがとう。所であいつどんな話してる訳?」

「それは言えません。と言うか話すの恥ずかしいです」

 

何話してんだあいつは。

すげえ気になるけど、ゆんゆんが可哀想だからやめとこう。

 

「じゃあいい。でも、めぐみんって言う共通の話題を、仲間以外で話せる友達はゆんゆんだけなんだ。分かってくれ」

「そ、そうですか。めぐみんがこっちに来る前の話とかなら全然いいですよ?」

「それ面白そうだな。今度頼む」

 

こうしてゆんゆんとの密会が始まったのだが、三度目にして現場を抑えられ、ゆんゆんを入れて転生前の話をさせられたのはまた別の話。




次回はカズ○○を主題にこのシリーズを更新します。
今回から投稿日が水曜日に変更となりましたのでよろしくお願いします!

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