こんな幼馴染や町が良いなぁ……。 そして、そこから旅に出たい。
サバゲる馴染み!
学生時代から世話になっている駅をぐるりと見渡す。
全体的にボロく、塗装が剥げて錆が浮いた駅名の看板。
倣って階段や改札でも散発したボロデザイン。
お天道様に照らされた外側を見やれば、ガランとしたロータリーにシャッター商店街。
そこに味を求める者を否定はしないが「淋しい」がテーマの駅と地区なのも否定しない。
だが、そんな我が町にも名物がある。
「隼人二等兵。 間もなく兵員輸送車が来る。 素早く乗り込み、最前線へ繰り出すぞ」
コイツだ。
俺の幼馴染、常野 優希。
女だ。 しかも美人。 だが緑迷彩服というカオス。 背負うはラケットケースぽいようなガンケース。
注意点として言う。 彼女は軍人ではない。
俺と同じパンピーだ。
いや、その表現は間違いだな。
彼女は一般人に当て嵌まらない。 この時点で。
口調が 常に こんなだから、他に人がいると注目の的だ。
最早、我が駅の名物ですらある。
彼女見たさに、通勤時間を選ぶリーマンがいる程だ。
とはいえ。
こんな寂れた駅だ。
日曜なのもあって、他にはいない。
いるのは、改札で舟を漕いでいる駅員かな。
「恥ずかしいから、フィールドに着くまでには直せよ、それ」
「直した。 89式のホップアップは、シューティングレンジで再チェックするが、恐らく このまま戦場に出ても問題ない自信がある」
「問題あるのは、お前の頭だ」
コレだ。優希は学生時代から成績トップの美少女なのだがサバゲオタなのだ。 俺は、サバゲーの事はよく分からないがな。
そしてハッキリ言う。 コイツは、やはり変人だ。
単語は何かしらサバゲっぽく変換して話すし、何かと俺に絡みたがる。 迷惑だ。
それでも、こうして付き合うのは……まあ、悪いヤツとかトラブルに絡まれると可哀想というか……ほっとけないからだ。
「来たぞ。 兵員輸送車だ。 我々はこれから戦場へ向かう。 最後になるかも知れない、確認や話したい事は着くまでに終わらせろ」
ホームに滑り込んでくる、旧式電車を見て言う優希。
付き合うのが面倒だな。 全く。
「いや、もう好きに言ってくれ」
「告っているのか?」
「違うわ。 良いから乗り込むぞ」
告るって。 お前を"知っている"のだから、ホイホイする連中と一緒にするなよ。
思いつつ止まって戸を開く電車に、先に乗り込む。
中はガラガラ。 好きなところに座る。
もちろん、端っこだ。 優希は慌てて網棚にガンケースを置いて隣に座ってくる。
「私としたことが。 危うく敵前逃亡と見られるところだったぞ」
「このまま別れて、どうぞ」
「ダメだ。 相棒と逸れるのは許可できない、死ぬときは一緒だ」
「誤解を招くから。 サバゲーのヒットコールの事だろそれは」
電車で、吊革と共に軽く揺られながらの相手。
こんな会話ばかりだから、マトモに参加していない俺も、サバゲーのルールを曖昧ながら覚えてきてしまった。
「ふふっ。 戦場の鉄則を覚えてきたな。 今日も参加して貰うが、そろそろ最前線でも大丈夫だな」
とんでもないことを言うんじゃない。 最前線とか、絶対痛いじゃん。 アザ出来るって。
BB弾の嵐の中、飛び込めとおっしゃるか。
「お前だけで行け」
「……むっ。 降車準備!」
電車が止まる。 降車駅だ。 早いが、降車駅だ。 最寄りサバゲーフィールドはここだ。
俺と優希は立ち上がり、荷物を取って降車する。
「何度もいわすな。 死ぬ時は一緒だ……行け行け! GOGOGOッ!」
おい。 タイミング悪くすれ違った主婦にギョッとされたぞ。
見た目も単語もヤバいからな。 SNSにUPされちゃうだろ、"また"。
「さあ。 戦場まで駆け足!」
「勘弁してくれ」
───こんな、サバゲる馴染み。
俺と優希の日常。
呆れつつ、だけど楽しんでいる俺がいた。
楽しんでくれる人がいたら、幸いです……。
サバゲでのバトルで、何を求めますか?
-
大人数による大乱闘!
-
少人数でタクティカル!