少女恋物語   作:不思議ちゃん

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とりあえず思い付いた幼馴染の凛ちゃん
短くサクサクを目的に出来たらと


幼馴染 渋谷凛
幼馴染 渋谷凛1


「おはよう、春」

「おう。おはよ、凛」

 

 朝、幼馴染である春と明日には忘れているようなくだらない会話を続けながら、歩きなれた道、見慣れた景色を横目に学校へと向かっていく。

 

 気がついた時にはもう春がいて、今では春が隣にいることは当たり前になっている。

 クラスは流石にずっと一緒ではないけれど、登下校が一人だったことはほとんどない。

 

「それじゃ凛、また」

「うん、またね」

 

 学校につき、春と一緒なのはここまで。

 手を振って分かれ、自身のクラスへと入っていく。

 

「おはよー」

「おはよ」

 

 高校最初の年は春と一緒じゃなかったから少し不安もあったけれど、今ではこうして挨拶して多少会話する友達もできた。

 

「おはよう、凛。今日も夫婦仲良いですね」

「おはよう。春とはそんなんじゃないから」

 

 中学の頃からこの手の揶揄いはあったけれど、彼女のは揶揄いよりも軽いためそれほど嫌な気はしない。

 挨拶の一部としてすでに慣れたというのもあるが。

 

「……凛、そんなこと言ってていいの?」

「何が?」

 

 そのままいつもはどうでもいいような話になるというのに、今日はなんだか違うようだった。

 

「その春くん、運動、勉強ともにそこそこできるし、落ち着いた雰囲気から人気高いよ?」

「落ち着いてる? 春が?」

 

 運動と勉強がそこそこできるのは知っている。

 トップにはなれないけれど、なんでもそつなくこなしていく。

 

「そうそう。ずっと一緒にいる凛だとまた対応が違うんだろうけど、学校での春くんはそんな感じなのですよ」

「ふーん……でも別に私と春は幼馴染なだけだし」

「そんなこと言って〜。後悔してからじゃ遅いぞ?」

 

 チャイムが鳴って彼女は自身の席へ戻っていったけれど。

 朝の連絡を話している先生をよそに、『後悔してからじゃ遅い』という先ほどの彼女のセリフが頭から離れなかった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「凛、帰るよ」

「うん。今行く」

 

 帰り支度を先に終えた春が入り口で待っている。

 私も忘れ物がないかを確認してカバンを持ち、友達に声をかけて教室を出る。

 

「お待たせ」

「おう」

 

 いつもと同じ帰り道。

 今日学校で会ったこととか、これまでと何も変わっていることはないのだけれど。

 まだ、朝に言われたことがどこか引っかかっていた。

 

 今まで色恋というものを意識したことがない。

 中学時代に告白されたことは何度かあるけれど、全部断っていた。

 

 周りでは何やら盛り上がっているようだけれど、それはどこか別世界なように感じている。

 

「それじゃ、また明日」

「おう、またな」

 

 何を話していたかはあまり覚えていないけれど、いつもと同じで明日には忘れてるような話だろう。

 

「ただいま」

「おかえりー……何か考え事?」

「うん、まぁ」

 

 店口から入っていくと花の手入れをしていたお母さんがいた。

 私の顔を見て少し首を傾げたかと思えば、今の私の状態をピタリと当ててくる。

 自分で言うのもなんだけれど、そんなに変化があるとは思えないのに。

 

「あとで相談に乗ろうか?」

「んー……お願い」

「素直だなんて珍しいわね」

「ちょっとね」

 

 今回ばかりは私だけじゃどうにも出来ない。

 のほほんとしていて何処か頼りなさそうだけど、恋愛を踏んでお父さんと結婚してるわけだし。

 一応は相談相手として間違ってないはず。

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