やはり俺「 」の幻想郷は間違っている   作:ハンド

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18話・紅魔・其の後5・フランドール

〜八幡サイド〜

 

 

八幡「この下にフランドール、さんが?」

 

パチェ「えぇ、この下に地下があって

    幽閉されてるわ」

八幡「なん、で、だ?」

 

パチェ「八幡、貴方は知っているでしょ

    そして、身をもって感じているでしょ

    その左腕で」

 

そう言うと俺の左側を見る

 

あったはずのないものを

 

八幡「あ、あぁ、危険、だからか」(ズズ

 

パチェ「ええ、そう、あの子の

    能力は、危険すぎる

    だから、今回の件の前から

    この下に、監禁していたの

    でも、あの魔理沙ってのが

    不用意に、無用心に、近づいてしまった

    そして、あの子は」(ズズズズ

 

八幡「でもなんでまた地下に」

 

パチェ「今回は何も言ってないし

    してもいない

    あの子自ら、地下に行ったのよ」

 

八幡「一応聞いておく

   地下はいいとこなのか?」

 

パチェ「いいえ、

    床には扉があって中に入ると

    階段があるわ、それを下ると

    鉄でできた柵があるわ

    咲夜はいつもそこから

    食事を中に入れてたわ

    そして、部屋の中は

    壊れた人形、ボロボロになった人形

    散らかったゴミ、少し綺麗なベッド

    そして、綺麗な色の翼の生えた吸血鬼」

 

八幡「そうか」(ズズズズ

 

パチェ「随分と平常心ね

    その腕を持っていかれたって言うのに

    怖がりもしないなんて」(ズズ

 

八幡「するわけないだろ?

   今回の件は、こっちが攻めに行って

   そっちが邪魔者を排除しようとした

   それでおった怪我だ

   しょうがない、しょうがない」

 

ふと目をそらしてしまう

 

少し自分がどこを見てるのかわからない

 

パチェ「ふーん、そ、まっ、

    八幡は、近寄らないほうがいい

    地下だけにね、ふふっ」

 

八幡「真面目な話してるのに

   ダジャレですか、そうですか」(ズズズズ

 

パチェ「そ、こう言う話をしていても

    暗くなるだけだから」

 

八幡「で、フランドールさんは

   反省会カッコカリとやらに

   出るのか?」

 

パチェ「いいえ、出ないわ

    多分、一生、地下から」

 

八幡「は?」

 

パチェ「今回の件はフランから聞いた、

    全て、八幡がフランに手を差し伸べた事を

    見ず知らずの人が、攻撃された相手に対して

    手を差し伸べ、頭を撫でた

    それだけでフランは、心が動いた

    私たちが嫌った、突き放した

    隔離し、幽閉し、見捨てた、あの子を

    私たちができなかった事を

    でも、一度犯した罪は、二度と」

 

少しずつ力のこもった言葉に

 

目をパチェに向けると

 

少し涙のようなものが

 

八幡「あっ、おっ、おい!」

 

パチェ「あっ」

 

話しかけられようやく気づいたようだ

 

泣いていることに

 

パチェ「少し見苦しいとこを見せたわね」

 

八幡「いや、いいけどさ、別に」

 

ふと紅茶の入ってるカップに手を伸ばすが

 

中身がないことに気がついた

 

八幡「あっ、」

 

その言葉に反応して

 

パチェ「紅茶のおかわりいるかしら」

 

八幡「あぁ、もらうわ」

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

おかわりをしてから

 

会話が続かなくなってしまった

 

さっき持ってきた本を見てるが

 

何故か進まない

 

いや続きは気になるし

 

読みたいが

 

全然頭に入らない

 

・・・

 

パチェのさっきの顔

 

そしてこの間のフランドールさんの顔

 

チッ、どうすればいいんだ

 

紅茶に手を伸ばし飲むが

 

さっきより美味しくない

 

最初のやつと同じのを入れてると思うんだが

 

チッ・・・

 

八幡「なぁ、パチェ、さん」

 

パチェ「どうかしたかしら」

 

八幡「下に行ってもいいか?」

 

自分で言ってて気づく

 

無意識だろうか?

 

いいや、これは、

 

パチェ「地下にかしら」

 

八幡「あぁ、フランドールさんのいる

   地下にだ」

 

俺の意思だ、

 

八幡「さっきから気になって

   本も読めない、紅茶も美味しくない

   こんな状況じゃ、手も止まるっての」

 

パチェ「ダメよ

    それに、気になるって

    何のことかしら」

 

八幡「言った通りだよ

   気になる事がある、さっき

  『私たちのできなかった事』

   って言ったよな」

 

パチェ「そんなこと言ったかしら」

 

八幡「あぁ、言ったぜ

   そして、泣いた」

 

パチェ「あ、あれは、

    目にゴミが入って痛かっただけ」

 

八幡「そんな小説に書いてありそうなこと

   言うのか?違うだろ、お前の、心は」

 

パチェ「会って数時間の貴方に

    私の心を理解したとでも、笑わせないで

    貴方の好感が薄れたわ

    帰っていただける?比企谷さん」

 

八幡「会って数時間の俺に

   図星突かれて、イライラしない

   でくださるぅ?」

 

パチェ「っ!!

    貴方なんかに、私たちの何が

    わかるって言うの?!

    私より、レミィの方が辛いのよ

    貴方、この場にレミィがいない事を

    感謝しなさい!!」

八幡「そうだろうな

   レミリアさんはフランドールさんの

   姉みたいだしな

   それを間近で見てたあんたも

   同じ気持ちなんだろうな

   じゃあ、言ってみろよ

   お前の心を」

 

パチェ「!?

    ・・・

 

    わかったわ、そこまで言うなら

    話しましょう、全部聞いたら

    ここから出てって、そして二度とこないで」

 

    パチュリーさんの方を見た

 

八幡「・・・」

 

だが言葉を発したりしない

 

パチェ「最初は私もレミィも

    咲夜も美鈴もコアも全員

    同じ気持ちだった

    フランを、助けたい、って

    でも無理だった

    最初は、些細なことだった

    フランが使った物がだんだんと

    壊れるようになったわ

    そして、いつしか、

    使った物、持った物、触った物

    全て壊れるようになった

    けど、私たちは気にしないようにしてた

   『物はいつか必ず壊れるのだから』

    でも、ある日、レミィのお気に入りの物を

    壊してしまった、

    レミィは『いいの気にしてない』

    と言ったけど、内心落ち込んでいた

    そしてまた、壊してしまった、何度も何度も

    それで、レミィは、怒ってしまったのよ

   『フラン!貴方はなんでそんなに物を壊すの!!』

    そう言って地下に監禁した

    そうして日が経ちフランに

    破壊の能力がある事を知って

    どうすることもなくなった

    それから出す事を諦め

    適度な食事と飽きない程度におもちゃを

    与え続けたわ

    互いが傷つけないように

    近づくこともなく

    必要最低限、全て咲夜が時を止めて

    行っていたわ

    レミィは姉だからいつも気にかけてたわ

    ご飯はちゃんと食べてるとか

    おもちゃがなくなったらすぐに

    持ってきていたわ

    咲夜も主人の妹とだからって

    栄養のある物をたくさん作っていたわ

    私だって地下に魔法をかけて

    フランが怪我をしないようにしてた

 

    ・・・

 

    ふぅ〜、これで全部よ」

 

八幡「そうか、ありがとう」

 

パチェ「そう言うなら

    早く出て行って頂戴」

 

八幡「そうもいかないんだが」

 

そう言って少し走る

 

パチェ「貴方、何を!!」

 

八幡「ここか!!」

 

床の扉を開ける

 

パチェ「話を聞いていなかったの?

    私たちは誰も傷つかないようにって

    言ったでしょ?

    早く扉を閉めて出てって」

八幡「なぁ、最初は、『必ず物を壊す』

   ぐれぇじゃなかったんだよな」

 

パチェ「え、えぇ、」

 

八幡「じゃ、それぐらいまで

   できるんじゃねぇのか」

 

パチェ「無理よ、成長して、能力も

    完全になったと考えれば、無理よ」

八幡「本当にそうかな」

 

パチェ「何よ、何が言いたいの?」

 

八幡「能力を制御できるなら

   いいよなって」

 

パチェ「そんなことできるわけ

 

八幡「よっと」

 

パチェ「ちょっとどこいくの」

 

八幡「ちょっと地下まで」

 

パチェ「約束はーー」

 

八幡「俺がいつ返事をしたんだ〜?」

 

〜八幡サイドアウト〜




つぎは!
いつになるか
ワカリマセン
・・・
会話が難しい

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