完結の予定はありません。
ご了承ください。
なにげない日曜日の朝。
バカボン一家もごく普段通りの日曜日をのんびりと過ごしていた。
「パパー、ドラゴンクエストやりたいよー」
そしていつものようにパパにせがむバカボン。
だが、すぐにゲームを買ってもらえるほど今日のパパは甘くない。
「反対の反対なのだ。わしも参加するのだ。もちろんわしが王様をやるのだ。ママ、割りばしを持ってきなさい」
「パパ、その王様じゃないよ」
ツッコミどころが多すぎてバカボンは混乱している。
まったく困ったパパである。
「わしは王様なのだ!わしが白といったらカラスもポストも白なのだ!」
アッハイ。
「そんな……ぼくは何をすればいいの?」
「わしが王様ならバカボンは王子、つまり……とりあえず、王子らしいことをするのだ」
「え、ええと……パパ考えてよう」
当然、パパもバカボンもドラゴンクエスト世界の王様達が普段何をしているかなど知るわけもなく、丸投げの応酬が始まる。
そこに終止符を打ったのはハジメである。
「王様も王子様も、世の中のいろいろなことに対応できないといけないから、普段はたくさん勉強するんだって」
「なるほどそれがいいのだ。バカボンはわしと一緒にたくさん勉強するのだ。一日25時間不眠不休で勉強するのだ」
「えーっ、ゲームしたいよう」
ちゃんと休まないと身体を壊すと心配するハジメだが、ママは普段通り落ち着いている。
「大丈夫よ。どうせすぐ飽きてやめるわ」
「それならいいんだけど」
斯くして、二人はボサボサ頭に瓶底メガネ、ハチマキを装備し、ガリ勉モードになった。
「こんな格好いやだよ。普段通りにしようよ」
「だめなのだ!武器や防具は装備しないと意味がないのだ!」
「わかったよパパ」
武器でも防具でもなさそうに思えるが、パパの説得力に丸め込まれてしまった。こんな王子で大丈夫かこの家。
しばらくすると、バカボン家にネコが迷い込んできた。
「なんだ、ニャロメじゃないか」
「エヘン、エヘン。今日はニャロメ先生ニャロメ!お前達が珍しく勉強していると聞いて助けに来たニャロメ」
二人は勝手に押しかけてきたニャロメから渡された怪しい教科書に没頭しはじめた。
「反目しあっていた平安貴族達も西暦1000年の正月が近づくと一気に団結してミレニアムイベントの準備が進められ……」
「参考図のように線分AB,ACと円Oとの交点P,Qを置くと加法定理により角PQBは飛車Eを取ることができないのでチェックメイトなのだ」
「ムムム……いまに見てろニャロメ!」
二人はニャロメの指導のもと熱心に取り組むが、一体何の勉強なのか誰にもわからない。
「まあ、珍しい。バカボンもパパもこんなに一生懸命に」
その内容はともかく、その姿勢に二人を少しだけ見直したママである。
さてさて、そんなバカボン家にやってきたのは……
「先輩!いえ、王様!」
「お前はバカ田大学の後輩!……じゃなかった、ムーンブルクの兵士か?」
全力で走ってきたのか、息を切らしながらバカボン家に駆け込んできた後輩であった。
「ローレシアからの急使として参りました。先日、ムーンブルク城がハーゴンの手先により陥落しました」
パパ達がドラクエごっこをしていることをどこかで聞きつけてきたのか、すっかりなりきっている後輩である。
どうやら、バカボン家がいる町はサマルトリアになったらしい。妙に中途半端な立ち位置だ。
「バカボン、勉強している場合ではないのだ、すぐにローレシアに向かい、あちらの王子と合流するのだ!」
「ラジャー、パパ!」
(王子はこちらに向かっていると伝えたいけど、どうやらもう取り合ってくれそうにないなあ)
後輩はしかたなく残りの用件をママに伝えてバカボン家を後にした。急使は忙しいのである。
家を一歩出ると、そこはいつも通りの、見慣れた景色だった。
「わしは王様だから一緒には行けなくて残念なのだ。ただし、三丁目の交差点までは見送るのだ」
「ありがとうパパ」
「なぜならば、ちょうどタバコを切らしたところなのだ」
息子の出征の見送りがタバコを買いに行くついでって……
[バカボンパパ] サマルトリア王 Lv1
武器:なし
鎧:腹巻き
盾:なし
兜:鉢巻き
アイテム:なし
[バカボン] サマルトリア王子 Lv1
武器:なし
鎧:布の服(バカボンの普段着)
盾:なし
兜:なし
アイテム:なし
所持金 0円