それでは、デモリッションが置き去りですがそっちもある程度進めますのでご安心を。
始めます
”地球は青かった…″
時の偉人ガガーリンは宇宙から眺める景色を見てそう呟いた。宇宙から見てみれば冷戦構造などほんの些細な争い事に過ぎないのであるとこの時の彼はまざまざと実感させられた事だろう
彼が宇宙へと旅立ってから40年の今日、宇宙は今や平和利用の場所ではなく、すでに戦争における戦場の一つとして連ねることとなった。
戦争がなければ軍人は暇だ。それはいつの時代でも変わりはない。コンソールに浮かび上がる表示を見て、改めてウラジミール・イワノフは実感させられた。冷戦の時代が終わりを告げて
新時代が幕を開けた。ソヴィエトからロシア、正規戦から不正規戦。アメリカからチェチェン
というように時代が変化するとともに敵も大きく変化する。だがやはり一つだけ言えるのは、
軍人は暇だ。のこの一言に尽きる。言ってしまえば自分は恐るべき兵器の管制担当である事も
すっかり忘れてしまいそうになるほどこの世界は平和だったのである。今日の任務として行うのは定期的な演習。衛星軌道上にある「地球規模即時報復攻撃システム」への模擬攻撃コードを送信する事。すなわち核攻撃演習。冷戦時代より受け継がれてきた究極の戦争終結手段をいつでも行えるようにと来るべき最終戦争に備えるがための訓練であった。
「バイコヌール宇宙基地よりピョートル・ヴェルキーへ、試験発射コードをそちらに送る」
「ピョートル・ヴェルキー了解。試験発射コードの受信開始」
「送信開始。始めるぞ」
ウラジミールが気だるそうに手元のコンソールを操作し、疑似攻撃目標の座標データがピョートル・ヴェルキーへと送り込まれる。
「受信完了。最終安全装置を解除しま…これって、上位コマンド?」
「うん、どういうことだ?」
自分が送信したのは今日の演習データだったはずだ。まさかそんなはずはないともう一度自分のコンソールを凝視する。
「おい。冗談は言わないでくれよ…イリイッチ。コマンドがオーバーライドしてる!っくそ、どこのクソ野郎だ!」
冷や汗がだらだらと背筋を流れ落ちる。そんなはずはないという一途な希望を求めてコンソールの画面に食いついた。慌ただしく表示が飛び交い、目標座標データを検出したCPUは無情にもモニターへ真実を高らかに告げた。
「…!!」
――希望など、ありはしないと。
この地球規模即時報復攻撃システムは管制手段は基本的にバイコヌールの管制室が攻撃コードを入力する仕組みになっている。だが例外を挙げれば核攻撃における最終手段がいくつか残されていた。
核攻撃の権限移譲。政府が存続不可となった場合、現地の生き残った部隊が核を放つように
敵国へ向けた手向けの花を渡すように出来ていた。
それが今、自分たちへと渡されようとしている。
「来るぞ…」
――ピョートル・ヴェルキー 上位コマンドを承認。
以下の目標に向けニュークリア・ロッドを発射
サンフランシスコ
フロリダ
テキサス
ワシントンDC
東京
沖縄
モスクワ
キエフ
ヴォルゴグラード
推定死傷者数 2億3千万人と推定
最終安全装置 解除
何かに似てるのは気のせいです。
次はデモリッションのほうを書かなくては