今回はISが世界へと発表され、その直後の混乱を描いた部分です
篠ノ之束によるロシア・ヤマンタウ基地占拠事件が終結し、世界は変革へと向かっていった。
一つはアメリカの経済がピョートル・ヴェルキーのニュークリア・ロッドにより崩壊を始めた。
それによって米国の国債の価格はたちまち下落、日本は核攻撃こそ防げたものの、この経済崩壊の余波は免れずにたちまち日本国債も米国債に引きずられるように下落を始めた。
一人の転生者はその光景をまじまじと見つめた。日比谷公園にリストラされた男たちが憂鬱な瞳で彼をじっと見つめる。どうしようもない絶望から逃れる事の出来なかった彼は再び地面へと視線を落とす。
渋谷の交差点には陸上自衛隊の対空車両が列を並べて空へと睨みを利かせている。
”馬鹿な事を”
一人の自衛隊員は必死の形相で89式をお守りか何かの様に握りしめたままうずくまっている。
分隊長かと思われる中年の男は彼を怒り心頭の面持ちで顔面を殴打した。彼のヘルメットが宙へと舞う。続いて転生者は自らの根城へと戻る。特に整理もされていない普通の一軒家。しかしその一角の扉を開けて入った先にあるものは普通の家庭には存在しえないものばかりだった。Crye・Precision社のマルチカム迷彩の戦闘服とプレートキャリア。OPS-CORE社のバリスティック・
ヘルメットそしておびただしいほどの銃の数々。常人ならばこの軍隊レベルの装備を整えることすら難しい。ましてやここはアフガニスタンやアメリカでは無く日本なのだから。この装備を何処から揃えたかといえば理由は極めて単純明快。転生者であるからには神様から特典なるものが付いてくる。その神が言うには『君のような人間は珍しい』とのことだった。普通の転生者というには語弊が過ぎるがチートやハーレムやら原作介入やらを望む者が多く、神もあきれ返っているとのことだった。そんな中で自分が望んだ特典はチートといえばそうなるだろうが自分はその中で『軍の装備』を望んだ。転生以前より軍人として生涯を遂げてきた彼にとってはアニメや漫画、ましてや映画などといった能力よりも自分が使いなれたものを望んだのだ。使いなれた戦闘服を着込み、プレートキャリアを装着する。
”ああ、これだ”
使い慣れたプレートキャリアの防弾プレートがしっかりと自分を護っていると分かるこの感触が彼に一時の安心感を与える。次にバリスティック・ヘルメットを被り、装着されている四つ目のナイトビジョンを起動。たちまち視界がセンサーを通して可視化されていく様子がはっきりとわかる。一連の装備を装着し終えた彼はガンラックに立てかけられたACRアサルトライフルを構えた。
グリップもグレネードランチャーも必要無い。あるのはACOGスコープとレーザーサイトのみ。自分が最も射撃姿勢を取るのに適した装飾品を追求した結果がこのカスタムだ。マガジンを叩きm、装填完了。自分の使命も把握している。神はそれを望まれたのだから。そうして彼は再び外の世界へと駆け出していく。
外を歩いていると誰も自分の姿を不思議がる者はいなかった。この異常事態に米軍が出動したのだと思われたのだろう。しかし、その米軍は本土で壊滅的な被害を被っているし、実際には在日米軍は本土の部隊を救出するために出払っていたのだ。それでも彼らは不思議がらずに自分の事だけを考えて前へと歩みを進めていく。転生者も自分の事だけを考えた。そうでもしなければ自分は自責の念に押しつぶされてしまうと感じていたから。
そうしてACRライフルの重みを感じて進んでいくうちに惨劇が彼の目の前で繰り広げられた。見るとまだ14ほどの少年が黒服の男たちに羽交い絞めにされバンのトランクへと押し込まれていくではないか。見ている間にも少年は必死にもがいて助けを求めようと顔をあげる。躊躇している暇はない。距離は約50メートル。男たちは彼を拉致する事に集中してこちらには気づいていない。転生者は手にしているACRを構えてACOGスコープを覗き込む。人質への被害を考慮した上で計算し、照準を合わせる先は彼らの頭。彼はいつもと同じように銃を放った。赤い液体がスコープ越しに頭から飛散し、ドサリと前へ倒れ込む。さらに弾丸を3人に正確に撃ちこんだ。巻き込まれた少年はひどくおびえた目でその光景を凝視していた。その少年に転生者は駆け寄った。
「大丈夫か?」
少年の傷の具合を確かめると特に痣以外のものは見当たらず彼はほっと一息ついた。そうしていると少年も緊張が解けたのかゆっくりと口を開いた。
「大丈夫です。ありがとうございました。助けて頂いて」
「気にしなくていいよ。僕はやれるだけの事をやったから。君、名前は?」
「織斑一夏です」
こうして転生者の物語ははじまった。この薄汚れた世界へと彼は再び身を投じる。
結論
一発書きのほうが性に合ってました。
注意 転生者は必ずしも15、16とは限りません。おっさんの場合もありますんで
ご了承ください。