本来なら、本小説は朝の9時に更新するのが通例でした。ですが諸事情により、朝の投稿は難しいということで、今回だけはこの時間に投稿することとさせていただきます。
次回からは、また朝9時投稿に戻りますので、よろしくお願いします。
さて、今回から本作は『日本復興編』。時間軸を鬼太郎6期の『3年目』へとシフトしていきます。
もっとも、今回のクロスオーバーは冒頭こそ、最終回の例の場面から始まりますが、話のメインは過去回想が中心となっております。
次回のクロスオーバーから本格的な3年目に突入していく予定なので、今回は軽い番外編みたいな感じでお楽しみください。
そして今回のクロスは『ブラックジャック』。日本人ならまず知らない人はいない、手塚治虫先生の代表作の一つです。自分はブラックジャックの漫画を中学校の図書室で読んでいました、まさに青春の作品!
ブラックジャックという作品は各メディア、連載時期なので事細かな設定に違いがありますが、とりあえず基本的な部分は抑えて話を考えていきます。
さらに今回のクロスはーー
ゲゲゲの鬼太郎×ブラックジャック×〇〇〇の多重クロスとなっております。
〇〇〇の部分になにが入るかは……どうぞ、読み進めていくことで明らかにしていってください。
ブラック・ジャック 其の①
人里離れた崖の上。雄大な海が一望できる崖っぷちにその家は建っていた。
見た目はオンボロ、少々時代遅れ感が否めない一軒家。だが中身は石造でしっかりとした基礎が出来上がっており、リフォームさえすれば普通に住む上では何不自由なく過ごせるだろう。
もっとも家主に改築する意思はなく、ボロっちいままの一軒家に——彼と彼女の二人は住んでいた。
「——そこっ!! もっと踏ん張りなちゃいよ!!」
家の住人の一人に、小さな子供がいた。
どこからどうみても幼稚園児くらいにしか見えない女児。だが本人は十八歳のレディを自称している。彼女は舌足らずな言葉遣いでTVに向かって叫び声を上げていた。
その様はまるでヒーローショーに夢中になる男の子のようであり、手振り身振りを混え——彼女は画面越しの人物へと声援を送る。
「ほら、こちっ!! もっと腰をおとちゅのよ!! 踏ん張れ……ゲゲゲの鬼太郎!!!」
その画面の向こう側に見える映像は、決してヒーローショーなどではない。
LIVE映像——今まさにリアルタイムで起きている世界の危機だった。
『——うう、ぐうううっ!!』
TV画面に映し出されている少年の名は——ゲゲゲの鬼太郎。ここ昨今、何かと世間を騒がせている妖怪の一人である。
妖怪などという存在を、ここ最近まで信じてこなかった人々。しかし、今や妖怪は多くの人間たちから認知され始め、政府機関ですらもその存在を認識。
彼らを取り締まる法律——『妖対法』なんてものまで施行するようになった。
その妖対法を巡って激しくぶつかり合う人間と妖怪。その果てに勃発した——『第二次妖怪大戦争』。
東京都の渋谷を中心に拡大する戦乱の渦。その流れはそのまま全国各地へと広がっていき、人と妖の争いは際限なく広がっていくかに思われた。
だがその最中、一人の男が叫ぶ。
『——お前ら馬鹿か!!』
突如、TV画面に映し出されたボロい布切れを纏った小汚い男。彼が何者なのか、それは大半の人間には分からないことだっただろう。
しかし、彼の言い放った言葉にTVを見ていた視聴者たちの視線が釘付けになる。
『——この期に及んで、まだ争いやがって!!』
『——戦争なんて腹が減るだけだ!!』
『——勝ったら何が残るってんだよ!!』
彼は今も争いが続く戦地で戦争の愚かさを叫んでいた。その言葉には、戦争を実際に体験しているものとしての実感が込められている。
そして——
『——てめぇらがくだらねぇ理由で殺し合ってる間に、一人で頑張ってる奴がいる!!』
その男が指し示す先にこそ彼が——ゲゲゲの鬼太郎がいた。
皆が愚かな争いを繰り広げている最中。鬼太郎は一人、上空から落下してくる『巨大隕石』らしきものを押し返そうと奮闘していた。
禍々しい黒い塊の如き隕石。その地表への激突を阻止しようと、指先からレーザーのようなものを繰り出し、踏ん張っていたのだ。
『——戦争なんかしている暇があったら、鬼太郎を応援しろ!!』
『…………』
鬼太郎の姿に、男の言葉に——その光景を目撃したものたちの心が揺さぶられる。
『——鬼太郎……』
『——鬼太郎っ!!』
『——頑張れ……鬼太郎ぉおおおお!!』
映像越しからも伝わってくるようだ、現地で鬼太郎に声援を送る人々の声が——
きっとこの映像を見ている人たちも、彼に頑張れと祈るように声を上げている筈だと——
「きちゃろぉおおおぉおお!! がんばりゅのよぉおおおおお!!」
この家の女児も、彼に声援を送る者の一人である。
彼女は鬼太郎と面識などないが、それでも「頑張ってくれ」と。舌足らずな口調をさらに崩すほどに興奮しながら叫んでいた。
「…………」
そんな少女の後ろに、安楽椅子に深く腰掛ける男がいた。
それなりに壮年な男。若さが残るように見えて、その顔には数々の修羅場を潜り抜けてきたもの特有の凄みがある。
容貌そのものもかなり特徴的。半分は普通の黒髪なのだが、もう半分は白髪。染めているわけではなく地毛だ。その顔にも明らかな手術後が残っており、一部本人のものとは違う、黒人のものらしき皮膚が使われていた。
彼は目の前のTV、世界の危機を告げる映像を前にしながらも一切取り乱さない。画面の向こう側で踏ん張っているゲゲゲの鬼太郎を、ただ静かに見つめている。
——ゲゲゲの鬼太郎……。
一見すると冷たく、心動かずボーッと座り込んでいるようにも見えるだろう。
だが、鬼太郎を見つめるその瞳には確かな『熱』がこもっている。
声になど出さずとも、彼は心の中から鬼太郎に声援を送っていた。
——……負けるな。ゲゲゲの鬼太郎。キミならば……この危機も乗り越えられる筈だ!!
その男の名は、
またの名を——ブラックジャックという。
医学界でその名を知らぬものなどいない天才外科医であり、その神懸かったメス捌きで彼はいくつもの難病から多くの人々の命を救ってきた。
しかしその一方、無免許で活動したり、法外な手術代を受け取ったりと色々と問題行動も多い。彼という医者が、人間がどういう人物なのか。それを一言で説明するのは難しいだろう。
天才と名高いその医療技術を頼りに、今でも世界中から彼に病気を治して欲しいという依頼が絶えない。
だが輝かしい経歴や才能が溢れる彼にだって、失敗がなかったわけではない。若い頃は特に何度も挫折を味わい、苦い経験をし、取りこぼしてしまった命も数多くあった。
様々な体験を経て、今の彼がある。
その経験の中の一つに——あの少年、ゲゲゲの鬼太郎と出会う事件があった。
あれは今から十年以上も前のことだ。
助手である少女・ピノコとも出会う前。
彼はあの忌まわしい『
×
「——腫瘍摘出完了。心拍数は?」
「あ、安定しています!!」
「……っ」
とある大学病院。手術中のランプが灯る緊迫した室内にて、数十人もの医師や看護師たちがその手術に立ち会っていた。
執刀を担当していたのは、若き日のブラックジャック。彼はこの病院に常勤する医師ではなかったが、患者の指名でその日メスを握っていた。
彼は無免許医であるため、本来であれば病院側が彼に患者を明け渡すような真似はしなかっただろう。しかし、この病気は彼でなくては治せない。それほどまでに難しい手術として医師たちを悩ませた。
病院としてのプライド、威信、患者の命。そういったものを天秤に掛けた結果として——彼らはブラックジャックの執刀を許可することになった。
「……信じられん、何てスピードだ!?」
「動きに無駄がない……これが、ブラックジャック!?」
誰もがその手術の難易度の高さに尻込みする中、ブラックジャックは軽快なメス捌きで病気の原因であった腫瘍を瞬く間に摘出して見せる。
人間業とは思えない執刀技術に、医師たちは尊敬と嫉妬が複雑に混じった視線をブラックジャックへと向ける。
「術後処置に入る」
「は、はい!!」
だがそんな外野からの視線を全て無視。最後の術後処置までもしっかりとやり終え、ブラックジャックはその大手術を完遂させる。
「いや~! 聞きしに勝るとはこのことです!!」
「素晴らしい!! いや、本当に!!」
手術を終え、帰り支度をするブラックジャックに医師たちが声を掛ける。よそ者である彼に頼ることを最初は渋っていた彼らも、手術が終わった後はすっかり掌を返す。
ブラックジャックの天才的技術を前に分かりやすいほどのおべっか、少しでも彼のご機嫌を取ろうと揉み手で擦り寄っていく。
「……後の処置はお任せします」
もっとも、ここ最近のブラックジャックにとってその流れはよくあること。特に誰とも親しく言葉を交わす必要はなく。残りの処置を病院の医師たちに任せ、その場から立ち去っていく。
「ブラックジャック先生……どうぞ、こちらをお受け取り下さい」
立ち去り際、病院の出入り口には患者の家族と思しき女性が待っていた。彼女はトランクケースを抱えており、僅かに躊躇いながらもそれをブラックジャックへと差し出す。
「手術料の三千万です」
「さ、三千万!?」
トランクケースにはぎっしりと札束が詰まっていた。周囲にいた医師たちがその額を聞いてくらりと頭を押さえる。
一回の手術で三千万。普通の医師からすればあまりにも法外な金額。要求する方もだが、それをあっさりと一括で払ってしまう方もどうかしている。
「……確かに」
しかし、これを当たり前のように平然と受け取るのがブラックジャックだ。トランクケースの中身を一瞥しただけで指定の金額であることを確認。
そのまま、軽々とケースを担いで歩き出す。
「では、また何かありましたらいつでもご連絡を……」
得意げな笑みを浮かべながら、そのまま病院側が用意したタクシーへ。
ブラックジャックを乗せたタクシーが、颯爽と病院から走り去っていく。
この頃のブラックジャックは、まさに『天才外科医』の名を欲しいままにしていた。
ありとあらゆる難病を治癒し、どんな困難な手術からも患者を生還させる。彼の神懸かったメス捌きを前に、多くの同業者が羨望の眼差しを向ける。
苦しい時期、未熟だった時期を乗り越えての才能の開花でもあったため、ブラックジャック自身もかなり自信に満ち溢れ——そして、自惚れていた。
自分であれば、どんな危険な手術でも乗り越えられる。
必ずや患者たちを救って見せるという、医師としての使命感。
それらの感情が色々と混ざり合い——ブラックジャックという男を天狗にさせていたと言ってもいい。
そんな時期でのことだ。
まさにその天狗だった鼻っ柱を——『人ならざるもの』たちによって、へし折られることとなる。
「お客さん、着きましたよ」
「ああ、ありがとう」
始まりはブラックジャックの家。海に向かった斜面にポツンと建っている例の一軒家から始まった。
一仕事終えた彼は、自身の診療所兼自宅でもあるその家の前でタクシーから降りる。報酬であるトランクケースを担いだまま家路を歩くのだが——
「——よう! 待ってたぜ、無免許医……ブラックジャック先生よ!」
「…………」
家の前で待ち構えていた男が一人。その人物を前に仕事終えた充実感など全てが吹き飛ぶほど、ブラックジャックの表情が露骨に不機嫌になる。
思わず文句が口から出そうになるも、ブラックジャックは抱いた不満を全て呑み込み、その男の存在を無視して家の中へと入ろうとする。
「おいおい、無視すんじゃねぇよ!! 人がせっかくこんな辺鄙なところまで来てやったってのによ!!」
だが男はその程度でブラックジャックを逃さない。当たり前のように彼の後に続き、家の中にズカズカと上がり込んでいく。
「帰れ……帰らなければ不法侵入で訴えるぞ……」
ブラックジャックは冷たくその男を家から叩き出そうとする。
「おいおい、それを俺に言うかい? こっちはお前さんを無免許で逮捕してやってもいいんだぜ?」
しかし、それで追い返せるほど甘い男ではない。
なにせ、男の職業が職業だ。『本職』の人間を相手に法律を説くことがどれだけ無謀なことか。少なくとも『無免許医療』というウィークポイントがある以上、ブラックジャックには男を追い払うことが出来なかった。
そう、このいかにも厳つい顔の男性。彼は『刑事』である。
もっとも、ブラックジャックが無免許であることは歴とした事実。それを分かった上で見逃してくれるのだから、まだ話が分かる相手だ。
しかし、やはり気に食わないものは気に食わない。
とりあえず家には上げてしまったが、ブラックジャックに男を歓迎する気などさらさらなく。茶の一杯も出さずに彼を適当にあしらおうとする。
「なんだ? この診療所は客にコーヒーの一杯も出さないのか? サービス悪いぜ」
高杉刑事はそんなブラックジャックの塩対応に不満を洩らしながらタバコを吹かしていく。人の家だというのに平然とソファーを占領し、吸い殻を床へと溢していく。
そのデリカシーのなさに、ますます不機嫌になっていくブラックジャック。
「生憎と、金を払わない人間を客だと思ったことはない……用がないならお引き取り願おうか」
これ以上は無駄話していても埒が明かないと。ブラックジャックは早々に『要件』に入るように告げる。
さすがにこの男が自分の家まで押しかけてくるのだから、何かしらの用事があるのだろうと予想はしている。
「まあまあ、そう慌てなさんな……今日はお前さんに患者を紹介してやろうと思ってな」
ブラックジャックの読み通り。高杉は医者としてのブラックジャックに用事があった。
彼はタバコの火を携帯灰皿でもみ消しながら、ようやく『本題』となるその患者のことを口にしていく。
「俺の親戚……甥っ子が今度嫁さんを迎えることになったんだが……」
嫁さん、つまりは結婚するということだろう。
通常であればおめでたい事柄だが、高杉の声はどことなく暗い。
「ところがだ……両親を含めた親戚一同から猛反対されてる」
「…………理由は?」
ブラックジャックは安楽椅子に腰掛けながら高杉の話に耳を傾けていく。嫌な相手からの依頼とは言え、一応話くらいは最後まで聞くつもりのようだ。
実際に依頼を受けるかどうかはまた別の問題だが。
「その相手の嫁さんってのが……『病持ち』だからさ」
「…………」
病持ち。あまりいい表現の仕方ではないが、そう呼ばれるだけの『難病』を患っているということなのだろう。
ブラックジャックは無言で高杉に話の続きを促していく。
高杉の話によると、その病というのは『遺伝的』なものであるらしい。
親から子へ、子から孫へと。そうやって何代にも渡り、その家の人間たちを苦しめてきた厄介な病気。
だが、その病気の『遺伝の仕方』には、さすがのブラックジャックも眉を顰めるしかなかった。
「……一人?」
訳が分からないと言った感じで、ブラックジャックが高杉に聞き返す。
「ああそうさ……一人だ。その病気は常にその家の人間の『一人』にだけ発症し、その人間だけを苦しめていく」
「?……意味が分からない。病気が遺伝的なものであるというのなら、親と子の両方に発症してもおかしくはない。何故一人だけなんだ?」
「俺に聞くなよ! そんなこと、俺に分かるわけないだろ」
話を持ってきた高杉もその病の不可解さには首を傾げている。しかし彼はあくまで刑事だ。その病気の『ルール』など明確に理解出来る筈もない。
そう、高杉の話を信じるのであれば、その病気は一世代に『必ず』一人にしか発症しないという。
親がその病に苦しんでいる間、子に同じ症状が現れることはない。
親が死に、親がその苦しみから解放された直後、その子供に全く同じ病が発症するという。先祖代々、そうやって一族のものたちを長々と苦しめてきたのだ。
高杉の親戚たちはその病気の症状よりも、そういった在り方に嫌悪感を抱き、甥っ子の結婚に反対しているという。
まるで『呪い』のようだと——
「莫迦な……呪いだのと。そんな非科学的なことが起こりうるものか……」
ブラックジャックは医学という最先端科学に生きる現代人として、その病気の在り方に否定的だ。
呪いなど信じられない。それが病気である以上、必ずその在りようには科学的根拠がある筈だと。
「まあ……お前さんがどういった感想を抱くかは自由だがね……」
そこまで話し終えるや、高杉はソファーから立ち上がる。
「もしもこの依頼を受ける気になったら、ここの病院に連絡を入れろ。その嫁さんの主治医とやらの連絡先だ」
一枚の名刺をスッとテーブルの上に置き、そのまま未練なく立ち去ろうとする。
「依頼を受けるか、報酬をどうするとかはその嫁さん……もしくは甥っ子の方と話し合ってくれ。俺はあくまでただの仲介人だからな」
親戚事とはいえ、そこまで首を突っ込むつもりはないらしい。
だが立ち去る間際、高杉はブラックジャックの方を振り返りながら呟きを残していく。
「あまり甥っ子をイジメんでくれよ。俺の甥とは思えないほど……なかなかの好青年なんだからよ」
「…………」
高杉が立ち去った後、ブラックジャックは安楽椅子に腰掛けたまま深く考え込む。
高杉の甥、その婚約者である女性を苦しめているという病。それがどのようなものかは実際に診察しなければ分からない。
しかしその病気の在り方。必ず一人にしか発症しないという病のルールに、どこか作為的なものを感じていた。
あるいは本当に『呪い』なのかもしれないなどと、このときのブラックジャックは考えもしない。
——呪いなど……ある筈もない!
その病気の原因を突き止めてやるという負けん気も働いたのか。
「…………もしもし」
結論として、ブラックジャックはその依頼を受けるべく電話の受話器を手に取っていた。
×
「——おお!! ようこそお越し下さいました、ブラックジャック先生!!」
高杉から話を聞いた翌日。ブラックジャックは患者の主治医がいるという病院を訪れていた。
「お初お目にかかります。私は当医院の院長、
古賀と名乗ったその医師は小さな病院の開業医であった。その病院自体もかなり田舎の方にあり、ここまで来るのにもだいぶ時間を浪費し、既に時刻は夕暮れ時。
「電話でお話ししましたが、まずは患者に会わせていただきたい。依頼をお受けするかどうかはその後に……」
「分かりました。どうぞこちらへ……」
挨拶もそこそこに、ブラックジャックは患者との面会を希望する。彼の要望に嫌な顔一つせずに応じる古賀。基本的に人が良いのだろう。
「いや~、まさかあのブラックジャック先生にお越しいただけるとは……これであの子を、あの忌まわしい呪いから解放して上げられるかもしれません」
古賀はブラックジャックが来てくれたことに安堵してか、そのような呟きを零す。するとそれにブラックジャックが不快そうに反論する。
「医者が軽々しく呪いなんて言葉を……口にして欲しくはありませんな」
「これは、大変失礼致しました!」
ブラックジャックの怒ったような口調に慌てて口を塞ぐ古賀。しかし、彼はそれでもと弱気な言葉を口にしていた。
「しかしそう思いたくもなるのです……彼女たちの苦しむ様子を見ていると……」
「彼女たち……患者は一人だけと聞いていましたが……?」
高杉の話が確かであれば患者は一人。その世代に必ず『一人』しか発症しない筈だが。
「ああ、電話ではお伝えしていませんでしたが……私、彼女の母親の主治医もしておりました」
どうやらこの古賀という医者、母娘二代に渡ってその病気と向き合ってきたらしい。その病を今は娘の方が発症しているとのこと。
「母親は……やはり病気で?」
つまりそれは——母親が既に亡くなっていることを意味している。その母親の死因がなんだったのか、ブラックジャックは病気の原因究明のためにも踏み込んだ質問をしていく。
「いえ……自殺です」
「…………」
だが古賀の返答に暫し言葉を失う。
「もう十年以上も、その病気と闘ってきたのですが……精神的に限界が来たのでしょう」
母親もこの病気を発症し、長い長い闘病生活を送っていたという。だが、年齢を重ねるごとに肉体的にも、精神共にも耐えることが出来なくなってしまったのか。
「もう半年前になります。発作の最中……自分の喉を果物ナイフで突き刺して……自ら命を絶ちました」
最後は自分自身の手で、その命を終わらせたという。
「母親が亡くなって……その三日後です。今度は娘の方にも同じ病状が……」
そして、その病気はセオリー通り。次なる世代である娘へと引き継がれてしまったという。
その娘というのが今回の患者であり——彼女が『最後の一人』だという。
「最後……父親は? それに……他の親族たちは……」
最後という言葉にその返答を予想しつつも、ブラックジャックは質問する。
古賀は黙って首を振りながら、その問いの答えを口にしていた。
「いません……私が知る限り、もう誰も。正真正銘……彼女が最後の一人なのです」
もはやその患者には、家族どころか親族もいないという。
彼女は正真正銘——天涯孤独の身なのであると。
「千代ちゃん! 千代ちゃん!! ブラックジャック先生をお連れしたよ……」
そうして、話をしながらブラックジャックたちは彼女が入院している部屋の前まで辿り着いた。古賀はその部屋をノックしながら、患者であるその女性の名を呼んだ。
「あっ、は、はい……どうぞ……」
古賀の問い掛けに対し、か細い少女の声が返ってくる。
部屋の主である彼女の許可を得たことで、ブラックジャックは今回の患者であるその人物と初めて対面することとなる。
「——は、初めまして……千代女、
——……若いな。
患者への第一印象、それがブラックジャックが抱いた感想だった。
患者は女性というよりも、乙女と表現するのが相応しい年頃の娘であった。まだ二十代には満たない、おそらくは十代後半。
腰まで伸びた黒髪。どこか儚げな印象の少女である。
見目麗しい容姿だけでも十分に人目を惹きつけるだろうが、それ以上に人目を引くのが——右目の眼帯だ。
その眼帯も、あるいは彼女を蝕む病に何かしら関係があるのかもしれない。
「まずは診察をさせてもらいたいのだが……構わないだろうか?」
その病気への知的好奇心からか、はっきりと依頼を受けると断言する前からブラックジャックは彼女の容態を診たいと申し出る。
「は、はい……分かりました」
ブラックジャックの不躾な申し出に不快感を示すこともなく、千代女は彼の診察を受けるべく、ベッドに横たわる。
「——この痣……なるほど……確かに話に聞いていた通りだな」
診察に入って早々、ブラックジャックはその病気の特異性に目を光らせる。
電話で一通りの症状を聞かされてはいたが、実際に目にするとやはり違った印象を抱くもの。現時点において、それが何と呼ぶべき病状なのかブラックジャックにも分からない。
千代女の全身には『痣』があった。
その痣は腕から脚、背中や顔に至るまで続いていた。まるで全身を『何か』によって縛られたような跡だ。
「その眼帯……取ってもらっても?」
「……はい」
さらにその痣は彼女の眼帯の下、眼球にまで異常をもたらしている。
彼女の右目は真っ赤に変色しており、その瞳を前に——不思議と蛇の瞳孔を連想させる。
そう『蛇』だ。全身の痣も、荒縄というよりは大蛇によって全身を締め付けられた跡といった感じ。
無論、そこに科学的根拠はない。あくまで直感的にそのようなイメージを抱いてしまったというだけのことなのだが。
「……時おり、全身が締め上げられるような痛みに襲われるとあるが?」
ブラックジャックは千代女のカルテを確認しながら、具体的な症状に関して質問をしていく。
「はい……今は落ち着いているんですけど……時々全身が痛くて……熱も出るんです……」
「それはどのくらいの頻度で?」
「……一日二回……多いときで三回……」
「それ以外で、何か変わったことは?」
発作的に全身を襲う痛み。それだけでもかなりの苦痛だろうが、カルテにはそれ以外に変わった症状があるとは書かれていない。
ブラックジャックは治療の取っ掛かりとして、他に何かないかと質問を続けていた。
「…………誰かが」
「ん?」
すると千代女は怯えた様子で、自身の体を抱きしめながら震える声で口にする。
「誰かが……わたしを見つめてくる。暗闇の中から……責めるように見つめてくるんです」
「…………」
誰かが暗闇から見つめてくる。
病気への恐怖から幻覚でも見ているのかもしれない。少なくともそのように判断するしかなかった。
だが、それをただの幻覚と片付けるにしては——千代女の怯えようは異常であった。
「……じゃ、ない……わたしじゃない!! わたしじゃないのに……何でっ!! どうして……!?」
「お、落ち着きなさい、千代ちゃん!!」
古賀が主治医として彼女を宥めようと側まで駆け寄っていく。
しかし、それでも千代女の震えは止まらない。
怯えた表情で、まるで何かに許しを請うかのように——
「——どうして、『呪い』は……わたしたちを許してはくれないの?」
×
「いかがでしょうか、ブラックジャック先生?」
一通りの診察を終えたブラックジャックが古賀から問い掛けられた。
二人は現在、医院の待合室で話し合っている。患者の診察を終えたところで、改めて千代女の治療を受けてくれるかどうか聞いているのだ。
「一つ、お尋ねしたいのですが……」
古賀の問いに対し、ブラックジャックは逆に質問をする。
「彼女の婚約者という男性は? 一応、彼からの依頼だと聞かされたのだが……」
肝心の依頼主は古賀でもなければ千代女でもない。あの高杉刑事の甥であり、千代女の結婚相手となる男性の筈だ。
彼は今どこにいるのだとブラックジャックが尋ねる。
「ああ! 森時くんでしたら、そろそろ……」
その問いに古賀は迷わずに答えようとする。するとまさにそのタイミングで——
「——はぁはぁ……古賀先生!! ブラックジャック先生が来てくれたとか……あっ!?」
激しく息を吐きながら、一人の青年が彼らのいる待合室へと駆け込んできた。
「ブラックジャック先生。彼が千代ちゃんの婚約者……森時くんですよ」
「は、初めまして! 森時と言います……」
容姿的な特徴は短髪の黒髪に、やや癖っ毛が強いといったことくらい。それ以外は本当にありきたりで、平凡な青年としか表現しようがない。
だが不思議と、その瞳には力強い意志のようなものが感じられる。
ブラックジャックという天才外科医を前にしながらも、彼は微塵も揺らいだ様子がなく、静かにこちらを見つめてくる。
「キミは……学生かね?」
ブラックジャックはその青年の姿勢や、その若さに少し驚いていた。
千代女の年齢からある程度予想はしていたが、彼も十代後半といったところ。雰囲気からもどことなく社会人という気がしない。
「はい。今年で大学一年になります……一応、医大生です」
「ほう……同業者か」
医者の卵も卵。将来的には同業者にもなるかもしれない若い雛鳥にブラックジャックの目が細まる。
だが、相手が未成年ともなれば心配なことがいくつかある。ブラックジャックはその疑問を解消するため、森時に問い掛けていく。
「キミは彼女に結婚を申し込んだそうだが……その歳で、将来的な不安はないのか?」
結婚が早いか遅いかなどは人それぞれだろう。しかし彼らはまだ学生。若気の至りの一言で片付けるにしては、あまりにも多くの課題をクリアしていかなければならない。
経済的に家族を養えるのか、勉学を疎かにしないか、周囲の理解を得られるのか。
彼の場合、ただでさえ親戚一同から反対されているのだから、その苦労は人一倍だろう。
そういった不安が皆無ではないのだろう。森時はやや暗い表情で、自身の心情をポツリポツリと語っていく。
「俺……彼女とは中学からの付き合いなんです。その頃から……彼女の家のこと……病気のことは知っていました」
「…………」
「俺が医者を目指したのも……病気の原因を突き止めたかったからなんです。医者になって、彼女の母親の病気を……いずれ彼女に降り掛かることになる病気を……俺の手で治してあげたかった……」
千代女のために自身の進路さえも決めたという森時。それだけ、彼が千代女のことを深く想っていることが伝わってくる。
「だけど……俺は間に合わなかった! 彼女のお母さんは亡くなって……とうとう病は彼女にも……」
だが、森時が医師として自立する前に千代女の母親は亡くなってしまった。
病気は当然のように千代女にも発症。現在進行形で彼女を刻一刻と苦しめ続けている。
「彼女は……今一人なんです。たった一人で……病気と闘ってる!」
おまけに、望月千代女という少女にはもはや家族すらいない。このままでは彼女は一人、孤独にさらされ続けながら、病気と向き合わなければならなくなってしまう。
それはあまりにも過酷だ。娘という支えがあった母親以上に、千代女の精神を疲弊させていくだろう。
それこそ——母親のように『自殺』してしまう可能性だってある。
「だから……! 俺はそんな彼女の支えになってあげたい!! 彼女と家族になって……ずっと側に寄り添って上げたいんです!!」
千代女を決して一人にしないためにも、森時は彼女と結婚を——家族になる決意を固めた。
たとえ周囲にどれだけ反対されようと、その決意が揺らぐことはない。
それだけの覚悟が、彼の力強い瞳から感じられる。
「……なら、私への依頼料はキミが支払うということで構わないわけだね?」
そんな森時の本気を感じ取り、ブラックジャックも本気で相手と向き合うべく、その話題を口にした。
自分に病気の治療を頼むのであれば、最低限支払わなければならない代償というものがあるのだと。
「二千万だ。びた一文まからない」
「に、二千……」
ブラックジャックの値を聞くや、主治医である古賀が卒倒しそうな顔になる。そのリアクションから、ブラックジャックがどれだけ法外な報酬を要求しているのかが窺い知れるだろう。
だが、森時の方は全く怯んだ様子もなく——
「——お支払いします」
キッパリと、二千万という代償を自分が背負うと断言する。とはいえ、所詮は学生の身分。すぐにそれだけの大金を用意できるわけもない。
「……今すぐは無理ですけど……なんとしてでも払って見せます! なんなら、大学なんて辞めて今すぐにでも働きに——」
森時は医大生だが、それも全ては千代女のため。もしも彼女の病気が治るというのであれば、わざわざ大学を出て医者になる必要もないと。
今後の自身の人生、その全てを捧げることになるであろう決断を森時はしてみせる。
しかし、それにブラックジャックは待ったを掛けた。
「その必要はない」
「……えっ?」
ブラックジャックは焦る青年に、静かに言い聞かせていく。
「キミは大学でしっかりと勉強して……医者になりなさい」
たとえ、きっかけが一人の女性のためだったとはいえ、医者になろうとしたその志は本物の筈だ。
そんな将来有望な若者の未来を閉ざすことは、ブラックジャックとて本意ではない。
「医者として患者を救い、正当な報酬を得て……そのお金を私に支払うんだ」
医者になれと。
そうして患者を救うことが——結果として、千代女を救うことに繋がるのだと。
「……っ!! は、はい!! ありがとうございます!!」
ブラックジャックの言いたいことを理解し、森時は相手への感謝と共に深々と頭を下げる。
こうして、ブラックジャックは正式に望月千代女の治療を引き受けることになった。
——……心臓に明らかな異常が認められる……病巣があるとすればそこだろう……。
依頼を引き受けた日の夜。ブラックジャックは古賀氏の医院に泊まり込み、一人で患者のカルテを纏めていた。
既に彼は千代女の病がどこから起因するものなのか、ある程度の当たりを付けていた。
夕方の診察の際、明らかに心音にノイズが混じっていたのだ。心臓の弁などに問題があり、そこが正常な役割を果たしていない可能性が高い。
——……明日、街の病院に彼女を連れて行こう。もう少し詳しく調べてみる必要がありそうだ。
しかしそこから先、詳しいことはこの病院の設備では分からない。何故か『心音に雑音がある』ということくらいしか、ほとんど異常が見られないのだ。
具体的に『どこ』に『何』があるのか。もっと詳しく調べてみる必要性を感じた。さすがに長年の間、望月家を苦しめているだけあって、一筋縄ではいかない病のようだ。
——あの手の肌の変化は内臓機能の低下……あるいは腫瘍と関係している可能性もあるが……。
あの『痣』に関しても不透明なことが多い。ああいった異常が肌に見られる原因についても突き止める必要があると。
ブラックジャックは千代女のカルテを作成しながら、今後の治療方針などを頭の中で整理していく。
「…………」
だがふと、数時間前に耳にした千代女の言葉を思い返したところで、ブラックジャックのペンを走らせる手が止まった。
『——呪いは……わたしたちを許してはくれないの?』
何かに怯えるように患者の口から発せられた言葉。それが嫌にブラックジャックの耳に残っている。
「……呪いなど……そんなもの、存在するわけがない……」
医者として『呪い』などという、不確かなものの存在を認めるわけにはいかない。
あくまでこれは『病気』。体に必ず病の原因たるが何かがあり、それを取り除くのが医師の仕事であると。
まるで自分自身に言い聞かせるように、ブラックジャックは強気な独り言を口にしていた。
この時点までは、彼も信じていなかったのだ——
科学で証明出来ないものの存在を、人ならざるものたちの存在を——
あくまで真っ当な価値観、論理的思考で望月千代女という少女の病気を治療しようと意気込んでいた。
しかし、そんな彼の元に——
カランコロンと、その音を鳴り響かせるものが訪れる。
「…………なんだ? ……下駄? こんな時間に……いったい、どこから?」
聴こえてきた異音にブラックジャックは眉を顰めた。
静かな夜の静寂に鮮明なほどクリアに響き渡ったのは——下駄の音。
今時珍しく、そしてこんな時間の病院内で聞くには、あまりにも不自然な物音であった。
「……誰かいるのか?」
不審に思ったブラックジャックは部屋から顔を出し、院内の廊下を覗き込む。
今のところ、病院内には自分を含めて院長である古賀と入院患者である千代女の二人しかいない筈だ。
しかしその二人が起きたような様子もなく、廊下はしんと静まり返っている。
「…………気のせいか」
ブラックジャックは聞き間違いかと思い、そのまま静かに扉を閉じようとし——
「——貴方ですか……望月家最後の一人を看取りに来た医者は……」
「——っ!!?」
刹那、自分の真正面に何の前触れもなく——唐突に一人の少年が姿を現した。
全く気配を感じさせない、幽霊のような少年の佇まいにはさすがにブラックジャックの心臓もバクンと高鳴る。
「だ、誰だねキミは……ここは病院だ。急病人でもないのなら、早々に立ち去りなさい」
だがすぐに落ち着きを取り戻し、怪我人や病人でもない少年にここから立ち去るように告げる。
しかしふと、相手の呟いた言葉にブラックジャックは表情を険しくしていく。
「いや……待ちなさい。キミは今なんと言った? 最後の一人を……看取りにだと?」
その発言を、彼女の治療を引き受けた身としては聞き逃すことが出来なかった。
「……どこでどのような話を聞いたかは知らないが……私が来た以上、彼女が最後にはならない」
望月千代女は今後も生き続ける。
病気を治し、最愛の人と寄り添い——そして新たな命を紡いでいく。
決して彼女が最後の一人になどならないと。
だが——
「——貴方に彼女は治せませんよ」
「……なんだと?」
少年は、まるでそれが当然のように冷たく言い放つ。
その言葉にブラックジャックの顔がますます険しくなっていくが、それでも少年は平静な口調を崩そうともしない。
「これは罰なんです。彼女の遠い祖先が犯してしまった『罪』……」
あくまで淡々と、あるがままの事実を忠告と共にブラックジャックへと告げていく。
「最後の一人である彼女がその命を終えるとき……その罪は濯がれる……ボクたちに出来るのは、それを見届けることだけです」
「下手に首を突っ込むと……貴方にも呪いが飛び火するかもしれませんよ?」
「…………」
そんな不吉なことを口にする少年を、ブラックジャックも憮然と睨みつけていく。
それがその少年——ゲゲゲの鬼太郎とブラックジャック。
二人のファーストコンタクトであった。
人物紹介
ブラックジャック
ご存じ、我らが無免許医。
本名は間黒男ですが、本文では常にブラックジャックと記載していきます。
冒頭のブラックジャックはある程度歳を取った、OVA版の彼を参考にしています。
過去回想のブラックジャックは若く、割と調子こいていた頃の話を元にしています。
天才といえども、決して完璧超人ではない。そんな彼を今回は描いていこうと思います。
ピノコ
ブラックジャックの助手兼自称恋人? それとも奥さん?
冒頭の部分ではTVに向かって叫んでいますが、回想がメインなので出番はこれくらい。
呂律が回らない話し方をどう表記するかが大変です。
高杉刑事
原作でいうところの友引刑事。原作やアニメだとブラックジャックを目の敵にしている感じ。
OVAだと名前が高杉に変わっており、割とブラックジャックにも友好的。
今回は話の取っ掛かりとして、ゲスト参加していただきました。
望月千代女
FGOからのゲスト参戦。名前はそのまんまですが、同一人物ではありません。
そっくりさんであり、例の『呪い』をその身に引き継いだ子孫という設定。
その身に宿る呪いにブラックジャックがどう立ち向かっていくのかという話。
森時くん
千代女の婚約者。名前は望月千代女の夫とされている『盛時』。現代風に『盛時』を『森時』に変えています。
見た目の容姿はそのまんま『藤〇立〇』ですが、その名前で登場させるのは避けました。
ぐだのお相手は〇〇だ!! いや、〇〇だ!! と、下手したらそれだけで論争が起きそうなので……。
あくまでそっくりさんですので、どうかご注意下さい。
古賀医師
千代女の主治医。役割上登場させることになったキャラクター。
特に深い設定はありませんが、OVA版に登場するアルマン・ロシャスという医学博士をモデルにしています。
今月はちょっと忙しいので、続きは3月投稿になると思います。
3話構成くらいにはなると思いますので、どうかお楽しみに。