だいぶ時間が掛かってしまいましたが、これで『戦姫絶唱シンフォギアXD』とのクロスオーバーは完結です!
紆余曲折ありましたが、大筋のお話は当初の予定通りです。
どうか最後まで、お楽しみに!
ちなみに作者、XDではグレ響や天羽奏の新ギアが来たら狂ったようにガチャを回します。
それまではずっと石を貯め続ける日々で、最大8000個まで貯蓄したことがあります。
8000個……これだけの石がFGOでもあれば……。
シンフォギア装者・立花響が妖怪であるゲゲゲの鬼太郎と固く握手を交わす。
繋がれた掌を通じ、互いの目的や気持ちを再確認していく。
共に協力し、互いの世界に異常をもたらす元凶——カルマノイズを打ち倒そうと。
風鳴翼と雪音クリスも、その思いに力強く頷いてくれる。目玉おやじや猫娘といった鬼太郎の仲間たちも全力で力を貸してくれるだろう。
だが、事態は彼女たちが思っていたほどに深刻であり——既に切羽詰まった状況まで迫っていた。
『ギィ……ギィギィ……』
大百足の『本体』。S.O.N.G.のブレーンでもあるエルフナインの推測通り、その意識はカルマノイズによって支配されていた。
カルマノイズの放つ瘴気の影響で、大百足は人間を襲う邪悪な妖怪と化す。
しかし、元々の性質上——大百足とは『悪性』に染まりやすい妖怪でもある。
確かに百足は毘沙門天などの神様の使いとして、神格化されるほどの信仰心を人々から集めている。
だが、やはりその特徴的なグロテスクな見た目、獰猛な攻撃性や毒を持つものもいることから、その存在自体が忌み嫌われることもまた事実。
そういった人間たちの嫌悪感、悪いものであるという思い込み。それが妖怪としての大百足の源流、人間やときには龍神すらも害する『怪物』の誕生のきっかけともなった。
人間たちの心の在り方一つで『善』にも『悪』に染まる。
それこそが神様、あるいは妖怪というものの本質なのかもしれない。
いずれにせよ。今や妖怪の存在が多くの人間たちに認知されている中、大百足は人々を襲い始めた。
当然、人々の間には大百足に対する怒りや不満が爆発。鬼太郎や装者たちが倒したムカデの残骸から、さらにカルマノイズの瘴気が空気中に拡散されていったこともあり、人々の心は昏い感情に支配されていく。
大百足を、妖怪憎しと叫ぶ人間たちの負の感情。
それがさらに、大百足を——『かなりまずい』方向へと進化させていくことになってしまう。
「————」
果たしてそれが、カルマノイズの『狙い』だったかどうかは定かではないが。
ついに大百足は——伝承にも語られる、その真なる姿を人間たちの前へと晒していく。
×
「……なっ、なに? なんなんの!?」
異変は早朝から始まった。
大きな揺れにビックリした、犬山まなが自室のベッドから飛び起きる。二日ほど前に大百足に遭遇した彼女には、その地震がムカデたち出現の前兆であると即座に察することができた。
案の定、窓の外に大百足の姿があった。
全長五メートルほどの大きなムカデが、犬山家のすぐ側に姿を現したのだ。
「い、いやっ!?」
妖怪への恐怖心が未だに強く残っているまなは咄嗟に目を閉じた。襲われる恐怖に怯えながらも、衝撃に備えて身を固める。
「…………えっ?」
しかし、いつまで経ってもムカデが彼女を襲ってくる気配はない。それどころか、ムカデはまなに気付いた様子もなく、どこか違う方角へとその虚な視線を向けている。
そして次の瞬間にも、大百足は地響きを鳴らしながら移動を開始し始めた。
「……何が起きてるの?」
まなは無事だった安心感よりも、大百足の行動に嫌な予感を覚える。
いったい、何が起きているというのか。不安ではあるが記憶を失っている今の彼女では、それを『彼ら』に聞く術すら思い浮かばなかっただろう。
犬山家のある調布市だけではない。その日、ありとあらゆる場所に大百足たちは姿を見せた。
渋谷、新宿、池袋、葛飾、永田町、総耶。
埼玉、鎌倉、横須賀、横浜、船橋、浦安。
東京どころか関東周辺に、同時多発的に大百足たちがその姿を現す。
しかしこれまでのように無差別に人間を襲うようなことはなく、彼らは一斉に『目的地』に向かって移動を開始していた。
「こ、これは……いったい、どういうことだ!?」
その異変を、装者たちも直に目撃していた。
彼女たちは例の廃社にいた。つい先ほどまで彼女らは自分たちの世界、S.O.N.G.本部へと定時報告に戻っていたところだった。鬼太郎たちと協力することになった旨を司令である弦十郎に報告し、カルマノイズとの決着も近いうちにつけるとも宣言した。
鬼太郎たちの協力があればそれも可能だと、彼女たちなりに胸を張っての報告だったのだが——。
だがこちら側に戻ってきて早々、彼女たちはその『恐ろしい光景』を目の当たりにする。
「凄い数……こんなにも沢山のムカデたちがいたなんて……」
「き、気分悪っ……やべ、流石に吐きそう……」
響とクリスがそれぞれ感想を述べる。彼女たちは既にギアを展開しており、廃社近くの一際大きな木の上から、その情景を瞳に焼き付ける。
それは、無数のムカデどもが地上で蠢いている姿。これまでどこにこれだけの数が潜んでいたのか。数百、数千にも上る大百足の大群が、地上を埋め尽くさん勢いで広がっていたのだ。
まるで、この世の終わりを思わせるような悍ましい光景だ。
東西南北、四方から押し寄せてくる大百足たち。
その全てが『ここ』を——装者たちのいる『廃社』を目指しているようだった。
「いったい何故? 私たちを狙ってか? それとも……」
この状況に翼は困惑する。
あの大百足たちが何故こちらに押し寄せてくるのか。装者たちを脅威と認識し、彼女たちを排除するために集まっているのか。あるいは、何か別の目的でもあるのかと。
様々な考察を浮かべる翼であったが——刹那、彼女たちのいる地点にも地震が発生する。
「——ッ!? 二人とも、ここから離れるぞ!!」
その揺れはまさに大百足出現の前兆を意味するもの。しかもそれまでのどんな揺れよりも、遥かにデカい規模である。
「は、ハイッ!!」
「クソッ!! 何が起きてやがるんだよ!?」
翼の警告に響もクリスも木の上から飛び降り、素早く地震の発信源と思われる廃社から距離を置いていく。
何が起きているか明確には理解できないでいたが、このままこの場にいることが『まずい』ということは直感的に悟る。
実際、装者たちの読みは的中する。
彼女たちがその場から離れた、次の瞬間にも——。
『——ギィイイイイイイイイイイ!!』
一際巨大な大百足が大地を隆起させ、廃社を木っ端微塵に吹き飛ばしながらその姿を地上へと晒した。
その大百足の全長は、おおよそ三十メートル。それまで見てきたどのムカデたちよりも遥かに大きい。
「デカッ!?」
「!! 神社が……ゲートがッ!?」
「案ずるな!! ギャラルホルンのゲートに物理的な干渉は通じない」
そのムカデの大きさ。さらには神社も破壊され、その残骸によって建物の中にあったゲートが埋まってしまう。
だが翼が言うように、ギャラルホルンのゲートそのものに通常の方法で危害を加えることはできない。瓦礫に埋まろうとも、それを取り除けば今まで通りに使用可能だ。
故に今はゲートのことよりも、眼前の大百足の方へと意識を向ける。
目の前に立ちはだかるその巨体を見上げ——。
「!? おい、アレ見ろ! あのムカデの……頭のてっぺんだ!!」
そこでクリスが何かに気付いて声を張り上げた。彼女の指し示した先、そこにあったのは大百足の頭部。そしてそこには——。
「——カルマノイズ!?」
真っ黒いノイズの姿もあった。
この騒動の元凶と思われていたそいつが、大百足の頭部に埋まり——同化していた。
そう、カルマノイズは大百足と『一体化』していたのだ。
まさに『寄生』でもするかのように。カルマノイズは大百足の頭脳から、その全てを支配していたのだ。
「!! なるほどな……やはり、このムカデたちはカルマノイズに!!」
「だったら、ここで奴を倒しさえすれば!!」
その衝撃的な姿に驚きこそすれども、まだ冷静でいられる翼とクリス。どのような形であれ、カルマノイズが大百足を支配下に置いていることは、彼女たちにとっても想定内。
姿を見せたのなら好都合。このまま頭部に寄生しているカルマノイズだけを倒してしまえば、それでムカデたちが大人しくなるかもしれない。
ここで決着を付けるつもりで気合を入れる装者たち。
『ギィ……ギィギィ……』
だが、カルマノイズと同化したその大百足も、響たちなどには目も暮れず移動を開始。押し寄せてくる大百足の群れと合流するため、装者たちから背を向けた。
「——逃さん!!」
立ち去ろうとする大百足に対し、風鳴翼が仕掛けた。
己のアームドギアを空中へと放り投げ、自身も空中へと跳躍。剣を巨大化させ、そこに己の蹴りも一緒に叩き込む大技——『
必殺の一撃で一気にカルマノイズを撃破しようと突撃を敢行する。
『ギィギィ!!』
「な、なにッ!?」
ところがその一撃も、さらに地中から出現した数匹のムカデたちによって阻止される。翼の攻撃を何匹ものムカデたちが代わりに受けることで、一番奥のカルマノイズは全くの無傷となる。
『ギィィイイ!!』
『ギギィイイ!!』
そのまま、さらに何十匹もの大百足が装者たちを取り囲んでいく。
まるで彼女たちを足止めせんとばかりに。その間、カルマノイズと大百足の本体と思しき個体がその場から離脱していく。
「ま、待ってッ! ……はああああ!!」
それを慌てて追いかけようとする響だが、いかに装者といえども無数のムカデたちに進路を妨害されては追いかけるのもままならない。
まずは眼前の敵を叩くべく、響は苦い表情を浮かべながらも拳を繰り出していく。
「退け!! 魔性ども!!」
「群がって来んなら……蹴散らすだけだ!!」
翼も剣を振るい、クリスの銃火器の大火力が何匹ものムカデたちをまとめて撃ち抜いていく。
だがいかんせん、数が多すぎた。倒しても倒してもさらにムカデの増援は現れ、彼女たちをその場に釘付けにする。
「——体内電気!!」
だが、援軍が駆けつけたことで形勢は逆転する。
「鬼太郎くん! 来てくれたんだね!!」
その場に現れると同時に電撃を大百足たちに浴びせていく、ゲゲゲの鬼太郎。彼の救援に響の表情がパァッと明るくなっていく。
勿論、来てくれたのは鬼太郎だけではない。
「ニャアアアア!!」
「それっ! 火炎砂じゃ!!」
「おんぎゃ! おんぎゃ!」
「いくばーい!!」
「ぬりかべ!!」
猫娘、砂かけババア、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべ。
ゲゲゲの森の戦力が加わることで、装者たちも一気に攻勢へと出る。次から次へと出現する大百足たちを退けて、とりあえずその場は事なきを得た。
「ふむ……一応、片はついたようじゃが……」
「まだです!! まだッ!」
数分ほどで、その場に出現した大百足たちを全て撃退した一行。だがこうしている間にも、あのカルマノイズと同化した大百足本体が、各地より集まってくるムカデたちと合流している筈だ。
いったい、これから何が起きようとしているのか。少なくともこの時点では博識な目玉おやじにも、響たち装者にも分からなかったが。
しかし、彼女たちはすぐにでも『それ』を目の当たりにする。
大百足たちが何を成さんとしているか、その『脅威なる姿』を次の瞬間にも目撃することになっていく。
『——ギィ……ギィィイイ!!』
カルマノイズと一体化していた大百足の本体を中心に、群がるムカデたちが集結する。
合流した彼らは——まずは手始めに互いに互いの身体へと噛み付き始めた。それはもしや共食いでもするのかと疑問を抱かせる光景であったが、そうではない。
彼らは寄り集まり、噛みつき合い、身体を連結し合うことで——その身を『同化』させていたのだ。
連結、同化、吸収、融合することにより、見る見るうちに膨れ上がっていく大百足の体躯。その大きさを数メートルから、数十メートル、数百メートル。
あるいは——『数km』へと昇華させていく。
「……な、なにが……起きて?」
「……い、いったい、これは……」
その光景が間近まで見える現場に駆けつけた装者や、妖怪たちが揃って目を丸くする。いったい何が起きようとしているのか、彼らには予想が付かなかっただろう。
「……ま、まさか……」
ただ一人、目玉おやじだけがその光景を前に、もしやと疑念を浮かべる。
自身の中にある知識、眼前で大百足たちが成ろうとしているものが、『それ』と一致するのではないかと、背筋をゾクリと震わせた。
それは既に装者たちにも語っていた、例え話の一つとして上げた伝承だ。
『三上山の大百足』——龍神の一族を狙ったとされるその大百足は、全長が三上山を七巻半するほどあったと語られている。
その話を目玉おやじから語られた際、装者たちは『いくらなんでも誇張表現』だろうと、無意識のうちにその話を否定していた。
それは、その伝承を語った目玉おやじ本人ですらも、『流石にちょっと盛っている』だろうと思っていたことだ。
いくらなんでも大き過ぎる。そこまで巨大なもの、いくら妖怪でもあり得ないと。
大きくともせいぜい数百メートル。それでも十分に巨大生物と呼べるサイズなのだから、それで十分だろうと。
だが、そんな安易な思考は——眼前の『実物』を前に否定された。
誇張などではなかった、大袈裟などではなかった。
確かにそれは山すらも越える、天を突くほどの見上げる巨体。
身体の大部分がとぐろを巻いているおかげでかろうじてその全体像が垣間見えるが、だからこそ目撃した人々の絶望感もひとしお。
突如街中に君臨した『それ』を前に一般人は当然ながら、装者や鬼太郎たちですら唖然となる。
「そ、そうか……そういうことじゃったか……」
こんなときでありながらも目玉おやじは納得し、そして理解する。今まで倒してきた大百足たちの身体から、どうして『魂』が出てこなかったのか。
それはあのムカデたちが、ただの『一部』に過ぎなかったからだ。
大百足という、巨大な本体のほんの一欠片。切り離されたトカゲの尻尾に意思など宿らぬように、体の一部をいくら倒そうとも魂など出てくる筈もなかった。
大百足という妖怪は無数のムカデたちの群れなどではなく、たった『一体』の大きなムカデからなる妖怪だったのだ。
その大百足が、各方面へと散らばせていた自身の身体たちを呼び寄せて——そして元の姿へと戻った。
そう、これこそが本来の姿。
その正体は伝承にも語られていた、三上山を七巻半——。
全長数キロメートルにも及ぶ、超特大サイズの大百足であったのだ。
×
「……ッ!! ふざけんな!! いくらなんでも……デカ過ぎんだろ!?」
唖然としていた雪音クリスだが、ようやく我取り戻して叫び声を上げる。その叫びはまさに他の装者たちの気持ちも代弁している。
彼女たちはこれまでも巨大なノイズ、戦艦。他世界であれば怪獣などと幾度も交戦経験があった。巨大な敵との戦闘にはそれなりに慣れているつもりであり、それこそ百メートルくらいであれば何とかなるという自信もあった。
しかしこれは、これはいくらなんでも『デカ過ぎる』。
まさに天を突く長さ。見上げることで、かろうじてカルマノイズが埋まっている頭部が視認できるが、当然そこまで攻撃など届かない。
カルマノイズを倒すためにも、まずはこの巨大ムカデをどうにかする必要があるだろう。だが何の対策も取っていない今の戦力では、それに対抗する術などまるで思い浮かばない。
「こ、こんなものが暴れ出したら……いったい、どれほどの被害が出るかッ!?」
それでも、ここで奴を食い止めなければならないと翼は叫ぶ。本来の姿に目覚めたばかりで覚醒しきれていないのか、現時点では全く動く気配を見せない大百足。
だがいつまでも放置はしていられない。こんなもの、動き出すことを許しただけでもいくつもの都市が壊滅する。
人々を、妖怪たちを、この日本を守るためにも。何としてでも、この大百足は今この場で倒さなければならないのだ。
「ッ!! 迷ってはいられない! はぁああああ!!」
巨体の迫力に気押されながらも、誰よりも早く立花響が拳を握りしめながら大百足へと突撃していく。
大百足の足元、とぐろを巻いている部分であれば響の間合いだ。少しでもダメージを与えられればと、全力の一撃をそこへ叩き込んでいく。
「指鉄砲!!」
これに合わせる形で鬼太郎も指鉄砲を放った。
渾身の妖力を込めた手加減のない一撃だ。並の妖怪であれば、それこそ肉体が消し飛ぶであろう威力である。
だが——。
『————』
ビクともしない。いや、それどころか大百足は響たちの存在にすら気づいていない。
人間が足元の『
「そ、そんな……」
「こんな、こんなの……どうしようもっ!?」
絶対的な戦力差を前に流石に青ざめる。全力の一撃を放った響と鬼太郎だからこそ、この巨体を物理的な手段で崩すのは不可能だと強制的に理解させられてしまったのだ。
「父さん!! 何か……何か手はないんですか!?」
絶体絶命の最中、鬼太郎はこの大百足に対する有効な手段がないかを父親に問い掛けていた。
大百足の伝承を語った目玉おやじであれば、この怪物が『どうやって退治されたか』を知っている筈だと、そこに一縷の望みを掛ける。
「そうじゃな……弓さえあれば……何とかなるかもしれんが……」
鬼太郎の問いに対し、目玉おやじは明確な答えを——『弓矢』さえあれば対抗できると、はっきり断言する。
しかし鬼太郎たちの中に弓の使い手などおらず、今からそんなものを調達してくる時間すらないのが現状。
「弓……弓だと?」
しかし、これにシンフォギア装者・雪音クリスが反応を示す。
「——だったら、あたしに任せとけッ!!」
彼女は得意げな表情を浮かべながら——己のアームドギアを一瞬で『弓』のフォルムへと変化させていく。
「キミのその武器は……!?」
クリスの武器の変わりように驚く鬼太郎だが、これこそがアームドギア・『聖弓イチイバル』のあるべき姿である。
クリスの心象イメージから普段は銃火器として使用されているイチイバルだが、その本来の有りようは——弓。
さらにクリスはそれを『和弓』へと変化させ、すぐにでも矢を番える準備を進める。
「おお! これなら……! 何とか対抗できるかもしれん!!」
クリスが弓矢を構える姿に、目玉おやじが希望に声を弾ませる。
さっそく、彼はその弓で『どのように』大百足を討滅すべきか、皆に説明をしていく。
「——その昔……三上山の大百足と対峙した秀郷は、弓矢で大百足を仕留めたとされておる……」
三上山の大百足を退治したのは、
元より勇猛と名高い彼の噂を聞きつけた龍神の一族が、彼に大百足を退治してくれるように願い出たのである。
秀郷はその依頼を引き受け、その強弓で大百足を仕留めてみせた。
「勿論! ただ矢を放つだけではダメじゃ!!」
しかしその秀郷といえども、ただ弓矢を放っただけであんな怪物を退治したわけではない。
彼は弓矢に——『あるもの』を付着させて矢を放ち、それが魔性たる大百足を退けたのだ。
「
「よし、任せろ! …………は、はぁああ!? つ、唾だぁ!? 何だってそんなもんつけなきゃ……」
目玉おやじの言葉に相槌をついたクリスだったが、唾をつけろという指示に素っ頓狂な声を上げる。何故そんなものをつけなければならないのか。
「当時の民間伝承に『百足は人間の唾を嫌がる』というものがあった。秀郷はそれを思い出し、唾を矢の先端につけたんじゃ!!」
するとどうだろう。どんな攻撃をも跳ね返す頑丈な表皮に矢の一撃が刺さるや、大百足は呆気なく轟沈したという。
見事大百足を退治した秀郷はその後、龍神の一族から感謝の証として『米の尽きない米俵』を受け取ったとされる。
そのことから、彼は別名『
「時間がない! さあ、さっそく試してみるんじゃ!!」
この手段が本当に有効かどうかは、正直目玉おやじも半信半疑だ。だが今はこの手段に賭けるしかないと。
この場で弓矢を引けるクリスの腕に、自分たちの命運を預ける。
「………………」
ところが、クリスはそこから動こうとしない、プレッシャーのあまり緊張で身を固めてしまった。というわけではなく——。
「いや……唾を吐けとか言われても……なんか、恥ずいし……」
単純に、恥ずかしかったとのこと。
皆の視線が集中する中で唾を吐くだなんて。そんなはしたない真似、年頃の乙女であるクリスにはむず痒く、顔を真っ赤に染めたまま動かなくなってしまっていた。
「雪音ッ!! 羞恥に顔を染めている場合ではないぞ!!」
「そうだよ、クリスちゃん! 恥ずかしいなら……私が手伝ってあげるから!!」
だが、翼と響はそれどころではないと叫ぶ。同じ乙女でありながらも、響などは率先して己の唾を提供しようかと、はしたないことまで口にしていく。
「わ、分かった!! 自分でやるから……お前らあっち向いててくれ!!」
二人に促されて流石に観念したのか。とりあえずその場にいる全員に視線を外すように言いつけ——矢の先端に己の唾を付着させていく。
「ちくしょう……こうなりゃ自棄だ!! 食らいやがれ!!」
本当にこれで効果があるのだろうか。クリスは恥ずかしさに身悶えしながらも矢を放った。
次の瞬間——。
『——ギィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?』
クリスの矢が刺さり、大百足が悲鳴を上げた。
何をしてもビクともしなかったあれだけの巨体が——たった一射で揺らいだのである。
「効いてるよ! クリスちゃん!!」
「う、嘘だろ!? マジかッ!?」
これに響が喝采を上げ、放った本人であるクリスが信じられないとばかりに目を見開く。まさか本当に、こんな手段でダメージを与えられるとは思ってもいなかった。
だが、通じると分かればもはや躊躇はない。恥ずかしさよりも倒せるという意気込みが勝り、クリスは素早く次矢を装填しようと弓を構えていく。
『——ギィィイイ!!』
しかしそうはさせまいと、大百足の視線が眼下の装者たちへと向けられた。それまで歯牙にもかけなかった小さな存在を、大百足は脅威と判断したのか。
彼女たちを排除しようと、怪物は何かの合図のように鳴き声を轟かせる。その声に応じてか——。
「!! この揺れ……!!」
地震が起きる。もしやと思い、それの襲撃に備えて身構えていく一同。
『ギィギィッ!!』
『ギィィイ!!』
予測通り、地面から姿を現したのはムカデたちの群れだ。
まだ同化しきっていなかった無数のムカデが、司令塔である大百足本体を守ろうと装者たちに牙を剥いていく。
「ここはボクたちに任せてくれ!!」」
「アンタたちは、本体を!!」
そのムカデたちには鬼太郎や猫娘を始めとした妖怪たちが、装者たちを守るべく応戦していく。
「翼さん、私たちも!!」
「ああ……しかし、この数はッ!?」
響たちも、妖怪たちに手を貸すべく動いた。
クリスの弓であれば大百足を倒すことができると、彼女を信じてムカデたちの足止めへと戦力を回していく。そうしなければならないほどに、その群れの規模が凄まじかったのだ。
倒しても倒しても、次から次へと無限に湧き出てくるムカデたち。
このままではその勢いに押され、呑み込まれてしまうと。
流石にこれでは保たないと、翼が弱気な言葉を口にしようとしーー。
「——狼狽るなッ!!」
そんな翼を叱咤するように、凛とした女性の声がその場に響き渡る。
刹那、集団で群がってくるムカデたちの横合いから——青白いエネルギー波が放たれた。その一撃により、大量のムカデたちがまとめて吹き飛ばされ、薙ぎ倒されていく。
「今の輝きは……もしや!!」
先ほどの叫びにその攻撃。それが誰のものなのか、翼には直ぐに理解できた。
「——この程度で狼狽るだなんて、らしくないんじゃない……翼?」
まさしく、そこには翼が思い浮かべていた人物が堂々たる風格を携えて立っていた。
「マリア!!」
それは白をメインカラーにしたインナー。
輝きに満ちた装甲『アガートラーム』のアームドギアを纏った女性——マリア・カデンツァヴナ・イヴ、その人である。
響たちが危機に陥っていたこの苦境に、頼もしい援軍の『一人』としてその場に駆けつけていた。
×
「マリアさん! いつからこっちに!?」
マリアの援軍に立花響も大いに喜びを露わにするが、いつからこちら側に来ていたのかと率直な疑問を浮かべる。
つい先ほど、S.O.N.G.本部に戻ったときには顔を合わせる時間もなかった。てっきり彼女も他の任務で手一杯かと思っていたのだが。
「ついさっきよ! こっちに着いて早々、ゲートの出口が瓦礫に埋まってるわ、ムカデの大群に出くわすわ……もう散々よ!」
マリアは愚痴を溢しながらも、素早く戦線に加わるべく刃を振るう。
アガートラーム——白銀の左腕部より抜き放たれた正義の剣が、カルマノイズの悪意に染まってしまったムカデたちを蹴散らしていく。
「助かった……礼を言うぞ、マリア!!」
マリアの活躍に風鳴翼が微笑みを浮かべる。
装者たちの中でも年長者同士、任務でもバディを組むことが多い二人。互いに息の合った剣裁きを見せつけ合い、ムカデたちを寄せ付けないでいる。
「言っとくけど……私だけじゃないからッ!!」
「えッ?」
しかし喜ぶのはまだ早い。マリアは自分以外にも——頼もしい救援がいることを告げる。
「——マリアの言う通りデス!! 私たちを忘れてもらっちゃ……困るデスよ!!」
元気一杯に叫びながら、巨大な大鎌を振り下ろす少女。
緑をメインカラーとしたインナー、刺々しい装甲『イガリマ』のアームドギアを纏った——暁切歌。
「——私たちも……戦線に加わります……!」
その切歌に続き、ヨーヨーのような武器にローラースケートで縦横無尽に戦場を駆ける少女。
桃色をメインカラーとしたインナー、兎の耳のような頭部装甲が特徴的な『シュルシャガナ』のアームドギアを纏った——月読調。
装者たちの中でも一番の年少者だが、連携、ユニゾンという点で言えば他の誰よりも呼吸を合わせる術に長けている。
互いを思い合うコンビネーションが力となり、ムカデの群れを次々と蹴散らしていく。
「やるじゃねぇか! 後輩たち!!」
切歌と調の参戦に雪音クリスが口元を吊り上げる。
彼女にとっては学校内でもよく面倒を見ている後輩たちだ。先輩として遅れを取ることはできないと、クリス自身も本腰を入れて大百足と対峙する覚悟を決めていった。
「——響ッ!!」
さらに、立花響にとって何よりも嬉しい救援がもう一人。
紫をメインカラーとしたインナー。周囲に単独で浮遊する『鏡』を複数枚展開し、そこから放たれる光が不浄に染まったムカデたちを浄化していく。
アームドギア・『神獣鏡』の装者。立花響の親友・小日向未来である。
「未来ッ!? 未来も……来てくれたんだ!!」
心情的には誰よりも心強い援軍に、響の拳がさらに力強く握られた。
これで彼女たちの世界の装者。その全員が、鬼太郎たちの世界を救わんと終結したことになる。
「けど……私たちの世界は!? みんなでこっちに来ちゃって大丈夫なの!?」
けれど、彼女たちは彼女たちで自分たちの世界を守るために残っていた筈。
ここまでこちら側に戦力を集中させていいのか。響は自分たちの世界の守りが手薄になっているのではと不安な表情を浮かべる。
「心配無用よ!!」
だがこれにマリアが代表し、力強く宣言した。
「今あっちの世界には……セレナや奏が来てくれているわ!! あの二人が、私たちの代わりを務めてくれている筈だから!!」
「奏が!? そうか……ならば、何も問題ないなッ!!」
マリアが口にした装者の名に、翼も大いに納得する。
セレナ・カデンツァヴナ・イヴ。
両名とも、違う並行世界の守り手たる装者たちだが、ギャラルホルンが繋げたゲートを通じ、常日頃から交流を重ねている相手だ。
その二人が来てくれているのならば心配ない。マリアはセレナを、翼は奏を誰よりも信頼しているからだ。
故に装者たちは安心して、この世界の危機に尽力できると。
己の胸の中の『歌』を響かせながら、大百足たちへと立ち向かっていく。
「綺麗で……力強い歌だ……」
「……ええ、そうね……」
立て続けに現れる響たちの仲間。心強い援軍ではあるが、誰か誰とも分からず困惑するというのが、鬼太郎たちからすれば正直なところ。
彼女たち一人一人の人となりなど、ちゃんと推し量れない中、戦場で背中を預けるなど無謀なことだったかもしれない。
だがそれも、彼女たちの『歌』を聞けば問題ないと分かるだろう。
彼女たちの凛々しく、真っ直ぐ、優しく、力強い歌声。その歌を聞けば不思議と彼女たちそれぞれの心の有り様なども伝わってくる。
鬼太郎も猫娘も、激しい戦いの最中だというのに思わず聞き入ってしまう。それだけの力が——彼女たちの『歌』には秘められていた。
きっとその歌は鬼太郎たちだけではない。街中に響き渡り、多くの人々がその歌声に俯かせていた顔を上げているだろう。
絶望的な怪物・大百足に立ち向かおうとする彼女たちの歌が、姿が——きっと多くの人々の希望となっていたことだろう。
「……みんな、ボクたちも!!」
そんな装者たちに対抗意識を燃やすというわけではないが、彼女たちばかりに任せてもいられない。
自分たちも負けじと鬼太郎とその仲間も。ムカデの群れを相手に臆さず立ち向かっていった。
「——クソッ! とっとと倒れやがれってんだ!!」
心強い救援、鬼太郎たちの奮戦もあり、クリスは大百足本体への攻撃に専念することが出来ていた。だがその一方で、大百足の巨体は一向に倒れる気配を見せない。
先ほどからずっと、クリスは矢の先端に弱点である唾をつけ、それを何度も何度も放ち続けている。
だが、何発打ち込んだところで、それが決定打になることはない。確実にダメージを与えることには成功しているようなのだが、それでも大百足はその巨体を保ったままだ。
このままのペースではあと何十発、何百発。矢を射ったところで、大百足が倒れるとは思えない。
しかし、これ以上もたついていては大百足が覚醒して動き出してしまう。そうなってしまえば街は壊滅してしまうだろう。
焦燥感に駆られるクリス。矢の量をさらに増やし、絶え間なく放ち続けていく。
「——駄目じゃ!! 駄目じゃ!! そんな闇雲に打っても……!!」
すると焦るクリスの耳元から、彼女を叱りつけるような檄が飛ぶ。
「め、目玉のおやじ!? あんた……いつからそこにッ!?」
声の主は、雪音クリスの肩にちょこんと乗っていた目玉おやじであった。
いつの間にそんなところにと目を剥くクリスだが、戸惑う彼女に向かって目玉おやじはアドバイスを口にしていく。
「いくら数を打っても意味はないぞ!! 大事なのは、一撃にありったけの思いを込めることにあるんじゃ!! 実際、藤原秀郷は一発であの大百足を仕留めた言われておる!!」
「はぁあッ!? あ、あんなバケモンを一発!? そ、そんなの……できるわけねぇだろ!?」
過去にあの大百足と同等のサイズを、クリスのように弓で仕留めたとされる藤原秀郷。だが同じ弓であれに立ち向かっている彼女だからこそ、その武勇伝が眉唾物だと信じられないでいた。
あんな巨大な怪物を一撃で仕留めるなど、たとえ人の唾が効果的だとしても不可能だ。それこそ人間業ではないだろうと。
しかし、それでもと目玉おやじは叫ぶ。
「出来る!! 出来ると信じるんじゃ!! やる前から気持ちで負けてどうする!!」
「ッ!!」
ハッと目を見開くクリス。目玉おやじのその言葉は、大百足に決定打を与えられずに焦っていたクリスの気持ちを冷静にさせてくれる。
「良いか、お嬢さん? 秀郷は大百足を仕留める際、自らの唾を一本の矢の先端に滲ませた……」
クリスが落ち着きを取り戻したところを見計らい。目玉おやじはもう一度、大百足討伐に対する手順を説明していく。
「心を落ち着かせ、そして唱えた。『
「八幡……なんだそりゃ?」
初めて聞く言葉にキョトンとなるクリスに、目玉おやじは手短に答える。
「八幡大菩薩……八幡神。全国の武家から信仰を集めていた武神のことじゃ!!」
元々の名は八幡神であったが、後に仏教守護の神として『菩薩』の神号が贈られたとされる。武士たちは負けられない戦に臨む際、戦神である八幡大菩薩に戦勝祈願を願ったという。
また『弓矢八幡』という言葉があるように。弓の名手として名高い、かの那須与一も。船の上に浮かぶ扇の的を射抜く際、「南無八幡……」と唱えたとされる。
矢を番えてその神の名に祈るということは、武士たちにとって絶対に外せない、一発必中を意味する。
必ず当たれと神に祈ると同時に、必ず当てると誓うことでもある。
「さあ、キミも彼らのように。まずは落ち着いて……心を鎮めるのじゃ」
「…………すぅ……はぁ……」
目玉おやじの助言にクリスは大きく深呼吸、焦りで昂っていた自身の気持ちをゆっくりと落ち着かせていく。
——………………。
クリスは精神統一のために目を閉じ、視界を封じた。さらに周囲の喧騒から遠ざかるため、聴覚すらも意識的に封じていく。
深く、より深く集中していく中、クリスは『弓道』の姿勢を意識する。
彼女は以前より、自身の戦闘力向上のために弓道を習っていた。本来は弓であるイチイバルの力を引き出すため、彼女なりに様々な戦い方を模索した結果である。
その弓道に触れる際、指導してくれた担当教官がクリスに教えてくれた言葉がある。
『弓道の矢は
弓道が競技として成立している以上、的を正確に射て得点を競うことは間違いではないだろう。
だがそれよりも、弓道には大事なことがある。的に命中させることに躍起になるより、まずは美しい射法を意識することだ。
正しい構え、正しい動作。美しい所作で放たれた矢は、必然的にも正確に命中すると。
矢を番える前から、矢を放った後。その一連の流れの全てが『弓道』として成立するのだと。
——…………集中…………。
教えを思い出しながら、まずは背筋を伸ばす。
そして、そこからどのように肉体を動かしていくのか、頭の中に常に『美しい』自分自身の動作を思い描いていく。
イメージの中の自分には一切の迷いもなく、澱みもなかった。
彼女の実際の身体も、そのイメージ通りに動いていく。
——…………行ける!
変に意識したわけではなかった。
だが、これから放つ自分の矢がこれまでとは全く違うものだとクリスは『確信』する。
瞳を開く。
眼前からは大百足の巨躯が迫っていたが、それに対する焦りは全くなかった。
唾を飛ばして矢の先端に付着させる。そこに一切の羞恥心もない。
心を平静に保ったまま、クリスは弓を引き絞る。
「南無八幡大菩薩……」
矢を放つと同時に、彼女の口からは自然と必中を願う祈りの言の葉が紡がれていた。
「——その矢を……届けやがれッ!!」
かくして、イチイバルの矢は放たれた。
ありったけの思い、願いが込められたその矢は何者にも阻まられることなく、まっすぐ大百足の巨体へと飛んでいく。
そしてそれが必然であるとばかりに、矢は——大百足の胴を貫く。
『——ギィ……ギィイイイイイイイイイイイアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?』
刹那、それまでとは全く違う、断末魔の絶叫が大百足の口から響き渡る。
唾を付着させた矢、さらに祈りの言葉が大百足に致命的な損害を与えたのか。その身体がピシピシとひび割れていき、矢に込められていたエネルギーまでもが迸っていく。
大百足の内部から放射線状に広がっていく、その輝きこそが——『
雪音クリスの一矢が、真の意味でも大百足を捉えたことの証明に他ならない。
崩壊していく大百足の身体が、次の瞬間にも——内側から弾け飛ぶ。
粉々に砕け散る巨体。
行き場を失った『魂』が肉体から解き放たれ、どこぞへと飛び去っていったのである。
×
「す、凄いデス……クリス先輩……!」
「本当に……やっつけてしまいおったぞ……!」
雪音クリスの一撃が大百足を粉砕した光景に、装者や妖怪たちが唖然となる。弱点を突いたとはいえ、あれほどの巨体が本当に沈むとは夢にも思わなかったのだ。
本体の崩壊と合わせるかのように、周囲に群がっていた分体のムカデたちも次々に活動を停止させていく。
妖怪・大百足は本当に討滅されたのだと、ほっと胸を撫で下ろす一同。
「……!! まだだ! 気を抜くなッ!!」
だが、緩みかける場の空気を引き締めるように翼が叫ぶ。確かに大百足は倒した。しかしその残骸——その死体がまだ残っていたのだ。
流石にあれだけの質量。その全てが都合よく、散りのように消えてくれるわけではなかったようだ。
粉々に飛び散る大百足の肉片が——辺り一面に、雨のように降り注いでくる。
「街に被害を出すわけにはいかない!! 全て撃ち落とすぞ!!」
残骸といえどもあんなものが落ちてくれば、それだけで街に被害を生んでしまう。そうはさせまいと、装者たちは広範囲の攻撃で、降り注ぐ肉片を消し飛ばしていく。
先陣を切る風鳴翼が、エネルギー状の剣を上空へと飛ばしていく——『
分裂させた暁切歌の大鎌の刃が、ブーメランのように投擲される——『
月読調がヘッドギアから、円盤柄の丸ノコを大量に飛ばしていく——『
高出力のビームを一点に集中して対象を浄化していく、小日向未来の——『
その一撃一撃が、着実に降り注いでくる残骸を蹴散らしていく。
「全部……撃ち落としてやる!!」
「ハッ!!」
さらに雪音クリスも、アームドギアの形状を弓から銃火器へと戻し、ミサイルで広範囲を爆撃。
マリアはアガートラームでエネルギーベクトルを操作、エネルギーシールドを限界まで広げて街を守っていく。
「ニャアアアア!!」
「砂太鼓!!」
「おんぎゃああ!!」
「ぬりかべッ!!」
装者たちほどの火力を広範囲では展開できないものの、妖怪たちも街を守るためにそれぞれの力を出し尽くしていく。
そんな、降り注ぐ残骸から街を守るという激闘の最中——。
「!! みんなっ!! アレを見るんじゃ!!」
雪音クリスの肩から上空を見上げる目玉おやじが何かに気付き、皆の視線をそこへ向けさせる。
「ッ!! カルマノイズ!!」
粉々に砕け散っていく破片の中には、大百足の頭部が混じっている。そこには当然、大百足と同化したままのカルマノイズもいた。
そのままであれば、遥か上空から頭部と一緒に落ちてくるところ。だが、カルマノイズは——そこから抜け出そうとしていた。
用済みとなった大百足との同化を解き、逃げようとしていたのだ。
「——逃さないッ!!」
これに立花響が真っ先に走り出す。
他の皆よりも広範囲で攻撃する術に劣っている自分こそが、あのカルマノイズにトドメを刺すべきだと判断しての行動だった。しかし、いかにシンフォギアといえども、未だ落下途中の奴の元に辿り着くには至難である。
「——立花響!!」
そこでゲゲゲの鬼太郎が、初めて響の名前を呼ぶ。
「追うぞ、乗るんだ!!」
彼は一反木綿を呼んでその背に飛び乗っていた。響にもその背中に乗り、一緒にカルマノイズを追えということだ。
「うんッ! 一緒に行こう!!」
「しっかり掴まってなしゃいよ〜!!」
響は鬼太郎の意図を察し、素早く一反木綿の背に飛び乗る。二人を連れ、一反木綿が地上から超特急で飛び立つ。
「立花が行ったぞ!! 皆、援護しろッ!!」
「響ッ!!」
翼が響の援護に回るよう、皆に指示を飛ばす。
響たちのそのすぐ後を、唯一単独での飛行能力を持った小日向未来が遅れながらも追っていく。
降り注ぐ大百足の残骸を掻い潜りながら、一反木綿は大空を飛翔していく。
目指すは全ての元凶、カルマノイズ。他のものには一切目もくれない。街は仲間たちが守ってくれると信じ、その瞳にカルマノイズのみを見据えていく。
最速で! 最短で! 真っ直ぐに! 一直線に!
この胸の響きを!! 奴に叩き込むために!!
「————」
だが、この時点で既にカルマノイズは大百足の頭部から抜け出していた。同化から解けた奴は、この瞬間にもその存在感を朧げにしていく。
「このままじゃあ……!」
鬼太郎が焦りを口にする。
せっかく大百足を倒したところまで追い詰めたというのに、このままでは逃げられてしまう。ここで逃せば次にどんな厄災を齎すか分からない。カルマノイズは確実に、ここで倒してしまわなければならないというのに。
果たしてここから、カルマノイズが消えるまで間に合うかどうか——。
「鬼太郎くんッ!!」
だから、響は叫んでいた。
「——今から飛ぶよ……拳を貸してッ!!」
詳しいことまで話している時間がないため、彼女は手短に要件だけを伝える。『飛ぶ』、『拳を貸す』。果たしてそれで伝わったかどうか。
「はぁあッ!!」
「な、ななな……響しゃん!?」
それを確認する間もなく、響は一反木綿の背中から——跳んだ。
飛行能力のない響ではそのまま落ちていくしかないだろうと、一反木綿は焦りを見せるが。
「——霊毛ちゃんちゃんこ!!」」
しかし鬼太郎は全く慌てることもなく。霊毛ちゃんちゃんこを腕に巻きつけ、拳を突き出していた。
その拳の上に——立花響が乗る。
鬼太郎の拳を踏む台にし、彼が拳を振りかぶる勢いに乗って——響はさらに上空へと跳躍したのだ。
鬼太郎の拳の威力も上乗せされた、響自身が光速で飛来する弾丸と化す一撃——『
「——つらぬけええぇええええええええええッ!!」
「————!」
その一撃が——カルマノイズに届く。
避ける暇も、逃げる隙間も与えずに、一撃で奴の真芯を撃ち貫く。
散りとなって消滅する、カルマノイズ。
今度こそ間違いなく。この世界に蔓延っていた異変の元凶を彼女が——響と鬼太郎の二人で打ち砕いたのであった。
「…………」
落ちていく。
カルマノイズを倒すことに全てを出し尽くした響は、頭から地上へと真っ逆さまに落ちていた。
燃え尽きる流れ星のように。いかにギアを纏った状態といえども、このまま落下すればタダでは済まないだろう。死ぬことはないだろうが、激痛は避けられない。最悪、かなりの重傷を負うことになったかもしれない。
けれど、響に不安はなかった。
その口元には微笑みすら浮かべられている。
何故なら彼女は、信じていたからだ。
「——響ッ!!」
いつだって戦いを終えた先に、自分の帰る場所があると。
そこで『彼女』が待ってくれていると、確かな確信を抱いていたから。
「もう……相変わらず無茶し過ぎなんだから。私が受け止めてなかったら、どうするつもりだったの?」
「平気だよ! だって、未来がいるんだから!」
まさにその想いに応えた——小日向未来。
立花響の落下地点を予測でもしていたのか、落ちてきた彼女の身体を空中で抱きとめる。未来はいつもの響の無茶に少し怒った顔をするが、それに響は平気へっちゃらと笑みで返す。
至近距離で見つめ合う二人。戦いを終えた後はいつものように、互いの無事を笑顔で喜び合った。
「——ただいま、未来」
「——お帰りなさい……響」
×
大百足、カルマノイズとの戦いが終わり、半日が経過していた。
急遽救援に駆けつけてくれていたマリア、切歌、調。そして未来の四人は先にゲートを通り、S.O.N.G.本部へと帰還した。他の並行世界の装者である奏やセレナが留守を守ってくれているとはいえ、それに甘えるわけにもいかない。
二人にだってそれぞれ守るべき世界があるのだ。自分たちの世界を守るなら、自分たちの手で。本当ならそれが一番なのだから。
「……やはり、どうしても損害は出てしまったか……」
「しゃーねぇだろ……寧ろ、この程度で済んだのが奇跡だって……」
去るものがいる一方で、最初の調査メンバーであった翼、クリス。そして響の三名は戦いの被害を調べるため、こちらの世界に留まっていた。
装者や鬼太郎たちもかなり奮戦したが、やはり街の方にもそれなりに被害が出てしまっている。
この被害が、人と妖怪の情勢にどのような変化を齎すことになるか。それは現時点では分からない。
カルマノイズの瘴気が晴れたことで、人々が極端に暴走するようなことはなくなっただろうが、それでも元からあった対立が綺麗さっぱり消えてなくなるわけではない。
人間と妖怪との溝。まだまだ、両者のわだかまりが埋まることはなさそうだ。
「…………」
そのことに、響は不安げな表情を浮かべていた。
そういった問題を残したまま、この世界から立ち去らなければならない自分たちの立場を、非力さを憂いているようだ。
「立花……これ以上この世界に私たちが留まることは許されない。カルマノイズの脅威が去った以上、あとこの世界の問題だ」
そんな響の心情を察しながらも、翼はあえて厳しい言葉を投げ掛ける。
既にこの世界の異物であったカルマノイズは倒した。あとはこの世界の住人である鬼太郎や妖怪たちが、人間相手にどうやって接していくかを考えていかなければならない。
これ以上の介入は、逆に響たちの方こそが異物と成りかねない。
心残りだが、この辺りが引き際だろう。
「しっかし……ものの見事にぶっ壊れちまったな、この神社も……」
既に鬼太郎たちとも別れを済ませていたため、装者たちはこの地を去るべくギャラルホルンのあるゲート前へと来ていた。
そこでクリスは周囲を——神社跡地を見渡しながら呟く。
大百足本体の出現と同時に粉々に粉砕されてしまった廃社は、もはや見る影もなく瓦礫の山と化した。ゲートそのものは無事であったが、これではもはや神社としての役目は果たせまい。
元より人が訪れなくなった廃社とはいえ、この最後はあまりにも寂しいものである。
いったい何を祀っていた神社かも、もはや知る機会もなかったのだが——。
「……! 二人とも、これを見てみろ……」
「どうかしましたか、翼さん?」
「なんだよ、何か見つけたのか?」
ふいに、何かに気づいた翼が瓦礫の山からその破片を拾い上げる。
「これは……ムカデの彫り物か?」
それはかろうじて原型を留めていた、神社の装飾の一部——『百足の彫刻』であった。
建物が健在であった頃は、内部が常に薄暗かったために気づけなかったが、その装飾を見るに——どうやらこの神社では百足を眷属として祀っていたようだ。
百足を祀っていた筈の神社の真下から、あの大百足が出現した。
その事実に、翼の脳裏にとある推測が浮かび上がる。
「そうか……もしかしたら、あの大百足も元々はこの神社の神使とやらだったのかもしれんな……」
目玉おやじが教えてくれた『百足』という妖怪の在りよう。今回の事件では邪悪な妖怪として人間たちに恐怖を与えたが、ときには信仰の対象としても扱われる存在だ。
もしかしたら、あの大百足も元々は神々に仕える眷属だったのかもしれない。
しかし神社が廃れ、訪れる人もいなくなり、この地の百足は神使としての役割を果たせなくなった。
信仰心を失い弱体化——そこを、カルマノイズに目をつけられた。
かの者の邪悪な瘴気は浴び、人間たちを襲うようになった。
それが結果として、あのような怪物を誕生させてしまうきっかけになったのかもしれない。
「……ムカデさん。今度肉体を取り戻したときは……良いムカデさんになってて下さい!」
翼のその推測を聞いた響は、何処ぞへと姿をくらました大百足の魂へと手を合わせる。
今度、肉体を取り戻したときにはせめて『良き存在』に成れるようにと。
それが今の自分にできる、あの大百足へのせめてもの弔いだと信じ、ただ静かに祈りを捧げていた。
「さてと……それじゃ、そろそろ戻るとするか」
「ああ、そうだな……」
皆でムカデへの鎮魂も済ませ、クリスと翼が改めてギャラルホルンのゲートへと向き直る。
やれることは全てやった。あとはこのままゲートを潜れば、それでこの世界ともお別れとなる。
「——あっ! やっぱりいた! 皆さん!!」
だが、そのタイミングで何者かがやって来る。
人など滅多に来ることのないその場所に、装者たちを呼び止めるものが駆け寄って来たのだ。
「なっ! だ、誰だッ!?」
「あれは……まなちゃん!?」
ゲートの前で人に見られたことを焦る翼だったが、それが自分たちにとって見知った相手、犬山まなであったことに響は目を丸くする。
装者たちにとって、彼女はこの世界のことをより詳しく知るきっかけとなった相手だ。一言二言くらいならば別れの挨拶をしても問題にはなるまいと。
装者たちは、まなが駆け寄ってくるのを静かに待つ。
「はぁはぁ……」
「どうしたんだ? こんなところにまで……」
だいぶ慌てていたのか。軽く息切れを起こすまなにクリスが不思議そうに尋ねる。
何故彼女がここにいるのか。そこまで必死になって、自分たちのところに走ってきたのか率直な疑問を浮かべた。
「はぁはぁ……わたし、皆さんのこと捜してたんです! そしたら……たまたますぐ近くで、響さんの後ろ姿が見えて……」
響たちを捜していたという、犬山まな。
しかし、何の手掛かりもなく街中を捜し、そう簡単にその所在に行き当たるだろうか?
無論、それは起こりうることだ。犬山まなの『偶然力』を以ってすれば——。
「わたし……響さんたちにお礼が言いたくて……!」
そう言いながら、まなは響たちに向き合うや姿勢を正していく。
「あのおっきなムカデ……倒してくれたの、響さんたちですよね!? 響さんたちの歌……わたしのところにも届いてました!!」
あの特大大百足の巨躯を、まなもしっかりと目撃してしまっていた。
その圧倒的なスケール感を前に、彼女も他の一般人同様に絶望するしかなかっただろう。
だが、そんな絶望の最中にも聞こえてきた装者たちの歌声。大半の人はそれが誰の歌声なのかも分からずにいたが、まなは響たちの戦う姿を一度直に目撃している。
故に聞こえてきた歌声が、彼女たちのものであると察することができたのだ。
「響さんたちのおかげで……ほんとにありがとうございました!!」
だから、まなは響たちにありがとうと頭を下げ——。
「——やっぱり、響さんたちは凄いですね!! 皆さんの手にかかれば……どんな悪い妖怪だって、コテンパンにやっつけられちゃいますよ!!」
それはまなとしては、特に何か含みがあった発言ではない。
ただ単純に、悪いモノを退治してくれた彼女たちに、心から感謝しているため自然と出てきた言葉であった。
だが、そんな犬山まなの発言に——。
「…………」
何故だか、響はとっても悲しそうな表情になってしまう。
翼もクリスも。何とも複雑そうな顔で固まってしまっていた。
「ど、どうしたんですか? わたし、何か気に触るようなこと言っちゃいました!?」
彼女たちの顔色の変化にまなが慌てふためく。何か知らないうちに、失礼なことを口走ってしまったのか不安になっている様子だ。
そんなまなに対し、響は首を横に振りながらも——真摯に問いを投げ掛ける。
「ねぇ……まなちゃん。まなちゃんは……妖怪が嫌い?」
「——ッ!!」
大百足の被害にあった彼女に、こんなことを問い掛けても答えなど分かりきっていただろうに。
それでも、響には問わずにはいられなかった。
大百足が、妖怪が『悪いもの』であると。疑いようもなくそう思っているまなの感情を、どうしても放置することが出来なかったのである。
「…………嫌いというより、怖いです……」
まなは響の言葉に僅かに言い淀みながらも、自身の正直な気持ちを吐露する。
二年間の記憶の空白がある犬山まな。彼女にとって妖怪とは、ある日突然、自分の日常に顔を出した異物そのものである。
どこから、いつからそんなものが出てくるようになったかも理解できず。何も分からないまま、平和な日常を脅かされてしまっている。
しかも、あの大百足以外にも。まなは一度妖怪に襲われ、そのせいで彼女の母親も傷付いたことがあるという。
そういった経緯を考えれば、まなが妖怪に対して良い感情を抱けないのも、仕方がないことだろう。
それは理解できる。けど、それでも響は——。
「まなちゃん。人間にも悪い人がいるように……妖怪にだって、良い妖怪がいるかもしれないよ?」
響はまなに対し、妖怪を擁護する発言を口にしていた。彼女の脳裏に浮かび上がるのは、今回の騒動を共に解決してくれた——ゲゲゲの鬼太郎とその仲間たち。
いや、本当だったら。あの大百足だって神々の眷属として人間たちを見守る存在であったかもしれない。
ただの悪ではないと。少なくとも、響たちが今回関わった妖怪たちはそうだった。
「怖いッ……ていう気持ちは、私に分かる。けど、ひょっとしたら……今回の事件でも人間たちを守るために頑張ってくれた妖怪さんがいるかもしれないんだ」
だから、立花響は必死に言葉を紡いでいく。
決して自分の考えが一方的な押し付けにならないように、まな自身に考えてもらう余地を残すように言葉を選びながら。
「だから……怖がらずに向き合ってみよう? そうすれば……いつかは彼らとも手を取り合えるかもしれないから」
「…………」
響の言葉にまなは沈黙。だが決して、頭ごなしに否定するような態度ではない。
きっとまななりに、響の言葉を聞いて考えてくれているのだろう。
「……立花、そろそろ……」
「……わかりました」
だがまなの答えを聞く前に、そろそろ時間だと翼が声を掛ける。響もそれ以上は、何も語らずにただ手を振っていく。
「さようなら、まなちゃん。私も頑張るから……まなちゃんたちも頑張ってね!!」
そうして、響たちはあえてまなの目の前でギャラルホルンのゲートを潜り、その世界や犬山まなと別れを告げていった。
「き、消えた!? ま、待っ——」
空間に開かれた穴のようなものを潜るや、姿を消してしまった響たちにまなは思わず後を追おうと駆け出す。
だが次の瞬間にも、ギャラルホルンのゲートはその役割を終えたかのように消失——その場から消えてしまう。
通常であれば残り続けるゲートもあるが、どうやらこの世界での装者たちの役目はこれで終わりのようだ。
今後も様々な問題が起こるだろうが、それは装者たちの力がなくても解決できると。世界そのものが判断した結果、ゲートは完全に消えてなくなった。
「………」
響たちがゲートと共に消えた光景に、流石にまなは呆気にとられていた。
だがすぐにでも我に返り、彼女は響に言われた言葉を思い返す。
「……怖がらずに、向き合う……」
勿論、その言葉だけでまなの価値観が一瞬で切り替わるわけではない。
妖怪に対する、まなの『怖い』という感情が拭いきれるわけではなかった。
「…………今度、色々と調べてみようかな……」
だがそれでも、その言葉は妖怪そのものを怖いと拒絶していたまなの心情に一筋の光をもたらした。
まずは知る努力から始めてみようかなと、少しだけまなの気持ちが前向きになっていく。
「ありがとう……響さん」
まなは、最後まで自分のことを気に掛けてくれた立花響という少女への礼を口にした。
きっと、彼女たちと再会することはないだろうと。
一抹の寂しさを感じながらも、その口元には確かな笑みが浮かべられていた。
人物紹介
真・大百足
今回のシンフォギアとのクロス、まずは敵をどうするかで悩みました。
作中でも言われているとおり、シンフォギアってわりと非常識な存在。
その非常識に対抗するには、並みの妖怪ではパワー不足と。
それに負けない相手として……今回はこの大百足。
三上山伝承に登場する、山を七巻半するというバケモンにご登場願いました。
藤原秀郷
大百足を討伐した逸話を持つ武者。FGOユーザーには俵藤太の方で通じる。
敵が大百足であった場合、どうやって退治するかで自然と彼の名前が登場。
その伝説をなぞる形で、クリスが大百足を弓矢で討伐するという流れ。
マリア・カデンツァヴナ・イヴ
アガートラームの装者。アームドギアは謎の左腕。
通称アイドル大統領。彼女だけ二十代……魔法少女とはいったい?
暁切歌
イガリマの装者。アームドギアは大鎌。
語尾に常に「デス!」が付く子。ディスガイア4のデスコじゃないよ?
月読調
シュルシャガナの装者。アームドギアは丸ノコ? ヨーヨー?
装者たちの料理番、『調めし』なる番外編があるとか。
天羽奏
セレナ・カデンツァヴナ・イヴ
名前だけ登場。それぞれ本編ではお亡くなりになっている装者たち。
こういったキャラが登場するのが、XDの醍醐味かと。
次回予告
「劇場に響く歌声、舞台の裏で暗躍する怪人。
狙われる出演者たち……それでも、彼女たちは演じることを止めはしない。
父さん、彼女たちのあれは……本当に演技なんでしょうか?
次回——ゲゲゲの鬼太郎『アクタージュ オペラ座の怪人』見えない世界の扉が開く」
次回は『ゲゲゲの鬼太郎』×『アクタージュ』×『FGOのファントム』
多重クロスでお送りいたします、お楽しみに……。