真目譜理子とサーカス世界   作:tres

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12.「Magician」

「…」

 

(覗いてみたのはいいけど…何も変わってないか)

 

(うん、あの4人のパフォーマー…そのままあの切り札たちだ)

 

(それにしても…すごいなあ。あんなアクロバティックな演技をしながらバランスが取れるなんて…!)

 

(って見とれてる場合じゃない、何か手がかり…あれ?)

 

(もう1人着ぐるみのピエロがいたような気がするんだけど…いなくなった?)

 

===何か見つけられたかい?

 

「いや…」

 

===そっか。

 

(まあ…手品師とは関係無さそうかな)

 

(…舞台裏に戻ろ)

 

===こっちはね、待ってたら降ってきたよ。

 

「…えっ?」

 

 

 

 

 

「初めましてお嬢様。私(わたくし)の名はクラウン」

 

「!…」

 

「以後、お見知りおきを」

 

「あなたは…!」

 

===シルクハットに仮面にスーツ。いかにもな格好だね。

 

(間違いない…この人が手品師…!)

 

「4人のパフォーマーとの戦い、実にお見事でした。これまで何百人と挑まれて参りましたが、まさか私の姿を初めてお見せする相手がこんなにお若いお嬢様だとは思いも寄りませんでしたよ」

 

「あなたがわたし、わたしたちをこの世界に連れてきたの…?」

 

「はい、私がお呼びしました。もっともお嬢様以外は観客と化してしまいましたが」

 

「っ…!どうしてこんなことするの…!?」

 

「力を試しているんですよ。残念ながら私の期待に添えるような力の持ち主は未だ現れていませんがね」

 

「…あなたを倒せば元の世界に戻れるんだよね?」

 

「はい。お嬢様は勿論のこと、これまでにお呼びした方々も一人残らずお返ししましょう」

 

「…わかった」

 

(それならやるべきことはひとつ…)

 

「もうデュエルディスクを構えられるのですね。私としてはまだまだお話を楽しみたかったのですが、まあいいでしょう」

 

「お嬢様の力を試させて頂きますよ」

 

(目の前の手品師を倒すだけ…!)

 

===決戦の時だね。

 

「…!」

 

(またあの寒気が…ううん、気を取られちゃだめ)

 

(今はこのデュエルに勝つことだけに全力で…!)

 

 

 

“DUELSTART”

 

 

 

(先攻はわたし…最初の5枚、重要)

 

(でもそれ以上に重要なのは、カードの情報…!)

 

「!…」

 

(今回はP効果が消えてる…!でもそれ以外は元通り…?レベル、スケール、攻守、モンスター効果も異常無し…)

 

(いや違う…!それはシンメトリアルだけ…!アシンメトリアルは…)

 

 

 

(!…3回戦の時と同じだ…攻守のどちらかが0でスケールも片方が無い…!)

 

(しかも書き換わったのは3回戦の時と逆側…!確かあの時書き換わってたのは、攻守の低い方とスケールが4に近い方…!)

 

(ってことはつまり、攻守の高い方が0になって…スケールが4から遠い方が無くなった…!?)

 

(う…最後のデュエルも縛りがきつい…でも、これで戦うしかない…!)

 

「《アシンメトリアル・S(シールド)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》

【Pスケール:青-←1/赤4】

 

 

 

「続いて《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

 

 

 

「早速両スケールを張りましたか」

 

(…あっちのデッキはだいたい予想がつく。でも方向性は見てみないとわからない)

 

(3体とも呼び出せるけど、ここは2体だけで)

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》、《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》」

 

《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/天使族/攻 400/守 400

【モンスター効果】

(1):

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

「どちらも守備表示ですか。確かにそのステータスでは攻撃表示で出せませんね」

 

(効果で破壊とかされない限りは、大丈夫なはず…!)

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地0 除外0

手品師 LP8000 手札5

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

TURN1→2 譜理子→手品師

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

い=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

青=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》青スケール1

赤=《アシンメトリアル・S(シールド)》赤スケール4

◇ あ ◇ い ◇

青   空   赤

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

「私のターン、ドロー」

 

「スタンバイフェイズを経てメインフェイズ」

 

「手札を1枚捨てて《ペンデュラム・コール》を発動。デッキから《虹彩の魔術師》と《紫毒の魔術師》を手札に加えます」

 

《ペンデュラム・コール》

通常魔法

「ペンデュラム・コール」は1ターンに1枚しか発動できず、

「魔術師」PモンスターのP効果を発動したターンには発動できない。

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

カード名が異なる「魔術師」Pモンスター2体をデッキから手札に加える。

このカードの発動後、次の相手ターン終了時まで

自分のPゾーンの「魔術師」カードは効果では破壊されない。

 

 

 

(見た目通りの魔術師…問題はどのタイプなのかってことだけど…)

 

「そして手札に加えた《虹彩の魔術師》と《紫毒の魔術師》をPゾーンに発動します」

 

《虹彩の魔術師》

【Pスケール:青8/赤8】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの魔法使い族・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。

このターンそのモンスターが相手モンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

その後、このカードを破壊する。

 

《紫毒の魔術師》

【Pスケール:青1/赤1】

(1):1ターンに1度、自分の

魔法使い族・闇属性モンスターが戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。

そのモンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで1200アップする。

その後、このカードを破壊する。

 

 

 

「さあ、私の方も呼ばせて頂きましょうか」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《調弦の魔術師》、《黒牙の魔術師》」

 

《調弦の魔術師》表側守備

ペンデュラム・チューナー・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

このカードはEXデッキからの特殊召喚はできず、

このカードを融合・S・X召喚の素材とする場合、

他の素材は全て「魔術師」Pモンスターでなければならない。

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが手札からのP召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「調弦の魔術師」以外の「魔術師」Pモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、フィールドから離れた場合に除外される。

 

《黒牙の魔術師》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1700/守 800

【モンスター効果】

このカードはルール上「エクシーズ・ドラゴン」カードとしても扱う。

(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、

自分の墓地の魔法使い族・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

 

「手札からペンデュラム召喚に成功した《調弦の魔術師》のモンスター効果を発動。デッキから《白翼の魔術師》を特殊召喚します」

 

《白翼の魔術師》表側守備

ペンデュラム・チューナー・効果モンスター

星4/風属性/魔法使い族/攻1600/守1400

【モンスター効果】

このカードはルール上「シンクロ・ドラゴン」カードとしても扱う。

P召喚したこのカードは、S召喚に使用された場合に除外される。

 

 

 

(《白翼の魔術師》ってことは…)

 

「まだまだ行きますよ。私はレベル4「魔術師」Pモンスターの《調弦の魔術師》と《白翼の魔術師》でオーバーレイ」

 

 

 

「エクシーズ召喚」

 

 

 

「《星刻の魔術師》」

 

《星刻の魔術師》攻撃表示

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1200

レベル4「魔術師」Pモンスター×2

このカードは上記のカードをX素材にしたX召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

自分のデッキ・墓地のモンスター及び自分のエクストラデッキの表側表示のPモンスターの中から、

魔法使い族・闇属性モンスター1体を選んで手札に加える。

(2):1ターンに1度、自分のモンスターゾーン・PゾーンのPモンスターカードが戦闘・効果で破壊される場合、

代わりに自分のデッキから魔法使い族モンスター1体を墓地へ送る事ができる。

 

 

 

(エクシーズ召喚…Pモンスター以外がEXデッキから出てきたのはこれが初めて)

 

(うん、当然この世界にもあるよね…わたしのEXデッキにはアークモンスターしかなさそうだけど)

 

「X素材を1つ取り除いて《星刻の魔術師》の効果を発動。デッキから《アストログラフ・マジシャン》を手札に加えます」

 

「ではバトルフェイズ、《黒牙の魔術師》で《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を攻撃しましょう」

 

「《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》のモンスター効果発動。1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターはターン終了時まで戦闘で破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。わたしは《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を選択」

 

「ふむ、戦闘破壊されない効果を持っていましたか。まあいいでしょう」

 

「それならば《星刻の魔術師》で《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を攻撃しましょう」

 

「《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》のモンスター効果発動。1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターの表示形式を変更する。この効果は相手ターンでも発動できる。わたしは《星刻の魔術師》を選択」

 

《星刻の魔術師》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「成程。どちらも相手ターンに発動できる効果を持っていると。突破するには少々骨が折れそうな並びですね」

 

(…でも魔術師相手じゃ、軽く片付けられちゃう)

 

「私はこれでターンエンドです」

 

 

 

EX0 墓地3 除外0

手品師 LP8000 手札3

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ウ エ ◇ ◇

ア=《紫毒の魔術師》スケール1

イ=《虹彩の魔術師》スケール8

ウ=《黒牙の魔術師》攻撃表示

エ=《星刻の魔術師》表側守備X素材1《調弦の魔術師》

 

TURN2→3 手品師→譜理子

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

い=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

青=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》青スケール1

赤=《アシンメトリアル・S(シールド)》赤スケール4

◇ あ ◇ い ◇

青   空   赤

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

(だから、このドローで優位に立てるカードを…!)

 

「ドロー」

 

(来た!これなら…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《アシンメトリアル・R(リング)》」

 

《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星3/炎属性/雷族/攻 0←1500/守600

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

「R(リング)のモンスター効果発動。1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを破壊する。わたしはPゾーンのS(シールド)を破壊」

 

「その後、このカードのコントロールを相手に移す」

 

「不可解なプレイングですが、きっと何か意図があるのでしょうね」

 

「魔法発動、《ペンデュラム・リアクション》。自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする」

 

《ペンデュラム・リアクション》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする。その後、デッキに加えたカードの枚数によって以下の効果を適用する。

●1枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

●2枚:デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。

●3枚:

●4枚:

(2):両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。相手フィールドにセットされたカード2枚を選び、そのカードを手札に戻す。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

「ほう、私のPゾーンのカードもデッキに戻されますか」

 

(破壊じゃないから《ペンデュラム・コール》で防がれず、魔術師たちの効果も発動しない…!もちろんアストログラフも出てこない…!)

 

「その後、デッキに加えたカードの枚数によって効果を適用する。デッキに加えた枚数は3枚なので3枚の効果を適用」

 

 

 

「自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの種類の数まで、相手フィールドのカードを選んで除外する」

 

「わたしのEXデッキのPモンスターはS(シールド)が1枚。よって《星刻の魔術師》を除外する」

 

「その後、お互いのプレイヤーはデッキの一番上のカードをめくり、それがPモンスターだった場合は手札に加える。違った場合は墓地へ送る」

 

「《アシンメトリアル・R(リング)》のモンスター効果を発動した意図を理解しましたよ。Pゾーンのカードを減らしてその効果を適用するためだったのですね」

 

「さて、私のデッキの一番上のカードをめくったところ、魔法カードの《星霜のペンデュラムグラフ》でございました。Pモンスターではありませんので墓地へ送られます」

 

「わたしのデッキの一番上のカードは…」

 

 

 

「PモンスターのY(ヴァーティカル)・ライナー…!」

 

(デッキに戻したカード、そのまま手札に帰ってきた…でも、良かった)

 

「おめでとうございます。運もお嬢様の味方をされてますね」

 

(これで次のターン、攻められる可能性は低くなったかな)

 

「W(ホイール)・ローラーを攻撃表示に変更」

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備→攻撃表示

 

 

 

(R(リング)を破壊してアストログラフが出てきても、このターン魔術師は破壊されてないから手札に加える効果は使えない…!)

 

「バトル、W(ホイール)・ローラーでR(リング)に攻撃。攻撃時にU(アンブレラ)・ハンガーのモンスター効果発動。対象はW(ホイール)・ローラー」

 

「その一切の油断も無いプレイングは流石ですね、受けましょう」手品師LP8000-800=7200

 

「メイン2、W(ホイール)・ローラーのモンスター効果発動。自身を選択し、守備表示に変更」

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地5 除外1

手品師 LP7200 手札3

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ウ ◇ ◇ ◇

ウ=《黒牙の魔術師》攻撃表示

 

TURN3→4 譜理子→手品師

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

い=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

◇ あ ◇ い ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX2 墓地1 除外0


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