真目譜理子とサーカス世界   作:tres

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33.「Final Arc」

「くっ…!やっぱり…見えるのは効果以外…!」

 

「しかもアークモンスターでPモンスターだなんて、どこまでZ(ズィリス)と一緒なのよ…!」

 

「…次は、アイリスが味わう番」

 

「…ふん、見えないなら見えないで別にいいわよ!効果なんて見えなくても、どうせ結果は見えてるんだから!」

 

「…」

 

「それで、どんな効果があるのかしら?《アシンメトリアル・ダークネス》の闇を消し去るくらいなんだから、それなりに強力なんでしょ?」

 

 

 

「そのまま、見た通りの効果」

 

 

 

「…は?」

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムのモンスター効果発動!このカードがアーク召喚に成功した時に、相手フィールドの表側表示のカードを任意の数だけ対象として発動する」

 

 

 

「そのカードの効果はターン終了時まで無効になる。対象はアイリスの表側表示のカード全て!」

 

「!…そういうことね、でも無駄よ!真の闇は消させないわ!その効果にZ(ズィリス)の効果をチェーンしてーーー」

 

 

 

 

 

「!?なっ、チェーンできない!?どうして…!?」

 

 

 

「…《エンタメトリアル・シアター》がフィールドゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない」

 

「!…」

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムは元々の攻守が0で光属性…」

 

「そしてZ(ズィリス)と同じくPモンスターでもある…!よってこのターン、アイリスのフィールドのカードは全て無効…!」

 

効果が確定した瞬間、《アシンメトリアル・ダークネス》に続いて《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》の闇も晴れる。

 

(!…闇が、消えた…!?)

 

光によって闇がかき消されると、ついに少女はその姿を露わにした。

 

 

 

 

 

《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》

アーク・ペンデュラム・効果モンスター

星11/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?

【Pスケール:青-/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、手札から「アシンメトリアル」モンスター1体を除外して発動できる。相手にそのモンスターのレベル×300ダメージを与える。この効果で闇属性モンスターを除外した場合、ターン終了時に相手のLPを半分にする。この効果はこのカードがPゾーンに置かれたターンには発動できない。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

(3):相手エンドフェイズに発動する。自分はフィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する。

【モンスター効果】

スケール0「アシンメトリアル」カード×2

このカード名の(3)(4)(5)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがA召喚に成功した時に発動する。相手フィールドのモンスターを全て破壊し、自分は破壊したモンスターのレベルの合計×500LP回復する。その後、相手はこの効果で破壊されたモンスターの数だけデッキからドローする。

(2):このカードは戦闘では破壊されず、このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスターの効果は無効化され、お互いが受ける戦闘ダメージは0になる。

(3):このカードがA召喚に成功したターンのメインフェイズに相手の手札が5枚以上存在し、自分の手札がある場合、このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚をデッキの一番下に戻して発動できる。自分の手札の数と同じになるように、相手の手札をランダムに捨てる。

(4):自分のEXデッキの表側表示の闇属性以外の属性が異なる「アシンメトリアル」モンスター4体を除外して発動できる。自分のEXデッキの表側表示のカード名が異なる闇属性「アシンメトリアル」モンスターを可能な限り相手フィールドに特殊召喚する。この効果はこのカードがPゾーンから特殊召喚されたターンには発動できない。

(5):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):自分エンドフェイズに発動する。自分はフィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する。

(7):フィールドのこのカードが相手の効果でフィールドから離れた時に発動する。相手フィールドのモンスターを全て破壊し、相手に破壊したモンスターのレベルの合計×300ダメージを与える。

 

 

 

 

 

(これが、Z(ズィリス)の全容…!)

 

1ターン前のことを思い返し、背筋が凍る。

 

もしモンスターゾーンからPゾーンに移動できる効果を忘れてしまっていたら、《ペンデュラム・スイープ》を《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》に使っていただろう。

 

その場合アイリスは《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》をPゾーンに逃がさず、《ペンデュラム・スイープ》の効果を受けさせ除外。

 

(7)のモンスター効果が発動し、わたしは負けてしまっていた。

 

あの時止まっていなければ、自らの手で命を…そんな結末が待っていた。

 

(危なかった…あの時のわたし、よく止まった)

 

だけどそれは寸前で回避、切れかけた命を繋いだ。そしてその果てで、ついに闇を照らし出した。

 

崖っぷちからの奇跡の逆転へ、今度はわたしが攻める番。

 

 

 

「くっ…!シアターの存在を甘く見てたわ…!」

 

わたしと同じ顔をしたアイリスの表情が歪む。

 

この長いデュエルにおいて、初めて見せた明らかな動揺。

 

それもそのはず。この場を支配していた闇が全て消えてしまったのだから。

 

アイリスのフィールドに残ったのは、体を丸めた無防備な少女がただ1人だけ。

 

(すごい…劇場も光に呼応して、煌めいてる)

 

アイリスは圧倒的優位な状況から生じる精神的余裕はあったものの油断していたわけではない。Z(ズィリス)は相手ターンでもモンスターゾーンからPゾーン、Pゾーンからモンスターゾーンと実質1ターンに2度まで移動できる効果がある。

 

だからこそ、ここまで発動せずにいた。わたしが呼び出すアークモンスターによって移すかどうかを見極めるために。

 

その選択は当然。敵の正体が見えないうちからその効果を発動するなんてできるわけがない。

 

例えどんなに圧倒的優位な状況だとしても、移動回数を消費してまで自らが固めたその支配力を弱めるようなプレイングは決して有り得ない。

 

一切の手加減なんかしない。だってこのデュエルに勝てば、ずっと待ち焦がれていた野望が叶うのだから。

 

 

 

 

 

そうよね?アイリス。

 

 

 

「続けるよ、アイリス」

 

でもその当然の選択は、アイリスにとっては完全な裏目。

 

これでわたしを縛るものは、もう無い。

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムのモンスター効果発動。このカードがアーク召喚に成功したターンのメインフェイズにフィールド魔法が表側表示で存在する場合に発動できる」

 

 

 

「お互いの墓地のPモンスター及び除外されているお互いのPモンスターを全てEXデッキに表側表示で加える」

 

「ぐっ…!」

 

「さらに…」

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムのモンスター効果発動。LPを半分払って発動できる」

 

譜理子LP100÷2=50

 

 

 

「このカード以外の自分フィールドのモンスターを全てリリースし、その数まで自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを選んで特殊召喚する」

 

「!?」

 

「この効果の発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。わたしは自分フィールドのA(アーク)・マスターペンデュラム以外のモンスター…」

 

 

 

「C(ケイオス)、B(ベイン)、G(グリード)、F(フェイト)の4体をリリース…!」

 

「まさか…!《ペンデュラム・スイープ》をZ(ズィリス)に対して発動しなかったのって…!?」

 

「ううん、Z(ズィリス)は見えなかったから7つ目の効果は知らなかったよ。でも、わたしには見えてたの」

 

「見えてた…?何が見えてたのよ…!?」

 

 

 

「光の存在だけじゃなく、その光がどんなものなのかっていうのも」

 

「!…アーク召喚するカードの効果まで、見えてたっていうの…!?」

 

「うん。きっと…」

 

 

 

「わたしと一緒に戦ってくれる仲間たちが、力をくれたから…!」

 

「わたしはEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター」

 

 

 

 

 

「パフォーマー・クラブ、パフォーマー・ダイヤ、パフォーマー・スペード、パフォーマー・ハートの4体を特殊召喚!」

 

 

 

「おう!フィールドに戻ってきたぜ!」

 

《シンメトリアル=パフォーマー・クラブ》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻3000/守3000

 

 

 

「数ターンぶりのシャバやー!」

 

《シンメトリアル=パフォーマー・ダイヤ》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守3000

 

 

 

「必要とあらば何度でも現れよう」

 

《シンメトリアル=パフォーマー・スペード》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/風属性/魔法使い族/攻3000/守3000

 

 

 

「さて、破壊された礼をしてやらねばな」

 

《シンメトリアル=パフォーマー・ハート》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/水属性/機械族/攻3000/守3000

 

 

 

「なっ!何でそいつらがEXデッキからーーー」

 

「!…そうか!変わったのはシンメトリアルという名前だけじゃなくて…!」

 

 

 

「うん。パフォーマーたちみんな、魔法がかかってるの」

 

「くっ…!Pモンスターになってたなんて…!っていうかさっきから光だの魔法だの、わけわかんないことばっか言ってんじゃないわよ!」

 

「…」

 

(確かに言葉だけだと、わけわかんないかも…こんなこと言ってるわたし自身もよくわかってないし…でも)

 

「アイリス」

 

「なに!?」

 

 

 

「ひとりじゃ見えなくても、みんなと一緒なら見えることだってあるの」

 

 

 

「そして、みんなと力を合わせれば…奇跡だって起こせるの!」

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムの元々の攻守は0。でもその効果で攻撃力・守備力は、お互いのフィールド・EXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター及び元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスターの種類の数×300アップする!」

 

「!?」

 

「それはつまり、わたしのシンメトリアルやエンタメトリアルだけじゃなく、アイリスのアシンメトリアルも含まれる…!」

 

「シンメトリアルとアシンメトリアルを合わせたAからZまでが26体。シンメトリアルの名前を持つパフォーマーが4体。全員が元々の攻守が同じ光属性Pモンスターであるエンタメトリアルが6体…」

 

 

 

「その全てが種類の違うモンスター!合計36種類でA(アーク)・マスターペンデュラムの攻守は10800アップする!」

 

《シンメトリアル=A(アーク)・マスターペンデュラム》攻撃力0→10800 守備力0→10800

 

 

 

「10800…!?」

 

 

 

「メインフェイズ1終了、バトル…!」

 

 

 

「そう…みんなと力を合わせた結果が、この10800なのね」

 

 

 

 

 

「…ふふ、笑わせないで!何が奇跡よ…!所詮その辺りが限界でしょ!?10800にそいつらパフォーマーの攻撃力3000を4体分加えたって、合計ダメージは22800止まり!アタシのLP54000の半分にも届いてないじゃない!」

 

「…」

 

「そんなもんよ、現実なんて。願いや祈りなんて届かないし、圧倒的な力の前じゃどんなに足掻いたって無駄なの!」

 

「まあでも、たった1枚のカードからZ(ズィリス)が倒され、LPが大幅に削られる状況になるとは思わなかったわ!それはそれで奇跡と呼ぶに相応しい反撃だったんじゃない?」

 

 

 

「…ううん、違うよ。Z(ズィリス)は倒さない」

 

「は?」

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムのモンスター効果。このカード以外のモンスターが自分モンスターゾーンに存在する限り」

 

 

 

「このカード以外の自分のモンスターは攻撃できず、このカードの攻撃は直接攻撃となる」

 

「…ぷっ、何それ!Z(ズィリス)に攻撃できない上に、パフォーマーの攻撃も封じられるの?」

 

「…そうね」

 

「あはは!ここまで反撃しといて守備力0のモンスター1体すら破壊できないなんて最悪ね!やっぱりどうやったってアタシに勝つなんて不可能だったってことよ!」

 

「…」

 

「ほら、バトルフェイズに入ったんでしょ?早く攻撃してきなさいよ!」

 

「…アイリス」

 

「はあ、今度はなに?」

 

 

 

「無駄じゃないよ、決して」

 

「…は?」

 

 

 

(準備はいい?行くよ、わたし)

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムでダイレクトアタック!」

 

 

 

 

 

「スプリームスパークル・オブ・ザ・シンメトリーペンデュラム!ファースト・アーク!」

 

 

 

「長い攻撃名ね!残念だけど通さないわよ!」

 

「墓地の《アシンメトリアル・ミラージュ》を除外して効果発動!相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる」

 

「このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする!」

 

「…」

 

「あはは!22800どころか10800のダメージも与えられずまさかのノーダメージ!結局何もできずに終わっちゃったわね!」

 

 

 

 

 

「ううん、Z(ズィリス)の分を止めただけ」

 

「…なに?」

 

 

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムの更なるモンスター効果」

 

「まだあるの!?ふん、効果の数もZ(ズィリス)に負けないくらい多いわね!で、どんな効果?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このカードは1度のバトルフェイズ中にフィールドのPモンスターの属性の種類の数まで攻撃できる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…えっ?」

 

 

 

 

 

「フィールドに存在するモンスターは、光属性のA(アーク)・マスターペンデュラムに…」

 

「炎属性のパフォーマー・クラブ、地属性のパフォーマー・ダイヤ、風属性のパフォーマー・スペード、水属性のパフォーマー・ハート」

 

 

 

「そして闇属性のZ(ズィリス)の6体!その全員が属性の異なるPモンスター!」

 

 

 

 

 

「嘘、でしょ…?それじゃ…1ターンに6回攻撃できる、ってことになっちゃうじゃない…!」

 

 

 

「そう。だから、Z(ズィリス)の分を止めただけ」

 

 

 

 

 

「まだわたしたち5人の攻撃が残ってる」

 

 

 

「そんな…!」

 

 

 

「アイリスのLPは54000」

 

 

 

 

 

「これで、届いた」

 

 

 

「なんで…ありえない…!」

 

「アイリス」

 

「…」

 

 

 

「確かにアイリスの言う通り、願いや祈りが届く、なんてことはあまり無いのかもしれない」

 

「だからこそ人は足掻くの。それは決して無駄なことなんかじゃない」

 

「だって知ってるから。そうすることによって、自分と何かが繋がることを」

 

「だから、諦めない限り…」

 

 

 

「光だって掴めるし…」

 

 

 

 

 

「奇跡だって起きるの…!」

 

 

 

 

 

「う…ううっ…!」

 

「これがわたしたちの分!受け取って、アイリス!」

 

 

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムでダイレクトアタック!」

 

 

 

 

 

(みんなの力は今、わたしのもとに1つとなる!)

 

 

 

「スプリームスパークル・オブ・ザ・シンメトリーペンデュラム!」

 

 

 

 

 

「クラブ・アーク!」

 

「おっしゃあ!行っけえええ!!!」

 

アイリスLP54000-10800=43200

 

 

 

 

 

「ダイヤ・アーク!」

 

「この一撃はちょっと効くでー!」

 

アイリスLP43200-10800=32400

 

 

 

 

 

「スペード・アーク!」

 

「我輩に代わり、鉄槌が下されよう」

 

アイリスLP32400-10800=21600

 

 

 

 

 

「ハート・アーク!」

 

「礼は色を付けて返す。それが妾の流儀じゃ」

 

アイリスLP21600-10800=10800

 

 

 

 

 

「…こんな、ことが…起こるなんて…!」

 

 

 

 

 

===フフフ、最高の奇跡を特等席で見られて幸せだったよ。

 

『クラウン…』

 

===さあ、逆転劇の締めくくり。最後の一撃だ、譜理子ちゃん。

 

『うん…!』

 

 

 

「これが、最後!」

 

 

 

 

 

「スプリームスパークル・オブ・ザ・シンメトリーペンデュラム!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ファイナル・アーク!!!」

 

 

 

 

 

「ううあああ!!!」

 

 

 

 

 

アイリスLP10800-10800=0

 

 

 

 

 

“WIN ≪譜理子≫”

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