「妾(わらわ)を呼んだのは其方(そなた)かえ?」
(わ…!かわいい…こういうの和服美人とか大和撫子っていうのかな?昔のお姫様みたい)
「ん?なんじゃ、ひ弱そうなおなごじゃのう」
(でも口はかわいくない…っていうかわたしより年下っぽい?若いどころか幼く見える)
「まあよいわ。呼んだからには精々妾を楽しませてみせよ」
(なんか、態度がでかい…背はわたしより、ちっこいのに)
「む?今何か失礼なことを考えておったな?」
「考えてない、気のせい」
「妾を侮るでないぞ。見た目で力量を測るなど愚か者のすることじゃ」
「…うん、そうだね」
(誰が相手だろうと、いつだって全力…!)
===フフフ、構えたその瞬間から表情に一切の緩みが無くなったね。
「まあね…こんな状況で緩められるわけないし」
===その通りだね。さあ、始まるよ。
「…!」
(また、一瞬ゾクッて…!一体何なの…?)
“DUELSTART”
(わたしの先攻、まずは最初の5枚…)
(デッキはたぶん変わってないはず…問題はステータスの方)
(元に戻ってて欲しい…!)
「!?…うっ」
===どうしたの?
「…ステータスは戻ってる。攻守もPスケールも漏れなく」
===0じゃなくなったってことかい?それは良かったじゃない。
「それは良かったんだけど…別のところが変わってて…」
===別のところ?
「うん…」
「モンスターが全部ね、通常モンスターになってる…」
===それは困ったね。モンスターの効果が丸々使えなくなっちゃった。
(カードの色もそうだけど、効果の欄もきっちりとフレーバーテキストに書き換わってるし…ほんと誰の仕業なの)
(通常モンスターかつPモンスターはサポートに恵まれてるとはいえ…このデッキにその手のサポートカードは入ってないし、単純に効果を失っただけっていう…)
(まあでもP効果はそのままだし、何とかなりそう…って!)
「え…!?」
===今度はどうしたの?
「…レベルが1になってる、これも全部…!」
===それも困ったね。実質的にペンデュラム召喚が不可能になっちゃった。
(ちょっと待ってよ…!相手のデッキ考えたらペンデュラム召喚できないのはきついって…!)
(ランク1のエクシーズでもあれば別なんだろうけど、そんなのわたしのEXに入ってないし…)
(うう…前のデュエルとは違うタイプの縛り…また苦戦を強いられそう)
(とにかく、できることから…)
「スタンバイ、メイン」
「えらく考え込んでおったのう」
「ごめん、待たせちゃったかな?」
「気にせずともよい。これもまたデュエルの一興じゃ」
「うん…ありがとう」
(懐の深い人っていうのかな、思ったより優しい子なのかも…)
(もちろん、誰が相手でも手を抜かずに全力で…!)
「モンスターをセット、カードをセット」
(と、気を引き締めたのはいいけど…このターンはこれで)
「ターンエンド」
EX0 墓地0 除外0
相手 LP8000 手札5
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
TURN1→2 譜理子→相手
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
譜理子 LP8000 手札3
EX0 墓地0 除外0
「妾のターン、ドロー」
「様子見といったところかの?しからば望み通り、攻めてやるとしよう」
「永続魔法、《ダイナミスト・チャージ》を発動。デッキから《ダイナミスト・プテラン》を手札に加える」
《ダイナミスト・チャージ》
永続魔法
「ダイナミスト・チャージ」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「ダイナミスト」モンスター1体を手札に加える。
(2):1ターンに1度、「ダイナミスト」カードが
フィールドから自分のエクストラデッキに表側表示で加わった場合に発動する。
そのカード1枚を手札に加える。
「フィールド魔法、《ダイナミックP》を発動。《ダイナミスト・プテラン》を召喚」
《ダイナミックP》
フィールド魔法
(1):フィールドの「ダイナミスト」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(2):自分の「ダイナミスト」モンスターが戦闘を行う場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
《ダイナミスト・プテラン》
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/機械族/攻1800/守1200
【モンスター効果】
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
デッキから「ダイナミスト」カード1枚を手札に加える。
(まさか1ターン目から切り札とかは、無いよね…?)
「何も無いならバトルフェイズじゃ、《ダイナミスト・プテラン》で攻撃。《ダイナミックP》の効果で其方は魔法罠を発動出来ぬぞ」
「うん…」
譜理子裏側守備→《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》戦闘破壊
《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》
ペンデュラム・通常←効果モンスター
星1←2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800
「《ダイナミスト・プテラン》のモンスター効果発動。デッキから《ダイナミスト・ハウリング》を手札に加える」
「メインフェイズ2、カードを3枚セット」
「妾はこれでターンエンド」
EX0 墓地0 除外0
相手 LP8000 手札2
◇ 裏 ア 裏 裏
◇ 場 ◇
◇ ◇ イ ◇ ◇
ア=《ダイナミスト・チャージ》
場=《ダイナミックP》
イ=《ダイナミスト・プテラン》攻撃表示
TURN2→3 相手→譜理子
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
譜理子 LP8000 手札3
EX1 墓地0 除外0
(切り札は出なかった…今のうちに何とかしたい)
「ドロー、スタンバイ」
「待て、スタンバイフェイズに罠発動じゃ、《ダイナミスト・ハウリング》」
《ダイナミスト・ハウリング》
永続罠
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「ダイナミスト」Pモンスターを2体まで
選んで自分のPゾーンに置く事ができる。
置いた場合、次のターンの終了時まで、自分は「ダイナミスト」モンスターしかP召喚できない。
(2):このカードが既に魔法&罠ゾーンに表側表示で存在する場合、
1ターンに1度、自分フィールドの「ダイナミスト」モンスター1体をリリースし、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻す。
(そのカードは、だめ)
「チェーンしてカウンター罠発動、《シンメトリアル・リフレクション》」
「魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる」
「その発動を無効にし破壊する。わたしはEXデッキからM(ミラー)・ダイヴァーをデッキに戻す」
《シンメトリアル・リフレクション》
カウンター罠
(1):魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる。その発動を無効にし破壊する。
「ぬう、妨害札を伏せておったとは」
(伏せカードはあと2枚…そのうちの1枚は、たぶんあのカードかな…?)
「メイン、《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》を青のPゾーンに発動」
《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》
【Pスケール:青5/赤5】
(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターの元々の種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「シンメトリアル=Iトークン」1体を特殊召喚する。
「続けて《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を赤のPゾーンに発動」
《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》
【Pスケール:青5/赤5】
(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで0になる。
「ほう、Pスケールを張ったか。って何じゃ、両方のスケールが同じではないか!」
「うん…同じにした理由はすぐにわかるよ」
(どっちにしてもこのデュエル、わたしはペンデュラム召喚できないからね…)
「U(アンブレラ)・ハンガーのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」
「フィールドの表側表示モンスター1体の攻守をターン終了時まで0にする。対象に選ぶのはプテラン」
《ダイナミスト・プテラン》攻撃力2100→0 守備力1500→0
「ぬう…0にされたか」
(まあ、その代わりに本来レベル5のこのモンスターがそのまま召喚できるのはメリットかな…モンスター効果は無いけど)
「《アシンメトリアル・P(プレート)》を召喚」
《アシンメトリアル・P(プレート)》
ペンデュラム・通常←効果モンスター
星1←5/地属性/岩石族/攻1000/守2500
「I(イメージ)・ペインターのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」
「自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターの元々の種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「シンメトリアル=Iトークン」1体を特殊召喚する」
「わたしはP(プレート)を選択して、Iトークンを特殊召喚」
《シンメトリアル=Iトークン》表側守備
星1/地属性/岩石族/攻1000/守2500
「ふむ…成程、それぞれのP効果を発動するためということか」
「それもあるけど、理由はもうひとつ」
「む?」
「わたしはスケール5のI(イメージ)・ペインターとスケール5のU(アンブレラ)・ハンガーを」
「コネクト…!」
「!」
「アーク召喚!」
「《シャープハント・デーモン》…!」
《シャープハント・デーモン》攻撃表示
アーク・効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻2250/守1250
スケール5×2
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。
(2):1ターンに1度、このカードは戦闘で破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。この効果は相手ターンでも適用できる。
(うん、こっちはちゃんと効果もあるしレベルも変わってない…!)
「アーク召喚じゃと…!?ほう、其方。中々に妾を楽しませおる…!」
「ありがとう」
(褒められてる、よね…?まあ、いいや)
「魔法発動、《シンメトリアル・リターン》。EXデッキから同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体をデッキに戻すことで、デッキから2枚ドローする」
《シンメトリアル・リターン》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のEXデッキの表側表示の同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスター2体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。
「同じ天使族のI(イメージ)・ペインターとU(アンブレラ)・ハンガーをデッキに戻し、2枚ドロー」
「バトル、《シャープハント・デーモン》でプテランに攻撃」
「受けよう」相手LP8000-2250=5750
「《ダイナミスト・チャージ》の効果で今破壊された《ダイナミスト・プテラン》を手札に加える」
「《シャープハント・デーモン》の効果発動。このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時、もう1度だけ続けて攻撃できる」
「ほう、連続攻撃か」
「《シャープハント・デーモン》で攻撃」
「その攻撃を通すわけにはいかんな。罠発動、《ダイナミスト・ラッシュ》。デッキから《ダイナミスト・レックス》を特殊召喚」
《ダイナミスト・ラッシュ》
通常罠
「ダイナミスト・ラッシュ」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):デッキから「ダイナミスト」モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは他のカードの効果を受けず、
エンドフェイズに破壊される。
《ダイナミスト・レックス》
ペンデュラム・効果モンスター
星5/水属性/機械族/攻2400/守2200
【モンスター効果】
(1):このカードが攻撃を行ったダメージステップ終了時、
このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」モンスター1体をリリースし、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードは相手モンスターに続けて攻撃でき、
守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
●相手の手札・フィールドのカード1枚を選んで持ち主のデッキに戻す
(手札から選ぶ場合はランダムに選ぶ)。
その後、このカードの攻撃力は100アップする。
(やっぱりそのカードが伏せられてた)
「…攻撃を中止してメイン2、カードを1枚セット」
「ターンエンド」
「妾のターンに入る前に其方のエンドフェイズ、《ダイナミスト・ラッシュ》の効果で《ダイナミスト・レックス》は破壊される」
EX1 墓地2 除外0
相手 LP5750 手札3
◇ ◇ ア ◇ 裏
◇ 場 ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ア=《ダイナミスト・チャージ》
場=《ダイナミックP》
TURN3→4 譜理子→相手
あ=《シンメトリアル=Iトークン》表側守備
い=《アシンメトリアル・P(プレート)》攻撃表示
う=《シャープハント・デーモン》攻撃表示
◇ あ い う ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
譜理子 LP8000 手札1
EX0 墓地2 除外0