福神と死神が!   作:十握剣

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『貧乏神が!』と『BLEACH』のクロス小説です!
最初はにじファンで活動してありましたが、別サイトのディーノベルズに投稿していましたが、全っっ然感想が来なかったので孤独死に陥る前にこっちに来ました(;´д`)

なんだこの野郎とか思わないでください・・・・心は硝子で出来ていた(-_-)


死神漸次篇
Round 零「異なる死神、異なる世界」


 

 

藍染との戦いから17ヵ月。

 

 

一年とちょっと過ぎた。

 

 

 

黒崎一護、それが俺の名前だ。

 

 

あの戦いで俺は死神の力を失い、『憧れていた』普通の高校生にへと戻れた。

 

 

幽霊が見えて優越感を感じた事なんて無かった

 

 

 

それで食っていこうとも

 

 

それで誰かを助けたいとも思った事は無かった

 

 

ただ、見えない生活には憧れた。

 

 

 

 

 

|戦い(あれ)から俺の手元に残った死神の証明が

 

 

 

二つあった

 

 

 

 

一つは死神になる為に使っていた『死神代行証』。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして二つ目は、勝つ為に鍛え上げた身体て反射神経はそれなりに役に立っていたりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカッ!

 

 

 

「ど、泥棒ッ!!」

 

 

とある道の真ん中にて泥棒と思われる男が年老いたお婆さんから鞄を奪い去る場面を目撃していた一人の男子高校生が歩いていた。

 

泥棒から見た第一印象は

 

 

 

1、不良高生

2、髪染めてる

3、チャラそう

 

 

 

であるからして、ワザワザ婆さんの為に身体を張るのか? いや、しないだろう。泥棒の男は自問自答して鞄を胸側に押し込むように抱き込んでその高校生の横を通り過ぎようとした。

 

 

 

その高校生は慌てる様子も無く道を空ける。

 

 

 

(ありがてぇ!)

 

 

 

泥棒は高校生に礼でもするように小さく目配りをしようとした瞬間だった。

 

 

 

ツガァ!と何かが目を覆った。

 

そして次の瞬間、泥棒の男は道路に寝そべっているのに気づく。

同時に背に激痛を感じさせながら我が身に起こった事態に混乱していた、手に握っていた鞄が無いのにも気付いていなかった。

 

 

「寝てろ」

 

「は?」

 

その言葉を聞き取った瞬間、泥棒の意識は飛んでいた。

 

 

 

 

「ホラよ、婆さんの鞄だ」

 

「おお〜、ありがとう、本当にありがとうね。高校生なのに凄いのねえ〜」

 

泥棒は見落としていた、確かに不良高校生に見えたかもしれない。だがその高校生に右パンチを食らい、最終的に腹を思い切り殴られて気絶した。髪を染めていれば大抵不良高校生と思われても仕方ないかもしれない、だが『髪の色』を気にしていないのが駄目だった。

 

「それにしても、あなたの髪の色凄いわねえ〜、“蜜柑色”なんてねえ」

 

「み、蜜柑色・・・ね」

 

男子高校生は苦笑しながらお婆さんに鞄を渡す。お婆さんは何かお礼でも言っていたが男子高校生は丁重にお断りし、気絶している泥棒を跨(また)いで帰路に歩いていた。

 

 

 

 

『オレンジ(蜜柑)色の高校生には喧嘩を売るな』

 

 

 

それがこの辺りの決まりのようになっていた。

 

 

 

その高校生とは、死戦を掻い潜り抜けて来た“元”死神の黒崎一護だった。

 

 

 

 

 

 

一護は地元・空座町(からくらちょう)を歩き回っていた。何故か、と言われればと言うと。

 

 

「妙な感覚が伝わってくる」

 

一護は朝からヒシヒシと伝わる“何か”を探索していたのだ。果たして町の中なのか、それとも隣町なのか分からない一護。

だがこの『空座町』は特別な場所であるのは一護が一番分かっている。

 

藍染の事もあるせいか、一護は一人で何かあるのか探していたのだ。

 

だがさっきから町を探索して気付く。

 

 

 

 

(知らない、道だ)

 

 

 

そう、一護にとって住み馴れた町に知らない道があった。それは多少とも通らないで知らなかった道が二つや三つあってもおかしくは無い。だがこの道は本当に“知らない道”なのだ。

 

 

そして気掛かりなのはそれだけじゃない。

いきなり朝から感じていた『変な感覚』に襲われていた。

 

青い空だった周りに白い靄(もや)のようなものが出てくる。

一護もこれは普通じゃないと周りを警戒しながら構える。

 

静かに、ただ立っていた一護の耳に誰かが泣いているすすり泣きの声が聞こえてきた。

 

(霊感無くなったんじゃねえのかよ)

 

頭の中で文句を言う一護だが、顔は少しだけ生き生きとしていた。要らなかった能力がまた戻った事に少しの、本当に少しだけの喜びを感じていた。

 

もちろん放っとく事なんて出来ない一護は泣いている方へと歩を進める。

 

白い靄とも霧とも言えるものが視界を無くしていきながらも一護が躊躇無く進む。

 

 

進んで行き、白い靄が晴れていくとそこには絶対に空座町では無い所が広がっていた。

 

 

何せ、

 

 

「し、島浮いてる?」

 

何やら鳥居だけが立てられた島、というより岩が何石も浮いているのだ。

 

「尸魂界(ソウルソサエティ)か!」

 

二度と行けない、と思っていた一護に、目の前に広がっている場所を見てそう呟いてしまった。

 

こんな奇々怪々な現象に少しだけ混乱してきた一護、周りを見てみると岩に突き刺さって浮いている鳥居から川のように水が流れているのに気付いた。そしてもう一つ気付く。

 

 

「ぐすっ、ぐす」

 

さっきら聞こえていた泣き声の主を発見したのだ。

その主は顔を俯き、長い黒髪を川原に生えている草の上に流し、緑色の帽子に緑色の服を着ている女の子が居た。

 

泣いている女の子に一護が面倒臭がるように頭を掻くが、静かにして女の子に近寄って行った。

 

「よぉ・・・・・なに泣いてんだ」

 

ビクッと女の子は泣いていた顔を上げて一護を見る。

 

「ぐすっ、うぅ・・う・・・?」

 

「あぁ、その何だ、驚かしちまったか?」

 

一護が女の子と同じ目線に合わせてしゃがみ込むと、女の子も一護の顔をマジマジと見始める。

 

そして一護もその女の子の顔を見てみると、かなり哀しんでいるのに気付いた。

だから一護は、昔自分が泣いていた時、母親が慰めてくれた同じ行為をこの女の子にしてみせた。

 

ふわっと緑色の帽子の上に手を起き、そして撫でる。

 

 

「泣いて収まるなら泣きゃあ良い、泣いて泣いて、気が済むまで泣き叫べば良い、そしてまた顔を上げて進めりゃ、歩いていける」

 

「また、歩いていける?」

 

女の子は涙を流しながら、眼鏡を直しながら一護に聞く。すると一護は笑顔で頷いてみせた。

そしてその笑顔を見た女の子は、まるで糸が切れたように一護の胸(正確には溝)に突っ込んで行った。

 

 

「ゴボォォォォ!?」

 

一護も女の子がいきなり突っ込んでくるとは思わなかったので後ろに流れていた川に突っ込みそうになった。だが一護は女の子を守るように抱き抱えて川にへと落ちる。

 

バシャア! と一護と女の子は川の水で見事に濡れる。

 

「ゲホッゲホッ! いきなり何をっ」

 

一護が女の子に教育的指導を言おうとするが、すぐに声が掻き消された。

 

「うわああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッッ!!」

 

女の子な一護の服を掴み、顔をうもらせるようにして泣き叫んだ。

 

一護はどんな理由でこの女の子が泣いているのか分からない。

だがとてもツラいことがあったのだと悟る。

 

だから一護は、静かにその女の子の頭に手を乗せて、優しく撫でて上げた。

 

数時間くらいそして居ると、女の子も一護を倒して川に落ちてしまった事に気付く。

 

「ご、ごめんなさいごめんなさい! 私いきなりあなたを押し倒してこんなっ!」

 

「良いって別に、気にすんな」

 

一護はびしょ濡れになってしまった自分の服を見た。

 

そして気付く。

 

 

自分の服が『死覇装』になっていることに。

 

(なっ!)

 

一護はいきなり立ち上がり自分の着ている黒い着物を見渡す。

これは完全に“死神”が着る『死覇装(しはくしょう)』だった。

そして次に驚いたのが女の子の発言だった。

 

「あなたは、もしかして『死神』さんなの?」

 

 

んなっ!

 

 

一護は目を見開いて女の子を見る、だが女の子は小首を可愛らしく傾げているだけで何も不思議がらずに一護を『死神』と言った。

 

一護はもう一度女の子に聞いた。

 

「わ、悪ぃ、もう一回言ってくれねぇかな。俺が何だって?」

 

「あなたは死神さんなのって聞いたんだよ?」

 

純粋無垢にそう言ってきた女の子を一護は混乱した目で見つめ続けた。

 

(そんな筈、俺は藍染との戦いで死神の力を失った筈だ! それなのに、この恰好って、完全に死神じゃねえか!)

 

一護は自ら出ている霊圧をにも気付いて、本当に死神の力が戻っているのが分かった。

 

「自己紹介がまだでしたね、私は“福の神”のたんぽぽと言います」

 

自分が名乗っていないのに気付いた女の子は自分を『福の神のたんぽぽ』と名乗った。

 

「自己紹介ありがとう、そして再び混乱をくれてありがとう」

 

一護は再び混乱しはじめてきた。

 

 

はぁ? 福の神様だって?

 

福の神様って七福神とかに出てくるあのオヤジか?

 

 

等と一護が頭を抱えて考え込んでいると、また小さな女の子がやって来た。

 

「うん? お前(め)ぇさんどちら様だぁ?」

 

随分と訛りがある糸娘がやって来くると踞っていた一護に近寄る。

 

「オイラは『蚕神(かいこがみ)』の金色姫だっ」

 

「おぉ・・・・・・・・・・・・そうか、かいこがみ、か・・・良かったじゃん」

 

蚕神? 金色姫?

 

またも一護を混乱させていくワードが出されていく。

 

「この神は死神さんみたいなんだって」

 

この人ってダレダレなんだって風に言わないでくれ、とたんぽぽを見たまま一護は項垂れる。

金色姫と名乗った女の子は『ほぅかほぅか、死神様は初めて見るべぇ〜』とマジマジと一護を観察する。

 

 

項垂れるている一護の前にちょこんと座る福の神と蚕神、正直な話信じられないのが一護の心境。

だが自分は今は人間では無く死神なのは自分で分かる。だから困っていた。

 

 

 

 

だれか今この状況を教えて欲しい。

 

そんな風に一護は呆けながら金色姫とあやとりをしていた。

 

「死神様、指はこっちに入れて、こぅ〜、こうだべ」

 

「わ、私も後で死神さんとやらせてよ、金色姫」

 

「・・・・・・・・・・(ボーー)」

 

「あ、違うべ、こっちに指を・・・って、腕だらけんでけろぅ」

 

「なんか死神さん横になり始めたよ?」

 

ねぇねぇ、とたんぽぽと金色姫が一護を揺らす。

一護は来た道、もとい元の世界にどうやって戻れるのか思案していると、たんぽぽと金色姫が質問をしてきた。

 

「死神さんのお名前を教えてもらっても良いですか?」

 

「オイラも気になってただ」

 

二人は興味があるように目を輝けながら一護に聞いてきた。

 

「俺の名前か? 俺の名は・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「伽籃菜(カラナ)や、そこに死神さんは」

 

 

 

ズサッと一護の後ろから聞いた事のある声が聞こえた。一護が振り返るとそこには、藍染を誰より深い地の底より憎み、油断したそ藍染(かみさま)を喰い殺す白蛇の毒牙で貫いた、だが全知全能な神の前に白蛇は首を千切られ破れ、最後に最愛の乱菊(ひと)の前で逝った死神。

 

 

 

「なっ・・・おまえはッ!」

 

「お久しゅう、伽籃菜(カラナ)」

 

 

 

 

 

 

 

謀反者・市丸ギンだった。

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