問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~招かれた幻想~ 作:幻想の住人
今回、受験などがあり、かなり遅れてしまいました。
これからはもっと更新スピードを上げていきたいです。
それでは、どうぞ。
紫との話が終わったあと、遥斗は黒ウサギを探して森の中を飛んでいた。
紫と話していた時に黒ウサギが来た事は分かっていたので、探す範囲はこの森だけでいいはずだ。
.........なのだが、先程から一向に見つからないのだ。
(このままじゃあ日が暮れちまうな.........仕方ない。もう一度気配を探ってみるか)
そう考えて神経を張り巡らせる。
この森は広いので、全部を探し切るには多少時間がかかるだろう。
(この付近に黒ウサギは......無いな。まあそんな簡単にはいかないか)
そんなことを考えながら気配を探っていくと、近くに結構な力を持っている奴を見つけた。
(ちょうどいい、黒ウサギについて知っているか聞きに行くとするか)
そう考えて遥斗は滝の方向に向かうのだった。
~side白雪~
「全く、ひどい目にあった」
先程十六夜に容赦なく殴り飛ばされた蛇神―――もとい白雪は、人間の姿に化けて石に腰掛けていた。
「ギフトゲームをしようとしたらいきなり殴り飛ばされるわ私の渾身の一撃をただ腕を振るだけで防がれるわこれじゃあ私の面子が丸つぶれじゃないか.........」
正直、白雪の精神はズタボロだった。神格を持ってしても全く歯が立たない。そんな相手に出会ったことがなかったのだ。当然といえば当然だろう。
放っておけば自暴自棄になりかねない状態になっていた白雪は目の前にいる人物に気づかなかった。
「おい、大丈夫か?」
「ん、ああ、すまん。ちょっと考え事をしていてな」
白雪は突然かけられた言葉に一瞬戸惑うも、すぐに反応した。
「そうか、なら良かったが......ところで、”箱庭の貴族”を見てないか?」
「”箱庭の貴族”か、それならさっき金髪の小僧と一緒に”世界の果て”の方に行ったが」
どうやら声かけてきた少年はさっきの小僧の仲間だったようだ。
「金髪の小僧......ってのは十六夜のことか。探す手間が省けたな」
「急いだほうがいいぞ。もうすぐ日が暮れる。この辺りには危険な奴が多いからな」
「ああ、ありがとう」
少年はは礼を言って去っていく。しかし、突然振り返ってこちらに声をかけてきた。
「そういや名前を聞いてなかったな。俺は白神遥斗。お前は?」
「私は白雪と言うものだ。縁があればまた会おう」
「わかった。じゃあな白雪」
そう言って少年―――白神遥斗は去っていった。
~sideout~
~side遥斗~
先程出会った白雪の言っていた方向に向かって飛んでいると、黒ウサギと十六夜を見つけた。
取り敢えず話しかけておくか。
「よお黒ウサギ、今までどこにいたんだ?」
「遥斗さん!? 私は今まで遥斗さんたちを探しに...って! それ私のセリフでしょ!」
「おお、いいノリツッコミだ。そのうち芸人にでもなれるんじゃないか?」
「なる予定もありませんし、なるつもりもございません!!」
息を切らしながらツッこむ黒ウサギ。彼女は苦労人になるであろう。
「まぁそれは置いといて、その様子だと十六夜に話したようだな」
遥斗の言葉に顔を俯ける黒ウサギ。
「.........いつから気付いていらっしゃったのですか?」
「黒ウサギがコミュニティについて説明した時ぐらいだ」
それを聞いた黒ウサギは泣きながら頭を下げてきた。
「すみません! 騙すような真似をして......許してもらえるとは思っていませんが「いや、いいぞ」せめてもの罪滅ぼしに......って、え?」
「だから良いって言ってんだよ。詳しくは知らないが、その様子じゃあコミュミティは余程酷い状況なんだろう? 俺が黒ウサギなら同じことをやったさ」
俺の話を聞いて黒ウサギは信じられないというような顔をしている。
「貴方は...私たちのコミュ二ティがそんな状況だと分かっていても......助けてくれるのですか.........?」
「ああ、だから顔を上げてくれ。このままじゃ俺が黒ウサギを泣かせた悪い奴になっちまう」
「.........はい、ありがとうございます遥斗さん!」
黒ウサギの顔はすっかり元の笑顔に戻っている。これなら後で飛鳥達に話す時も大丈夫だろう。
「さて、だいぶ時間もたったし、そろそろ帰るか」
「そうですね。飛鳥さん達の事も気になりますし」
「あー、ならさ、俺の魔法で飛んで帰らないか?」
「「賛成!」」
こうして遥斗達は箱庭に向かうのだった。
~sideout~
十六夜たちが箱庭に着くと、なにやら辺りが騒がしかった。
何があったのか聞いてみると、”ノーネーム”の小娘が”フォレス・ガロ”にギフトゲームを吹っかけたということらしい。。
それを聞いた黒ウサギは飛鳥たちを見つけるや否や説教を食らわせていた。
「な、なんであの短時間に”フォレス・ガロ”のリーダーと接触してしかも喧嘩を売ると状況になったのですか!?」
「しかもゲームの日取りは明日!?」
「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」
「準備している時間もお金もありません!」
「一体どういう心算があってのことです!」
「 聞いてるのですか3人とも!!」
「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」
「黙らっしゃい!!!」
口裏を合わせたかのような言い訳に激怒する黒ウサギ。
それをニヤニヤ笑って見ていて十六夜が止めに入る。
「別にいいじゃねえか。見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ」
「で、ですがこの”契約書類”では......」
そこに書かれていたのはこちらが勝てば”フォレス・ガロ”を解散させ、負ければ”フォレス・ガロ”の罪を黙認するというものだった。
そう、このギフトゲームで得られるのは自己満足と経験値だけだ。
それでも子供たちを殺すような外道を許せない飛鳥としては、どうしても勝たなければならないとのことだ。
「はぁ、もういいのデスヨ。いざとなったら十六夜さんに出てもらえばいいですし」
「何言ってんだ。俺は参加しねえぞ?」
「当たり前よ。貴方なんて参加させないわ」
フン、と鼻を鳴らす二人。黒ウサギは慌てて二人に食ってかかる。
「だ、駄目ですよ! 御二人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」
「そういうことじゃねえよ黒ウサギ。これはコイツらが売ってヤツらが買った喧嘩だ。それに俺が手を出すのは無粋だろ?」
「あら、分かってるじゃない」
「.........もう、どうにでもなってください」
黒ウサギの魂のつぶやきは、風に乗って消えてゆくのだった。
~side遥斗~
その後、我を取り戻した黒ウサギが行くところがあると言い、俺たちはそれについていくことになった。
で、今その場所にいるわけだが.........
「文句があるならどうぞ他所へ。あなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です」
「出禁!? これだけで出禁とかお客様舐めすぎでございますよ!?」
......このように門前払いを食らっている。あと黒ウサギ、強く生きろよ。
「なるほど。”箱庭の貴族”であるウサギの御客様の無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前をよろしいでしょうか?」
(..........超大手のコミュニティだから、相手も選ぶってか?)
一転して言葉に詰まった黒ウサギを見て、遥斗は先程聞いた”名”と”旗印”がないことのリスクを思い出していた。
(相手側にとっては”名無し”と取引しても意味はない。それどころか店に入れるだけでも評判が落ちる、か)
と、そんなことを考えていると、なにやらこちらへ向かってくるものが見えた。
そしてそれは徐々に大きくなっていき...
「いぃぃぃやほぉぉぉぉぉぉ! 久しぶりだ黒ウサギイィィィィ!」
「きゃあーーーーー............!」
とてつもないスピードで黒ウサギにタックルをかましていった。
.........なんだあれは。
さっきまで言い争ってた店員は痛そうに頭を抱えているし、十六夜たちは何が起こったのか分からないといったようだし。
「......おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか? なら俺も別バージョンで是非」
「ありません」
「なんなら有料でも」
「やりません」
真剣な表情の十六夜に、真剣な表情でキッパリ言い切る女性店員。二人共、目がマジだった。
飛ばされた黒ウサギは黒ウサギでなんか叫んでるし。
あ、なんかこっちに飛ばしてきた。
そしてそれは十六夜の方に飛んで行き、
「遥斗、パス」
こっちにパスしてきた。うわぁ、めんどくせえ。
「てい」
「ゴバァ! お、おんしら、飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ!」
「十六夜様だぜ。以後よろしく和装ロリ」
「白神遥斗だ。遥斗でいい」
ヤハハと笑いながら自己紹介する十六夜。普通に自己紹介する俺。
俺が自己紹介をしたときなんか変な目で見られたが、なんだったんだろう。
「貴女はこの店の人?」
一連の流れに呆気にとられていた飛鳥が思い出したように話しかける。
「おお、そうだとも。この”サウザンドアイズ”の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢のわりに発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」
「オーナー。それでは売上が伸びません。ボスが怒ります」
女性店員、お前も苦労人だったか............
「うう……まさか私まで濡れる事になるなんて」
「因果応報……かな」
悲しげに服を絞る黒ウサギ
と、それはそれとして、
「ちょっと頼みたい仕事があるんだが、大丈夫か?」
「ああ、いいぞ。話は店内で聞かせてもらおう」
「よろしいのですか? 彼らは旗も持たない”ノーネーム”のはず。規定では」
「”ノーネーム”だと分かっていながら名を尋ねる、性悪店員に対する詫びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」
む、っと拗ねるような顔をする女性店員。このまま中に入ってもいいのだが.........
「おい、店員」
「なんでしょうか」
「流石に何の対価もなしに店に入るのは気が引けるからな。これを渡そうと思って」
そう言って俺が取り出したのはひとつの小瓶。
「.........何ですかこれは?」
「頭痛に効く薬だ。何かと苦労しているようだからな」
「.........ありがとうございます」
店員は小瓶を受け取ると店の中に入っていった。
さて、俺たちも入るとしますかね。
今回少しグダったような......。
まあそれは置いといて、バレンタイン過ぎましたね。
え?作者はって?
............察してください......。
以下、バレンタインに思いついた一発ネタ
※台本形式です。原作で火竜誕生際が終わったあとぐらいです
ぺ「ねえ遥斗」
遥「ん? どうしたペスト?」
ぺ「今日は何の日か知ってる?」
遥「今日? ああ、バレンタインデーか」
ぺ「そう。それで私もチョコを作ってみたのだけれど......もらってくれる?」
遥「くれるのか? 俺に?」
ぺ「ええ、そうよ」
遥「ありがとな。.........ところでペスト」
ぺ「何かしら?」
遥「これ、死の恩恵とか入ってないよな?」
ぺ「............ッチ」
遥「おい」
以上、自虐ネタでした。