ハイスクールD×G 《シン》   作:オンタイセウ

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 艦これ秋イベのE6、ギミック煩雑すぎひん? 昨日やっとギミックの半分が終わりました。あぁ、次は輸送ボスマスとNマスだ……。


VS21 勉強を始めるのに遅すぎることはない

「久しぶりだな、赤龍帝とその友人」

 

 放課後、オカ研の部室にいた先客はゼノヴィアであった。しかも駒王学園の制服を着ている。

 

「「お前なんでここにいんの?」」

 

 思わず二人の声がハモる。そしてゼノヴィアは、その質問の返答の代わりに背中の黒い羽を見せる。

 

「お、お前悪魔になったのか!?」

 

 イッセーの驚く声に対し、ゼノヴィアは肯定だとばかりに頷く。

 

「正直自棄っぱちだ。神がいないとなれば、もう私のこれまでの人生はなかったようなものさ。それで人生のやり直しの意味でリアス・グレモリーから騎士の駒を頂いた。デュランダルがあっても、私自身は大した事無いから駒一個の消費で済んだ。あ、それとこの学園にも編入されせてもらった。今日から君らと同級生でオカルト研究部所属になった」

 

「……部長、いいすか?これ」

 

 いくら神の不在を知ったといっても思い切りが良すぎだ。いや、悪魔に転生した分、神の不在を知って自らの命を絶つよりかはきっとマシだろうが。

 

「聖剣、それもデュランダル使いが眷属にいるのはとても頼もしいわ。これで祐斗と合わせて騎士がふたり揃ったわね」

 

 あんまり本人の出自には囚われないのか、転生をさせた当のリアスはあっけらかんとしている。まあ、確かに悪魔が相手のレーティングゲームでは猛威を振るってくれるだろうから戦力的には間違いなくプラスだ。

 

「ああ、そうだ。私は悪魔になってしまったのだ。……いや、本当にこれでよかったのか? ええい!! いつまでも悩むことはない!! もう転生したのだから!! ……いや、やっぱり……ああ、今は亡き主よ! このような私をお許しくださ……あダダダダダダダダダ!!」

 

「そこまで思い悩むならよしゃあいいのに。バカだろ。お前バカだろ」

 

 ダイスケのツッコミを受けながら、迂闊にも神に祈ってダメージを受けている。そこでまたダイスケが「だからやめろって」と言いながらゼノヴィアの頭をはたいているわけだが。

 だが、イッセーはふとあることを思い出す。

 

「あれ、そういや、イリナは?」

 

 イリナは先の学園での決戦を前にフリードから受けた傷でリタイアしていた。まあ、神の不在を知る機会はなかったのは不幸中の幸いというべきか。

 そしてイッセーの疑問にゼノヴィアが答える。

 

「イリナは擬態の聖剣と私が使っていた破壊の聖剣を持って本部に帰った。私にはデュランダルがあればそれでいいからね。木場祐斗と私が破壊したエクスカリバーの芯はイリナが私の代わりに持ち帰ったから任務完了さ。芯さえあれば、錬金術で再生できるからね」

 

「錬金術ってあれ? 原作者が百姓貴族的な?」

 

「ダイスケ、それゼノヴィアに言ってもわかんないから。わかってて言ってるだろお前。……ていうか、デュランダルの持ち逃げっていいのかよ、それ」

 

「エクスカリバーは教会が管理しているし、他にも使い手は見繕える。だが、デュランダルは使い手がそうそういないんだ。それに、私が神の不在をチラつかせたらタダでくれたよ。まあ、手切れ金みたいなものさ。教会はたとえ聖剣使いでも異端者を徹底的に排除するからな。アーシア・アルジェントの時のように」

 

 自嘲するかのように彼女は笑う。

 

「イリナは運がいい。怪我で途中リタイアしたから、神の死を知らずに済んだのだからな。もし私以上に信仰に熱心だったあいつがあの場にいたら、どうなっていたか……」

 

「そうだよな、未だにエル○ィスのファンはまだ生きてるて信じてるくらいだもんな。M○Bでネタにされてたくらいだし。」

 

「ダイスケ。お前、本当にちょくちょくネタ突っ込むな……」

 

 イッセーは呆れ顔をしながらも、幼馴染であるイリナのことを思う。いったい彼女は、どのような気持ちで帰っていったのかと。信じる宗派は違えども、共に戦った仲間が本来討つべき悪魔に堕ちた姿を見るのは偲び難いものがあっただろう。

 

「まあ、彼女は私が悪魔になったことには残念がってはくれた。それなりに付き合いは長いからな。ただ、神の不在が原因とも言えないからなんとも言えない別れ方になってしまったが……次に会うときは敵、かな」

 

 そういうゼノヴィアの目は、なんだか哀しげなものだった。少々場がしんみりしてしまったところで、朱乃、木場、小猫が部室に入ってくる。全員揃ったことを確認すると、リアスは話を切り出した。

 

「教会側は今回のことでこちら側、魔王に打診してきたそうよ。『堕天使の動きが不透明かつ不誠実のため、誠に遺憾ながら連絡を取り合いたい』とね。あと、バルパーのことについても協会側からの謝罪があったわ」

 

 あくまで遺憾。まあ、敵同士だからその態度も仕方がないか。バルパーの事について謝罪があっただけ良しとするべきか。

 

「まあ、魔王の妹二人に命の危機があったのだからな。三大勢力の均衡が崩れるかもしれなかったのだから当然だ」

 

「え? 魔王の妹二人って……この学園の上級悪魔は部長と……ってことはソーナ会長!?」

 

 イッセーは自分で導き出した答えに驚く。リアスはそれを肯定するように頷いた。

 そういえば、とイッセーは思い出す。エクスカリバーを破壊するために匙と組んだとき、彼は「俺の目標はソーナ会長と出来ちゃった結婚すること」と言っていた。つまり、彼は相当な逆玉狙いということか、と一人で納得する。

 

「それと堕天使の総督であるアザゼルからも連絡が来たわ。事の真相は白龍皇の言った通り、コカビエルの単独行為。他の幹部達を出し抜いてまで、三大勢力の均衡を崩し、再び戦争を起こそうとした罪により地獄の最下層(コキュートス)での永久冷凍刑が既に執行されたそうよ」

 

「コキュートスで永遠の冷凍刑か。永遠な分、ドモ○の親父さんとかコレ○・ナンダーよりきついな」

 

 ダイスケのその言葉はイッセーとそっち系に詳しい小猫以外わからなかったが、取り敢えずイッセーにはどれくらい重い刑は伝わったようだ。言葉の意味は分からないが、理解することを置いておいてリアスは話を続ける。

 

「とりあえず、アルビオンの介入で事を収めたという形に表向きにはなっているらしいわ。そしてこれは皆に初めて言う事だけど、事が済んですぐに堕天使総督アザゼル本人から謝罪の連絡が来たわ。」

 

『!?』

 

 今回の事件の発端は堕天使の幹部とはいえコカビエルの独断専行によるものだ。だが、それでも敵対する勢力相手に自分の非を認め、あまつさえ謝罪してきたとは本来ありえない。どんな事情があろうとも、組織のトップというものは一度相手に下手に出てしまえばイニシアチブを獲りにくくなってしまうからだ。

 それでもあえて総督本人からの謝罪があったということはコカビエルが言っていた「アザゼルはもう戦争を起こす気はない」ということは事実なのだろう。

 

「それと、これは連絡事項の最後になるけれど……近いうちに天使側、悪魔側の代表を集めてアザゼルが会談を開きたいとの打診があったわ。その時にコカビエルの件についての謝罪があると思うのだけど……勿論、神の死のことも話題に上がるでしょうね。そして貴方もよ、ダイスケ」

 

「……やっぱり?」

 

 ついに来るべきものが来た、と観念するダイスケ。それもそうだ、自身に宿っていた正体不明の力の存在。それも覚醒したばかりでコカビエルと互角以上に戦え、かつて大暴れしたらしい内容の話もあった。これらを鑑みれば封印される前のドライグやアルビオン並の危険性があることは間違いない。

 

「それでその場に私たちも招待されたわ。事件に関わってしまったことだし、その報告もしなければならないから。当人達も含めて話し合いたいこともあるのでしょうね」

 

「マジっすか!?」

 

 驚いたのはイッセーだけではない。全員が驚いた。日本人で言えばG8のサミットに一般人がいきなり首相と同席しろと言われているようなものなのだから。

 

「そして勿論、彼女も当事者だから来るわよ。―――入ってきて」

 

 バン、と開かれた部室のドアから何者かがダイスケに向けて一直線にくる。

 

「ダーイスケっ!」

 

「ミ、ミコト!?」

 

 彼女が駒王学園にいることに驚くダイスケ。なぜなら彼女は何かの用事で外出中であるはずだからだ。それがなぜ今ダイスケに駒王学園の制服を着て抱きついているのだろうか。

 

「ん? 制服?」

 

 そう、彼女は今駒王学園の女子生徒の制服、それもリボンの柄はダイスケと同学年の二年生のものだ。

 

「おい、まさか……」

 

「はい! 不肖、倭姫命! 学生やってみたいから翌日付で駒王学園二年生になります! あ、クラスもダイスケと一緒だよ」

 

『ええええええええええええ!?』

 

 話を知っているリアス以外が驚愕の大声を挙げる。ある程度どのような人物なのかゼノヴィアやダイスケから聞いていた面々だが、それでもこれはインパクトが強い。

 まあ、そのリアスも若干頭を抑えているのだが。

 

「り、リアスさん? これは一体……」

 

「今朝方私のいるイッセー宅に突撃してきてね。「学生やらせて!」って。まぁ、お兄様やお父様に確認したら「リアスが世話になったのだから」って言われちゃったし、お兄様のルートで高天原に聞いても「もう好きにさせてください。あとさっさとゲーム返せ」ってね……」

 

 多分対応した神道勢力の関係者は宇迦之御魂神(ウカノミタマ)だろう。まだ怒っているらしい。

 

「にしたって、伊能忠敬が五十の手習いって自分のこと笑ってたけど、二千歳の高校二年生って――」

 

 そこまで言った途端、抱きついていたミコトがヒメに切り替わった上、神器を展開してダイスケの首筋にシミターを突きつける。

 

「次、それを言ったら……主でも容赦せんぞ?」

 

「あい、すいません……」

 

 流石に彼女にも触れてはならないところはあったらしい。

 

「あの、お願いだから()()を私たち事情を知っている者の前以外ではしないでね? いくら何でもフォローできないから」

 

「うむ、安心せい。そこは流石にわきまえておるわ。影で人の子らの学園生活とやらを楽しませて貰うぞ」

 

 シミターをしまいながらヒメは言うが、正直不安なのがオカ研一同だ。そんな中、ゼノヴィアの視線がアーシアに移る。

 

「そうだ、やらねばならないことが一つあった。……アーシア・アルジェント、キミに謝らせてほしい。主がいないのなら、愛も救いもないのは当然だった。それなのに、わたしは……。本当にすまなかった。気が済むのなら、私をいくらでも殴ってくれて構わない」

 

 ゼノヴィアは深く頭を下げる。変わっていない表情なのでわからないが、その心は態度で本物だとわかる。

 

「……頭を上げてください。私は今この時のなかで、皆さんと一緒にいられるだけで幸せなんです。だから、それでいいんです」

 

 そう言って、アーシアはゼノヴィアの手を取る。

 ゼノヴィアが恐る恐る顔を上げた先には、アーシアの優しい笑顔があった。神の存在を否定されたとき、彼女は精神の均衡が危うかった。イッセーとリアスのフォローにより何とか取り留めたものの、未だに辛いものがあるだろう。

 ゼノヴィアも、本部に連絡を取ったときは異端者扱いをされた。その時にようやくアーシアがどういう心境だったのか理解できた。そのことを鑑みても、アーシアが受けた心の傷はゼノヴィア以上のものだったろう。その彼女が笑って許してくれたことで、逆にゼノヴィアの心が少し軽くなった。

 

「……ありがとう、アーシア・アルジェント」

 

 感謝の言葉とともに、ゼノヴィアはアーシアに笑顔で返す。その様子を見たヒメがミコトに戻って言う。

 

「じゃあ懇親会に突入しちゃおっか! 大丈夫、またお金貰ってきたからいくらか出すよ」

 

「あら、いいですわね。どうせなら豪勢に行きましょう。ケーキやお菓子を買ってきて、私自慢の紅茶を振る舞いますわ」

 

「お、朱乃ちゃんわかってるねー。いいでしょ、リアスちゃん?」

 

 意気投合した二人がノっているのを見て、リアスは「やれやれ」といった感じで承諾する。

 

「まあ、今から会議のことをどうこう悩むこともないし……じゃあ、今日のオカルト研究部の活動内容は祐斗の禁手祝いとミコトとヒメの歓迎会よ! 朱乃、買い出し部隊の指揮を任せるわ!」

 

「了解です、部長。では参りましょうか」

 

 朱乃が先導して買い出し部隊が出て行き、他の準備がある者は他の部屋から備品を取りに行く。

 そんな中一人残ったリアスは、手元にある紙の束の表紙を見つめる。それは、ミコトから得られた情報を纏めたものだった。

 

「――ゴジラ、ね。聞いたこともない存在だけど、せめてこれ以上のトラブルを呼ぶようなモノであって欲しくわね……」

 

 そう願うリアスの表情は憂鬱げであった。

 

 

 

 

 

 

「やんやんっ遅れそうです♪ たいへんっ駅までだっしゅ! 初めてのデート、ごめんで登場? やんやんっそんなのだめよ♪ たいへんっ電車よいそげ! 不安なキモチがすっぱい――ぶる~べりぃ❤とれいん♪」

 

 カラオケの一室。ダイスケの女声に変換されたの歌が個室に響く。目を瞑って聞けば本物の女子が歌っているのかと思ってしまう。

 

「「「「ハイハイハイハイ!」」」」

 

 聞きなれている松田と元浜、そしてイッセーと桐生は馴れているのかノリノリでコールを入れる。

 変わってアーシアと木場、そして小猫はいつもと違うダイスケを見せられて唖然としている。小猫に至っては目の前の料理に手を付けるのも忘れて呆然としているほどだ。

 

「んーと、私なに歌おっかなー」

 

 ただ、ミコトは特に気にせず気にせず慣れない手つきでカラオケ機のコントローラーを操っている。

 そんな中、そそくさとイッセーが部屋を抜け出そうとしていた。

 

「おや、イッセーの股間の様子が……なに? 個室だからなんかエロいことでも想像した? 鼻血出てるし」

 

「……あの目、なにかエッチなことを考えていたのは間違いないですね」

 

 桐生と小猫が目ざとくそれを見つけ、さらにアーシアまでもが不機嫌そうに、

 

「さっき、部長さんからのメール見てましたよね? ……部長さんのことを考えていたんですか?」

 

 と言ってくる。

 

「いやいやいや、なんでもないって! ちょっとトイレ行ってくるだけだから!!」

 

 そう言ってイッセーは鼻を抑えて脱出する。完全に図星であった。

 その理由は今この場にいないリアスから送られてきた「この水着どう?」という内容のメールである。ご丁寧に脱いだ服が一緒に映るように選んだ水着の写真を撮っているのと、これからの夏のムフフな出来事に想像と鼻の中の血管が膨らんで破裂してしまった。

 トイレに駆け込んだあと洗面台の蛇口を思いっきり開き、鼻血を濯ぎ落とし、部屋に戻る途中の休憩所で木場が待っていた。

 

「おう、どうした?」

 

「うん、ダイスケくんの歌声に聴き疲れちゃって」

 

「そうか? まあ俺らはダイスケの変声技術は知ってるからアレだけど、馴れないとそうなるのかな」

 

 ふぅ、というため息のあと、会話が途絶えてしまい壁越しに聞こえるダイスケの歌声だけが響く。よくよく考えれば、この組み合わせで二人きりというのが今まで滅多になかった。以前の合宿では同室だったが、あの時は鍛錬で疲れていたのとお互いに心を開いていなかったのでこの組み合わせで雑談らしい雑談はしたことがなかった。

 そういった事情もあってしばらくの間お互いに黙っていたが、木場が会話の口火を切る。

 

「……イッセー君、ほんとうにありがとう」

 

「なんだよ、藪から棒に」

 

「いや、ちゃんとお礼を言ってなかったからね」

 

 少々気恥ずかしそうに言う木場に、イッセーは笑いかけながら答える。

 

「いいって。お前の同志たちだって、言い方はなんだけど成仏できた。部長もみんなもこれでよかったって思ってる。だから―――いいんだよ」

 

「……イッセーくん」

 

 すべてが赦され、報われた喜びで木場の瞳が潤む。その瞳に思わず学園で流された木場との疑惑話を意識してしまったイッセーは、若干背中に悪寒が走っていた。

 

「や、やめろよ、そういう目で見るの!!!」

 

「だ、ダメかな……?」

 

「そういうところ、マジで他人が観てるところではしてくれるなよ……まあいいや。さあ、戻って兵士と騎士のデュエットと洒落こもうぜ。ダイスケからマイクを奪ってな!」

 

「ははは、お手柔らかにね……」

 

 その後、ドサクサに紛れてダイスケが撮った「イッセーと木場が一緒に良い雰囲気で歌っている」写真によって、ダイスケの目論見通り学園のホモ三角関係疑惑から抜け出すというひと騒動が起こるのだが……多分語る機会は来ない。

 

 




 はい、というわけでVS21でした。
 まさかの二千歳の高校二年生ですよ。あ、彼女は学力は普通にあります。学生をやったことがないだけです。
 後しばらく投稿をお休みします。今までの投稿ペースが異常だったんです。主な理由は艦これに専念するため……ゲフン、ゲフン、今後の構成や新キャラの設定付け、書きためストック制作です。しばらくお待ちください。今年中には再開できると思います。
 なお、感想などもお待ちしております。いつでも待ってますのでどしどし送ってきてくださいね。皆様から頂く感想はオンタイセウの活力となります。
 それではまた次回。いつになるかは分かりません!! 
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