ようこそ人間讃歌の楽園へ   作:gigantus

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格闘少女と無機質少年の奇妙な一日

 

 

 

『やぁ、調子はどうかな?』

 

『あぁ君か。今日も良い日だね』

 

『例の件、上手くいったかい?』

 

『接触は成功。交渉も問題なかったよ。まぁ今回の交渉は相手にとっても断る理由はないからね。簡単な作業で50万。こんなに楽な仕事はない』

 

『今回の件が成功すれば大きな一歩だ。俺や君にとっても。そして()()()()()()()、ね』

 

『それにしても、君も面白いことを考える。実にデンジャラスでクレイジーだ』

 

『平和な世界に長く居れば居るほど、人は無聊な日常に満足できなくなるものだ。だからこそ()()()()()が必要なんだ。水面に投げ入れた一つの小さな石が波紋を広げるように、それはいずれ大きな波を生み出す布石になる』

 

『何はともあれ、私もただの橋渡しで月給以上稼がせてもらったから深くは聞かないよ。今後も何かあれば遠慮なく言ってくれたまえ。何分私も刺激が無くて退屈だったんだ』

 

『あぁ、頼むことがあればまた声をかけるよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ケヤキモール5階。生徒でごった返しているフロアの一角で一組の男女が睨み合っていた。

 正確にはどちらも睨んではいないのだが見つめ合っていると形容するには甘い雰囲気が微塵もないのだから仕方がない。

 男の方、綾小路清隆は眼前の少女の発言を聞き間違いと思いたかったのか今一度聞き返す。

 

「悪い、俺の耳がおかしくなってるかもしれない。もう一回言ってもらっていいか?」

 

 彼がそう尋ねると女の方、伊吹澪は腕を組みながら傲岸不遜といった態度で先ほど言った言葉を復唱した。

 

「占いを受けられる条件はペアであること。私もアンタも同伴者はいない。ならアンタが私の同伴者として占いに同行しなさい。分かった?」

 

「理屈は分かった。だがいいのか? 俺と一緒のところをCクラスの奴に見られたら面倒なんじゃないか?」

 

「それアンタが言う? その心配は寧ろアンタがすべきなんじゃないの? 無人島でのこと、忘れたわけじゃないでしょ」

 

 伊吹の言う通り、二人でいる所を見られて面倒なことになる確率は綾小路の方が高いと言えるだろう。

 Cクラスの中で綾小路の顔と名前が一致する人間は精々2、3人。

 逆にDクラスで伊吹のことを知らない者は一人とていないだろう。

 一歩間違えればDクラスがバラバラになりかねなかったほどの不和を招いた張本人なのだから。

 もしこの場をDクラスの誰かに見られれば綾小路が吊るし上げられることも考えられた。

 しかしその指摘に対して綾小路は別段気にしてはいなかった。

 

「お前のしたことはモラルに違反する行為だったかもしれない。でもこの学校はお前の行動を問題にしなかった。まさか全く認識していなかったとは思えないし、まず間違いなく学校側は知っていたはずだ。でもお前やCクラスには何もペナルティは課せられなかった。それは学校がお前の行動を是としたことの証明でもある。ルールの穴を突くことは作戦の一つ、つまりは()()()()だって学校は判断したんだろう。ならそこに文句を挟む余地はない」

 

「理屈ではそう言っても感情で納得できないこともあるでしょ。柔軟な思考を持てる人間ばかりじゃない」

 

「そうかもしれないな。だが、感情論で動くような人間はどの道この先は生き残れない。俺はそう思うが」

 

 キッパリとした物言いでそう言うと伊吹は少し感心したのか表情が柔らかくなった。

 

「アンタもハッキリ言うんだね。実は結構思慮深いんだ」

 

「用心深いってだけだ。俺には堀北や黛みたいな実力はないから色々と考えを巡らせることしか出来ない。ネズミが危険察知に秀でているのと同じだ」

 

 つまりは小心者であるが故の処世術だと主張する綾小路を伊吹は笑うことはなかった。

 謙遜にも取れる男の発言を彼女はどこか遠いところを見るような目で聞く。

 

「まぁいいんじゃない。アンタみたいに冷静にモノを見れる人間はクラスに貴重な存在だと思うし。少なくとも、何の役にも立たないくせに一丁前に文句ばっかり言う無能と比べればアンタは有能だと思うよ」

 

 どこか自分を買っているようなことを言う伊吹に綾小路は少し驚いた。

 

「意外に高評価だな。俺みたいな奴のことはてっきり嫌いだと思ってたんだが」

 

「別に。ただアンタよりも劣ってる奴がCクラスにもいるってだけ。優待者当てのときにいたでしょ? 真鍋って奴。ああいうタイプの方が私はよっぽど嫌いだね」

 

 バッサリとクラスメイトをこき下ろす伊吹。

 あくまで相対評価での話だったのだと理解した綾小路はそれ以上何か言うことはなかった。

 ともかく、両者納得したところで彼らは待機列に並んだ。

 スタッフが二人組であることを確認すると整理券と思われるものを綾小路に手渡す。

 列を確認したところ今現在8組待ちのようだ。

 占い師が一人で対応すると考えれば、一組当たり10分と見積もっても待ち時間は一時間以上と考えられる。

 

「しばらく待つことになりそうだな」

 

「まぁ仕方ないでしょ」

 

 友達ですらない関係の二人にとって一時間以上の待ち時間は中々に辛い。

 

「別に無理して話題振らなくていいから。雑談するような仲じゃないでしょ」

 

「そうだな……」

 

 相手が沈黙を気にしないというのならこれ幸いだと綾小路も黙って列が進むのを待っていた。

 

 

 

 

 

「次の方どうぞ」

 

 小さな仮施設の中から、中へ促す声がしたのは二人が列に並び始めて二時間が過ぎた頃。

 結局一組15分近く使っていたようで、かなりの間立ちっぱなしだった。

 普段長時間立ち続けることなどない者にとっては苦痛でしかない時間だっただろう。

 現に綾小路も伊吹もふくらはぎや足の裏に疲労からくる鈍い痛みを感じていた。

 

「結構待たされたね」

 

「そうだな」

 

 言葉少なに中へと入った二人。そこにはいかにもといった雰囲気の内装が広がっていた。期間限定の仮店舗とはいえかなり本格的だ。

 暗めの照明に何に使うのか分からない分厚い本、それっぽく置かれている水晶玉。

 そしてフードを被った占い師とおぼしき老婆が腰掛けている。

 

「お掛けください」

 

 老婆に促され二人は丸椅子に座る。

 客が座ったのを見計らい、老婆は二人の前に小型の機械を置いた。

 敷地内の施設でよく見る学生証を読み込むカードリーダーだ。

 

「まず最初に料金の支払いを」

 

 内装やら装飾やらはいかにもオカルトチックなのにもかかわらず、ここはデジタルなのかと綾小路は内心ツッコミをいれつつ、学生証を取り出した。

 

「ところで何を占ってもらえるの?」

 

 同じく学生証を取り出した伊吹が老婆に尋ねる。

 

「学業、仕事、恋愛、お好きなものをどうぞ」

 

 不気味な笑みを浮かべて老婆は答える。喋り方もミステリアスな雰囲気を漂わせている辺りプロなのだと伺える。

 しかし何度も言うがテーブルに置かれた料金表とカードリーダーが致命的にミスマッチだ。

 料金体制は細かく分類されており、老婆が口にした項目は『基本プラン』に含まれているようだ。

 セットとして設けられているプランもいくつかあり、人生の行く末を見ることが出来るというコースも用意されている。

 ただお一人様お断りの占いということもあってかやはり恋愛に関するプランが多い。

 どのコースも基本的に5000ポイント以上と中々に値が張る価格設定だ。

 

「結構高いな……」

 

 いくら直近の特別試験で快進撃を続けているDクラスとはいえ、綾小路個人の懐事情としては決して潤っているわけではない。

 そのためやたらめったら散財するわけにはいかないのだが、せっかく並んで待ったのだからここで占ってもらわないのも勿体ないと感じていた。

 端末でプライベートポイントの残高を確認すると大体10000弱といったところで、9月がもうすぐやってくることを踏まえればなんとかなる状態だった。

 

「私は基本プランだけで。あんたは?」

 

「じゃあ俺も同じで」

 

 お互い大した拘りもないのか、学生証を翳して手早く会計を済ませた。

 支払いが終わったのを見計らい、早速老婆が占いを始める。

 

「ではまず……そちらのお嬢さんから。お名前は?」

 

「伊吹澪」

 

 短く名乗る伊吹。

 

「私の占いは相手の顔、手、そして心を見る。その中で貴女が見られたくないものも見えることがあるが?」

 

「別に。好きにして」

 

 その言葉を信じているのかいないのか、さして動揺することなく伊吹は答えた。

 老婆は伊吹に両手を出すよう指示し、まじまじと見た後に結果を話し始める。

 

「まずは手相。生命線から見ると長生きするだろう。大病の気配も今のところ見えていない」

 

「ふーん」

 

「次に金運だが、これから良くなると出ている。だが調子に乗って浪費するとすぐに運は離れていくぞ」

 

「そう」

 

「学業は普段の積み重ねが肝心じゃな。向上心が糧になると出ている。周りに合わせるよりも己を高めるが吉」

 

 手のひらを見ただけでよくもまぁそこまで分かるものだと思いながらも、無粋なことは言うべきではないと綾小路は黙って聞いている。

 しかし非科学的なものであるからかどうしても先入観で否定してしまいそうになる。

 一体何を以って運気の有る無しの判断を、今後のアドバイスをしているのか。

 

「最後に恋愛だが……近しいところにいると出ている。だがその道のりは前途多難。しかし案ずることはない。想い続けていれば成就することもあるだろう」

 

「そう……ありがとうございました」

 

 占いを終え伊吹は礼を言って頭を下げた。特に何か気にかかるようなものもなかったからか、彼女は別段喜ぶことも悲観することもなかった。

 老婆の占いが当たり障りのないものだっただけとも言えるが。

 伊吹の番が終わったので続いて綾小路の番がやってくる。

 老婆は先ほどの伊吹にしたのと同じように綾小路の手をまじまじと見た後、つらつらと結果を発表し始めた。

 

「……なるほど。お主は幼少期なかなか過酷な生活を送っていたらしい」

 

「(誰だって過酷なことなんて一つや二つあるだろ……)」

 

 老婆のアバウトな指摘にそりゃそうだろと内心思いつつも綾小路は黙って聞いている。そもそも未来を予見する占いで何故過去を遡っているのか疑問だ。

 しかしこのアバウトさが占いを占いたらしめているのかもしれない。

 良く言えば広義的、悪く言えば大雑把にすることで誰しもに該当するようにする。

 そうすることで相手は「当たっているかもしれない」と、たとえ今の自分に当てはまらなかったとしても、「もしかしたらそういう面があるのかもしれない」、「これから起こるのかもしれない」と思ってしまう。そういった疑念は頭の片隅に残り続け、後々何か起こったときにその疑問が解決する仕組みだ。

 しかし、人間誰しも大なり小なり幸も不幸も訪れるのだからそのプロセスは必然である。

 

「これは……」

 

 それまでつらつらと語っていた老婆の口が急に止まり神妙な面持ちになる。

 

「お主は宿命天中殺の持ち主だ」

 

「うっわ……」

 

 老婆の言葉に驚いたのは当の本人ではなく横にいる伊吹。綾小路本人は意味が分からないのかいまいち反応が薄い。

 

「ざっくり言えば、アンタは親と意思疎通や相互理解がしにくかったり、社会から孤立したり、物事が当たり前の結果に行き着かなかったりする。まぁ苦労するってことよ」

 

「それはまた見事なもんだな……」

 

 綾小路の困惑を察してか伊吹が噛み砕いて解説した。

 その解説でどうやら良くないことだということは理解できたようだ。

 

「ちなみにその宿命天中殺ってのはこれからも続くのか?」

 

「ふむ……確かにそこの小娘が言ったように宿命天中殺というのは天中殺の中でも生涯離れないとされているもので苦難を表すものだ」

 

「小娘……」

 

「しかしだからといってこの先ずっと不運が続くというわけではない。社会から孤立というのは裏を返せば型に嵌らない自由な生き方に繋がる。相互理解に関しては両親以外の育ての親がいる場合は本当の親子のような関係を築けることを示している。いずれにしても、その苦労が後の運の伸びに繋がることもあるということだ」

 

 占いが始まってからずっと険しかった老婆の表情がいつの間にか慈悲の籠った優しいものへと変わっていた。

 

「悲観することはない。自ずと道は開けるぞ」

 

 そう締め括って占いは終了した。二人が椅子から立ち上がって引き上げようとすると、老婆が呼び止めた。

 

「最後にお主らに助言じゃ。今日は遠回りせずに真っすぐ帰ることを勧める。余計な道を通ると足止めを食らうやもしれぬ。もし足止めを食らった場合は慌てず冷静に協力し合えば乗り越えられる」

 

 そんな予言めいた言葉を聞きながら、二人はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

「それで、初めての占いはどうだった?」

 

「そっちは?」

 

「まぁまぁかな。あの占い師結構有名みたいだし、よく当たるって話だから」

 

「そうだな……たかが占いされど占い。そんな感想だ」

 

「そう」

 

 それ以上話を広げるつもりはないようで、伊吹は投げやりに話を打ち切る。

 

「当初の目的は達成したわけだが、これからどうするんだ?」

 

「別に。折角モールに来たんだし適当に店回って帰る」

 

「いいのか? さっき占い師が真っすぐ帰った方がいいって言ってたが」

 

 綾小路は占い師が最後にした忠告の内容が頭に過ったようでそう尋ねる。

 しかし伊吹はどこか馬鹿にしたような顔で鼻で笑う。

 

「ふーん、じゃあアンタは真っすぐ帰れば? 言う通りにしてればアンタは平和に帰れるんだし」

 

「占いは楽しんでたのにアドバイスは聞かないのか」

 

「そういうもんでしょ。良いことだけ胸に留めてそれ以外は信じない。どう行動するかなんて結局は自分が決めることなんだし」

 

「まぁそれは確かにそうだな」

 

 どうやら伊吹はあくまで自分の意志で行動することに価値を見出しているようだ。

 占いはあくまで占い。後の行動は自分自身で選び取るべきだと彼女は考えている。

 

「列に並ぶ前も思ったが、伊吹のそういうところ俺は良いと思うぞ」

 

「煽てられても別に嬉しくもなんともないんだけど」

 

 褒めるようなことを言う綾小路を伊吹は眉を顰めて睨む。

 彼女の心の壁は一朝一夕で崩せるほど軟ではないということだろうか。

 

「じゃあここで解散だな」

 

「元々あの場限りの付き合いだしこの後も一緒に行動する理由もないでしょ」

 

「それもそうだな。じゃあ、またな」

 

「ん、もうこんなことないことを願うばかりだけど」

 

 別れの言葉さえ冷たく残して伊吹はモールの人混みに消えていった。

 

「帰るか……」

 

 一人でウインドウショッピングするのも忍びないと思った綾小路は、占い師の言葉通り真っすぐ帰ることにした。

 

 こうして二人の奇妙な一日は幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大体こんな感じかな」

 

 綾小路と別れた後、伊吹は電話で報告を行っていた。

 

「そうか。それで、占いは君にとって利になる結果だったかい?」

 

「普通。当たり障りのない結果だったし、気になることもなかった」

 

「それは良かった。不幸の前兆が見える、なんて言われたら雇用主としては気の毒だからね」

 

「よく言うよほんとに……で、なんでわざわざアイツと引き合わせたわけ?」

 

「なんのことかな?」

 

「アンタが三日後を指定した理由。アイツが来るって()()()()んでしょ」

 

 数日前に自分に占いに行ってほしいと頼んだ理由。そして日時を指定した理由。

 それが今日あの場限りで同伴させた男にあることはいい加減伊吹も気づいていた。

 

「彼なら占いという娯楽に興味を示すと予想しただけさ。まさか本当に彼が今日やってくるとは思っていなかったよ」

 

「どうだか……」

 

 柚椰の言葉が伊吹には誤魔化しにしか聞こえなかった。

 ただの偶然にしてはあまりに出来すぎている。

 

「彼の結果はどうだったかな? 何か気になることでもあったかい?」

 

「宿命天中殺だってさ。前途多難だな」

 

「それはそれは」

 

 電話の向こうで男が小さく笑い声を漏らすのを伊吹は聞き逃さない。

 

「楽しそうだね。アイツの不幸が面白い?」

 

「まさか。そもそもとして、彼がこの楽園(はこにわ)で普通の生徒として幸せな学校生活を送れるわけがないだろう? 獅子は他の生き物を喰らうことでしか生きられないんだ。必然的にそれは彼が火中に飛び込み続けなければならないことを示している。宿命天中殺というのは実に的を射た結果だ」

 

「アンタもありそうだけどね。宿命天中殺」

 

「おや、澪ちゃんには言っていなかったかな?」

 

「何が?」

 

「実は過去に占いに関して興味を持ったときに、何度か色々な人間に占ってもらったことがあるんだ」

 

「へぇ、貴方はクソ野郎です。とでも言われた?」

 

 辛辣すぎる伊吹の物言いに柚椰が電話越しにカラカラと笑う。

 

「それはピンポイントな占いだ。そんな占い師だったなら是非とも贔屓にしたいね」

 

「で、それが何」

 

「出てくる結果は占い師一人一人によって全くと言っていい程に異なっていた。学業が良くないと言われた数日後に違う人間に占わせたら伸びしろがあると言われ、女難の相があると言われたその日に違う人間からは待ち人現ると言われたんだ」

 

「やっぱり占いなんてそんなもんか」

 

 やはり占いは当てにしていいものではないのだと伊吹はため息をつく。

 

「ただ一つだけ、どの占い師にも口を揃えて言われたことがあってね」

 

 柚椰はどこか楽しそうに、ジョークを言うかのように語り聞かせる。

 

 

 

 

 

「貴方はロクな死に方をしないだろう、と言われたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あとがきです。
黛君が唯一占いを信じている個所が最後の部分ですね。
自覚があるから質が悪い。

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