ガンダムビルドダイバーズRe:Bond【完結】   作:皇我リキ

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ブレイクファンネル

 超大規模変則スコア戦も後半に差し掛かっていた。

 

 

「こ、これがマギーさんのラヴファントム……!」

「思ってた以上に強い……! というかマギーさん本当に凄い人だったんだね……!」

「凄い失礼だぞユメ!?」

「うふふ、まだまだ可愛いわよ二人共。でも、もっとGBNを楽しみなさい!」

 ReBondメンバーはマギー率いるアダムの林檎に挑戦するもまたしても惨敗。

 

 他にも。

 

 

「お前、あの時のストライクか!! 少し美味そうになってるな……俺に食わせろ!!」

「ケイがなんか凄い怖い奴に襲われてるぞ!!」

「───まだ、勝てないか」

「───おい、お前名前を教えろ。また食いに来てやる」

 百鬼───オーガとの再戦。

 

 

「さっきの味方は今の敵ってね!」

「あの戦い見て砂漠の犬と戦おうとは思わないっすよ!! 逃げましょう!!」

「オーッホッホッホ!! ここであったが一万年目ですわ!!」

「んな事言っても後ろからお嬢様達来てるのよねぇ。こりゃおじさん達全滅だわ」

 共に戦った相手も、既に戦った相手も、このイベント戦では常に敵である。

 

 

 そして、イベント戦の残り時間は三十分を切ろうとしていた。

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 大量のビーム砲がケイのストライクを襲う。

 

 

「助けに来たぜケイ!」

「助かる、イア!」

 変形したZガンダムに捕まり、なんとか砲撃の雨から離脱するケイのストライクBond。

 装備しているのはダブルオーストライカーで、ユメのデルタにはクロスボーンストライカーが装備されている状態だ。

 

 そして対するは───

 

 

「おいおい逃げるな! もっと俺に食わせろ!!」

「もう充分じゃないですか!?」

 百鬼のリーダー、オーガである。

 

 イベント戦の中盤で戦ったオーガはケイの事が気に入ったらしく、こうしてずっとちょっかいを掛けてくるようになったのだ。

 

 

「……まぁ、でも負けっぱなしは嫌だしな!」

 このイベント戦でReBondは上位を狙える程ポイントを稼ぐ事は出来ていない。

 

 しかし、そうなればもうこのイベント戦を楽しむ事を優先出来る。

 歴戦の猛者が相手からやって来てくれているのだから、断る理由もない。

 

 

「ユメ!」

「分かった!」

 ケイとイアの前に、ユメのデルタグラスパーがビームシールドを展開しながら飛び出した。

 

「なんだ? フルクロス付きの可変機……。美味そうじゃねーか!!」

 百鬼のオーガ。

 彼の機体、ガンダムGP─羅刹はガンダム試作二号機をカスタマイズした機体だ。

 特徴的なのは遠近共に協力な武装を持ちつつ、太陽炉───GNドライヴを積み込んでいる事でトランザムシステムまで使える点だろう。

 

 ケイはGBNにログインして初めてのバトルでこのオーガのGPー羅刹と戦っている為、その強さは嫌でも知っていた。

 

 

「食らわせてやる!!」

 放たれるビーム砲。

 ユメはビームシールドの出力を最大にして、さらに装備しているフルクロスでなんとかオーガの攻撃を耐える。

 その背後から、ケイとイアが接近して砲撃終わりに二手に分かれオーガを挟み込んだ。

 

 

「連携か」

「貰った!」

「甘い……!」

 イアのZを蹴り飛ばし、ケイに武器を構えるオーガ。しかし、ケイは機体がぶつかり合う寸前でトランザムを使い一気に加速してオーガの上を取る。

 

「俺様のターン!! トランザム!!」

「ハッ! 本命はこっちか!!」

 そんなオーガの背後を取っていたロックのデュナメスHellがGPー羅刹を捉えようとした刹那。

 

「鬼トランザム!!」

 オーガのガンダムGPー羅刹もトランザムを始動。

 

 ストライクBond、デュナメスHell、ガンダムGPー羅刹の三機がぶつかり合った。

 

 

「あーなるとそうそう手出し出来ないっすねぇ」

「援護射撃しても味方に当たるかもだしねぇ。それよりも、おじさんはあっちが気になる訳よ」

「あっちとは───おっと……」

 戦いを見守るニャムとカルミア。

 カルミアが気になる方角を見ると、六機のMSが向かってきているのが確認出来る。

 

 

「───トランザムインフィニティ!!」

「───来たか、リク!!」

「オーガ!!」

「リク!?」

「おっと乱戦か! 面白いじゃねーの!」

 乱入してきたのは、ビルドダイバーズの六人だった。

 

 リクはトランザムを使ってオーガとの戦いに参戦。

 ユッキー達は目があってしまったなら仕方がないと、ReBondの面々に攻撃を仕掛ける。

 

 

「サテライト来るなぁ、コレ! ニャムちゃん!」

「任せて下さいっす!!」

「コーイチさん! あの二人が硬過ぎてユメちゃん達に近付かないよ! 何とかして!」

「そんな事言われても!?」

 三つ巴に加速する戦場。

 

 

 イベントの残り時間も僅か───そんな時だった。

 

 

「ハイパーお腹ビ───え? きゃぁ!?」

「何処から……!?」

 突然ビルドダイバーズのモモの機体、モモカプルが爆散する。モモはモモカプルに内蔵されているミニカプルで脱出するがその背後でコーイチの機体もビームに襲われていた。

 

「え? 何? 何々? ユッキー!」

「これは……見えないファンネル? うわぁ!?」

 ユッキーのジェガンブラストマスターを襲うファンネル。次第にその量は増え、ビットやドラグーンも混じり始める。

 

 

「なんすかね? ビルドダイバーズの人達が後ろから襲われてるっすよ」

「漁夫って奴ねぇ。後ろ取られちゃったんでしょ。……でもこれ、悲しいけど戦争なのよね」

「言いたかっただけっすね?」

「ニャムちゃんに言われたくないわよ」

 半目でニャムに言い返したカルミアは「けど、獲物奪われるのは面白くないな」とメガランチャーを戦闘の光に向けた。

 

 しかし、モニターを覗き込んだカルミアは目を丸くして固まる。

 

 

「カルミア氏?」

「アレは……」

 カルミアの目に映ったのは───

 

 

 

「───アヤメさん!」

「分かった」

 アヤメの機体、RX─零丸は元になったユニコーンガンダムのシステム───NTDに変わる忍闘─道(NINTO─DO)を発動した。

 元祖ニュータイプデストロイヤーと同じく、零丸に組み込まれたこのシステムは相手のサイコミュ兵器をジャックする事が出来る。

 

 ゲームのシステム上、ビットやドラグーンもジャック出来るそのシステムでアヤメはビルドダイバーズの仲間の危機を救った───かのように思えた。

 

 

「別のファンネル!? 待って、数が───」

 ジャックしたファンネルの他に、更にファンネルとビットが飛来しビルドダイバーズの面々を襲う。

 撃破されるアヤメの零丸。

 

 侵攻してくる部隊は、全て赤い塗装がされていた。

 

「アヤメさん!」

「モモちゃん一旦逃げ───うわ!?」

「コーイチが!」

「んもー! 後ろからなんてズルい!」

「アヤメさんとコーイチさんが? サラ……!」

 オーガやケイ達との戦いを切り上げ、サラ達の元に向かうリク。

 

 そんなリクを見て、取り残された三人は「なんだ?」とリクの背中に視線を移す。

 

 

 

「ビルドダイバーズと、ReBondか……。アオト、これで目的は達成した。適当に遊んでやっても良い」

「……分かりました、セイヤさん」

 ───ビルドダイバーズを襲い、ReBondやオーガ達の前に現れたのはセイヤとアオトを含むアンチレッドの一個中隊だった。

 

 

「イージス……アオトなのか?」

「アオト君……」

「アオト……」

「兄さん……」

「セイヤ……」

「……ケイスケ、ユメカ、タケシ」

「……ビルドダイバーズのサラ、ReBondのイアか」

 因縁がぶつかり合う。

 

 

 イベント戦終了まで残り十分。

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