ガンダムビルドダイバーズRe:Bond【完結】   作:皇我リキ

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第十四章──始まる復讐【セイヤの想い】
繋がる世界


 宇宙を覆い尽くす無数の機体。

 

 

 

「カザミ、抜けられるか?」

「おっしゃ任せろ!! 弾は俺が受け止めるから進めぇ!!」

「───うぉぉおおお!! また抜けられたっす!! どんどん成長して来てるっすね、もうジブン達は蚊帳の外って感じですか!?」

「───ぬぬぬぬ、許せませんわ。次はこう、もう少し広がって足止めをしますわよ!!」

「……それでさっき各個撃破されたのを忘れたのか」

 ニャムのターンX、アンジェリカのゴールドフレームオルニアスオルニアス、ノワールの迅雷ブリッツを抜けて去る四機の機体。

 

 

 ロータス・チャレンジver.エルドラ。

 リク達とは違う()()()()()()()()という名のフォースが、大敵への挑戦の演習として様々なフォースや個人の協力のもとで行われているイベント戦だ。

 

 そのビルドダイバーズそのものは特に有名なフォースでもなかったらしいが、マギーの呼びかけにより集まったメンバーの中にはチャンピオンやリク達ビルドダイバーズの姿もあるという。

 

 

 そしてニャム達はそんなチャレンジミッションに個人として参加していた。

 

 

 

「───しかし、こんな大それたチャレンジミッションを()()にしてしまうとは……。件のメイさん達ビルドダイバーズがクリアしようとしているミッションって、そんなに凄い物なんですかね」

「なんでもまだ誰もプレイ出来ない、GBNの公式が発表してもいないミッションらしいですわよ。動画は件のビルドダイバーズが配信してたりしてるんですけど、エネミーも見たことない機体ばかりでしたわ」

 チャレンジ内容はチャンピオン含む参加者達を退け、フォースロータスが誇る超巨大フォースネストラビアン・クラブを撃破するという物である。

 

 既に三十回以上失敗しているこのミッションだが、立て続けに再チャレンジするビルドダイバーズの面々からは本番を確実にクリアしたいという意志が伝わってくるようだった。

 

 

「ま、ジブン達の修行にもなりますしね! 何より内容が内容で面白いので、今は楽しみましょう!」

「そうですわね!!」

 ビルドダイバーズはその後ミッションをクリア。()()へと脚を進めることになる。

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 ストライクReBondの初陣───リクとのバトルから数日。

 

 

「───イアの居場所が分かった!?」

 ロータスチャレンジ当日。

 ミッションが終わった後、参加していたマギーにニャムが聞いた話をケイスケは家でガンプラを触りながら聞いていた。

 

 

『はい。まだGBN公式はまだこの事を発表する気がないって話なので、マギー氏から()()()()()()()って事で聞いたんですけども』

 ニャムは小声でこう続ける。

 

 

『───曰く、GBNの裏世界っていうんですかね。ゲームエリア外マップにバグを使って侵入、そこに潜伏しているかもしれないとの見解が上がったようです』

「それ本当ですか!?」

『あれ? ユメちゃんもそこに居たんすね』

 ケイスケとチャットしていた筈がユメカの声が聞こえてきた、ニャムは一瞬目を丸くした。

 

 二人の時間を邪魔していいのか、と一瞬邪推な気持ちが混ざったが今はそうこう言っていられる場合ではない。

 

 

『マギー氏情報っすからね。確かだと思います。……ただ、あの方も言ってらっしゃいましたが、その名の通り裏世界なのでバグを使わないと立ち寄れない場所です。つまり、ジブン達にはどうする事も出来ない訳で』

「そんな……」

「でも、イアはまだちゃんと生きてるって事なんですよね」

 ふと、ケイスケが漏らしたそんな言葉にユメカは口を開いたまま固まってしまう。

 

 

「マギーさんは、それを俺達に伝えてくれたって事か」

『そうか……そうっすね! 失念してました。不安に思うあまり、そもそも大切な事を忘れてたっす!! そうか!! そうだったんすね!! イアちゃん、まだちゃんとこの世界に居てくれた!!』

 そもそも。

 もう彼女はGBNに存在しないかもしれない。

 

 セイヤが奪われたレイアのように、もう二度と会えないかもしれない。

 心のどこかでそう思っていたケイスケ達にとって、その情報は確かに嬉しいものだった。

 

 

「どうにか出来ないのかな?」

「俺達にどうにか出来る問題じゃないのかもしれない……。バグで裏世界、かぁ。ゲームの裏世界っていうと色々入り方があるんだろうけど」

 エリア外とはそもそも壁で仕切られたデータのない場所という事である。

 

 

 ゲームの世界は何もない0の場所に1を積み立てて構成されている物だ。

 その1で出来た壁の向こうには無限の0が広がっていて、その場所はきっと宇宙よりも広くどこまでも繋がっているのだろう。

 

 もし裏世界に行く方法があったとしても、イアの元に辿り着ける保証がない。それよりも、バグを誘発させてセイヤの思惑通りにGBNのサーバーが破壊される可能性の方が高い筈だ。

 

 

「それじゃ……やっぱり私達には何も出来ないの?」

「今はこうやって、ガンプラを作ったりするしかないと思う。いや、そうしないといけない」

「ケー君?」

『二人はガンプラ作ってたんすね。ユメちゃんの?』

「はい。……多分さ、このままイア達を軟禁するだけじゃGBNのサーバーを破壊するとか出来ないと思うんだ」

 ガンプラを触りながらケイスケはこう続ける。

 

 

「……あの人達はいつかGBNの世界で何かをする。その時、俺達に出来る事を増やしておいた方が良いと思うんだ」

「うん。私もそう思う!」

『なるほどっす。ジブンも、今は自分のガンプラをどうするか考えてます。こうしてロータスチャレンジに参加したのもジブンにとって良い経験になりましたしね』

『ロックさんも、スズが毎日扱いていて良い感じですわよ。彼の新しいガンプラももう少しで出来上がりますし! なんと新しいガンプラは───』

『おい、その事は黙ってろって言われなかったか?』

 ふと、ニャムの隣にいたアンジェリカが話した言葉にノワールがそう蓋をした。

 

「タケシ君も頑張ってるんだね」

「新しいガンプラか」

『な、な、な、な、な、なんの話か分かりませんわ!? あ、私忙しいのでこれで失礼しますね!! それでわ──ー!!』

 あまりにも苦し紛れの態度でその場を去るアンジェリカ。

 

 ノワールも去り際に「ロックの事は任せろ」とだけ漏らして、ログアウトする。

 

 

 

 今は出来る事を。

 ストライクReBondが完成して、ケイは手応えを感じていた。

 

「タケシ君の新しい機体、楽しみだね」

「そうだな。何使うんだろう」

『あはは、多分驚かしたいと思ってるでしょうし。ちゃんと驚いてあげないとダメですよ?』

 後はニャムの初めてのミキシング機体を完成させて、ユメの新しい機体を作り上げて、タケシは今スズ達の元で特訓中である。

 いつ、その時が来ても良いように───

 

 

 

 

「───遥か彼方の惑星とGBNが繋がって? GBNにヒトツメとかいう異世界人が攻めてくる? 漫画の読み過ぎだろ。おっさんの事バカにしてんの? ()()()()()()

 ───そしてカルミアは、GBNのゲームマスターカツラギと話をしていた。

 

「───裏世界、という話は聞いていると思う」

「エリア外マップにセイヤ達がELダイバーを軟禁してるって話でしょ? さっきチャンピオン様から聞いたけども」

 ロータスチャレンジの後。

 

 カルミアの元を訪れていたキョウヤは、彼にカツラギからの極秘情報があるという話を聞いて個々に来ている。

 

 

 その話が宇宙人が来る、なんて話だとはカルミアはとてもじゃないが思っていなかった。

 しかし、バカにされている雰囲気ではない。

 

 

「いや……ゲームのエリア外、つまり宇宙の遥か彼方って事か?」

「そうだ。……セイヤと、そのヒトツメという組織が何らかの接触を果たしている可能性があるとすると───セイヤの目的は縛られる」

「そのヒトツメとかいう連中にGBNを襲わせるって事か」

「分からない。しかし、縛られた件に関しては対策をとれる。君も、何か分かる事があれば我々に協力して欲しい」

 カツラギはそう言ってカルミアに手を伸ばす。その手を無言で取ってから、彼はこう返事をした。

 

 

「───アイツが他人任せに復讐を果たそうとするとは思えない。他に、何かやってくる筈だ」

 GBNへの復讐。

 

 形はどうあれ、セイヤは自分の手でその復讐を果たす筈である。これは彼にとって、そうでなければならない物だという事だけはカルミアも知っていた。




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