ガンダムビルドダイバーズRe:Bond【完結】   作:皇我リキ

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地上戦

 マスドライバー基地。

 

 

「ここで一度に運べる機体は十機までか。稼働時間も、合わせると宇宙で撃破された時にリスポーンして戻るまでかなりのロスになるな」

 ディビニダドを撃破したケイ達はマスドライバーで宇宙に上がる算段を立てている。

 

 撃破されればリスポーン出来るとはいえ、リスポーン地点は地上のフォースネストからだ。

 ここから先は撃破は許されない。そのくらいの気持ちでいないといけないだろう。

 

 

「他のマスドライバーは?」

 同乗したヒロトがケイにそう問い掛けた。ケイは中継をライブモニターに繋ぐ。

 

 

 レグナント。

 ガンダムOOに登場する大型MAで、GNフィールドまで搭載されておりディビニダドよりも防御力が高い。

 

 幸いにもこのMAが守るマスドライバー基地周辺には多くのフォースネストがあり、戦力は足りているようだ。

 まもなく撃破出来そうな雰囲気はあるが、戦闘が一番長引いているのもその戦場である。

 

 

「大丈夫なのか? 他の場所は」

「GBNを愛するダイバーの皆さんを信じましょう。ジブン達はこれからの心配をしなくては」

 カザミにそう答えるニャム。カザミは「確かに……」と目を細めた。

 

 

「今のうちに戦力情報の交換がしたい。一緒に空に上がるなら、次も協力する事になるだろうし」

「分かった。宇宙に出るまでお互いの戦力を教えようか」

 ロックが居ない今、リーダーの代わりをしているケイとヒロトが握手をする。

 

 こんな時でも、あまり関わりのなかったGBNの仲間との語らい合いは楽しい。

 だからこそ、アンチレッドを止めたい。ケイ達はそう思った。

 

 

 

 

 エクストリームガンダムディストピアフェイズが守るマスドライバー基地。

 

 

「───吹けよシムーン!! アルフ・ライラ・ワ・ライラ!!」

「───戦局は整った。二番隊三番隊で包囲。各個砲撃防御陣形! 後は任せる!」

 シャフリヤールの必殺技が主体の敵を薙ぎ払う。

 

 極限まで力を溜めた砲撃で、取り巻きのMSはほぼ全滅した。

 そこに周囲網を引くようにロンメルの指示で部隊が構成される。

 

 

 さらにエクストリームガンダムディストピアフェイズに接近するのは、タイガーウルフのジーエンアルトロンとマギーのラヴファントムだった。

 

 

「接近出来ればこっちのもんだ!!」

「生き残りは任せなさい!!」

「援護射撃!!」

 奇跡的に生き残った取り巻きをマギーが払いつつ、エクストリームガンダムの攻撃を包囲網からの援護射撃で制圧する。

 

 そうして間合いに入れば、タイガーウルフが負ける訳もない。

 

 

「───吼えろ!! 龍虎狼道!!!」

 放たれた必殺技がエクストリームガンダムディストピアフェイズを粉砕する。

 

 それから少しして、別の基地で有志がレグナントを撃破。

 残る地上のMAはもう一機のディビニダドのみとなった。

 

 

「さて、地上はもう大丈夫ね」

「おい待て。もう一機残ってるって話じゃねーか」

 早速マスドライバーを使おうとするマギーを止めるタイガーウルフ。しかし、マギーは人差し指を横に振ってこう口にする。

 

 

「そっちに誰が言ったと思ってるのよ、タイガちゃん」

「ここに居ない奴……。あぁ、なるほど」

 納得したタイガーウルフは、黙ってマスドライバーに機体を移した。

 

 彼なら問題ないだろう。それはGBNのダイバー達にとって、絶対的な信頼と言えるかもしれない。

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 地上の戦いは佳境を迎えていた。

 

 

「ユッキー!」

「任せて!!」

 リク達ビルドダイバーズが挑むディビニダドは、ケイ達と戦った機体と同じく1/100サイズの強化MAだ。

 

 ビルドダイバーズ以外にもこの戦場に参加する者は多かったが、火力不足により包囲網の突破も難しい状態が続いている。

 

 

「月が出てこないとサテライトキャノンを使えないけど……行くよ、フルバースト!!」

 ユッキーのガンプラ、ジェガンブラストマスターが火を吹いた。

 

 しかし、敵の数が多く、一度に倒し切らなければディビニダドに近づく事も出来ない。

 

 

「うわ! お、オーバーロードしそう……!」

「……っ、ダメだ。近付けない」

 ビルドダイバーズのフォースは絶海の孤島にあり、近くのマスドライバーに集まったフォースが少ないのが彼等が苦戦している一番の要因だろう。

 

「SDガンダムの火力だってー!」

「数が多過ぎるよー!」

「お腹ビーム! お腹ビーム! お腹ビーム! お、お腹ビーム!! もぉぉ!! なんで全然敵が減らないの!?」

 そもそものMSの戦力差は40対1以上。相手が復活する事も考えれば倍以上に跳ね上がる数だ。

 

 

「リク……」

「分かってる。このままじゃダメだ。けれど、どうしたら……」

 砲撃を放ちながら、リクは下唇を噛む。

 

 ELダイバーであるサラが仲間のビルドダイバーズも、今回の件の事情は知らされていた。

 あのMAの中にはサラと同じELダイバーが閉じ込められている。どうしても助け出したい気持ちはあるし、そんなELダイバー達を利用してGBNを壊そうとする者をリク達が放っておける訳もない。

 

 

「───リク君、敵戦力を教えて欲しい」

「え? キョウヤさん!?」

 そんな彼等の元に、一機のMSが舞い降りた。

 

 GBNチャンピオン、クジョウ・キョウヤのAGE2マグナム。

 この世界で一番強い男のガンプラである。

 

 

「なんでここに───」

「時間がない。説明は上に上がる時にしよう。宇宙で君達の力も必要なんだ」

「……わ、分かりました。相手はディビニダドで、大きさ以外は特に変わった所は無いと思います。それよりも、取り巻きのMSが多くて」

 その取り巻きは殆どがNPDだが、中にはアンチレッドのダイバーもいてある程度厄介な敵も存在していた。

 そもそもGBNを憎むアンチレッドのメンバーに実力者と呼ばれる程の者は少ないが、それでもプレイした事がある者しかGBNを壊そうなんて作戦に加担しないだろう。

 

 彼等は理由はどうあれ、GBNへの恨みという同じ目的を持つ者達なのだ。

 

 

「───なるほど、分かった。皆、聞いて欲しい。皆の火力を一点に集中し、ディビニダドへの道を作ってもらいたい。……その後は、僕がなんとかする」

「なんとかするって……」

「任せて欲しい。僕はこれでも、GBNのチャンピオンだ」

 そう言って笑うキョウヤの言葉を疑う理由はない。

 

 何故なら彼はGBNのチャンピオンだから。

 彼の強さを知らない者は、このGBNに存在しないと言っても過言ではないだろう。

 

 

「始めよう」

 キョウヤの掛け声で、ダイバー達は一斉射撃を放った。

 

 広範囲に及ぶディビニダドの守備網。その一点に空いた僅かな穴。

 針の穴に糸を通すように、その僅かな隙を変形したキョウヤのAGE2マグナムが突破する。

 

 

「私は───」

 目を閉じて、開いた。

 

 加速する。

 キョウヤの瞳に映る、圧倒的な質量。

 

「───GBNチャンピオン、クジョウ・キョウヤだ。相手になろう!!」

 一瞬で間合いを詰めたキョウヤは、ディビニダドにドッズライフルを直撃させた。

 あまりにも早い彼の機体に追い付かなかったフェザーファンネルがキョウヤを襲おうとするが、彼はそれをヒラリと交わしながらもう一撃。

 

 交わすついでにビームサーベルを胸に叩きつけ、それを追い払おうと寄ってくるフェザーファンネルをギリギリまで引きつけて交わす。

 するとフェザーファンネルはディビニダド本体に直撃し、その巨体が大きく揺れた。

 

 さらに今度は大きく機体を浮かせると、キョウヤを追うようにフェザーファンネルが空中を舞う。

 キョウヤはそれを全て交わしてみせるが、ディビニダドに取り付いたキョウヤを攻撃しようと寄ってきた取り巻きがそれに巻き込まれて撃破されていった。

 

 

 さらに一発。二発。

 放たれたドッズライフルは的確にディビニダドを削っていく。

 

 

 

「す、すごい……」

 リク達に手出しは無用だった。

 

 まるで、君達は力を温存していて欲しい───そう言うかのように彼は危なげなく戦闘をこなしていく。

 

 

「セイヤ、これを見ているなら、こんな事はやめてくれ。僕は───僕達は、共にGBNを楽しむ仲間の筈だ。……こんなバトルは、GBNではない!!」

 フェザーファンネルが効かないと分かったのか、その剛腕を振り回すディビニダド。

 キョウヤはビームサーベルでその手首を切り落とし、そのまま出来た隙にディビニダドの頭部に飛び蹴りを入れた。

 

 

「君の目的は、私達が止める!!」

 頭部にビームサーベルを突き刺し、至近距離から胴体にライフルを放つ。

 

 遂にディビニダドは沈黙し、爆風の中から無傷のAGE2マグナムだけが姿を現した。

 

 

 

 

「───クジョウ・キョウヤ。俺はな、お前のその、強くて正しい所が嫌いなんだよ。そのくせ、お前はビルドダイバーズに負けた。……本当に、許せない奴だよ、お前は」

 そう言って、セイヤは操縦桿を握る。

 

 

「……こい、この宇宙に。お前はGBNの犬共全員、地獄に叩き落としてやる」

 赤く光る瞳。

 

 セイヤの機体が、動き出そうとしていた。

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