ガンダムビルドダイバーズRe:Bond【完結】   作:皇我リキ

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2onバトルロイヤル

 ガンダムベース特別マッチ2onバトルロイヤル。

 ルールは簡単。ランダムで選ばれた二人チームによるバトルロイヤルだ。

 

 参加者からランダムにチーム分けをして、GBNの広大なフィールドで最後のチームになるまで戦う。

 一人でも残っていればチームの勝利。今日初めて組むチームであろうと、戦略とチームワークが試される戦いだ。

 

 

「えーと、あなたは……」

「俺はリク。ユメさん……で、良いですか? 頑張りましょう!」

「敬語なんてなしで良いよ! うん、頑張ろう!」

「分かった。行こう、ユメさん!」

 参加メンバーは30人。15チームのバトルロイヤル。

 

 

「君となんて、ビックリだな」

「嫌、だった?」

「まさか。君と一緒に戦えるなんて嬉しいよ、サラ」

「うん、私も。ケイのガンプラも、そう思ってる」

 様々な即席チームがバトルの前の緊張感を楽しんでいる。

 

 

 そしてカウントダウンが始まり、全員が操縦桿を握って前を見た。

 

 

 

 BATTLE START

 

 

 今さっき自分が作ったガンプラが動き出す。それこそ、ガンプラバトルの醍醐味だ。

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 山岳地帯から森林地帯、港湾基地を含む巨大なフィールド。今回は特別仕様であり、地上ながらファンネル系統の武装を使う事が可能になっている。

 そこにランダムに配置された15チームは、各々の作戦を確認しながら進んでいた。

 

 

 ルールはバトルロイヤル。

 最後まで生き残った者が勝者のため、接敵を控えるチームが多い。

 

 そんな中で大袈裟に動き、目を引くチームが一つ。

 

 

「隠れるなんてノーセンス! 炙り出される結果は状況不利! 先手必勝とはこの事っすよ!!」

「チームの巡り合わせ的にも恵まれてるし、いける……!」

 陸を走る巨大な戦車。モビルタンク───ヒルドルブを駆るのは、GBNにログインしてすっかりいつもの調子になったフォースReBondのニャム。

 彼女のヒルドルブの上空から追従するのは、これまた巨大なMA───メッサーラだ。操縦するのはフォースビルドダイバーズのユッキーというダイバーである。

 

 

「ハッハッハーーー! まずは焼夷榴弾でビビらせる! パンツァーフォー!!」

 ヒルドルブは地上から、メッサーラは空中から砲撃とミサイルを密林地帯でばら撒き始めた。

 無作為の攻撃だが、隠れている機体からすればひとたまりもない。偶然のうちに二チームが全滅。一チームはメンバーの一人を失う。

 

 

 

「ありゃどっかで止めておきたいねぇ……」

「ユッキーは侮れない。……戦車は?」

「あの子は素組使いだから、本領発揮って感じよ」

 一方でその光景を木々の間に隠れて眺めていたのは二機のSDガンプラを使う二人だった。

 

 バンシィノルンを駆るのはフォースビルドダイバーズのアヤメ、ザクIII改を駆るのはフォースReBondのカルミアである。

 

 

 SDガンダム特有のデフォルメされた三頭身は機体も小さく隠れるのには適しているが、このままでは炙り出されるのも時間の問題だ。

 先手必勝とは本来この事だと、二人は陸と空から攻撃をし続けている二機に接近する。

 

 

 

「───レーダーに索敵! ユッキー氏、背面五時の方向っす!」

「この反応……SD!?」

 接近してくる二機に気が付き、敵の位置を確認する二人。カルミアはスラスターを一気に吹かせ、空中のメッサーラの背後を取った。

 

 

「デカブツが! 貰ったぁ!!」

「このメッサーラはそこまで甘くないよ!」

 飛行中に機体をひっくり返しながら変形させるユッキー。可変試作MAのメッサーラの力を余す事なく発揮した彼は、一瞬で状況不利を覆して見せる。

 

「おっとぉ!?」

「いっけぇ!」

 背部のメガ粒子砲をカルミアの機体に向けるユッキーのメッサーラ。放たれるメガ粒子砲はしかし、ザクIII改が急接近してきた事により斜角から外れてしまった。

 

「接近してきた!?」

「懐に潜り込めばこっちのもんよ!」

 ビームサーベルを抜くカルミア。しかしユッキーもやられる気はないようで、再び変形してキャラを取ろうとスラスターを吹かせる。

 SDの小さな機体は、木星の重力下で運用されていたメッサーラの強力なスラスター噴射に逆らう事が出来ずに浮かされた。

 

 

「ふへへ、カルミア氏。迂闊でしたっすねぇ……」

 そんなカルミアを地上から見上げるニャム。彼女のヒルドルブは、その砲身を持ち上げて体勢を崩したザクIII改に標準を向ける。

 

「APFSDS装填、一撃で仕留めてやるっす───」

「───そうはさせない……!」

 そんなニャムのヒルドルブの前に、アヤメのバンシィノルンが立ち塞がった。

 ビームマグナムを砲身に向けるアヤメだが、ニャムは不敵に笑って「待ってたっすよ……!」とキャタピラを左右逆に回転させる。

 

 

 そうしながら、戦車だった機体は上半身を稼働させてモビルタンクの全貌を明らかにした。

 片手に105mmザクマシンガンを装備し、下半身は戦車のまま上半身はモビルスーツという異様な姿を見せるヒルドルブ。

 

 機体を反転させ、ニャムは砲身を振り回してアヤメのバンシィノルンに叩き付ける。

 小さな機体は砲身に吹き飛ばされて木々を薙ぎ倒しながら地面を転がる───ように見えた。

 

 

 

「ん……ま、丸太ぁ!?」

 地面に転がっていたのは、巨大な丸太。確かにバンシィノルンを砲身で殴り付けたと思っていただけに、彼女は次の反応が遅れてしまう。

 

 

「アヤメ流忍法、変位抜刀───」

 ヒルドルブの正面で、アヤメのバンシィノルンが分散して現れた。つまり、先程ニャムが攻撃したのは身代わり。

 

 

「なんですとぉ!?」

「───アヤメ斬り!」

 バンシィノルンのビームサーベルがヒルドルブの量腕を刻む。そうして最後にコックピットにサーベルを突き刺そうとしたアヤメだが、ニャムも黙ってやられるだけではない。

 

「なんのこれしき!!」

 展開した肩部ショベルアームでバンシィノルンを捕まえて地面に叩き付けるヒルドルブ。思わぬ奥の手にアヤメも驚いて反撃が間に合わなかった。

 

 

「一発あれば充分っすよ!」

 満身創痍ながらも砲身を地面に向け、ニャムは不敵に笑う。思わぬ反撃を貰ったが、これで勝ちだ。

 

 

 

「その小ささは長所であると同時に短所でもあるよ!」

「んな事分かってるのよね!!」

 一方で上空のメッサーラとザクIII改は互角の戦いを続けている。しかし、どちらかといえばユッキーのメッサーラが出力の差で押しているようにも見えた。

 

 ビームサーベル同士の鍔迫り合い。SDサイズの出力に加え、MAであるメッサーラの出力にカルミアは「……やべ」と冷や汗を流す。

 

 

 そんな光景を見ながら、アヤメは「御免!!」と叫びバンシィノルンのNTーDを発動させた。

 

 

 

 NTーD。

 ニュータイプデストロイヤー。ユニコーンタイプに搭載された、ニュータイプを見付け殲滅するシステムである。

 しかし、時にシステムは人の思う以上の力を見せる事があった。本人の意思でその力を使えるのなら、パイロットは感応波を敵意に変換するだけの処理装置ではなくなる。

 

 

「な、出力が!?」

「おじさん!」

「ん? 何よアヤメちゃ───うぇぇえええ!!!」

 NTーDの発動により出力の上がったバンシィノルンは、自身を押さえ込んでいたショベルアームを持ち上げて砲身を掴んだ。

 

「SDのくせにぃ!!」

 ニャムが引き金を引いた瞬間。

 アヤメは掴んだ砲身をSD特有の瞬発力で蹴り飛ばし、砲身を空中で戦ってる二人に向ける。

 

 

 発射された砲弾は、ユッキーのメッサーラごとカルミアのザクIII改を吹き飛ばした。爆炎と共に鉄屑が空から降ってくる。

 

 

「う、うわぁぁぁ!?」

「おじさんの出番短くなーーーい!?」

 ユッキー、カルミア、撃沈。

 

 

 

「……あははぁ、ここは一つ休戦という訳にはいきませんっすかね?」

「私は、おじさんの犠牲を無駄にしない……!」

「いや一緒に葬ったの貴女ですよ──ー!」

 ニャム、撃沈。

 

 

 

「……これも戦い」

 一人黄昏れるアヤメ。孤高の忍者の周りには、もはや立っている者は居なかった。

 

 

 

「ん?」

 しかし、突然アラートが鳴り、アヤメのバンシィノルンは爆散する。

 

「え?」

 アヤメ、撃沈。

 

 

 この場には何も居ない。

 アヤメの機体を貫いたのは、長射程から放たれたビームだった。

 

 

 

 

 

 

 山岳地帯で、次々に狙撃を決めるMSが一機。

 

 

 

「誰ですの! スズにスナイパーライフルなんて持たせたの! スズの機体はシナンジュだった筈ですわよ!」

「……あの子、凄く上手なんですね」

「上手というか……匠ですわ。いいですの、絶対に顔を出したらいけませんわよ! ヒメカちゃん」

 山岳の壁に隠れ、山の天辺から狙撃をするMSに愚痴を漏らすアンジェリカ。

 彼女のチームになったヒメカは何が何だか分からずに首を傾げている。

 

 

 

 

「ハッハッハーーー! 近付く奴は全員灰にしてやるぜぇ!!」

 その山岳地帯に、スナイパーをなんとかしようと接近してくる敵を次々と排除しているのは───ロックのケルディムガンダムだった。

 

 本来スナイパーである筈のケルディムだが、彼の機体が持っているのはシナンジュの装備である筈のビームサーベルとビームアックスである。

 

 

「……私の狙撃からは逃げられない」

 山頂には逆に、ケルディムの武器であるGNスナイパーライフルを構えたシナンジュが陣取っていた。

 

 

 既にこのチームだけに3チームが壊滅させられている。

 上手く陣取っているので残すと厄介だからか、多くのチームが彼等を排除しようとしていたが───結果は見ての通りであった。

 

 

 

「あのチームをなんとかしないと、最後に辛くなると思うんだけど」

「スズちゃんもタケシ君も強敵だけど、そうだよね……。今やらなくちゃ!」

 そんな山岳地帯に接近するチームが一つ。

 

 ユメのデルタプラス、そしてリクの機体は───

 

 

「リク君の打撃力と私の機動力。二つを合わせればいけると思う!」

「そうだね、俺のユニコーンガンダムなら……!」

 ───ユニコーンガンダム。

 

 

 

 

「サラ、アレを攻略したいんだけど……いけるか?」

「うん。私も、この()()()()()も大丈夫」

 一方、ユメ達とは反対側からケイとサラも山岳地帯を目指していた。

 

 サラの機体はエクセリア。ガンダムEXAに登場するヒロイン、セシアの駆る機体である。

 

 

「このエクストリームガンダムなら、あの二人を攻略出来るかもしれない」

 そしてケイの機体はエクストリームガンダムtypeーレオスII VS(ヴァリアントサーフェイス)だ。

 この機体もガンダムEXAに登場する主人公、レオスの駆る機体である。

 

 

 

 既に7チームが脱落したバトルロイヤル。残り8チームとなり、戦況は加速していった。




そんな訳で始まりました。かなりペース早いですが。
乗せる機体は割と小ネタで決めたりしてます。ニャムさんは私の中の脳内声優が中上○実さんなので「パンツァーフォー」って言わせたかっただけ()

読了ありがとうございました!
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