ガンダムビルドダイバーズRe:Bond【完結】   作:皇我リキ

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 青い空、青い海。

 

 

 この星の七割を占める、巨大な塩水のプール。

 

 

「海だぁぁあああ!!」

 海。

 勿論、GBNにも海は存在する。

 ガンダムに関係があるかないかで言えば、海は戦闘シーンを書く上でも戦闘の味を出す為に数多のガンダム作品で戦闘が行われてきた戦いの場でもあった。

 

 

 その他にも、宇宙で育った子供達がその広大さに驚いたりと───地球を魅せる物として海はガンダムの世界でも大切に描かれている。

 機動戦士ガンダムでは、浜辺へ立ち寄ったホワイトベースの乗組員達が水着姿で海を楽しんだり───機動戦士ガンダムSEEDでも、海に出たアークエンジェルの乗組員達はその広大さに年相応の反応を見せた。

 

 ガンダム00では海ではないが、ソレスタルビーイングの女性メンバーがプールで水着を披露するというご褒美回も存在する。このように、ガンダムでも水着回という物は存在するのだ。

 

 

 つまり、どういう事かと言うと───

 

 

「くらえ! 水ライフル!」

「うわ!? あっはは、やったなイアちゃん!」

「……イア、照準が甘い。こうだ」

「なんで私を撃つんですのー!?」

「いやー、これが目の保養って奴っすねぇ」

 ───水着回である。

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 カルミアは泣いていた。

 

 

「───生きてて良かったぜ。女の子ってエロいね」

「おっさん、普通にアウトな」

 ダイバーシティでの買い物が終わり、一行はGBNの浜辺エリアにやって来る。

 

 現実にも勝る綺麗な海。

 透き通る海水に浸かって水鉄砲で遊ぶ少女達は、それだけでもう眼福だ。

 

 

「お前とアンジェが何か企んでると思ったら、こういうことか」

「言っただろう。男なら後悔はしないとな」

「……そうだな」

 頷いたノワールは、その視線をアンジェリカに向ける。大胆な黒いビキニを来たアンジェリカは、二人に手を振っていた。

 

 

「スズ姉さんはこんな所でもおっかない」

「スズ姉さんがこんな所でも狙撃してる」

「……GBNは全てが戦場だ。二人共弛んでる。私が扱き直す」

「「サー・イエッサー!」」

 一方でスズはレフトとライトを連れて水鉄砲を使った模擬戦を開始している。

 

 砂で作った城を遮蔽物に、一対ニでサバゲーまがいな訓練に没頭する彼女は黒色のスクール水着を着用していた。

 

「射線管理!」

「「ぎゃぁぁ!!」」

 見た目は完全に小学生であるが、レフトとライトを無傷で撃破していく姿は流石の一言である。

 

 

「いやぁ、眼福っすねぇ。ふへへ」

「……ニャムちゃんは何してる訳よ」

 スズ達が利用している砂の城だが、人の身長よりも高く精密に作り上げていたのはニャムだった。

 彼女は今も砂の城を作りながら、周りの光景をこうして楽しんでいる。

 

 

「あ、カルミア氏。いやー、ジブン、こういうのに凝ると止まらないタイプの人間でして」

 カルミアに話しかけられて、頭を掻きながら立ち上がるニャム。パレオ付きの白い水着は、リアルでもそうだがスタイルの良い彼女にはとても似合っていた。

 

「砂の城作るの上手い人間初めて見たわ……」

「フヘヘ、ありがとうございます。やっぱりこう、何か作るのは楽しいっすね」

「ニャムちゃんってなんでも出来るのね。ていうか、多趣味過ぎない? おじさんガンダムくらいしか人に張り合える趣味ないのよ?」

「いえいえ、ジブンもやっぱり一番はガンダムっすよ」

 そう言って、ニャムは作りかけの砂の城を指差す。それに釣られて砂の城を見ると、カルミアは口を開けて固まった。

 

 

「……サンクキングダムの城」

 ニャムの作っている城はガンダムWに登場する建造物だったのである。よく周りを見てみれば、作り上げた砂の城全てがガンダムに関係のある物だった。

 

「あ、呆れないで下さいよ!?」

「いや、ニャムちゃんらしくて安心してるのよ」

 しかし、苦笑いは隠さないのである。

 

 

「け、ケー君。……に、似合うかな?」

「お、おう。おう……その、か、えーと───」

「何ラブコメみたいな事してんだ。とっとと遊ぼうぜ」

 一方で。

 ケイに水着を見せるユメは、顔を真っ赤にして立っていた。対するケイも顔を真っ赤にして固まっている。

 

 フリルの着いた水色の水着は、ニャムが選んだ物だ。

 ユメとしてはパーカーを着たりして諸々誤魔化そうと思っていたのだが、そんな事は許されない。

 案の定ケイの反応はすこぶる良かった訳だが、二人して固まってしまっていたのでロックが痺れを切らした訳である。

 

 

「せっかくなんだから、楽しまなきゃ損だろ」

「……あはは、確かにね」

「……そうだな」

 幼馴染みの言葉に、二人は笑って「ありがとう、タケシ(君)」と声を揃えた。勿論「ロックな!?」とツッコミが入る。

 

 

「せっかくだし、スズ達に混ざろうよ!」

 そんな三人をジッと見ていたイアは、両手を広げて三人に抱き着くようにしてそう言った。しかし、小柄なのでその手に収まるのはせいぜいユメだけである。

 ホットパンツにパーカーとボーイッシュな水着姿のイアは、それはそれで愛らしい格好だ。

 

 ちなみに水着のセンスだが、ReBondのメンバーは全員ニャムのセレクトである。アンジェリカは自分で選んで、スズの分も選ぼうとしたが───スズは全力で逃げて無難にスク水を選んだ。それはそれで、美味しいと思う人間もいるのだが。

 

 

「スズちゃーん、私達も混ぜて」

「……遊びじゃないぞ」

「「そうだー! 遊びじゃないよ! むしろ逃げて!!」」

 へたへたになって倒れているレフトとライトを傍に、その眼光を光らせるスズ。

 

「へー、面白そうじゃん」

「しょうぶだよ、スズちゃん!」

「このロック・リバーの力を見せ付ける時が来たようだな」

「……全員纏めて相手してやる」

「あ、これ俺もやる流れだな」

 挑戦を受け、スズは四人を案内する。彼女に着いて行くと、砂の城が大量に建っている謎の場所に辿り着いた。

 

 

「「「「ナニコレ」」」」

「あ、ジブンが作りました」

「おじさんは見てただけよー」

「なんで砂で作ったア・バオア・クーが自立してんの?」

 ニャムの傑作に目を丸くする四人。この場所なら、砂で作られた遮蔽物を使って模擬戦が行える。

 

 五人は一度各々が選んだ武器を持って、戦場に散らばった。

 ルールは簡単。スズを倒すか、スズが四人を倒したら終了。あまりにもハンデのあるルールだが、観戦しているメンバーにも勝敗は予想できない。

 

 

 ───何故ならスズは、フォースメフィストフェレスの絶対的なエースである。

 

 

 

「ふ、俺はロック・リバー。クールで格好良い男。勿論選ぶのは水スナイパーライフル。どうせスズもスナイパーだろうが、ここで本当のスナイパーがどっちか教えてやる必要があるようだな」

「なんて言ってるが、アイツはどこからあの自信が湧いてくるんだ?」

「ロック氏はそろそろ自分の身の程を弁える事を覚えた方が良いかもしれないっすね」

 観客のノワールのニャムの辛辣な言葉に、ロックは「そこ聞こえてるからね!?」と声を上げた。

 

「んなろぉ、見てろよ。ロック・リバー、目標を狙───」

 そうして、遮蔽物から顔を出して水スナイパーライフルのスコープを除くロック。しかし次の瞬間、彼の頭は水に貫かれる。

 

 

「───な、なにぃ!?」

「───頭出し過ぎ」

 スズの正確な狙撃がロックを葬った。これで、残り三人。

 

 

「ケー、君。ここは二人でスズちゃんを挟んで倒そう!」

「ユメもなんか戦い方ってのが分かってきたな。そういう所はもうタケシより頼りになるかもしれない」

「だから聞こえてるからね!!」

 二人で合流したユメとケイは、スズを挟んで倒す作戦を立てる。今の狙撃でスズの大体の居場所は予測出来た。

 

 小回りの効かないスナイパーライフルを持っているなら、接近戦に持ち込めば有利な筈である。

 対して二人の武器は水サブマシンガンと水ショットガン。どちらも接近戦で有利に戦える武器だ。

 

 

「足跡! 見付けたよ、スズちゃん!」

「俺は左から行く。ユメは右から頼む!」

「分かった!」

 砂で作られた巨大なサンクキングダムの背後にスズを見付けたユメ達は、城を挟むように分かれてスズを襲う。

 しかし、いざ城の裏を覗いた二人の視界に映ったのはスナイパーライフルを構えたスズではなく───

 

 

「普通の水鉄炮!?」

「……今回は私の勝ちだな」

 水ピストル。つまり、普通の片手で持つ水鉄炮は小回りも連射性も抜群だ。

 ユメとケイの攻撃を避けながら、スズは順番に二人の頭を撃ち抜く。

 

 これで残り一人。

 

 

「流石ウチのエースだな」

「いや、あの水鉄炮でロッ君の事撃ち抜いたのね。本当に何者なのよ」

 首を縦に振るトウドウと、唖然とするカルミア。

 

「さー、残り一人! スズ、やっておしまい、ですわー!」

 残るはイア一人。既に三タテされ、勝負は決まったように───見えていた。

 

 

「勝負! スズ!」

「……イアか」

 サンクキングダムの屋上を飛び越えてスズに奇襲を仕掛けるイア。その手に持っているのは───

 

 

「くらえ! 水バズーカ!」

 ───水の大砲である。

 

 発射された水は地面ごとサンクキングダムを吹き飛ばした。その威力は、当たれば壮絶だが水タンクの貯蔵量もあっていくらGBNとはいえ装填弾数は一発のみである。

 

 

「……当たらなければどうという事はない」

 水バズーカを避けたスズは、砂煙の立つ場所に向けて水鉄炮を放った。これも闇雲に撃った訳ではなく、砂煙の中の影を的確に狙った狙撃である。

 

 

 しかし───

 

 

 

「ケイガード!」

「なんで!?」

 イアは倒れたケイを盾にスズの狙撃を回避していた。さらに、倒れたユメから水サブマシンガンを拝借してスズに放つ。

 

「何!?」

 なんとかそれを避けたスズだが、さらに片手にケイの持っていた水ショットガンを装備したイアはア・バオア・クーの影に隠れたスズを追った。

 

 

「これでボクの勝ちだ!!」

「負けるか……!」

 スズはア・バオア・クーを水鉄炮で撃ちながら蹴りを入れる。逆円錐のような形をした砂のア・バオア・クーは簡単にイアの元に倒れて行く。

 

 

「ジブンの傑作がどんどんと壊されるのを見るのも中々通ですね」

「……ニャムちゃんはそれで良いのね」

 ニャムのコメントは他所に、イアを襲う崩れるア・バオア・クー。

 

 

「潰れろ」

「負けるかー!」

 滑り込みながらなんとかア・バオア・クーを回避しようとするイア。しかし、それこそがスズの狙いだった。

 

「うお!?」

「……深追いし過ぎ」

 回避した先で、スズの水鉄炮が炸裂する。起き撃ちだ。

 

 

 

「スズの勝利ですわー!」

「本当に四人とも負けちゃったよ」

「まぁ、ロック氏は戦力外だったっすけどね」

「酷くない?」

 こうして水合戦は幕を下ろす。

 

 

 

 しかし、海の楽しみはまだ終わらない。




水着回です。イラストは間に合いませんでした……ごめんなさい。

最近ワールドトリガーという漫画とApexにハマりました。戦闘シーンが書きたかっただけなんだ。
もう少し水着回が続きます!
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