ゼルダの伝説 蒼炎の勇導石   作:ちょっと通ります

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見てくださり、ありがとうございます!

仕事が忙しくなるのと、書き溜めが無くなるので更新ペースは落ちますが、これからもよろしくお願いします。


第48話 取り扱いにはご注意ください

 ハテノ砦

 

 リンクは明け方ハテノ砦へと辿り着いた。

このまま突き抜けてもいいかもしれないが、この辺りは湿地帯だ。

ドラグを休ませた方がいいだろう。

 

 先日、カリーユに泊めて貰った小屋で休むことにした。

どうやら既にカリーユは実地調査に出かけてしまったようだ。

朝一番に出かけていったのだろう。

 

「うーん、もう出かけているのか…早いなぁ。あれ?本が開きっぱなしだ」

 

本の中身を覗いてみるとどうやら調査状況を記したもののようだった。

 

(えーっと、崩れた小屋にあった古文書には私の探しているものとは無縁の物だったようだ。だが、助手である君の誠意に応えるのが先生というものだ。こちらの古文書は君が探してみるといい、このロマンは君のものだ)

 

 大魔王を象りし 悪霊の甲冑は フィローネの樹海に隠す

 

 1つは フロリア湖より 北に連なる3つ目の滝の底に

 1つは フロリア川 小さな滝に挟まれし橋に

 1つは 樹海リベラ 砕かれ石の鳥

 

 これを旅の途中で探してみるのも悪くないだろう。

とりあえず拙い乍らもこれを書き写すリンク。

 

 その後、長い間話を聞いてた分疲れていたようだ、睡魔によってベッドへと吸い込まれていった。

 

 空が黄昏に染まるころ、リンクは目を覚ました。

睡眠もしっかりとれた分疲労も幾らか落とせたようで身体も軽い。

 

 そろそろ行かないと、ドラグも空腹な筈だ。

と思って小屋から出て覗いてみたら近くに生えていた草を食べていた。

順調に逞しくなっていっている様で何よりである。

 

「ドラグ、お腹空かせたままでゴメンな、後でリンゴを一緒に食べよう」

 

 ドラグに跨りゲルドの街を目指すリンク。

街まではまだまだ先が長い。

 

 先日、日記を見つけた小屋で一息つくことにしたリンク。

恐らくカリーユが保管したのだろう、残念ながら日記は残っていなかったが雨曝しで打ち捨てられているよりはいいのかも知れない。

 

 リンゴを食べさせゆっくりと休んでいる時、シモン特製のシーカーストーン説明書を読んでゆく。

子供の自分でも読みやすい字体で書かれているのがありがたい。

 

 ちょうどこの辺りには魔物がいないので、少し試してみてもいいかも知れない。

実戦の中で良く知りもしない代物を試すのは危険すぎる。

 

(えーっと、この辺りには金属は無いから…それ以外でアイスメーカーから順に試そうか)

 

 この辺りは湿地帯で水が潤沢だ。

アイスメーカーの使用条件を満たす場所は多い。

シーカーストーンを水辺へと向けてみると氷の柱が伸びあがった。

 

「あっ」

 

 予想よりも大きかった為、近くにあったガーディアンの残骸をひっくり返してしまう。

なるほど、ひっくり返したり押しのけたりする事も出来るのか…。

元々残骸があった場所がきらりと光る。

 

 恐る恐る近づいてみると、全体的に黒い球体が転がっている。

どうやらガーディアンの素材の様だ。

思わぬ収穫と言える、手に取って眺める。

やはりこれも見た事も無い素材で出来ているようだ。

 

 プルアに頼まれていた事でもあるので、片っ端からひっくり返す。

至る所に氷柱が伸びてゆく―なんてことは無く、4つ目を作る時に初めの柱が砕け散る。

どうやら最大3つまでしか作れないらしい。

 

 また、氷柱に再びかざしてみる事で砕ける事が分かった。

何か役に立つかもしれない。

 

「ようし、今度はリモコンバクダンだ。確か丸いものと四角のものがあるんだっけ?」

 

 まずは四角型の物を取り出して見せる。

思いの外軽くて、子供なリンクでも簡単に持ち上がる。

とりあえず巻き込まれない様に思いっきり投げ飛ばし、距離を取ってから起動する。

 

 轟音とともに炸裂するバクダン、大きさや重さの割に威力は中々強力で巻き込まれた樹木は根元から薙ぎ倒されている。

 

続いて丸形のリモコンバクダンを試してみる。

先程と同じ手法で起爆する。

 

「あっ」

 

 投げた先はこちらに向かって降る坂だった。

斜面に沿ってこちらへ転がって来た、巻き込まれてしまうリンク。

 

 幸か不幸か、ギリギリの射程だったので大事には至らなかった。

が、何もない所で自爆なんていくら何でも情けなさ過ぎる。

 

「ゲホゲホ…、丸いほうは場所を選ぶなぁ…気を付けないと」

 

 今の爆風の影響でか、ポーチからイチゴが飛び出し、ドラグの方へ転がってゆく。

近づいた時に食べるつもりの様だ。

 

(そう言えばビタロック使ってなかったなぁ)

 

 どんなものか試すタイミングにはうってつけだ。

リンゴに照準を合わせ、起動する。

 

「やった、やった!上手くいったよ!凄いなぁこれ。…マズイ…」

 

 ドラグがこちらを睨み付ける。

彼からしてみれば目の前で御預けを喰らったようなものだ。

腹に据えかねたのか、リンクに向かって突撃してくる。

 

「わっ-!ゴメンよドラグ―!」

 

 一通り追いかけ回された後、どうにかイチゴを大量に献上する事で許されたリンク。

ああ、街に帰る時の楽しみだったのに…。

 

――

 

 双子馬宿

 

 シーカーストーンの機能を色々と試していた為、あっという間に日が暮れてしまった。

仕方がないので最寄りの馬宿である、双子馬宿で宿泊する事にする。

 

「いらっしゃいませ、本日はどのような御用件なのでしょうか」

 

 オーナーの弟で当馬宿のシステムを教えてくれるフッサレン。

勿論宿泊の旨を伝える、疲労は出来るだけ落とすべきだ。

 

 それが何が起こるかわからない旅の途中なら尚更と言えるだろう。

まだ就寝には早い時間だ、それまでの間、色々な人から話を聞く事にしたリンク。

 

「お客様、どうされましたか?」

 

 当馬宿のオーナーである、タッサレンが声をかける。

 

「あ、いえ。せっかくですので色々とお話を聞いてみたいと思いまして」

 

「左様でございますか!この辺りでは馬を早く連れて来る事を競う行事が密かに流行っております!」

 

 流石馬宿、やはり馬と密接な事が多い様だ。しかし密かにってそこまで人気が無いって事なんじゃ…。

 

「馬と言ったら、そろそろソエ婆さんが来るはずなんだが遅いなぁ…」

 

「ソエ婆さんですか?」

 

 初めて聞く名前だ。婆さんと言えるような人は、この辺りでは見かけなかったが。

 

「ああ、私共の聖地に最も近い馬宿のお目付け役なんです。せっかくですので聖地についてお話ししましょうか」

 

 何だか奇妙な方向から話が膨らんだのだからわからないものだ。

それにしても聖地という響きは中々に興味をそそられる。

リンクは話の続きをお願いした。

 

「御存知かもしれませんが、馬宿はやはり馬あっての物です。聖地というのは馬の神様が眠られる湖を指しています」

 

「馬の神様!興味を惹かれますね!」

 

「でしょう?その神様なんですが、馬と人間が共にいられる事を望まれている様でして、不慮の事故などで失ってしまったパートナーを生き返らせることが出来るそうなのです」

 

 私も見たことは無いんですけどね、と付け加えるタッサレン。

馬の神様、できる事なら見てみたいものだ。

 

「ただし、馬の神様ですから馬に対し非道な行いをしていると恐ろしい災いを齎すとも言い伝えられております。万が一縋る時はその事もお忘れなきよう…それにしても遅いなぁ」

 

「あの…よろしければ見て来ましょうか?」

 

「いけません、お客様!お嬢さんの様な子供を危険になんて晒せませんよ!」

 

「冗談ですよ、それにしても心配ですね…」

 

 そう話している時に1人のハイリア人が息を切らせながら駆けこんで来た。

やっとの思いで辿り着いたのだろう、服の至る所は泥で汚れ、満身創痍といった様子だ。

 

「どうしたんだブリンカ!ソエ婆さんは一緒じゃないのか!?」

 

「ハァ…ハァ…タッサレンさん…。ソエ婆さんと…一緒に馬車に乗っていたんですが…魔物に襲われまして…。タモ沼に惹きつけておくからすぐに応援を呼んでくれと…」

 

「なんてことだ…わかった!馬宿にいる旅人に応援を募ってみる!…おい、さっきの嬢ちゃんどこ行った!?」

 

 さっきまでいた筈の子供がいない。

…まさか助けに向かったのか!?

冗談では無い、責任ある大人として、あんな子供を危険に晒すなど以ての外だ。

 

「ブリンカ!体力的にきついなか悪いが応援を募るのを手伝ってくれ!一刻も早く人員を揃えて助けに向かうぞ!」

 

 頼むから間に合ってくれ、そう祈らざるを得ないタッサレンだった。

 

 タモ沼

 

 力強く生い茂る水草に、沈み込む汚泥をドラグと共に踏み進む。

恐らくソエ婆さんは馬車を操り、着かず離れずの距離を維持しているはずだ。

一刻も早く助けに向かわなければ。

 

 何はともあれ見つけなければ話にならない。

見晴らしの良いやや盛り上がった丘に立ち索敵を行う。

 

「!?どうしたドラグ!?」

 

 辺りを見渡している時、ドラグが嘶きと共に駆け始めた。

その進む方向を見渡すと馬車が見え、馬に乗った者達に追撃されている。

 

「偉いぞドラグ!行くよ!」

 

 

 油断した。双子馬宿までの道のり、多少の危険は覚悟していたし馬の脚ならば大抵の魔物からだって逃げ切れる自負があった。

―よもや魔物達も馬を操り、連携を取って来ようとは…

 

(ブリンカは辿り着いただろうか?アタシもそろそろ年貢の納め時かねえ…)

 

 馬の脚が止まって来た。

馬車として荷物や車を引っ張るのと、ただ騎乗するのでは馬にかかる負荷が違いすぎる。

体力の限界が来ても仕方のない事だ。

その仕方のない事で命の危険が訪れては笑えないが。

 

 そう考えていると力強い嘶きが湿地に轟く。

何事かと振り返ると1人の少女が漆黒の馬に跨りこちらに向かってくるではないか。

 

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