今は地上と地底縛りで遊んでます
ニンテンドーダイレクト色々と凄かったですね‼︎
封印戦記も楽しみです。
「いらっしゃいゴロ!!組長から話は聞いてるよ。ゴロン式マッサージを存分に堪能して行ってね‼︎」
宿屋に着いてまず目に入ったのは天井に吊された鉱石の球と手前に突き出された岩だった。
どんなものなのか尋ねてみると歌うための設備で宿泊客の歓待も兼ねているらしい。
他にも場所を取り合う陣取りゲームや的当てなどもあって娯楽に力を入れていることがわかる。
「驚いた?こう見えてみんなゲームが好きなんだゴロ。これはマイクになっていて楽器や声を吹き掛けると音が響くんだ」
「へぇ、それじゃあ一曲お願い出来ますか?久しぶりに踊ってみたいです」
「おっ?面白そうだゴロ。目一杯動いた後のマッサージは最高だからね、思う存分楽しんでいって欲しいゴロ‼︎」
曲が流れ始めるとリズムに合わせて身体を動かす。
太鼓に合わせて飛び跳ねたり手拍子を加える。
メリハリのある情熱的な動きは得意だ、最後の締めに回転跳びで着地した。
「いやー、良いもの見せてもらったゴロ。熱く込み上げるビートが最高だったね。コレは次のトレンドになりそうだよ。さぁさ、一踊りして疲れたでしょ?後はゆっくりマッサージして疲れを落とそうね」
「えっと服を脱いだりとかしませんよね?」
「その辺りは大丈夫ゴロ!耐火服のお客さんもいるから脱がなくてもバッチリ効果が出るように猛特訓してるゴロ‼︎ーゴロンで」
えぇ……それって練習の意味ないんじゃ
とはいえ流石にお客さんを実験台にする訳にもいかないから仕方ないのか?
「それじゃ、思いっきりやるから深呼吸してー」
聞こえてはいけない鈍い音とマイクに向かって鳴らした時以上の大声が響き渡った。
ーー
ー
「イ、イテテ……あ、あれれ?ホントに身体が軽い?」
腰をさすりながらゆっくりと起き上がる。
信じられないがしっかりと効果があったようだ。
あんまり受けたいとは思えないが腕は確かということか……
「おはよう、ちゃんと効果があって良かった。それにしても若いのに随分と疲労が溜まってたゴロ。良く食べて良く寝ることは忘れないでね」
「そうでしたかもう少し気を配ってみます」
相槌を打ってお茶を濁す。そうしたいのは山々だが魔物達は待ってはくれないとも考えている。
ゲルド地方、タバンタ地方と立て続けに攻め込まれている以上悠長に待ってなどいられない。
あの男が大人しくしているとは思えないのだが肝心の足取りを掴めていないのだ。
ゴロン族は組長を中心とした集落を作っている、彼のそばにいる方が異常に対する察知がしやすいだろう。
幸いブルドーさんからのお誘いもあるので素早く支度をして組長の家へと向かう。
どんな施設なのか楽しみなのも本当だ。
「嬢ちゃん大事な情報をアリガトな‼︎ここまで登って来させたみてェですまねえ、大変だったろォ‼︎お礼と言っちゃあなんだがちょっと遊んで行かねぇか⁉︎勿論、タダでいいからヨォ」
「良いんですか⁉︎ありがとうございます‼︎」
「なぁに気にすんな!俺もちいせぇ頃は色々と経験して身につけたもんよォ‼︎」
「組長‼︎頼まれていた装具、お〜ま〜た〜せぇ〜ゴロ‼︎」
「おぉ、アリガトな。ブロハンにもよろしく言っといてくれェ」
「はいゴロ‼︎ん?キミは組長のお客さんかな?」
「ああ、紹介しねぇとな。こちらの嬢ちゃんは俺達に言伝を運ぶ為遥々デスマウンテンを登ってくれたリンクってんだ。コイツはブロハンの鍛冶屋で修行中のフーゴーだ。ダルケル様が使っていた巨岩砕きも扱っている伝統ある店でなぁ。ユン坊もここで巨岩砕きを作って貰ってるんだぜぃ‼︎」
「俺達の為にこの火山を登ってくれるなんてアリガトね。お礼に何か作ってあげる。ブロハン師匠みたいな使い手に馴染む業物に仕上げてみせるゴロ‼︎」
「サークサーク、両手剣は今はまだ重くて持てないけれどいつか扱いこなせるようになったらお願いしますね」
「オッケーゴロ、それまでにお嬢ちゃんにピッタリの大剣を製作しておくね!」
そうなると5.6年くらいかかると見積もって……ゲルド族の体格から……鉱石を……と早速構想に入ってくれているようだ。
ずっと先の話になるけれどいい武器を作ってくれそうだ。
その時には彼も尊敬する師匠の様な立派な鍛冶職人になっているだろうな。そんな予感がした。
「さて、道具も揃ったしそろそろ始めようかァ。こっちを見てくれ」
そう言われて視線を向けてみると急斜面の岩肌が顔を覗かせていた。
かなりの広さになっており途中、大きな崖が出来ている。
新名物、ゴロンレースだ!
ルールは簡単、トロコ崖を潜ってあの岩のゲートまで盾サーフィンで下るだけ!
この為にブロハンに頼んで岩肌でも問題なく動けるよう盾を改造しているから問題ないぜ!
だがトロコ崖から登山道へ出るには山を越えないといけねぇ、そこで俺が設置した大砲の番ってワケだ!
ひとっ飛びで山肌を越えていけるからな。
他では味わえない最高の眺めとスリルが楽しめるゼィ‼︎
ブルドーさんの承諾を得て試走させてもらう
エッジを効かせた盾が火花を散らし豪快に岩を削りながら斜面を一気に駆け降りる。
疾走感だけじゃない、力強い滑りはゴロン族ならではの醍醐味か面白い。
岩場では盾サーフィンが難しいと思ったがコレなら問題なく出来そうだ。
「イイ走りっぷりじゃねえか!タイムアタックも面白ェがゴロン達とレースも出来るようにするつもりダァ!このイワヨロイを着込めば嬢ちゃんみたいな体躯でもぶつかり合いが出来るって訳ヨォ」
試しに着させて貰ったがすっごく重い。
一歩一歩踏み締める度に金属の鈍い音が響く。コレはとても走れそうにないな。
ここまでしないとぶつかり合えないゴロン族の強さに驚くばかりだ。
ちなみに両手の部分は盾のように構えたり、弾いたりも出来るようになっているらしい。
「ちなみにあの大砲は利用する度に火薬が燃焼されて速さと飛距離が増大するようになっている。もしも出遅れたって諦める必要はネェ。一発逆転も狙えるって寸法よ!」
ゴロン達と激しくぶつかり合えるのは俺好みだな。
今でこそまだまだ押し負けるだろうがいつかは彼ら相手にも力負けしない様になりたい。
体幹を鍛えたり盾の扱いを練習出来る意味でも価値がある。
まだまだ魔物の脅威は去っていないため盾の需要は依然として高い。
盾サーフィンを嗜むものや、ゲルド族の様なスナザラシを乗りこなす者は持っていないとおかしいまであるだろう。
楽しく鍛錬も兼ねるコレは凄い。企画、運営、交渉、整備と殆どの事をやってのけている。組長と言われ尊敬を集める訳だ。
それと同時に申し訳ないけれど引退出来ない理由もわかった気がする……コレ、代わりが務まるゴロンいるのかなぁ?
「どうだった?ゴロン以外のお客さんでも楽しめるように調整出来てるかぁ?」
「はい!とても楽しかったです!」
「一味違ったこっちはどうでい?ストライクコースター!激しいぶつかり合いが苦手な人にお勧めだぜぃ!こちらはコースを渡り切る前に、的当てをしてスコアを競うゲームだ!トロッコに付いてる大砲を使って的を壊すんだ‼︎マァ、弓矢を使っても良いんだがな。そこはお客さんのお好みでぃ!」
そう言いながら大砲用と思われる岩を取り出す。
「この的当てではこの岩ん使うんだ持ってみな」
「それじゃ失礼してー、うわっ軽い‼︎こんなに大きいのに⁉︎」
「コイツはカル岩って言うんだ。殆どが空洞になってるから嬢ちゃんが言うように物凄く軽い!そして見てな……」
ブルドーさんに促された先には大量の的が一面に広がっていた。
どうするんだ!?いくら俺でもこの数は捌ききれないぞ!?
そう思っていた所、轟音と共に大砲から飛び出したカル岩は宙で広がり岩肌に当たって砕け散った。飛翔する破片が辺りの的を豪快に穿つ。
「こんな形で纏めて当てたりも出来るんだ。慣れねェ操作で当てられないんじゃ楽しめねェだろ?せっかく作るんだったら誰にでも楽しんで貰いてえからナァ、ワーッハッハッハ」
ちなみにのんびり観光したい人向けに温泉トロッコも用意してあるんだ。
ゆったり温泉に浸かりながらデスマウンテンの絶景を楽しめるって寸法よ!
のぼせることも考えてサファイアを使った冷水版もバッチリ連結してあるぜ!
ビジネス用の最短、直線コースターももうすぐ完成だぜィ‼︎
「だからアタシに依頼したんですね。アイシャも張り切ってましたよ。そういえばどうしてルビーと付け替えが出来るようにしたんです?デスマウンテンには不要なのでは?」
「ああ、それはー」
「く、組長ー‼︎」
「おうどうしたんだ?悪いが今は客人がいるから余程のことじゃないなら後にしてくれぃ」
「じ、実はー」
「えぇ⁉︎北の炭鉱から大量の宝石が見つかったゴロ‼︎⁉︎」
「ユン坊‼︎声がデカイぜ!」
「その話詳しく聴かせて貰いますね。」
耳打ち?された内容にユン坊さんが驚き宝石を買いに来ているラメラさんが食いついた。
世界一の市場を持つゲルドの商人が良質な鉱石を大量に買い付ける絶好の機会を逃す訳がない。
「しゃーねぇ、一度視察に向かうとするかァ。ユン坊‼︎準備しろ!」
「そうねリンクちゃん。アタシもこれから組長達と視察に行くから護衛の仕事、頼めるかしら。コレは前金よ」
ラメラさんが気を回してくれたのは明らかだ。
本当に頭が下がるばかり、もちろん職業柄見逃せない内容なのもあるだろうけど。
北の炭鉱はゴロンシティよりも標高が高く更に火口に近い。
それ故に気温もどんどん高くなってきたように思えた、シーカーストーンもエラーを表示したままだ。
案内された先には洞窟が大きな口を開けていた。
これくらい広くないとガタイのいいゴロン達がすれ違ったり後で作るトロッコで運び出す事が難しいのだそうだ。
「さて、ここまで削岩済みなんだが……ここから先はどうなるかわからねぇ。鉱石燭台が無い分視界にも気を配る必要があるな」
松明片手に奥へ奥へと進んでゆく。
燃えず薬を塗っているとはいえやはり熱い。
着火するまでもなく明かりがついたのは流石に驚いた。
知識として聞いてはいても実際に見るとなるとやはり違うものだな。
「す、凄い……!こんなの初めてよ…‼︎」
「ザックザクだゴロ!」
砲台を使った豪快な削岩で次々と掘り進めていく。アレだけ大きかった岩盤もドンドン崩れ宝石が出てくるではないか。
「今日はなんだか調子がいいゴロ‼こんなに一気に削り取れるなんて流石は組長の大砲だね!」
「―あぁ、そうだなユン坊。この調子で頼むぜ」
下に進めば進むほどユン坊さんの採掘は順調に進んでゆく。
大砲を打ち込むだけで巨大な岩盤が纏めて崩れ落ち、宝石がゴロゴロと転がり落ちてくる。
「―ユン坊、おめぇ大砲いじったりしたか?」
「えぇ!?そんなことはしてないゴロよ。なんだかんだ言ってもやっぱり組長の整備が一番!!何か気になる事でもあったゴロ?」
「もう少し様子見してからにするゼィ」
「ねぇリンクちゃん。昨日使ってたフリーズロッド出してもらえる?気休めだけどあれを掲げるだけでも涼しくなるわ」
「あ、そうですね。皆さんもどうぞ」
奥へ奥へと進んでいく、次第に暗さを増していき松明の灯が頼りになる。
熱いのに更に火もつけてるんだからもう堪らない、今まで生きてきた中で1番と断言出来る暑さだ。
顔の辺りを仰ぐ事で気休めの涼しさを届けようと試みながら削岩するのを眺めてる。
「ね、ねぇちょっと変じゃない?いくら何でも多すぎるわ。リュックに入りきらないどころか宝石の価値が崩れる位、大量よ……」
岩盤が大きく崩れ、開けた広場が出来る。
あまりに異様な光景にラメラさんは思わず口を開く。
指差す先に広がるは鉱石で出来た壁だった。
量が多いなんてもんじゃあない。
ここまでのものも合わせたらルージュ様の宮殿くらいの量全部が宝石で埋め尽くされている。
はじめはワクワクしたし貴重な宝石が大量という事で興奮していたがここまで来ると流石に気味が悪い。
ブルドーさんも心なしか顔を引き攣らせている。
足元に転がる宝石が、ゲルド砂漠に広がる砂みたいに埋め尽くしているのは控えめに言っても異常だろう。
完全な闇が宝石によって眩く照らされているのは何とも奇妙な光景だ。
「この感じ、もしかするとアレを引き当てたのかもな」
「ブルドーさん、何か心当たりがあるのですか?」
「あー、まー昔聞いた話なんだがヨォ。遥か昔ご先祖様がどこかの洞窟の奥深くに大量の宝石と共にお宝を隠した、とか……」
「お宝⁉︎今あるこれじゃないとしたら一体何があるんだろう⁉︎」
「よーし、そういう事なら思いっきり掘り返すゴロ‼︎」
「……待てユン坊」
「ユン君、ちょっと待って貰えるかしら」
「えっ、2人とも何か気になったゴロ?」
ユン坊さんに待ったをかけた2人は神妙な面持ちで壁に触れる。
「こっちのでっぱりおかしいぜ。この形状、骨なのか?」
「えっ?で、でもこれっトパーズ……だよね?」
ユン坊さんも長年デスマウンテンで暮らして来た。
鉱物を見分ける位朝飯前、の筈なのに目の前の光景に動揺を隠しきれない。
大量のトパーズを削り取って骨の形にした?岩の中に埋められた状態で?
生物特有の曲線を描いた骨が暗闇の中で煌いている。
こんなことがあり得るのか?
「―こっちの壁もおかしいわ。明らかに手が加えられている」
松明を寄せてみると爛々と輝くルビーで作られた壁だった。
明らかに一度崩したと思われる不規則で剥き出しの宝石達。
何でこんなものを?
「確かにおかしいゴロ。僕たちにとって宝石はマズイ石でしか無かったから捨てるか売るならわかるけどこれじゃ」
「何かを隠す……いやこんな派手でそれは無いな。……封じ込める為に態々作ったことになるな」
「売ったり捨てるならまだしもなんで壁なんか作ったんでしょう?」
一体、この先に何があるんだ?
topics カル岩はとても軽く、溶岩に浮かべる事も出来る