仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第10話

「おい、どこ行くんだよ!」

ゾルダが言った。

「ここはオーディンの巣だ。やつはここにいる。やつをここで消す!そして、俺がこの戦いの頂点に…。」

 

『貴様では、私に勝てない。』

 

まるで頭の中に響くような声が、ベルデとゾルダに聞こえた。

「誰だ!」

ベルデが叫ぶように言った。

すると暗闇だった洞窟の中を眩い光が広がり始めた。

「うっ!」

ベルデとゾルダは、眩しさのあまり思わず目を背けた。

その輝きの中から、金色の鎧を纏うライダーが現れた。その鎧の装飾は不死鳥を彷彿させるものだった。

「オーディン…!」

ゾルダは、オーディンの放つ凄まじいプレッシャーを感じ、無意識で後退った。

「出たな、オーディン!」

ベルデは、迷わずオーディンに迫った。

「お前を倒し、俺がライダーの頂点に立つ!」

『無駄だ。』

ベルデは拳を前に突き出す。しかし、オーディンは簡単にそれを払い退ける。今度は蹴りをするも、同じく防がれてしまった。

 

SWORD VENT!

 

オーディンは、手に持っていた鳳凰召錫・ゴルトバイザーにカードを装填した。

そして、金色の二振りの剣・ゴルトセイバーが召還された。

「そいつは頂く!」

 

STEAL VENT!

 

ベルデのカードにより、ゴルトセイバーはベルデの手の内に収まった。

「はぁ!」

ベルデは剣をオーディンに振り下ろす。

『返して貰おうか。』

 

STEAL VENT!

 

オーディンに剣が当たる直前に、それはベルデの手から失われていた。

「何ぃ!?」

『ふん!』

オーディンは、元に戻った剣で代わりにベルデを斬りつける。

「うわっ!?」

ベルデが顔を上げると、そこにオーディンの姿が無かった。

「くそっ!どこだ!」

次の瞬間、背後に斬撃が走った。

「ぐはっ!」

ベルデが振り替えるとそこには誰もいない。しかし、またしても斬撃が背後より襲いかかる。

『言ったはずだ。貴様に私は倒せないと。』

オーディンが剣を持つ腕を広げる。すると、全身から黄金の羽根が飛び出し、ベルデに降りかかった。それは、ベルデの身体に触れると爆発した。それも数えきれないほどに。爆発が止むと、ベルデは地に伏せていた。

「ば、かな…。」

「あ~ぁ。」

様子を見ていたゾルダがベルデを見下ろした。

「北岡…、た、助けてくれ…。」

ベルデが身体を起こし、ゾルダの身体に寄りかかるように、肩に手を置いた。

「…全く。」

 

バァン!

 

「ぐふっ!?」

ベルデは視線を下ろすと、自身の腹部にマグナバイザーが突き付けられていた。ゼロ距離の射撃により、弾丸はベルデの身体を易々と貫いていた。

「情けないよ。あれだけ豪語してたあんたが。所詮、あんたも小者ってことだ。」

ゾルダは、脚でベルデを押し返した。

『貴様は戦わないのか?』

オーディンがゾルダに言った。

「ああ、そうさ。まだその時じゃないからね。」

ゾルダはそう言うとその場から去ろうとした。

「ま、て…。」

ベルデがゾルダに呼び掛けたが、ゾルダは聞く耳を持たず、そのまま去っていった。

『…賢明な判断だ。』

 

FINAL VENT!

 

オーディンの背後に金色の不死鳥型モンスター・ゴルトフェニックスが現れた。オーディンはその場から浮遊すると、ゴルトフェニックスが放つ七色の炎を身に纏った。

『さらばだ、仮面ライダーベルデ。』

ゴルトフェニックスと一体化し、オーディンはベルデに向かって蹴りを放った。

「ま…。」

ベルデは叫び声すら上げられず、炎に焼かれ、そして消えた。

 

 

「はい!」

「はっ!」

龍騎とナイトは連携しながらリュウガに攻撃をしていく。しかし、リュウガはそれをあしらい、一方的に攻撃を加えていく。

「くっ、なんて強さなんだ!」

「はぁ…はぁ…!」

「…。」

息も絶え絶えな二人に対し、リュウガは一切息の乱れがなかった。

「おおおお!!」

タトバコンボに戻ったオーズが、メダジャリバーをリュウガに振り下ろした。

「…!?」

リュウガは黒いドラグセイバーでそれを弾き返す。

「まだだ!」

 

ライオン!ゴリラ!バッタ!

 

「うおおおお!!!!」

オーズはライオンヘッドを輝かせた。

「うっ…!?」

突如放たれた眩い光を受け、リュウガの動きが一瞬止まった。

 

スキャニングチャージ!!

 

それを見たオーズは、バッタレッグを変異させ、大きく跳躍した。

「せいやああああ!!!!」

ゴリラアームに力を乗せ、巨大な拳をリュウガに向けて打ち付けようとした。

 

ADVENT!

 

「グオオオオオオオ!!!!」

「うわっ!?」

リュウガが呼び出した黒い龍型モンスター・ドラグブラッカーが飛来し、オーズに突進し攻撃を阻止した。オーズは地面に叩きつけられた。

「グオオオオオオオ!!!!」

ドラグブラッカーはオーズに向け黒い火球を吐き出した。

「うわぁ!!」

幾つもの火球がオーズに襲いかかった。幸いにも直撃しなかったとはいえ、周囲にばらまくように火球が降り注ぐため、オーズは身動きが取れなくなってしまった。

 

「火野君!!」

龍騎がドラグレッターを呼び出すべく、カードを引いた。

「…はっ!」

しかし、それを阻止せんとリュウガが再び龍騎に襲いかかった。

「ちぃ!」

ナイトもまた参戦し、龍騎と共にリュウガに攻撃していく。

 

FLAME VENT!

 

BLOW VENT!

 

龍騎とナイトはそれぞれの武器に炎や風の力を纏わせた。

 

FLAME VENT!

 

リュウガも同じく、剣に黒炎を纏わせた。

「はあああああ!!!!」

「うおおおおお!!!!」

龍騎とナイト、そしてリュウガらそれぞれの武器を振り下ろした。

 

ズドオオオオオオオン!!!!

 

大きな爆音と共にライダー達は大きく吹き飛ばされた。

「うわっ!…まだだ!!」

龍騎は、すぐさま体勢を立て直し、再びリュウガに迫った。

 

STRIKE VENT!

 

ところが、リュウガは龍騎が振り下ろした剣を自身の剣で弾き落とすと、呼び出した黒いドラグクローを龍騎に突き立てた。その瞬間、黒炎が吹き出され、龍騎は再び大きく飛ばされてしまった。

「うぅ…、かはっ…!」

ゼロ距離で火炎を浴びた龍騎は地面に伏せ、もがき苦しんでいた。

「榊原!うおおおお!!」

 

FINAL VENT!

 

「キィィィィィ!!!!」

ダークウイングが飛翔するとナイトの背にしがみついた。

「はっ!!」

ナイトは大きく跳躍した。そしてウイングランサーの切っ先を下方に構えた。

「うおおおお!!!!」

ダークウイングの羽根がナイトの全身を覆い、ドリル状となってナイトはリュウガ目掛け急降下した。

リュウガは、龍騎が落としたドラグセイバーを拾い、二本の剣でナイトを迎えうった。

 

ガキィィン!!!!

 

大きな衝撃音が上がる。

「うわっ!!」

ナイトが地面に投げ出された。

「まさか、たかが二本の剣で軌道を変えたのか…!」

ナイトは信じられないと言わんばかりに言った。

「はぁ…、はぁ…。」

しかし、流石のリュウガもまた、膝を着き息を荒くしていた。

「今だ…!」

ナイトは再びウイングランサーを手に迫った。

「覚悟しろ、リュウガ!!」

ナイトがリュウガにウイングランサーを突き出した。

 

ドスッ!

 

「ぐっ…!?」

「秋山…!?」

龍騎を全身から血の気が引く感覚が襲った。

ナイトは視線を落とした。

ウイングランサーは、リュウガの腹を貫かず、寸での所でかわされていた。そして自身のバックルに、黒いドラグセイバーが深々と刺さっていた。クレストの描かれたカードデッキも貫いて。

「…お前は、蓮じゃない…!」

リュウガが一言呟くと、ナイトから剣を引き抜き、脚で押し返した。そして、黒い龍のクレストの描かれたカードを黒いドラグバイザーに装填した。

 

FINAL VENT!

 

オーズと戦っていたドラグブラッカーがリュウガの側に現れた。ドラグブラッカーは瀕死のナイトに黒い火球を浴びせた。

「ぐっ…!?」

黒い炎はまるで氷のように硬化し、ナイトの動きを止めた。

そして、リュウガは跳躍のために構える。

「はっ!」

リュウガが空中で身体を捻り、瀕死のナイトに向け右脚を出した。

「はあああああ!!!!」

ドラグブラッカーがリュウガに向け黒い炎を吐き出す。それを纏ったリュウガがナイト目掛けて、跳び蹴りを放った。

「うわああああ!!!!」

リュウガの蹴りがナイトを貫いた。貫かれたナイトに追い討ちをかけるように黒い炎が燃え上がり、やがてナイトを灰に変えていった。

「あ、秋山ああああ!!!!」

龍騎は叫んだ。そして、その場で崩れ落ちるように膝を着いた。

「秋山さん…!!」

オーズもまた、ナイトの消失に絶句した。

「…次はお前だ。」

リュウガが龍騎を指しながら言った。

「榊原さんは、やらせない!」

オーズが龍騎の前に立った。

「お前は関係ない。」

リュウガが言った。

「関係ないって…、ライダーバトルなら俺も倒すべき敵じゃないのか!!」

「…。」

リュウガはつり上がった赤い目でオーズを睨み付けていた。

 

SHOOT VENT!

 

ズドオオオオオオオン!!!!

 

突如、リュウガに砲弾が襲いかかった。

「くっ…。」

爆風に煽られ、リュウガは怯んだ。

「こっちだ!」

射線上を辿るとゾルダがギガランチャーを構えていた。

「北岡さん!!」

「火野!榊原連れてそこから離れろ!」

再び、ギガランチャーの砲口から火を吹き出した。

 

ズドオオオオオオオン!

 

リュウガは砲弾をかわすが、お陰でオーズ達に近づけないでいた。

やがて、砲撃が収まると、オーズ達の姿は無くなっていた。

 

 

映司、榊原、北岡は地下駐車場に逃げ込んだ。

「やれやれ、何とか生き延びたか。」

北岡が言った。

「北岡、高見沢はどうした…?」

榊原が言った。

「…死んだよ。」

「そんな!?」

映司は思わず声にしてしまっていた。

「あのまま、オーディンと戦ったんだ。けど、成す術なく…、あっという間にな。」

北岡は伏し目がちに言った。

「それで、逃げてきたのか。」

榊原が尋ねた。

「高見沢には悪いけど、俺はまだ死にたくないんでね。…それより、秋山は?」

北岡が榊原に尋ねた。

「…。」

「秋山さんも、リュウガに殺られました。」

榊原に変わって映司が答えた。

「…御愁傷様だな。」

北岡が言った。

「俺がもっと上手くやれば、秋山さんは…!」

映司は自分の拳を強く握りしめていた。自身の情けなさからくる苛立ちを込めて。

「いや。」

榊原が口を開いた。

「秋山は、最後まで相手を殺すことに戸惑っていた。俺が…、俺が殺すなって…。人で無くなるって…。俺のせいだ…。」

榊原の声は震えていた。そして、両手で顔を覆った。すべてを拒絶するように。

「榊原さん…。」

そんな榊原を見た映司は何と声を掛ければいいのか、わからなかった。

「…すまない。少し一人にさせてくれ。」

榊原は静かに行った。

「でも…。」

映司が言いかけたとき、北岡が映司の肩に手を置いた。映司が北岡を見ると、北岡は静かに首を横に振った。

「わかった。榊原、変な事考えんなよ?行くよ。」

北岡に促され、映司は外に出た。

 

「さて…。俺は、俺の事務所に戻って少し休むことにするよ。お前はどうする?」

北岡が映司に尋ねた。

「…確かめたい事があるんです。だから、俺も一人で行きます。」

映司がそう言うと、北岡は、わかった。と言い、事務所へ脚を運ばせた。

「ゲフっ…!かはっ!」

事務所へ戻る途中、北岡の身体を悪寒が急に襲いかかり、大きく咳き込んでしまった。口を手で塞いだのだが、その手のひらには血に染まった痰が広がっていた。

「コフっ!コフっ…!俺も、長くは持ちそうにないか。」




第10話、いかがでしたでしょうか。

序盤、オーディンの元にたどり着いたベルデでしたが、圧倒的な力の前に成す術がなく、ゾルダの裏切りにもあい、ついにリタイアしてしまいました。
オーディンのエターナルカオス。様々な媒体で様々な技を披露されていましたが、まぁ、せっかくなのでライダーキックにしてみました。

そして、中盤。
龍騎、ナイト、オーズVSリュウガ
3対1の戦いでも優位に立つリュウガ。
そして、なんと。
ナイトがリュウガの手によりリタイアしてしまいます。
龍騎2号ライダー、ここでまさかの退場です。
しかし

「…お前は、連じゃない…!」

リュウガの放った一言。これの意味する所とは?

ナイトを失った2人のピンチを救ったのは、ベルデを裏切ったゾルダ。
ゾルダの手によりリュウガから何とか逃げ切った3人だったが、解散した後、北岡に病魔が襲いかかる。彼のリタイアも近いのでしょうか。

残るライダーは、オーズ含め8人。

次回、どうなるのか。お楽しみに!
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