仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第17話

HOLD VENT!

 

ベルデは、バイオワイルダーを装備し、リュウガへ投げつける。リュウガは、小さな剣捌きで弾き返していく。

「お前は、一体何なんだ!」

ベルデが叫ぶと、リュウガの動きが僅かに止まった。

「…、何で…?」

リュウガは小さく呟いた。

その瞬間、ベルデのバイオワイルダーがリュウガの右腕に絡み付いた。

「捉えたぜ!」

バイオワイルダーがどんどんきつく締め付けていく。その度、リュウガの右腕の装甲がミシミシと悲鳴を上げていた。

リュウガは、剣を左手に持ち変え、ワイヤーを断ち切った。

「くっ…、このぉ!」

ベルデは、リュウガに肉薄した。

リュウガもそれに応じるが、何故か先程までの動きの鋭さが無くなっていた。

「…っ!!」

「これで、終わりだ!」

 

FINAL VENT!

 

ベルデは、自身のクレストが描かれたカードをバイザーに装填した。

姿を現したバイオグリーザの口から舌が飛び出すと同時にベルデは高く跳躍した。そして、バイオグリーザの舌がベルデの足に括られると、振り子の要領でリュウガに迫った。

 

STRIKE VENT!

 

ところが、リュウガは黒いドラグクローを装備すると、迫り来るベルデの勢いを逆手に取り、クローをベルデの胴体に叩き込んだ。

「ぐはぁ!!」

予期せぬ攻撃が直撃し、ベルデは大きく後方へ吹き飛んだ。

「うぐっ…。」

マスクの下で、ベルデは堪らず嘔吐してしまった。

続く吐き気を堪えながら、何とか立ち上がろうとしたベルデだったが、足腰に力が入らず、膝を着くのがやっとだった。

その時、ベルデは突然頭痛に襲われた。

「ぐっ…あ゙…!何、だ…?」

意識が朦朧とするなか、ベルデは丸でフラッシュバックしたかのように、ある光景が頭を過った。

「リュウ、ガ…。お前、もしかして…。」

 

FLAME VENT!

 

ベルデが何か気づいたようだったが、リュウガは既に最後の一撃に備えていた。

「…はああああ!!!!」

リュウガは、正面にドラグクローを突き出した。放たれたのは、火球ではなく、カードの効力で威力が増した黒い火焔。その炎は、逃げることすら出来ないベルデを容赦なく焼き払った。

ドラグクローから火が収まると、リュウガは脱力したのか崩れるように膝を着いた。

 

 

「木村さん!!」

オーズは、焼かれていくベルデを見て叫んだ。

「お前の相手は俺だ!」

 

ADVENT!

 

王蛇は、三枚のカードを続けて装填した。すると、ジェノサイダーが三体のモンスターに分離し、それぞれがオーズに襲いかかった。

「ぐっ、うわぁ!!」

陸と空中からモンスターの突進、そして大蛇から吐き出される強酸。立て続けに迫るモンスターを相手にオーズは対応しきれず、攻撃を受けてしまった。

「ハハハハッ!!…いい加減飽きてきたぜ…。」

 

FINAL VENT!

 

ベノスネーカーが王蛇の背後に回った。

「ふん!」

王蛇は高く跳躍した。そして、王蛇に向かってベノスネーカーが強酸を吐きつけた。その勢いを乗せ、王蛇がオーズに向かって脚を向けた。

 

ADVENT!

 

オーズと王蛇の間にマグナギガが現れた。

「邪魔だぁ!!」

王蛇は構わず、マグナギガに何度も蹴りを打ち付けた。強酸を纏った攻撃を受けたマグナギガは、全身が焼け爛れ、とうとう倒れこんでしまった。

「喰らえ。」

三体のモンスターがマグナギガに襲いかかり、喰らい始めた。やがて、マグナギガの姿は無くなっていった。

「うぅっ!!」

オーズの後方で、ゾルダの呻き声が聞こえた。

オーズはゾルダの方へ振り向いた。ゾルダの姿は、緑色から色が抜け落ち、灰色になっていた。また、腰に装着されたカードデッキも、ゾルダのクレストが消えていた。

「バカなやつだ…。こんなやつの為に、自分のモンスターを犠牲にするとはな。」

王蛇が鼻で笑って言った。

しかし、同じくゾルダも笑って言った。

「ハハっ…。俺も、まさかここまでバカなだとは思ってなかったよ。けどな。」

ゾルダは、マグナバイザーだった灰色の銃を王蛇に向け、言葉を続けた。

「それでも、あいつを殺らせる訳にはいかないんだよ!浅倉ぁ!!」

ゾルダは、王蛇に弾丸を撃ち込む。しかし、マグナギガを失ったせいか、威力が落ちたのか、王蛇は弾丸をもろともせず、ゾルダに迫った。

「だったら、お前をここで殺す!」

王蛇は、ゾルダから放たれる弾丸の雨の中を駆け、ベノバイザーの柄の先をゾルダに突き刺した。それは、ゾルダの背中まで貫いていた。

「がはっ!?」

「北岡さん!!」

「ハハハッ…、これで俺とお前の決着が着いたなぁ、北岡。」

「…それは、どう、かな!」

ゾルダは声を捻り出すように言った。

 

BULLET VENT!

 

ゾルダは、バイザーにカードを装填すると、銃口を王蛇の胸元に突きつけた。

 

バァン!

 

「ぐっ…!?」

王蛇の背中からカードによって強化された弾丸が突き抜けた。

 

バァン、バン、バン!

 

弾丸がいくつも王蛇から突き抜けて行った。

「ぐふっ…。これが、お前との、決着か…?」

ゾルダに突き刺したベノバイザーから王蛇の手が離れ、仰向けに倒れ込んだ。

「…ハハ、ハハハハッ…!!」

王蛇は、尚も笑い続け、やがて消えていった。

「北岡さん!」

オーズは、同じく倒れこみかけたゾルダを受け止めた。

「…火野。思い、出したぜ…。俺の…本当の、願い。」

「え?」

「俺が、欲しかったのは…、永遠の命じゃ、ない…。お前や、榊原みたいな…、と…」

しかし、ゾルダは言葉を言い切れず、力尽きた。そして、王蛇と同じく消えていった。

「北岡、さん…!」

 

 

『お前の仲間はいなくなった。ライダーを倒さずに来たお前に、私は倒せない。』

オーディンは、勝ち誇るように龍騎に言った。

「ハァ…、ハァ…。北岡…、木村…!まだ終わりじゃない!」

 

FLAME VENT!

 

「はぁぁぁ…、ハイっ!!」

龍騎は、ドラグセイバーに炎を纏わせ、縦に振り下ろした。それは炎の斬撃波となり、オーディンへ迫った。

 

GUARD VENT!

 

オーディンは大きな盾を呼び出し、炎の斬撃波を防いだ。

そして、一歩、また一歩と龍騎に近づいていく。

「くそぉ!」

龍騎は、まだ刀身に炎が残っていたドラグセイバーで、直接オーディンに斬りかかった。

『ふん!』

オーディンは盾を大きく振り、ドラグセイバーを強引に弾いた。その勢いに負け、龍騎はドラグセイバーを手放してしまった。

『ここまでのようだな。』

オーディンは、ゴルトセイバーを振りかざした。

「榊原さん!」

その時、オーズはメダジャリバーを龍騎に投げた。

「うおおおお!!」

龍騎はメダジャリバーを振るった。

『バカな!?』

オーディンは、剣を振り上げていた為に懐が無防備な状態となっていた。そこに、龍騎の斬撃が直撃した。

『ぐっ…!』

「これで最後だ!」

 

FINAL VENT!

 

龍騎は、大きく跳躍した。

 

FINAL VENT!

 

しかし、我に返ったリュウガもまた、龍騎目掛けて跳躍していた。

「リュウガ、ダメだ!」

 

スキャニングチャージ!!

 

リュウガの攻撃を止める為に、オーズもまた跳躍した。

『まだ負けん!』

 

FINAL VENT!

 

ゴルトフェニックスと合体したオーディンも、炎を纏い龍騎に向かって跳んだ。

 

「はあああああああ!!!!」

「せいやあああああ!!!!」

 

 

ズドオオオオオオオオン!!!!

 

 

四人のライダーキックが交差し、大きな爆発を生み出した。

「うっ…!」

オーズは地面に叩きつけられると同時に、元の姿に戻ってしまった。

「うわっ…!」

「ぐっ…!」

龍騎とリュウガもまた、地面に落ちた。

唯一、オーディンだけが着地していた。しかし、オーディンの身体から赤い炎が吹き上げていた。

『こ、の…、私が…。』

オーディンはそう呟くと、地面に倒れ込んだ。そして、炎に焼かれ消えていった。

「…終わった。」

龍騎が呟いた。

 

もし、榊原の言葉が正しければ、オーディンを倒したことで、現実世界へ帰還できるはず。

しかし。

「何も、起こらない…?」

映司は辺りを見回して言った。それらしい兆候も見られなかった。

「おい…。どうなってる…?俺は、オーディンを倒した!!この世界から解放されるはずだ!!そうだろ!?」

龍騎が叫んだ。

「ネグ、ネグ!どこだ!!」

「おめでとう!龍騎君!!」

龍騎が呼ぶとネグが姿を表した。

「ネグ!」

映司が言った。

「おやぁ?お前も生き残ったの?良かったねぇ。」

ネグが映司を見て言った。

「ネグ、オーディンを倒したら、ここから解放されるんじゃないよか!?」

龍騎がネグに問い詰めた。

「んんん??あー、確かにネグはそんなこと言ったね。」

ネグはわざとらしく言った。

「でもねー…。残念!まだまだ足りないのよ。」

「何の話だ?」

龍騎が尋ねた。

「こっちの話。でも、足りないから、申し訳ないけど、もっかいかな。」

ネグが言った。

「もっかい?どういうことだ!話と違うじゃないか!!」

「そんなこと言われても、足りないものは足りないのよ。だから…。」

「足りないのは、セルメダルのことか!?」

映司が言った。

「セルメダル…?えぇっと…。何のことかなぁ?」

ネグがシラを切るように言ったが、映司が畳み掛けるように言った。

「ライダー達の欲望、それをミラーモンスター、いやヤミーを通してセルメダルを増やし、自分の糧にしていく。そうだろ?グリード!!」

「グリード…!?じゃあ、やっぱり火野君の言ったことが?」

龍騎が言った。

「…フフ。フフフフ、うひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

ネグは、大げさに笑い出した。

「さっすがだねぇ、オーズ君!その通り、ネグはグリードだよ!」

ネグは、その正体を認めた。

「けど、グリードは全員倒された。何なんだ、お前は!」

「そ、れ、はぁ。簡単には教えられないなぁ。第一、君は一つ勘違いをしているよ?」

ネグが言った。

「どういうことだ?」

映司が言った時だった。

「…ぷっ。フフ、フフフ…!!」

龍騎が笑い出した。

「榊原、さん…?」

「うひゃひゃひゃひゃ!!ミラーモンスターは、ヤミーじゃあないのよ。」

龍騎が言った。しかし、その口調はネグと同じものだった。

「え…?」

「ヤミーは、彼らさ!」

ネグが指をパチンっと鳴らした。

すると、どこからともなくセルメダルが無数に現れたかと思うと、12の纏まりを作っていった。

「そんな…!」

12のメダルの纏まりはやがて人型になっていくと、一瞬素体ヤミーの姿となり、間もなく、仮面ライダーの姿に変わった。

「ヤミーは、俺達ライダーだよ!」

龍騎が言った。




第17話、いかがでしたでしょうか。

前半、リュウガの手により木村ベルデが、そして相討ちという形でゾルダと王者が消滅しました。
ゾルダは退場直前にブランク態を勝手に設定しました。

そして、龍騎とオーディンの戦いは、見事に龍騎の勝利。
リュウガを残して、ライダーバトルが終了し、龍騎は現実世界へと帰還する…はずが。


ネグの登場により、事態は急変。
自身の正体を明かすと共に、ライダー達がヤミーであることをカミングアウト。それには、戦いに勝ったはずの龍騎も含まれていました。

そして、今まで倒されていったはずのライダー達も復活。


一体何がどうなっているのか。

次回をお楽しみに!
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