仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第2話

「どうなってるんだ?ここ…。」

その時、オーズは何か殺意を感じて咄嗟に回避行動を取った。先ほどまでオーズが立っていた場所に、巨大な鎌が突き付けられていた。

「またヤミーか!?」

オーズは鎌の持ち主を見上げた。そこにいたのは、灰色の巨大な蜘蛛だ。

先ほどの蜂ヤミーはまだ人型ではあったが、今度の蜘蛛の化物は完全に蜘蛛の姿をしていた。

再び、蜘蛛の化物が前肢を持ち上げ、その先にある鎌をオーズに向けて振り下ろした。

「ふっ!」

オーズは後ろに跳躍して鎌をかわした。

「これでどうだ!」

オーズは、二枚のコアメダルを取り出し、オーズドライバーに装填した。

 

タカ!カマキリ!チーター!

 

スキャンすると、腕が蟷螂の力を宿した緑のカマキリアームに、下半身がチーターの力を宿した黄色いチーターレッグに変わった。

そして、両腕に備わっていた緑の剣・カマキリソードを逆手に持ち、構えた。

「ギギ!」

蜘蛛の化物が前肢を振り下ろす。しかし、チーターの脚力の恩恵を受けているオーズは、その脚力から生まれる走力で蜘蛛の化物の攻撃をかわした。

「ハッ!」

オーズは駆け抜けながら、両腕の剣で蜘蛛の化物を何度も切りつけた。

しかし、先の蜂ヤミーとは異なり耐久力があるのか、決定打にはならなかった。

「なら今度は…、うわっ!?」

オーズがメダルを入れ替えようとしたとき、蜘蛛の化物が蜘蛛の糸をオーズの身体を縛り付けるように吐き出し、その動きを封じたのだ。

「まずい…!」

蜘蛛の化物の引っぱる力は凄まじく、オーズの身体は徐々に蜘蛛の化物に引き寄せられていく。

「カチっカチっ」

蜘蛛の化物が牙を鳴らす。

こいつ、俺を食べる気か!?

そう理解したオーズは、何とかして脱出を試みるも、蜘蛛の糸は千切れる様子を見せなかった。

 

STRIKE VENT!

 

突然、どこからか電子音が聞こえた。

その途端、大量の水流が蜘蛛の化物を襲いかかった。

その膨大な水圧に負けた蜘蛛の化物はバランスを大きく崩した。

「うわっ!」

蜘蛛の化物がバランスを崩したことで蜘蛛の糸が切れ、オーズの身体は解放された。

オーズは水流が飛んできた方向に視線を向ける。その先には青い身体に鎧を身につけた人の姿があった。甲冑のような頭部の形はまるで…。

「鮫?」

 

FINAL VENT!

 

鮫の騎士は腰部のベルトからカードを引き抜き、左腕の鮫のような手甲に装填した。

すると、右腕に、左腕のものより一回り大きい鮫型の手甲が装着される。それと同時に、上空に巨大な青い鮫型のモンスターが現れた。

鮫の騎士は、蜘蛛の化物に向かって駆け出した。

「ハアッ!!」

鮫の騎士は、右腕の手甲を蜘蛛の化物の懐に叩き込んだ。そして手甲から膨大な量の水が発生し、その圧倒的な水圧で蜘蛛の化物を宙に飛ばした。

そして、飛んでいく蜘蛛の化物の直線上に青い鮫型モンスターが移動し、頭部に備えられた鋸状の刃を展開し、大きく振りかざし蜘蛛の化物を両断した。

「ギギャアアア!!」

倒された蜘蛛の化物から光る球体が現れたかと思うと、青い鮫型モンスター・アビソドンがそれを食べるように吸収した。

「あ、ありがとうございます。」

オーズは、今起きた状況を上手く飲み込めないでいたが、鮫の騎士に礼を言った。

「あの、貴方も仮面ライダーですよ…!」

「ふん!」

「うわっ!?」

オーズが鮫の騎士に近づいた時、鮫の騎士が急に手甲を打ち込んできた。突然のことで、オーズはかわせず直撃してしまった。

「な、何で!?」

「何故?理由は簡単だ。お前もライダーだからだ!」

そう言うと、鮫の騎士・仮面ライダーアビスがオーズに攻撃を仕掛けた。

「ちょ、ちょっと!?」

オーズは、アビスの攻撃をかわす。何故、仮面ライダーが攻撃を?オーズは理解できなかった。それに正体不明のこのライダーと戦う理由がわからなかった。

 

SWORD VENT!

 

アビスは左腕に装着された手甲・鮫召機甲・アビスバイザーにカードを装填すると両手に鋸状の剣・アビスセイバーを二振り手にした。

「くっ!」

オーズはメダジャリバーでアビスの剣を受け止めた。

その時、後方から別の気配を感じた。

「え!?」

オーズが振り向くとその視線の先に、橙色の蟹のような姿をした騎士がいた。

「またライダー?」

「鎌田さん、貴方だけズルいですよ?そんな獲物を独り占めして。」

「須藤か。お前には関係ない!」

アビスが蟹の騎士・仮面ライダーシザースに言った。

「私も混ぜて貰いますよ!」

 

STRIKE VENT!

 

シザースも左腕の手甲・甲召鋏シザースバイザーにカードを装填。右腕に巨大な蟹の鋏・シザースピンチが装着され、身動きの取れないオーズに迫った。

「え、嘘!?」

 

タカ!ゴリラ!チーター!

 

オーズはメダルを装填し、ゴリラの力を宿した白いゴリラアームに変化させた。ゴリラの腕力を生かし、アビスの剣を弾き返した。

「何!?」

そして、オーズは迫りくるシザースに向け、構えた。

 

ADVENT!

 

今度は、鋼の犀型モンスターが突進してきた。

「うわあっ!」

猪突猛進。文字通り犀型モンスターの突進を受け、オーズは大きく吹き跳んだ。

「おいおい…。そいつ、何だよ?」

続いて鋼色の犀の騎士・仮面ライダーガイが現れた。

「芝浦…!ええい、俺の獲物を!」

アビスが悪態ついた。

「そんな寂しい事言わないで下さい。我々は"一応"チームなんですから。」

シザースが言った。

「ま、ライバルには早々に退場して貰わないとね!」

 

STRIKE VENT!

 

ガイは左肩の装甲・突召機鎧にカードを装填、先ほど現れた鋼の犀型モンスター・メタルゲラスの頭部を模した手甲・メタルホーンを装備した。

タトバコンボにチェンジしたオーズはメダジャリバーを用いてガイの攻撃を何とかやり過ごす。が、シザース、アビスも加わり、オーズは追い詰められていった。

「どうして!仮面ライダー同士が戦わなきゃいけないんだ!」

オーズは叫ぶように訴えた。

「あん?おたく、もしかしてライダーバトルの初心者?」

ガイが怪訝そうに言った。

「ライダー、バトル?」

オーズは問い返した。

「…ふぅん。だったら、何も知らないうちに消してやるよ!」

 

FINAL VENT!

 

再びメタルゲラスが現れると、ガイはメタルゲラスの肩に飛び乗った。そして、メタルホーンを前に突きだし、メタルゲラスの走力をエネルギーに変え突っ込んで来た。

 

ADVENT!

 

再び電子音が聞こえた。

「うわっ!」

次の瞬間、白鳥型のモンスターと紅色のエイ型モンスターが飛翔し、突進してきたガイを逆に突き飛ばした。

「貴様ら!」

アビスがモンスター達が飛来した方を見て言った。

そして、オーズの前に、白い白鳥の騎士と紅のエイの騎士が立った。

「ファム、ライア…!こんな時に!」

 

SWORD VENT!

 

SWING VENT!

 

白鳥の騎士・仮面ライダーファムとエイの騎士・仮面ライダーライアは、それぞれカードを装填するとファムは薙刀状の剣・ウイングスラッシャーを、ライアは鞭状の武器・エビルウィップを手にし、オーズをそっちのけでアビス、シザース、ガイに攻撃を仕掛けた。

「ちっ、邪魔すんなよ!」

ガイが言った。

「これ以上の戦いは無意味だ!」

ライアが訴えた。

「意味はありますよ?勝ち残った者にだけですがね!」

シザースが言った。

「死んだ者の思いも知らずに!」

ファムが言った。

「甘いな!そんな認識で生き残れると思っているのか!」

アビスが言った。

「ちょっと、何がどーなってんの!?もう何だこれ…。」

完全にオーズは置いてきぼりだった。

 

トン…。

 

ふとオーズの肩に何者かの手が置かれた。

「訳がわからねぇか?」

「え?」

オーズが振り向くと、蛇柄の革ジャンを着た男がいた。金髪で目つきが異様に鋭く、赤く充血していた。

「簡単な話だ。やつらはな。己の願いを叶える為に命を掛けて戦っている。」

蛇柄の革ジャン男が言った。

「願いを叶える?でも、その為に戦い合うなんて…。」

「おかしいか?だが、そんな単純な理由だから戦える。俺も願いを叶える為に戦っているからなぁ。」

蛇柄の革ジャン男が言った。

「貴方の、願いって…?」

「…戦いだ!」

そう言うなり、蛇柄の革ジャン男はオーズをいきなり蹴飛ばした。

「うっ!」

「ははは!俺を楽しませろ…!」

そして蛇柄の革ジャン男・浅倉威はコブラのクレストのある紫色の四角い物を前にかざした。すると、どこからともなく銀色のバックルが現れ浅倉の腰に装着された。

「変身!」

浅倉はバックルに紫色のカードデッキを装着した。幾重にも鎧の幻影が浅倉の身体に重なり、やがて紫のコブラの騎士・仮面ライダー王蛇に変身した。

「あ゙ぁ~…。」

 

SWORD VENT!

 

王蛇は変身するなり、コブラを模したステッキ・牙召杖ベノバイザーにカードを装填。コブラの尻尾を模した剣・ベノサーベルを手にし、オーズに向けて振り回した。

「うわぁ!!」

王蛇の乱れ切りに対応しきれず、オーズを刃が襲った。

「っ!?浅倉!!」

シザースが反応した。

「今度は、お前が遊んでくれるのか!」

続いて王蛇は、シザース達の戦いに乱入していった。

「浅倉!!」

ファムも反応し、攻撃をしようとしていたが、ライアに止められた。

「止せ、今はやつと戦う時じゃない。一旦退くぞ。」

ライアがファムに言った。

「…くっ!」

ファムは恨めしそうに王蛇を見たが、ライアの意向に則った。

「…来い!」

ライアがオーズの手を取った。

「え!?」

「話は後!」

ファムもそう言い、ライア、ファム、オーズはその場を後にした。

「凶悪な犯罪者が!」

アビスが二振りのアビスセイバーを振りかざす。が、片手にベノサーベル、片手にベノバイザーを持っていた王蛇は、それぞれの武器でアビスの剣を力任せに弾いていく。

「そんなもんか!もっと俺を楽しませろ!」

「この戦闘狂が!」

シザースがシザースピンチを手に王蛇に迫る。

 

SHOOT VENT!

 

ズドオオオオン!

王蛇に目掛けて、砲弾が飛んできた。

王蛇は辛うじて避けたが、先ほどまで王蛇がいた場所はコンクリートが砕け、大きな穴を作った。

「やれやれ…。戻ってくるのが遅いかと思えば、何めんどくさいのに捕まってんの。」

砲撃の斜線上には、緑色のメカニカルな騎士が長大なバズーカ砲を構えて言った。

「北岡か…。会えて嬉しいぜ。」

王蛇が言った。

「俺は全然嬉しかないよ!」

 

ズドオオオオン!

 

メカニカルな騎士・仮面ライダーゾルダは再び砲撃した。

「はははははは!!」

王蛇は恐れる素振りを見せず、笑いながら砲撃から逃げていた。

「何突っ立ってんの!撤退だよ撤退!」

ゾルダがそう言うと、アビス達もその場から離れていった。

「まだだ…。まだ全然満たされねぇ!!どこ行きやがった!!俺と戦え!!」

王蛇は悲鳴とも取れるように叫んで言ったが、虚しくも何も返事はなかった。




第2話、いかがでしたでしょうか。

ミラーワールドに取り込まれたオーズに襲い掛かる巨大な蜘蛛の化物。龍騎本編第1話に登場した蜘蛛型モンスター・ディスパイダーです。
龍騎本編第1話をオマージュして、オーズの相手として戦わせました。

そして、その戦いに乱入してきた、オーズが初めて遭遇するライダー。
仮面ライダーアビスです。まさかのアビスです。笑
ディケイド本編で初登場したミラーワールド由来の仮面ライダーです。『RIDER TIME』において、ファムを差し置いて13RIDERの一人として登場したことで、龍騎公式の公認(?)を得ました。
故に、今作に置いても例外なく登場させました。

だからといって、ファムを省くなんてことは、私はしません。笑

オーズに突然襲い掛かる、アビス、シザース、ガイ。
オーズを助けた(?)、ライア、ファム。
いつも通り乱入してきた、王蛇。
アビス達を助けたゾルダ。

この戦いは、一体どうなっていくのか。

第3話、お楽しみに。
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