仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第23話

オーズは、プトティラオーズにメダジャリバーを振り下ろす。が、プトティラオーズは、メダガブリューで力任せにそれを弾く。

「ぐっ…。おお!!」

勢いよく弾かれたメダジャリバーを手放さんと、オーズは柄を強く握り、再び振り下ろした。

「ぐぁっ!」

それは、プトティラオーズの胸を捉えた。しかし、プトティラオーズは怯まず、左拳をオーズの顔面に叩きつけてきた。

「おわっ!」

オーズの視界が大きくぐらついた。

 

ゴックン!

 

プ!ト!ティラーノ!!

ヒッサーツ!!!

 

怯むオーズに向け、プトティラオーズは、銃型に変形させたメダガブリューから光弾を発射した。

「させるか…!!」

 

スキャニングチャージ!!

 

視界が揺らぐ中、オーズはメダジャリバーをスキャンし、光弾を切り裂いた。

「ははっ!いいねぇ!!」

プトティラオーズは、笑いながら尚もオーズに迫った。

 

 

 

BLAST VENT!

 

ナイトサバイヴがカードを装填すると、契約モンスターであるダークウイングがダークレイダーへ変身。両翼に仕込まれたタイヤのような部分から竜巻が産み出され、オーディンへ放った。

 

SHOOT VENT!

 

リュウガサバイヴもまた、カードを装填。細身のドラグブラッカーがさらに体格の良くなったドラグシュバルツァーへ変身。同じく、オーディンへ火球を放った。

オーディンへ直撃する前に、竜巻と火球が合わさり、炎の竜巻となりオーディンへ襲いかかった。

 

HOLLY VENT!

 

オーディンがカードを装填すると同時に、炎の竜巻が直撃した。

「やった!?」

「…いや、まだだ。」

リュウガサバイヴが声を漏らしたが、ナイトサバイヴが炎を見据えて言った。

赤い炎の色が金を伴う七色に変わった。そして、丸で大きな翼が羽ばたく為に大きく広げたように火柱が立ったかと思うと、中から無傷のオーディンが現れた。

 

ADVENT!

 

オーディンがカードを装填すると、ゴルトフェニックスが飛翔。ダークレイダーとドラグシュバルツァー2体を相手取った。

「ちぃ!!」

 

SHOOT VENT!

 

ナイトサバイヴは、ボウガン状に変形させたダークバイザーツヴァイから、オーディンに向けエネルギー弾を放った。

 

『無駄だよぉ。』

 

エネルギー弾が直撃する寸前、オーディンが姿を消した。

「何!うわっ!?」

「蓮!うわっ!?」

ナイトサバイヴとリュウガサバイヴに突然斬撃が襲いかかった。

「くそっ、十八番なやつが来たか!」

リュウガサバイヴは、オーディンの能力を熟知していた。

 

STRANGE VENT!

 

リュウガサバイヴは、新たにカードを装填。しかし、装填された直後、バイザーからカードが戻された。だが、カードに描かれた絵柄が変化しており、リュウガサバイヴは、再びカードを装填した。

 

BABBLE VENT!

 

「はっ!」

リュウガサバイヴは、黒いドラグバイザーツヴァイを振り回した。それと同時に、バイザーから泡が吹き出された。

 

『ぐっ!?』

 

泡状の機雷の爆発とともに、オーディンが姿を現した。

 

TRICK VENT!

 

ナイトサバイヴから、数体の分身態が現れ、それぞれがオーディンに剣を振り下ろそうとした。

 

CONFINE VENT!

 

しかし、オーディンのカードの効力により、ナイトサバイヴの分身態が消えてしまった。

 

『ぐはっ!?何で!?』

 

が、それとは別の存在により、オーディンは斬撃を受けてしまった。

そこには、数体のリュウガサバイヴ分身態がいた。

「へん!こっちにも同じのがあるからな!」

リュウガサバイヴが言った。

 

『ちきしょう!』

 

オーディンは徐々に押されていたが、カードを装填しようと、バイザーのカバーを降ろした。

「今だ!」

ナイトサバイヴがオーディンの元へ一気に距離を詰めた。

 

『何!?』

 

「これは手土産だ。」

ナイトサバイヴはそう言うと、時計のような絵が描かれた一枚のカードを、ゴルトバイザーに強引に読み込ませた。

 

TIME VENT!

 

『うっぐ…。な、何を…!?』

 

オーディンが苦しみ出した。

「おい蓮!今の…!?」

「話は後だ。一気に片付けるぞ!」

何かを言いたげなリュウガサバイヴを余所に、ナイトサバイヴは自身のクレストの描かれたカードをバイザーに装填した。

「…わかった!」

リュウガサバイヴもそれに倣った。

 

FINAL VENT!

FINAL VENT!

 

ダークレイダーとドラグシュバルツァーが飛来すると、それぞれバイクのように変形した。二人のライダーはそれぞれのバイクに股がった。

ダークレイダーから一筋の閃光が走り、オーディンに直撃した。すると、オーディンの身体は硬直してしまった。

「うおおおおお!!!!」

「はあああああ!!!!」

オーディンを挟むように、二台のバイクがオーディン目掛け突進。そして、オーディンを粉砕した。

「やったのか…。」

「ああ…。」

リュウガサバイヴの言葉に、ナイトサバイヴが一言返した。

「…。」

二人のライダーは、黙ったまま向かい合っていた。しかし、先に動いたのは、デッキを抜き元の姿に戻った真司の方だった。

そして、それに倣いナイトサバイヴも黒いコートを着た男の姿に戻った。

「蓮…!」

真司の瞳に映った男。それは、やはり秋山蓮そのものだった。ただ、ライダーヤミーが化けた姿よりも歳を重ねた顔立ちだった。

「城戸…。」

蓮は、真司の顔を見るなり、喜びとも困惑したとも取れる複雑な表情をしていた。

「お前は、城戸なのか?」

蓮が言った。

「ああ!」

真司は強く頷いた。

「…この世界のライダーは、人間じゃないはずだ。」

「え…、どうしてそれを!?」

蓮の言葉に、真司が問い返した。

「神崎士郎だ。」

「神崎…!?」

「ああ…。俺が再びミラーワールドに突入できたのも、やつのお陰だ。再びミラーワールドが開かれた。ナイトとなって、閉じろ。とな。」

「それって、あいつと同じことを…。」

蓮の話は、真司が虚像の真司から聞いたことと同じだった。しかし、何故神崎士郎が蓮に接触したのか。真司は疑問に思ったが、考えてもその答えは見つかりそうもなかった。

「それより、死んだはずのお前が…、何故リュウガとして戦っているんだ!?」

「それは…。」

真司が、蓮の問いに答えかけた時だった。

 

 

ドオオオオン…。

 

 

遠くの方で爆発音が聞こえてきた。

「何だ!?」

「まさか…!」

真司達とは別の何かが戦っている。考えられることは一つだ。真司は、蓮に答える前に走り出していた。

「おい、城戸!!」

蓮もまた、真司に続いた。

 

 

「はぁ…、はぁ…。」

オーズは膝を着いていた。

「そろそろ認めなよ。」

プトティラオーズが呆れるように言った。

「認めない…。俺は、お前を!」

オーズは立ち上がると、トラクローを展開させ、再びプトティラオーズへ迫った。

オーズは両腕の爪を振るうも、プトティラオーズには届かず、メダガブリューの刃に襲われてしまう。

「ぐっ…!うわっ!!」

とうとう、映司は元の姿に戻ってしまった。

「お前に、俺の恐怖心に、潰されてたまるか…!」

映司は、歯を食い縛りながら言った。

「恐怖心…?違うだろ。俺は恐怖なんて感じてない。」

プトティラオーズが言った。

「何を…!」

「恐怖心があれば、今までみたいな無鉄砲な戦いなんて出来ないよ。」

「それは…。」

映司は言葉を詰まらせた。言われてみれば、今まで自分の命を捨てる覚悟で戦ってきた。伊達や後藤にも指摘され自覚はしていた。でも、誰かの命が奪われることも恐れている。それが、目の前の自分ではないのか?

「俺は、俺の恐怖心なんかじゃない。自覚がなさそうだから、教えてあげるよ。」

プトティラオーズは言葉を続けた。

「俺は、ライダーバトルというシステムに怒りを感じたよね?だから、俺が、一人葬った。」

「え!?」

「それに、ライダー達がヤミーだとわかり、命を馬鹿にされたことにも怒りを覚えてたよね?だから…。」

「また、ライダーヤミー達を倒したのか?」

確かに、映司はライダー同士が命を奪い合う状況に憤りを感じていた。そして、ライダー達の正体が分かると怒りを感じていたことも事実だった。

「じゃあ…、お前は!?」

「そうさ。俺は俺の怒りや憤りを体現しているのさ。それが、俺の本性だからね!」

「そんな…!」

「だから破壊する!全てを破壊し、俺は本当の俺になる!」

プトティラオーズが、斧を振り下ろす。映司は、力を振り絞り、何とかかわした。

「それが、本当の俺…?」

破壊を望む自分。それは、怒りの感情。怒りのまま、本能のままに暴れすべてを破壊する。それが目の前の自分だというのか。

思えば、欲を無くしたあの日に感じた感情は"怒り"だった。

貧困に苛まれていた村へ、良かれと思って行った自分の愚かな行為への怒り。

その結果、一つの小さな命を失わせてしまった怒り。

政治の力で自分だけが生き残ってしまった自分の情けなさに対する怒り。

そして、それを美談としてしまった、父親への怒り。

その怒りの行く末が無欲。果ては欲望の王・オーズという力の会得。それが本当の自分だというのなら、今の自分は何だ…?それを受け止める。どうすればいい。映司は、答えを見つけられないでいた。そして、力んでいた身体から力を抜いた。

「…覚悟を決めたかい?」

様子を見ていたプトティラオーズが言った。

「…。」

映司は答えなかった。いや、答える術を持っていなかった。

「さようなら、偽りの俺。」

プトティラオーズが再び斧を手に、映司に迫った。

 

『しっかりしろ、映司!!』

 

「っ!?」

映司は、誰かに呼び掛けられたことで、プトティラオーズの一撃から咄嗟にかわした。

「何?」

「今の、声は?」

映司を呼ぶ声。それは聞き覚えのある、懐かしいものだった。

 




第23話、いかがでしたでしょうか。

前半、リュウガサバイヴとナイトサバイヴが、オーディンとの戦いに決着をつけます。
オーディンのみ所有しているはずの"TIME VENT"を所持していたナイトサバイヴ。何故彼が持っていたのか。

オーディンを倒し、互いに姿を現した真司と蓮。蓮は、神崎士郎の手により、再びライダーの力を得たと語ります。消滅したはずの神崎士郎。再び蓮の前に現れた真相とは…。
こちらの蓮は、『RIDER TIME』の蓮の様相と思って頂ければと思います。

余談ですが、リュウガサバイヴに伴いドラグブラッカーも変化する訳ですが、『SIC』に準ずるとダークドラグランザーと変貌します。が、一応ドラグレッターの別個体であるのに"ダーク"はどうかと思ったので、ドラグシュバルツァー(シュバルツ=黒)としました。名前のみの変更で、見た目はドラグランザーそのものですが。笑

後半、オーズとプトティラオーズ戦。
ここで、プトティラオーズ・もう一人の火野映司の正体が明らかとなりました。
破壊を求める彼の原動力、それは"怒り"。
映司本人もあまり自覚していなかった感情が、プトティラオーズとして現れたということになります。
無欲となった切っ掛けの事件についての心情は、勝手な妄想ですが、あり得なくはないかと思い設定しました。

そんな事実を突きつけられてしまった映司。彼を呼ぶ声の正体は。

次回もお楽しみに!
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