仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第24話

「本当の自分を見失うな!」

声の方を見ると、そこには真司の姿があった。

「城戸、さん?」

「お前の過去に何があったかは、俺は知らない。けどあいつは、過去の自分に囚われたままなんじゃないか!?今のお前は違う。オーズの力を使って得たもので、どれだけの命を救ってきた!?」

真司が映司に檄を飛ばした。

「あいつは、破壊することしか知らない。でも、今のお前は絆を繋いでいけるんだろ!?そんな簡単に諦めるな!!」

「…。」

そうだ。オーズの力で救ってきた命もあれば、繋いできた絆だってあった。比奈や慎吾や知世子、後藤に伊達、鴻上会長。そして…。

「…アンク。」

映司は、無意識の内に呟いていた。

「いちいちうるさいな…。邪魔するなよ!」

プトティラオーズが真司へ迫ろうとした。しかし、映司はその行く手を遮った。

「お前の言う通りかもしれない。」

映司は、プトティラオーズに言った。

「ん?」

「あの時、俺は自分に対して怒りを感じたし、この戦いでも感じた。それが、本当の俺かもしれない。でも、今の自分が偽りのものだなんてことはない!」

映司は言った。

「オーズの力が破壊する力だとしても、その力で繋いできた絆だってあるし、これからも繋いでいく!それは簡単には壊させやしない!!」

映司は、赤いコアメダルを手に取った。

「俺はオーズ(欲望)の器だ。破壊を求めるお前も受け入れる!」

そして、映司はオーズドライバーに赤いコアメダルを装填した。

「馬鹿な…!」

プトティラオーズが攻撃を仕掛ける。

「変身!!」

 

タカ!クジャク!!コンドル!!!

 

「ぐわっ!?」

映司なら現れたオーラングサークルの幻影に、プトティラオーズは弾き飛ばされた。

 

ター!ジャー!!ドルー!!!

 

映司は、オーズ・タジャドルコンボに変身した。

 

「あれは…?」

真司に追い付いた蓮が言った。

「あいつは、ここを閉じる為の鍵だ。」

真司は答えた。

「はっ!」

オーズは、プトティラオーズへ迫った。

「ちぃ!」

プトティラオーズが斧を振るうが、オーズはそれを受け流し、大振りによって生まれた隙を狙って攻撃を加えた。

「負けない!」

オーズは、背中の羽を広げ空へ飛んだ。プトティラオーズも、それに倣う。

「こんの!」

プトティラオーズが、メダガブリューをバズーカモードにし、エネルギー弾を放った。

オーズは、エネルギー弾をかわしながら、左腕のタジャスピナーから同じくエネルギー弾を撃ち込む。プトティラオーズもまた、エネルギー弾をかわしていく。

飛翔しながら、お互いが近づけば、プトティラオーズは斧を、オーズは拳を振りかざす。両者とも一歩も退かずに戦い続けた。

「破壊してやる!」

 

スキャニングチャージ!

 

プトティラオーズが、コアメダルをスキャン。両肩から触手状の爪を伸ばした。

「させるか!」

オーズはプトティラオーズの爪を掴み、振り下ろした。

「うがっ!!」

振り下ろされたことで、プトティラオーズは地上へ叩き落とされてしまった。

 

スキャニングチャージ!

 

オーズもコアメダルをスキャン。両足を猛禽類の脚のように展開させ、その鋭い爪を地上のプトティラオーズへ向けた。

「おおおおお!!!!」

「うおあああ!!!!」

オーズはプトティラオーズへ向かって急降下をするも、プトティラオーズは、腰から伸びた冷気を帯びた尻尾を降り、迫るオーズを叩き落とした。

「うわっ!?」

「ぐっ…!」

オーズとプトティラオーズは、よろよろと立ち上がった。

「そうやって、結局破壊するだけじゃないか…!」

「はぁ…、はぁ…、違う!」

オーズは、プトティラオーズの言葉を否定した。

「お前は過去に囚われたまま、氷の中に閉ざされているんだ。」

オーズは、プトティラオーズの様相を見て言った。

「その氷を溶かして、受け入れる!」

オーズは、ドライバーからコアメダルを取り出し、タジャスピナーへ装填した。さらに、セルメダルも装填し、オースキャナーでスキャンした。

 

タカ!クジャク!コンドル!

ギン!ギン!ギン!ギガスキャン!!

 

オーズの背中に羽が展開されたかと思うと、さらに全身を眩い輝きを放つ炎に包まれた。

「ふざけたことを!!」

 

ゴックン!

 

プ!ト!ティラーノ!!

ヒッサーツ!!!

 

プトティラオーズも、メダガブリューにセルメダルを装填し、バズーカモードを構えた。

「はああああ!!!!」

炎を纏ったオーズは、プトティラオーズへ突進した。その炎はやがて火の鳥のようになった。

プトティラオーズは、迫るオーズへエネルギー光線を放った。

それは火の鳥に直撃した。

「うおおおおおおお!!!!」

押し返されそうになるオーズは、雄叫びを挙げて進んだ。そして、ついに光線を弾き、火の鳥はプトティラオーズを貫いた。

「ぐああああああ!!!!」

炎に焼かれたプトティラオーズは、膝を着くと同時に黒スーツの映司の姿に戻った。

「…。」

オーズは、黒スーツの映司へ振り向いた。

「おっしゃ!」

その様子を見ていた真司も声を挙げていた。

「…さすが、俺だね。」

黒スーツの映司は立ち上がって言った。

「俺も、気づかなかったよ。俺の中にある陰なんて。」

オーズは黒スーツの映司に言った。

「けど、その陰にお前は勝ったんだ。もう俺は消えるしかない。」

「そんなことはないさ。」

真司が黒スーツの映司に言った。

「お前は消えやしない。映司の中で生き続ける。」

「そうか…。」

黒スーツの映司は、オーズを見て言った。

「俺は…、うぐっ!?」

黒スーツの映司が何か言いかけた時だった。

「え!?」

オーズは、黒スーツの映司の背後に何かがいることを捉えた。

「これで、手に入った…!」

黒スーツの映司の背後にいたのは、龍騎だった。

「榊原!!」

真司が言った。

龍騎は、黒スーツの映司の背中に突き刺した腕を引き抜いた。

「とうとう手にいれた。現実世界のコアメダル!!」

龍騎の手に、三枚の紫のコアメダルが握られていた。

「くぁ…。」

黒スーツの映司は地面に伏せてしまい、やがて消えてしまった。

「そんな!?」

オーズが声を漏らした。

「それで何をするつもりだ!!」

真司が龍騎に言った。

「それは、ネグが教えてあげるよぉ!!」

甲高い声と共に、グリード・ネグが現れた。

「ネグ!!」

オーズが言った。

「ここまで、よく生き残れたねぇ?ご褒美って訳じゃないけど、せっかくだからネグのことを話してあげるよ。」

ネグが言葉を続けた。

「ネグはねぇ。鏡の中で生まれたの。」

「何?」

オーズが言った。

「いつかは忘れちゃったけど、一枚のセルメダルが、このミラーワールドに紛れ込んだ。そしてそのメダルが辿り着いた先は、ミラーワールドを形成するコアミラー。そのコアミラーから放たれるライダー達の残留思念に共鳴したセルメダルは、コアミラーを取り込み、鏡のコアメダルとなった。それがネグって訳!」

「なら、お前がこの世界の中心なのか!?」

蓮が言った。

「そうそう!この世界はネグそのものなのよ!」

「お前の慾望はなんだ!なんでライダーの残留思念を利用してまでセルメダルを集めたんだ!」

オーズが言った。

「…この姿をみて、何とも思わねぇの?」

ネグの声色が低くなった。

「こんな、全身色の抜け落ちたような姿。これって生きているって言える?」

ネグが自分を指して言った。

「ネグは、この世界でしか生きられない。こんな閉鎖された世界にいてもつまらないんだよ。でも、現実世界は違う。とてもキラキラしていて、そこに住まう生物はみんな生き生きとしている。なんでネグはそこへは行けないの?」

「…まさか、外に出たいのか?」

真司がネグに言った。

「鏡のコアメダルじゃ、現実世界で身体を維持できない。だから、欲しかったんだ。君のコアメダルが。」

ネグがオーズを指して言った。

「もしかして、俺がこの世界に引き摺り込まれたのは、お前の仕業だったのか!?」

「そうだよ!」

オーズの問いに、ネグは答えた。

「現実世界のコアメダルを取り込めば、ネグは現実世界に行ける。それに、ここは鏡写しの世界。君をこの中に引き込めば、君が失った恐竜系のコアメダルも手に入ると思ったの。上手くいったよ!」

オーズはそれを聞いて、心底腹が立っていた。

「お前…、もう一人の俺まで利用したのか!」

「なんてやつだ…お前!!」

真司の言葉からも憤りを感じた。

「後はコアメダルだけ持っててもしょうがないから、強い身体を作る為にライダーの残留思念を使ってセルメダルを増やしたって訳。頭いいでしょお?」

ネグはそう言うと、龍騎から紫のコアメダルを受け取った。

「あらよっと!」

そして、ネグは紫のコアメダルを取り込んだ。

「うう…。わかる、わかるよ。ネグのコアメダルが現実世界のコアメダルと共鳴してるよ…、あがががが!!」

すると、ネグの身体の中を何かが這っているように、身体をが膨れあがって言った。

それは三倍、四倍に膨れあがり徐々に人としての姿からかけ離れていった。

「何だあれは!」

さらに、ミラーワールド各所から無数のセルメダルが飛来し、ネグの身体に取り込まれていった。

「うぅ…あぁ…!!」

「榊原!?」

真司達の目の前で、龍騎もまたメダルの塊になったかと思うと、同じくネグに取り込まれていった。

「丸で全てのミラーモンスターをひとつにしたようだぞ!」

蓮が言った通り、巨大化していくネグの身体の各所は、それまで見たミラーモンスターの特徴が現れていた。やがて、ネグの変異は止まった。八足に長大な三股の尻尾を持ち、辛うじて人型を保っている胴体から4対の翼のようなものが生えていた。鋭い爪を備えたものと、鋏を備えたものの2対の腕をもっていた。

そして、鮫のような頭から3本の角と六つの目を備えた、開いた口から長い舌が垂れ下がっていた。異形。それが当てはまるその姿だが、全身は人型のネグの時と同じように、銀色だった。

「ドーダイ!?コレガ ネグノ 力ダヨ!」

甲高い声と低い声が混ざった、気持ちの悪い声色で、ネグは言った。




第24話、いかがでしたでしょうか。

前回、映司に声を掛けたのは真司でした。"彼"の声とダブってしまったのは何故でしょうか。

プトティラオーズを打ち破る為に、タジャドルコンボで決戦に望みました。奇しくもオーズ本編最終回、タジャドルVS恐竜グリード(Dr.真木)戦を彷彿させるよう。狙いましたが。

そして、オーズは無事にプトティラオーズに勝利。裏の自分を受け入れることができました。

が、そこへ龍騎が奇襲。黒スーツの映司から恐竜系コアメダルを奪取し、ネグの手中に収まってしまいます。
鏡の中のグリード・ネグ。その正体は、偶然にもミラーワールドに紛れ込んだセルメダルが、ミラーワールドの心臓部コアミラーを取り込んで誕生した"鏡のコアメダル"を媒介に誕生したグリード。
そして、ネグの行動原理は、生き物として生きる為に現実世界へ出ること。現実世界へ出る為には現実世界のコアメダルが必要となり、その為、ミラーワールドのライダー達の残留思念、映司、そして黒スーツの映司を利用してきた。ということです。

そして、恐竜系コアメダルを取り込み怪物となったネグ。
映司、真司、そして蓮。三人はネグの野望を打ち砕くことが出来るのか。

次回、最終章開始。
お楽しみに!
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