単純に忙しくなってしまっただけで、筆者は至って元気であります。
「…アンク!?」
映司が、オーディンに向かって言った。
「現実世界ノ グリードォ!?」
ネグも驚いていた。
『泉信吾の身体より違和感はあるが…、鳥類系の身体なら悪くはないか。』
オーディン(アンク)は、自身の身体をまじまじと見ながら言った。
「…アンク!」
映司がオーディン(アンク)に言った。
「ネグを倒すには、鏡のコアメダルを壊さないといけない!それも同じ鏡の世界の恐竜系のメダルで!それを…取り返してほしい!」
『恐竜系コンボか…。』
オーディン(アンク)が考えるように言った。
『…おい、お前ら!俺がメダルを取り返す。アイツの気を逸らして隙を作れ!』
オーディン(アンク)が、リュウガとナイトに言った。
「はあ?なんでお前の指図を受けなきゃいけないんだよ!」
「いいから、行くぞ。」
突然人格が変わったオーディンからの指示に、反感を持つリュウガだったが、それをナイトがなだめた。
SURVIVE!
SURVIVE!
リュウガとナイトは、それぞれサバイヴ形態へ変わった。
ADVENT!
ADVENT!
さらに、それぞれモンスターを呼び出すと、二人のライダーはその背に飛び乗った。
「行け!」
リュウガサバイヴの掛け声に応じたドラグシュバルツァーは、火球を吐きながらネグに迫った。
SHOOT VENT!
ナイトサバイヴも、ダークバイザーツバイから同じく、光弾をネグに放つ。
「グウウウ!!邪魔邪魔邪魔ァ!!」
ネグは、胸部から無数のミサイルをライダー達に向け撃ち出した。
「グオオオオオオオ!!」
「キィィィィィィィ!!」
ライダー達を乗せたモンスター達は、ネグの攻撃を避ける。直撃しそうなものは、ライダー達が処理していた。
『それでいい…、はっ!!』
オーディン(アンク)は、ネグの首元を狙って飛翔した。
「!?来ルナァ!!」
ネグは、三股の尾を振りかざし、刃のような先をオーディン(アンク)へ振るった。
『ちぃ!!』
オーディン(アンク)は、刃状の尾から避ける為にネグから大きく距離を取ってしまった。
「こんの!!」
それを見かねたリュウガサバイヴは、ドラグシュバルツァーでネグに突進した。
「グェッ!!」
BLAST VENT!
ナイトサバイヴもまた、ダークレイダーから竜巻を発生させ、ネグを攻撃した。
『その調子だ!』
オーディン(アンク)は、再びネグに迫る。
「おわっ!!」
しかし、ネグは頭の角をドラグシュバルツァーへ飛ばし、ドラグシュバルツァーごとリュウガサバイヴを撃ち落とした。
「城戸!!うわっ!!」
ナイトサバイヴも、リュウガサバイヴに気を取られた隙を狙われ、ネグの尾により叩き落とされてしまった。
『くそっ!!』
オーディン(アンク) は、それでもネグに迫る。ネグから再びミサイルや火球が放たれるも、それを掻い潜りながら。
『届けぇ!!』
オーディン(アンク)は、赤い右腕を伸ばす。
「サセネェヨ!!」
ネグが、鋏状の腕を振るった。それは、間違いなくオーディン(アンク)に直撃するものだった。
「やめろぉ!」
プ!ト!ティラーノ!!
ヒッサーツ!!!
映司は、再びメダガブリューを構えてネグの鋏を狙った。そしてそれは命中し、鋏を砕いた。
「グフッ!?」
とうとうオーディン(アンク)の腕がネグの喉元を捉えた。オーディン(アンク)の腕は深々と刺さっていた。
『受け取れ、映司ぃ!!』
オーディン(アンク)は、ネグの喉元から腕を引き抜くと同時に、映司に向けコアメダルを投げた。
「っ!!」
映司は、投げられたコアメダルを掴んだ。が、それは恐竜系ではなく、タカコアたった一枚だった。
『ぐあっ!!』
次の瞬間、ネグの腕の爪がオーディン(アンク)の身体を捉えていた。
「アンク!?」
ネグの爪はオーディン(アンク)の身体を易々と貫いていた。
『そいつ…を、使…え、映司…。』
そして、オーディン(アンク)は砂のような粒子となって消えてしまった。
「アンクうううう!!!!」
映司は、戦友の名を叫んでいた。
「コレデ、邪魔者ハ消エタ!!タカガ コアメダル一枚。ソレモ、恐竜系ジャナイカラ ドウスルコトモ出来ナイダロォ?」
ネグは勝ち誇るように言っていた。
確かに、映司がアンクに頼んだのは恐竜系コアメダルの奪還。しかし、アンクはタカコアを使えと言った。アンクは何故これを映司に託したのか。
だが、映司はタカコアを強く握りしめ、ネグを睨んだ。
「何ダ?何デ諦メヨウト シナイ!無駄ジャン、ソンナノ!!」
「…っ!」
その時だった。オーディンが消え、粒子となったはずのものが、二つの塊に変わっていった。それは、アンクの割れたコアメダルだった。そして、割れたコアメダルは、二人のライダーの元へ、それぞれ落ちていった。
「これは…。」
リュウガとナイトは、割れたコアメダルを掴んだ。すると、割れたメダルは強い輝きを放った。
「うっ…!」
二人のライダーは、輝きから目を逸らした。そして、気がつくと二人は人の姿に戻っていた。やがて輝きが失われると、二人の手のひらには、先ほどの割れたコアメダルではないものが乗っていた。
「新しい…、コアメダル?」
映司が言った。
「…火野!!」
真司は、映司に向かって握られたコアメダルを投げた。蓮もそれに倣った。
映司は、投げられたコアメダルを掴み、それを見た。紅蓮のコアメダルと紺碧のコアメダル。それぞれ龍騎のクレストとナイトのクレストが描かれていた。
そして、映司は先に渡されたタカコアを見て、アンクの意図を理解した。
「…わかったよ、アンク!」
映司は、オーズドライバーを腰にあてる。そして、ドライバーにタカコア、ナイトのコアメダル、そして龍騎のコアメダルをセットし、それをスキャンした。
タカ!ナイト!!龍騎!!!
「…変身!!」
タ!タ!カエ!!
イキノ!コ!レ!!
タカナァ!リィ!!キィ!!!
映司はオーズへ姿を変えた。
頭部はタカヘッドに、胴体は紺色の身体に、鋼鉄の篭手を纏い、背にコウモリのようなマントを備えたナイトアーム、そして、下半身は深紅の身体に、龍の頭部を模したレガースを備えたリュウキレッグとなっていた。
そう。映司は、ナイトと龍騎の力を持つ、オーズ・タカナリキコンボとなったのだ。
「ソレガ何ダァ!」
ネグは、巨大な爪をオーズへ振り下ろした。
「はっ!!」
オーズは、振り下ろされる爪に対し、蹴りを放った。オーズの脚は紅蓮の炎に包まれ、焼き払うようにネグの爪を蹴り崩した。
「ギャッ…コノ力ハ!!」
ネグが痛みに悶えた。
「いけるぞ!」
オーズの手には、ウイングランサーが握られていた。
「ギエエエエエッ!!!!」
ネグは奇声を上げながら、刃状の三股に別れた尾を振るった。
それが直撃する寸前、オーズは高く跳躍してかわした。オーズの背のマントが広がり、滑空するように空を飛んでいた。
「コノォ!!」
ネグはオーズを叩き落とそうと、羽根を広げた。
「はっ!」
オーズはウイングランサーに炎を纏わせると、迫るネグの羽根を切り落とした。
「はぁぁぁ…、はあ!!」
さらに、オーズは炎を纏ったランスをネグに向け投げつけ、ネグの左肩を貫いた。
「イ゙ッ…!!オ前ェ!!」
浮力を失ったオーズは、地面に降り立つと、オースキャナーを手に取った。
「ネグ!お前だけは許さない!ライダー達の命や願いを利用したお前を!!」
スキャニングチャージ!!
オーズは一度両手を前に突き出した後、跳躍の為に腰を落とした。
「はぁぁぁ、はっ!!」
そして、ネグの頭頂を遥かに越えて飛び上がった。
オーズは空中で一度身体を大きく捻り、両脚をネグに向けた。
「はぁ!!」
背中の羽根が羽ばたき、生まれた力を乗せネグに迫った。
「ホザケェエエエ!!!!」
ネグは胸の装甲を展開し、ミサイルを撃ち出した。さらに頭部の角や口からも火球を放った。しかし、オーズの背中の羽根がオーズの身体を螺旋状に包み込んだ。ミサイルや火球など、オーズに直撃するも、螺旋状の羽根がネグの攻撃を防いだ。
「来ルナ、来ルナァ!!」
そして、すべての攻撃を防ぎ切った後、再び羽根が展開。オーズの両脚は紅蓮の炎を纏っていた。
「せいやあああああ!!!!」
オーズの両脚は、ネグの胸を捉え、貫いた。貫く中、オーズは、ネグのコアメダルを砕いた感触を得ていた。
オーズは着地し、ネグの方を向いた。
コアメダルを砕かれたネグの身体は、徐々にセルメダルに変わっていっていた。
「ソン…、ナ…。ネ、グは、ただ…、外に、出たカッタ…、ダケ…、なの、に…。」
ネグは、悲痛とも取れる願いを呟くと、やがてただのセルメダルの塊に変わっていった。
セルメダルの塊の中に、ネグに奪われたコアメダルを見つけたオーズは、変身を解いた後全て回収した。
「これで、終わったんだよな。」
オーズとネグの戦いを見届けていた真司が映司に言った。
「…はい!」
映司は、力強く頷いて見せた。
それを聞いた真司が微笑みかけた時だった。
パリィン!!
突如、ガラスの割れる音が町中に響いた。それも大きな音を立てて。それは一度だけでなく、何度も続いていた。良く見ると、建物の硝子ではなく、建物そのものが丸でガラスのように砕けていた。さらに、空も砕け始め、ガラスの欠片のように天から降り注ぎ始めた。
「ネグを倒したということは、この世界も消える!急いで出るぞ!!」
事態を把握した蓮が二人を促した。
「出るったって、どこから!?」
真司が言った。
「さっき、ネグが出ようとしたビルのガラス!あそこから出られるんじゃないですか!?」
映司が言った。
「行くぞ!」
蓮の言葉に続き、映司達は走り出した。
走る最中も、上空から空の欠片が降り注ぐ。三人は何とかかわしながら走り続けた。さらに追い討ちをかけるように、地面も同じく硝子のように砕け始めた。
「急げぇ…!!」
真司は叫びながら走り続けた。
そして、ついに出口と思われるビルの硝子にたどり着いた。
「ハァ…ハァ…。…なぁ。」
真司が息を小さくつきながら、蓮を見て言った。
「…何だ?」
「ここから出たら、俺たち…。また会えるのかな。」
真司が言った。
「…。」
蓮は、答える代わりとでもいうのか、黙ったまま視線を落とした。
「それって、どういう…?」
映司が尋ねかけた時だった。
「待て…!」
映司達を呼び止める声がした。
第26話、いかがでしたでしょうか。
オーディンの身体を半ば乗っ取るようにして、アンクが復活しました。
当初からアンクの復活を模索していました。あんまり安易に復活もさせたくなかったため、どうしようかと思っていたところ、「オーディンがいるじゃないか!」と気づき彼には犠牲になってもらいました。
そんなアンクの働きにより、映司はタカメダルと、さらにナイトの力を宿したナイトメダル、龍騎の力を宿した龍騎メダルを入手。本作オリジナルフォーム、タカナリキコンボの登場です。
ナイトの力は、武器や飛行能力といったもの。龍騎の力は炎と龍(幻獣)の破壊する力といったものを秘めています。鏡の世界で誕生したコアメダルを破壊する為に、同じく鏡の世界で誕生した龍騎の力が必要であり、ネグを撃破する為のフォームといえます。
龍騎とクロスオーバーするに辺り、始めから設定していたもので、これをどのように誕生させようか。ここから物語は始まっていきました。
コアミラーを取り込んだネグを撃破したことで、ミラーワールドが崩壊を始め、映司達は脱出を試みます。が、その映司達を呼び止める、最後の敵が現れます。その正体とは…。
次回、最終回。
お楽しみに!