仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第3話

「助けて頂いて、ありがとうございました。」

オーズは、傾いていたベルトを元の位置に戻すと、映司の姿に戻り、二人のライダーに礼を言った。

ファムとライアも自身のバックルからカードデッキを抜き取り、人の姿になった。

「貴方、見ない顔ね。」

ファムだったファー付きの灰色のロングコートを着た女性が、映司をまじまじと見て言った。

「だが、他のライダーにやられる前に助けることが出来てよかった。」

ライアだった赤いジャケットを着た男が、安堵の表情を見せた。

「あ、俺は火野映司って言います!仮面ライダーオーズです!」

映司は取り敢えず自己紹介をした。

「俺は手塚。こっちは霧島だ。」

「よろしく。」

物腰の柔らかそうな手塚に対して、霧島はそっけなく言った。

「でも良かった~…。ようやく、ちゃんと話ができそうな人達と出会えて。」

はぁ、と溜め息を突きながら映司ら言った。

「いや。それはどうかな?」

手塚が言った。

「…え?」

映司は恐る恐る顔を上げた。

「貴方の返答次第では、私達は貴方の敵になるかもしれない。」

霧島は言った。

「お前の願いは何だ?何の為に戦う?」

手塚が尋ねた。

「俺の、願い…?」

「ヤァァァァァ!!!!」

映司が答えかけた時、再びモンスターが現れた。それも同種のものが複数だ。

「ヤミーか!?」

「違う、あれはミラーモンスター!」

霧島が答えた。

「ミラー、モンスター?」

「レイヨウ型が複数…、という事は!」

手塚がそう言った時、レイヨウ型モンスターの群れの中から、やはり一人の騎士が姿を現わした。茶色いレイヨウの騎士・仮面ライダーインペラーだ。

「いやぁ、さすがは占い師!察しがいいねぇ。」

インペラーが言った。

「あれって、アビスとかいうやつらの仲間なんですか?」

映司も状況がわからないとはいえ、流石に構えながら言った。

「あんな野蛮なやつらと一緒にしないでもらえるかなぁ?」

映司達の後方から声がした。

振り向くと、銀の鎧に群青色が差し色で入っている虎の騎士・仮面ライダータイガがいた。

「僕達は、こんな馬鹿げた戦いを止めたいだけさ。英雄になる為にねぇ。」

タイガが言った。

「そーゆーこと!ま、俺は幸せな生活が手に入ればそれでいいんだけどね。」

インペラーが同意して言った。

「え?てことは敵じゃない?」

「騙されるな!」

映司が気を許そうとしたが、手塚が言い放った。

「はぁ?嘘なんかついてないよ!」

インペラーが反論した。

「そう…。嘘じゃない。だけど、戦いを終わらせるには、君達は邪魔なんだ。」

 

STRIKE VENT!

 

タイガが斧状の武器・白召斧デストバイザーにカードを装填。虎の爪を模した手甲を両手に装着した。

「ごめんね。そーゆーことなんで!」

 

SPIN VENT!

 

インペラーもまた、右脛に装備されている羚召膝甲ガゼルバイザーにカードを装填し、レイヨウ型モンスター・ギガゼールの頭部を模した二本のドリルを備えた手甲ガゼルスタッブを装備した。

「結局そうなるのか!」

手塚と霧島はそれぞれカードデッキをかざす。瞬く間に彼らの腰にバックルが召還された。

 

「「変身!!」」

 

手塚と霧島はそれぞれライア、ファムに変身した。

 

「やるしかないのか!変身!」

 

映司もオーズ タトバコンボとなりインペラーとタイガの行動に備えた。

「鷹、虎、飛蝗?何だそれ?」

インペラーが笑って言った。

「デッキで変身しない…?あんた何者?」

タイガが言った。

「俺はオーズだ。」

オーズが名乗った。

「…それで、貴方は結局敵なの?味方なの?」

ファムがオーズに尋ねた。

「敵か味方か、それはわからない。でも、自分の夢を叶える為に、誰かの命を奪うだなんて間違ってる!」

先程の戦いで、王蛇が言った言葉を思い出しながら、オーズが答えた。

「…ふっ。似ているな、あいつに。」

ライアが言った。

「…そうね。」

ファムも、ふふっと笑いながら言った。

「何楽しそうにしてんだよ!」

インペラーが先に迫った。少し遅れてタイガも続いた。

「来るぞ!」

ライアの合図で三人はタイガ、インペラーを迎え打った。

その内、ライア、オーズはインペラーと、ファムはタイガと戦っていた。

 

「おらっ!」

インペラーがガゼルスタッブを振るう。ライアは左腕に備えた飛召盾エビルバイザーを盾代わりにし、それを防いだ。

「ハッ!」

「うわっ!」

そして、オーズが拳をインペラーに突きだした。

 

STRIKE VENT!

 

ライアがエビルバイザーにカードを装填すると、エイの尾のような鋭い棘付きの手甲・エビルニードルを装備した。

「おっと!」

インペラーはその武器の危険性を察し、大きく跳躍しながら退いた。インペラーの予測通り、エビルニードルから数本の針が射出された。

「だったら、これでどぉ?」

 

SPEAR VENT!

 

インペラーの手に長槍・ガゼルスピアを手にした。

「この距離なら近づけないだろ!そぉらそぉら!」

インペラーは棒術の如く、ガゼルスピアを振り回した。インペラーに向けて放たれた針は、ガゼルスピアにより弾かれてしまう。また、その先端は二股に分かれドリル状の刃が付いており、オーズとライアは迂闊に近づけなかった。

 

「そうでもないさ!」

ライアはそう言って新たにカードを装填した。

 

COPY VENT!

 

すると、新たにガゼルスピアが現れライアの手に収まった。

「え!そんなのアリ!?」

インペラーは驚いていった。

「ハッ!」

 

カキィン!

 

二本の槍が交差する。そして、ライアの槍がインペラーの槍を地面に押さえつけた。

「今だ!」

オーズは両腕の爪を展開し、インペラーに迫った。

「やらせるかよ!」

 

ADVENT!

 

「ヤァァァァァ!!」

ギガゼールを始め、複数のレイヨウ型モンスターがオーズとライアに襲いかかった。

「うわ!」

「火野!うわ!」

モンスターの猛攻で、ライアとオーズが押し飛ばされてしまった。

「数なら、こっちだって!」

立ち上がったオーズは、二枚の緑色のコアメダルを取り出した。

 

クワガタ!カマキリ!バッタ!

 

ガータ!ガタガタキリッバ!!

ガタキリバ!!!

 

オーズは緑の昆虫系コンボ・ガタキリバコンボに姿を変えた。

「姿が変わった!?」

ライアが驚いて言った。

「いくぞ!」

するとオーズは、複数のガタキリバの分身を生み出し、モンスター達と交戦させた。

「マジかよ!?」

インペラーにも、ガタキリバ分身体が攻撃しかけた。

 

FREEZE VENT!

 

突然、オーズの足元を冷気が襲い、両脚を氷付けにされてしまった。

「おおわ!」

オーズは突然動けなくなったため、つんのめってしまった。

「何してんだよ、全く。」

タイガがデストバイザーを手に迫ってきた。

「おお、東條さんきゅー!」

インペラーが言った。

「凍ってる!ラトラータで溶かせるか…って、ええ!?」

オーズが視線を下にやると、なんとオーズドライバーごと凍っていた。これではメダルを装填することができない。

「まずい!」

オーズ本体の危機に気づいたガタキリバの分身体が、迫るタイガに向かって攻撃を仕掛けた。

「邪魔!」

 

BLIZZARD VENT!

 

タイガは、カードの効力で冷気を纏ったデストバイザーを振り、ガタキリバ分身体を切り伏せた。

「じゃあね。」

そして、タイガがオーズ本体に斧を振り下ろした。

 

ガッ!

 

しかし、タイガの斧はファムの剣・ウイングバイザーによって弾かれた。

「ハッ!」

ファムは軽快な足取りで、しかし鋭い剣さばきでタイガを押していく。

「くそ、邪魔しないでよ!」

 

ROA VENT!

 

「ウオアアアアア!!」

タイガが虎のような咆哮を上げた。

その衝撃は凄まじく、空気が揺れたかと思うと、瞬く間に超振動波としてファムを襲った。

「あ、ぐぅ…!」

ファムはその咆哮を直接受けてしまい、身体全身に凄まじい振動が走った。それは痺れとしてファムの身体に残り、ファムは足腰に力を入れられず、膝を付いてしまった。

 

FINAL VENT!

 

電子音と共に虎型モンスター・デストワイルダーがファムに飛びかかった。

「あぐっ!」

デストワイルダーはファムの身体を仰向けの状態で地面に押さえつけ、そのままデストクローを装備したタイガの方へ引き摺り始めた。

「美穂!!」

ライアが事態に気づき、ファムの元へ駆け寄ろうとした。

「おっと、行かせないよ!」

しかし、インペラーとレイヨウ型モンスターがライアの前に立ち塞がった。

「霧島さん!く、動け!」

オーズも身体を力ませたり捻ったりしたが、凍った身体はびくともしなかった。

「ハァァ…!」

タイガとファムの距離はどんどん短くなっていく。

その時だ。

 

NASTY VENT!

 

「キィィィ!!!!」

黒い蝙蝠型のモンスターが超音波を上げながら飛来した。

「ゔっ!!」

超音波によって、今度はタイガが苦しみ出した。

「ガル!?」

同じく、ファムを引き摺っていたデストワイルダーも苦しみ出した。そして僅かながら、デストワイルダーの押さえつけている力が弛んだ。

「ハッ!」

その瞬間を逃さず、麻痺から回復したファムは脚でデストワイルダーを蹴飛ばした。

バランスを崩したデストワイルダーは、ファムから腕を放した。

 

STRIKE VENT!

 

続いて、火炎弾がオーズに向かって飛んできた。

「うわっ!」

オーズは動ける腕で身体を庇おうとした。が、火炎弾は足元に着弾し、オーズの氷を溶かした。

「手塚、霧島!二人とも大丈夫か!?」

火炎弾の飛んできた先に、赤い龍の騎士がいた。

「全く、世話を焼かせる。」

続いて、黒い蝙蝠の騎士が現れた。

「ちっ…。次から次へと。」

タイガが悪態ついた。

「どうする?まだ続けるか?」

龍の騎士が言った。

「…いや。今はやめておくよ。行こう。」

「…またね。」

タイガはそう言うとインペラーと共に去った。

 

「…ふぅ。無事で良かった。」

龍の騎士が、力んだ身体を緩めながら言った。

「手塚、こいつがそうなのか?」

蝙蝠の騎士が、オーズを指して言った。

「ああ。俺の占いからすればな。」

ライアが言った。

「えー…と?」

オーズは状況が飲み込めないでいた。

「ああ、すまない。こちらの話ばかりになってしまって。」

そう言うと、龍の騎士はバックルからカードデッキを抜き取った。変身を解くと、黒のアンダーシャツに白いワイシャツ、暗めのデニムを身につけた男の姿が現れた。

「俺は、榊原耕一。仮面ライダー龍騎だ。」




第3話、いかがでしたでしょうか。

前回、アビス達や王蛇の攻撃を掻い潜って離脱したオーズ達。
次に、待ち構えていたのは、仮面ライダーインペラーと仮面ライダータイガ。龍騎本編後半組の登場です。

タイガ達は、アビス達を"野蛮な輩"と断じながらも、オーズ達に襲い掛かります。その真意とは。

今作のミラーワールドのライダー達には、原作にはないオリジナルアドベントカードを所持させました。
各ライダーの戦力差がけっこうまちまちだったので、イーブンに戦えるように設定した次第です。
もちろん、前回登場したライダー達や、今後登場するライダー達にも新カードが備わっています。

書き忘れてしまいましたが、今作の時系列としては、オーズサイドは『平ジェネFINAL』後、かつ『MOVIE対戦MEGAMAX』後の設定です。つまり、映司は恐竜系以外のメダルを全て所持している状態です。
一方の龍騎サイドも、本編終了後の設定。なお、ライダー達の変身者も原作通りの設定です。(アビスも。)

龍騎が本編終了後の設定ならば、何故、本来原作(映画・13RIDERS含め)で既に死んだはずの彼らが復活し、再びライダーバトルが勃発しているのか。
そして何故、仮面ライダー龍騎の変身者が、龍騎本編の主人公・城戸真司ではなく、榊原耕一なのか。

これらは物語における一つの謎として、いずれ明かされます。

次回をお楽しみに!
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