仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第6話

翌日になっても、恵里は仕事が終わらず帰って来なかった。蓮は、撮影の為現場へ赴き、自身の仕事に務めた。この日は、自信が出るシーンが短い為、仕事も昼前に終わった。

蓮は昼食を取るべく、適当にバイクを走らせ、街の中にある広場へ向かった。そこでお昼の店を探している時、それは聞こえてきた。

 

 

 

キィーン…キィーン…。

 

 

 

「うっ!?」

突然、硝子を爪で引っ掻くような不快な音が響き始めた。

「な、何だ!?」

蓮は辺りを見渡した。音の方へ視線を向けると、そこには窓硝子があった。一枚だけではなかった。至る所にある硝子や鏡から音が響いていた。

そして、鏡の中から全身銀色の化物が現れた。それも複数も。それは先日に見た化物に似ていた。

「キャアアアア!!」

「わああああ!!」

化物による突然の破壊行為に、人々は逃げ惑っていた。

「くそっ!」

蓮は、考えるより先に走り出していた。

前に挑んだ時も、化物に敵わなかった。しかし、だからといって襲われる人を見過ごす訳にもいかなかった。

「はっ!!」

蓮は、化物に体当たりをした。

「逃げろ!!」

襲われていた人を逃がした蓮は、再び化物を前に構えた。

蓮の回りには、化物によって破壊されたテーブルのパラソルの柄が落ちていた。蓮はそれを拾った。

「ギイイイイ!!」

化物が蓮に迫る。

「ふん!」

蓮は手にしたパラソルの柄を振るい、化物に関節を狙って打ち込んだ。

「ギッ!」

関節を攻撃されたことで、化物は一瞬怯んだ。

「はっ!」

怯んだ化物に、蓮は回し蹴りを放った。

「うおおおお!!」

蓮は再び傘の柄を振るった。しかし、化物が腕で柄を弾いた。

「くっ!?」

「グワゥ!!」

「うわっ!!」

別の化物が蓮に襲いかかり、蓮は吹き飛ばされてしまった。気が付けば、蓮は複数の化物に囲まれていた。

「まずい…!」

蓮は立ち上がって構えるも、一体でようやく対応できるような化物が複数いることで、半ば諦めかけていた。

その時だ。

蓮と化物達の間に銀色のオーロラが現れた。突然現れたオーロラに、化物達は怯み、一歩後退した。

「お前は!?」

オーロラから、先ほどカフェにいた男・門矢士が現れた。

「危ない所だったな。秋山蓮。」

士が言った。

「門矢さん!?」

遅れて裕太、後藤、比奈が現れた。

「遅かったな。」

士が後藤達に言った。

「というか、夕べは結局帰って来なかったが、どこに行っていたんだ!?」

後藤が士に言った。

「そんなことはどうでもいい。いくぞ!」

士はピンク色のバックルを取り出し腰にあてた。

「比奈さん、さがって!」

裕太は比奈に言った後、オルタナティブのデッキを構えた。

後藤もまた、緑色の球体の付いたバックルを腰にあてた。

「「「変身!!!」」」

 

カメンライド・オーズ!

 

タ!ト!バ!

タトバ!

タ!ト!!バ!!!

 

士はカードを、後藤はセルメダルを、そして裕太はデッキをそれぞれバックルへ装填した。

三人は、それぞれ姿の異なる仮面ライダーへ姿を変えた。

「オーズ!?」

比奈は、士が変身した姿に驚いていた。

「ふん!!」

オーズは、左腰に携えた白い四方状のもの・ライドブッカーを剣状に形を変え、それを化物へ振るった。

 

Drill Arm!

 

「うおおお!!」

後藤が変身した仮面ライダー・バースはメダルを装填しドリルを右腕に装着すると、化物にドリルを向けた。

 

SWORD VENT!

 

オルタナティブ・セカンドもまた、カードの力で剣を召喚し、化物に応戦した。

「父の日記には記されていないライダー…。やはり、別の世界からやってきたというのは本当のようですね。」

オルタナティブ・セカンドが、オーズとバースを見て言った。

「何だ?信じてなかったのか?」

オーズが言った。

「申し訳ありません。」

「まぁ、無理もないか。」

謝るオルタナティブ・セカンドに対し、バースが言った。

ライダー達は、次々と化物を倒していったが、鏡から再び何体か化物が現れた。

「キリがないぞ!」

バースは、バースバスターを構えながら言った。

「くっ…、以前より強くなってます!」

オルタナティブ・セカンドが言った。

「おそらく、ミラーワールドの異物とやらが力を増しているんだろうな。」

オーズが言った。

「異物!?」

バースが言った。

「そういうことらしい。」

オーズが答えた。

「ちっ…、キリがないか。とっとと片付けるぞ。おい!」

オーズは、蓮の呼んだ。

「よく見てろ。これがお前がライダーとして戦っていた証しだ。」

オーズはそう言うと、ライドブッカーからカードを引き抜いた。そのカードには、赤い龍のライダーが描かれていた。

「変身!」

 

カメンライド・龍騎!

 

オーズの身体に鎧の幻影が幾重にも重なっていき、やがて赤い身体に鎧を纏った龍のライダー・龍騎に変身した。

「龍騎に二段変身した!?」

オルタナティブ・セカンドが驚いて言った。

「龍、騎!?」

蓮は再び頭痛に襲われていた。

そして、蓮の脳裏に夢に見た光景が再び浮かんでいた。

 

 

車に寄りかかり、虫の息の状態の男。蓮は、その男にこう呼び掛けていた。

 

『おい、◯戸!死ぬな城戸ぉ!!』

 

 

場面が変わり、金色のライダーを倒した蓮は、恵里の家にいた。

そして、恵里の穏やかな寝顔を見て、側の壁に寄りかかっていた。眠かったのか、蓮はそのまま瞳を閉じた。

 

『そんな所で寝たら、風邪引くよ?』

 

目を瞑りながらも、恵里の優しい声が聞こえた瞬間、蓮はほっとしていた。

 

ー良かった。これで、俺は…。

 

 

 

「比奈さん!!」

オルタナティブ・セカンドの声に、蓮は我に返った。

化物に襲われかけていた比奈の元へ、オルタナティブ・セカンドは駆けていった。しかし。

「ふんにゅ~!!えいっ!!」

「えええ!?」

比奈は、化物によって破壊させられた建物の巨大な欠片を軽々と持ち上げ、化物に投げつけた。

それを見たオルタナティブ・セカンドは思わず声を漏らし、動きが止まった。

「ンギャ!?」

化物はコンクリートの塊の下敷きになった。

「ああ。その女のことなら心配するな。持ち前の馬鹿力でどうとでもできる。」

オーズが、片手間に化物達を蹴散らしながら、オルタナティブ・セカンドに言った。

「ちょっと、失礼ですよそれ!後藤さんも何か言ってください!」

比奈が憤慨しながら言った。

「え…?いや、その…、すまない。」

「ちょっと!!」

バースはフォロー出来る言葉が見つからず、一言謝った。

「そんな…。僕の力が必要無かったなんて…。」

オルタナティブ・セカンドは、何故か打ち拉がれたように膝を着いた。

「ふん。何だ?比奈のこと、惚れていたのか?」

オーズが鼻で笑いながら言った。

「え!?」

比奈がオルタナティブ・セカンドを見た。

「ええ!?いや、そんなんじゃ、あ…ありませんよ!!えと、その…。」

オルタナティブ・セカンドが慌てる仕草をした。

「ギギャー!!」

「うわっ!?」

オルタナティブ・セカンドの隙を突いて、化物が襲いかかった。化物の攻撃が急所にあたったのか、オルタナティブ・セカンドは吹き飛び、裕太の姿に戻ってしまった。

「裕太君!!」

バースが裕太の元へ駆けつけようとした。

「ダメだ、比奈さんを!!」

裕太と同時に、比奈にも化物が迫っていた。

「ちぃっ!」

龍騎は比奈を助ける為に化物を蹴散らしていくが、敵が未だに龍騎の行く手を阻んでいた。

「はっ!」

ところが、蓮が比奈の方へ飛び込んで行った。

「秋山さん!?」

比奈の前に立った蓮の手には、裕太のデッキが握られていた。

「まさか!」

龍騎は何かに気づいた。

そして、蓮はデッキを前に掲げると、右腕を身体の前でL字に構えた。

「変身!」

蓮の腰に現れたバックルにデッキを装填すると、蓮はオルタナティブ・セカンドに変身した。

「ふん!」

「グギィ!?」

オルタナティブ・セカンドは、迫る化物を正拳突きで吹き飛ばした。

 

SWORD VENT!

 

TRICK VENT!

 

オルタナティブ・セカンドは、慣れた手順でカードを右腕のスラッシュバイザーへリードさせていく。

召喚された剣を手にしたオルタナティブ・セカンドは3体に分身した。

「とっとと片付けるか!」

 

アタックライド・ストライクベント!

 

「了解した!」

 

Brest Canon!

 

龍騎は右腕に赤い龍の頭部を模したガントレットを、バースは胸部にキャノン砲を装備した。

「はぁ~…、はあああ!!!!」

「はあああ!!!!」

「はっ!!」

三人のライダーは、最後の一撃を放ち、化物達を一掃した。

「…終わったか。」

龍騎はバックルを外し、士の姿に戻った。それに倣い、バースもまた後藤の姿に戻った。しかし、オルタナティブ・セカンドは手にした剣を士の胸元に突き付けた。

「おい…!」

後藤がオルタナティブ・セカンドを止めようとしたが、士がそれを手で合図しそれを止めさせた。

「何故貴様が龍騎の力を持っている!説明しろ。それは城戸のもののはずだ!」

オルタナティブ・セカンドが言った。

「ふん。その様子じゃ記憶が戻ったようだな。」

士は突き付けられた剣をそっと下ろさせながら言った。

「お陰様でな。それで?何者だお前は。」

オルタナティブ・セカンドは、デッキを取り外し、蓮の姿に戻りながら言った。

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ。」

士が言った。

「秋山さん!」

裕太が蓮を呼んだ。

「君は?」

「僕は、香川裕太です。香川英行の息子です!」

「香川の!?」

蓮は裕太を見て言った。

「場所を変えよう。人集りが出来始めたぞ。」

辺りを見渡した後藤が士達に言った。

「だったら、落ち着いて話せる良い場所があります。」

裕太が提案すると、士達一行は裕太に案内され移動した。




サイドストーリー編
第6話いかがでしたでしょうか。

ついに蓮の記憶が甦りました。
士が龍騎に変身したことで、蓮がライダーだったときの記憶が戻り、さらにオルタナティブ・セカンドのデッキで一度だけ変身し、ライダーとして復活を果たしました。

余談ですが、裕太くんは比奈ちゃんに一目惚れしてました。カッコいいとこ見せようにも比奈ちゃんの怪力を目の当たりにし違う意味でのショックを受けてしまいました。
当時の裕太を演じた方の年齢を活用すると、現在24歳。まぁまぁ良いお年頃ですね?笑

記憶の戻った蓮を求め、集う士達。
ここから物語はどのように展開されていくのか。
サイドストーリー編、早くも最終章突入です。

お楽しみに!
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