仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第4話

「俺は、榊原耕一。仮面ライダー龍騎だ。」

黒のアンダーシャツに白いワイシャツを着た男・榊原が言った。

「で、このぶっきらぼうが仮面ライダーナイト、秋山蓮だ。」

榊原が黒いロングコートを着た男を指して言った。

「…で、お前は?」

秋山がオーズに言った。

オーズもまたオーズドライバーからメダルを抜き取り、映司の姿に戻った。

「火野映司、仮面ライダーオーズです。さっきは助けて頂いてありがとうございました!」

映司が言った。

「気にするな。俺達は君と戦うつもりもなければ、何だったら仲間になってもらいたいくらいだからね。」

榊原が優しく言った。

「おい、簡単に信じていいのか?」

一方の秋山は映司を警戒していた。

「俺は手塚の占いを信じる。だって彼の占いは…。」

「当たる。からね。」

榊原の言葉に被せるように霧島が言った。

「俺の占いが示した通りなら、彼がこの戦いの運命を変えてくれるはずさ。」

手塚が、ジャケットの懐から一枚のタロットカードを取り出して言った。

「あの、俺には何が起きているのか、全然わからないんです。ここが、いつもの世界とどこかおかしいことくらいしか…。」

映司が言うと榊原が険しい表情になった。

「ここは、決して出ることの出来ない狂気の世界・ミラーワールドだ。」

「ミラー、ワールド?」

映司が問い返した。

「現実世界の、鏡写しの世界と言えば理解してもらえるかな。」

榊原は言うと、適当な所を指差して言った。その指先を辿ると、建物に備えられた看板があるが、映司が初めて目にしたものと同じく文字が反転していた。

「鏡の世界?」

映司が言った。

「そうだ。この世界には、現実世界のように一般人もいなければ動物も昆虫もいない。かわりに、俺達を餌と見るミラーモンスターと、仮面ライダーしか存在しないんだ。」

榊原が言った。

「その、仮面ライダーがどうして戦いあっているんですか?」

映司が言ったとき、秋山が鼻で笑って言った。

「お前はバカか?ライダー達は己の願いを叶える為に殺し合っているんだ。」

「それってどういう…?」

映司が言った。

「…ライダーバトルに勝ち抜き、生き残った一人にだけ、願いが叶い、現実世界へ帰還出来る。それが、この戦いの根底にある。」

榊原が言った。

「そんな…。でも、貴方達は違う。」

映司は言った。

「そう。この戦いを終わらせるのに、二つの条件がある。」

「条件?」

「一つは、今言った一人になるまで生き残ること。もう一つは、オーディンを倒すこと。」

榊原が言った。

「オーディン?」

「仮面ライダーオーディン。やつがこの戦いを仕組んだ元凶だ。」

手塚が言った。

「オーディンを倒せば、自動的に戦いは終わる。倒した者にはその者の願いを叶え、この世界で、それまでに生き残った者はそのまま現実世界に帰ることができるだ。」

榊原が言った。

「なるほど…。じゃあ、そのオーディンってライダーを倒せば…。」

「だが、話はそう簡単じゃない。」

映司の言葉を遮り秋山が言った。

「オーディンは、戦いの元凶だけあって強いんだ。それは俺達、いや、ライダー全員それを思い知らされているんだ。」

榊原が言った。

「そして、やつはこう言った。勝ちたければ強くなれ。他のライダーを倒せば、それだけ強くなれる。とな。」

秋山が言った。

「最後の一人になって願いを叶えるためには、どの道オーディンとも戦うことになる。だから、ライダー達は躍起になって殺し合っている。という訳だ。」

「そんな…。」

映司は、胸が締め付けられる思いをしていた。無理もない。映司の信念の一つには"ライダーは助け合うもの"だと信じていたからだ。だが、この世界は違う。互いに潰し合い、残った者に願いを叶えるという狂った世界だ。

「…でも。やっぱり間違ってます!誰かの命を奪ってまで願いを叶えるなんて!」

映司は言った。

それを聞いた榊原は微笑んだ。

「やはり、君は俺達の仲間だ!」

「ああ!」

「…。」

「…。」

榊原と手塚は喜んだが、秋山と霧島は仏頂面だった。

「俺達も、色々あったがライダー同士戦い合うことを望んじゃいない。力を合わせて、オーディンを倒そうとしているんだ。」

榊原が言った。

「そうなんですね!俺も協力します!」

映司が言った。

「…でも、それでもたった5人よ。それでどうにかなるの?」

霧島が言った。

「ちなみ、この世界には何人ライダーがいるんですか?」

映司が尋ねた。

「お前を除き、俺達を含めたら16人だ。」

秋山が答えた。

「そんなに!?」

映司は驚いた。

「ああ。まずは、君にこの世界のライダーについて、説明する必要がありそうだな。」

そう言うと、手塚がミラーワールドのライダーについて、映司に説明した。カードデッキを用いて変身すること、そのカードがライダー達の武器であること、ライダー達は、一人に対して一体のミラーモンスターと契約しており、ライダーの力の根底にモンスターが関わっていること。そして…。

「…そして、今は大きく三つの派閥に分かれている。」

手塚が説明を続けた。

「まず、俺達4人。いわゆる非戦派だ。リーダーは榊原。」

「リーダーって器じゃないんだけどな。」

榊原が頭をかきながら言った。

 

「次に、さっき戦ったタイガ、インペラーがいる派閥。彼らも俺達同様、戦いを終わらせようとオーディンをターゲットで動いている。」

「でも、俺達を襲ってきた。」

映司が言うと榊原も苦い顔をして言った。

「あそこが厄介なのは、自分達の派閥"だけ"生き残ることを考えている。それ以外は敵って考え方だ。さっき話した通り、ライダーを倒せば強くなると信じているからな。障害と見なしたら遠慮なく攻撃してくる。幸いなことに、そこまで好戦的ではないがな。」

「その派閥のリーダーは香川英行。かなりの切れ者だが、まだ話し合いの余地がある方だがな。」

手塚が言った。

 

「三つ目の派閥。最初に戦ったアビス達がいる派閥だ。ここは、俺達と違い欲望のままに戦う集団だ。今でこそ徒党を組んではいるが、仮にその派閥だけ生き残ったら、その中で最後の一人を決めようとする輩だ。」

「単純だが、故に質が悪い。特にリーダーの高見沢逸郎は、欲望の権化とも言えるな。」

手塚の言葉に続けて秋山が言った。

「ただ、これらに属さないライダーもいるわ。」

霧島が怯えるように言った。

「浅倉威…。仮面ライダー王蛇。やつは戦うことに快楽を感じている戦闘狂だ。誰彼構わず戦いを仕掛けてくる。」

手塚が続けて言った。

「神出鬼没な上に、元凶悪犯罪者だけあってかなり強い。仮にライダーの力関係をヒエラルキーで表すとしたら、上位に位置づけできる程だ。」

「そして…。」

榊原が静かに口を開いた。

「黒き龍のライダー・仮面ライダーリュウガ。」

「リュウガ?」

映司が言った。

「やつも、全ライダーを潰そうとしているが、やつの行動原理が一切不明な上に、一切のコミュニケーションが取れない。はっきり言って人なのかすらわからないんだ。」

手塚が伏し目がちに言った。

「それに、やつからはオーディンとは異なる得たいの知れない異様さも感じられる。それだけに、リュウガはかなり危険な存在だと言える。」

秋山が言った。

「ただ、あれからは明確な殺意を感じられるの…。」

霧島も怯えていた。

「あの…、何者なんですか。リュウガに変身している人って。」

映司が尋ねた。

「…さぁな。」

榊原が言った。

 

 

「とにかく、俺達は一刻も早くオーディンを見つけて倒す必要がある。手分けして探そう。」

榊原の言葉で、映司達は、映司と榊原の二人と秋山、手塚、霧島の三人に分かれてオーディンを探し始めた。

「オーディンって、そもそも何処にいるんですか?」

映司が榊原に尋ねた。

「正直、何処にいるかわからない。ある話では、やつを除く全てのライダーを倒したときに現れるらしい。だが、俺達はそんな状況は望んじゃいない。」

「それじゃ、見つけようがないじゃないですか?」

「もう一つの説があるんだ。」

「もう一つ?」

「オーディンは戦いの元凶。いわばこの世界を造り出した存在とも言える。だから、この世界の中心にやつがいる。ということさ。」

「そこは一体どこに?」

「さあね。それを俺達は探しているんだ。」

榊原がため息をつきながら言った。

「そうですか…。」

「ただ、やつに近づけば何かしらアクションはあるはずだ。」

暫く歩いていると、ふと榊原は足を止めた。

「火野君。君は、どうやってこの世界に来た?」

「えっと…。この世界にいるヤミ…じゃないミラーモンスターに引き摺りこまれて…。」

映司が答えると、榊原が続けて言った。

「それじゃ君は、ここに来る前の記憶があるんだね?」

榊原の問いに映司は違和感を覚えた。

「どういうことですか?」

「俺達ライダーには、記憶の一部が欠けているんだ。」

「え?」

「自分自身のこと、ライダー達のこと、ミラーワールドのこと、戦いの記憶。それは覚えているんだけど、いつどうやってこの世界に来てしまったのか、ここに来る前はどこで何をしていたのか、わからないんだ。」

榊原が言った。

「皮肉なもんだね。戦いを止めたいのに、自分の願いくらいしか記憶にないなんてな。」

「榊原さんの願いって何ですか?」

映司が尋ねると榊原は少し考えて言った。

「…俺もライダーとして戦い始めた頃、何がなんだかわからないまま戦っていたんだ。ただ、誰かの命を奪ってまで叶える願いに意味なんてあるのかなって考えたんだ。意味なんてあるはずがない。人の願いを利用した殺し合いなんて間違ってる。だから、俺の願いは、この戦いそのものを止めること、かな。」

榊原の言葉に、映司は感銘を受けた。

誰かの命を奪ってまで、自分の願いを叶える。そんなことが正しいはずがない。いくつもの国を歩き渡ってきた映司は、それを嫌と言う程経験していた。

こんな狂気に満ちた世界から、脱出する為にも、元凶とされるオーディンを倒さないと。

 

「戦いに意味がないなんて、ずいぶんなことを言うねぇ。榊原。」

再び歩みだそうとした時に、映司達の目の前に二人の男が立っていた。

二人とも高級そうなスーツ姿で、一人は飄々とした優男風の男、もう一人は優男風の男よりも年を重ねているようだが、不敵な笑みを浮かべていた。

「高見沢、北岡!」

榊原が構えた。

「よぉ。どうやらまた一人、同志を見つけたようだな。」

不敵な笑みを浮かべた男・高見沢が映司を見て言った。

「高見沢。いい加減戦うのを止めよう!オーディンさえ倒せば、全てが終わるんだ!」

榊原が言った。

「みんなで仲良く倒してハッピーエンドってか?相変わらず甘ちゃんだなぁ。」

優男風の男・北岡がやれやれというように言った

「オーディンは倒す。この俺がな!俺がライダーの頂点に立つ為になぁ!」

高見沢はそう言うとカードデッキをかざした。北岡もそれに倣い、二人の腰にVバックルが現れた。

「とにかく、お前達は邪魔だ。ここで消してやる。」

 

「「変身!!」」

 

それぞれがカードデッキを装填すると、高見沢はライトグリーンのカメレオンの騎士・仮面ライダーベルデに、北岡はゾルダに変身した。

「やっぱり、戦うしかないんですか…!」

映司が言った。

「仕方がない…!」

 

「「変身!!」」

 

タ・ト・バ!

タトバ!タ!ト!!バ!!!

 

映司達もまた、それぞれ龍騎とオーズタトバコンボに変身した。

「映司君!あくまでも、俺達はライダーの命を奪ったりはしない!戦闘不能にさせるんだ!行けるか!?」

「…はい!」

龍騎の問いにオーズは答えた。




第4話、いかがでしたでしょうか。

今作における、ライダーバトルは原作をリスペクトしつつ、『RIDER TIME』のチーム戦もオマージュしました。
そして、オーディンの存在がミラーワールド誕生の原因となっています。
そして、ライダーのメンバーと派閥も少しお披露目しました。
ほぼ客演で不遇(?)の疑似ライダー。安心してください。ちゃんとライダーとして出ますよ!

また、今作のライダー達は、一部記憶が欠落した状態です。これも、『RIDER TIME』オマージュです。

オーディンを探す榊原、映司の前に現れたのは、北岡と高見沢。
彼らとの戦いの行く末とは。

次回もお楽しみに!
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