仮面ライダーオーズ 15 GREEDS   作:ラズベアー

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第二章 ライダーバトル
第5話


「はっ…。嘗めるな!」

ベルデが龍騎に迫った。

ベルデは左股に備えられた舌召糸・バイオバイザーからカードキャッチャーを引き伸ばし、カードを装着した。

 

HOLD VENT!

 

キャッチャーがバイザーに戻り、カードが装填された。

ベルデは、右手にヨーヨーのような武器・バイドワインダーを持つと、ワインダー本体を龍騎に投げつけた。

 

SWORD VENT!

 

「ハイっ!」

龍騎はドラグセイバーを手にすると、バイドワインダーを弾き返す。

「やるな!」

しかし、ベルデは幾度もバイドワインダーを投げつける。ピアノ線のような細いワイヤーによって操られるバイドワインダーは、直線移動だけでなく、様々な角度からワインダーが龍騎を襲いかかる。

「うわっ!」

初めは剣で弾いていた龍騎だったが、数回に一度は攻撃を受けてしまっていた。

「くそっ!」

 

STRIKE VENT!

 

龍騎は赤い龍型モンスター・ドラグレッダーの頭部を模した手甲・ドラグクローを召還した。

「もらった!」

 

STEAL VENT!

 

所が、ベルデが右腕をかざすと手のひらから紫のロープが飛び出し、ドラグクローを捕らえた。そして、それをそのまま自分の腕に装着した。

「何!?」

「自分の炎で焼かれろ!ハア!!」

ベルデはドラグクローを突き出し、火球を発射した。

「うわああ!!」

 

「榊原さん!」

オーズがベルデに迫った。

 

SHOOT VENT!

 

「お前の相手は俺がしてやるよ!」

ベルデに迫るオーズに向けて、ゾルダのバズーカ砲・ギガランチャーから砲弾が放たれた。

「うわっ!」

直撃こそしなかったが、近くで着弾した強烈な爆風がオーズを襲った。

 

ライオン!トラ!チーター!

 

ラタ!ラター!!

ラトラータ!!!

 

爆煙の中から獅子の頭部を持つ黄色の猫系コンボ、オーズ ラトラータコンボが高速で飛び出した。

「姿が変わった?何だヤツは!?」

ゾルダはギガランチャーで砲撃する。しかし、高速で動きまわるオーズには着弾しなかった。また、長大な大砲であるが故に、取り回しが悪く、照準が定まらない。

「ちっ!」

ゾルダは、軽く舌打ちすると、ギガランチャーを投げ捨て、ハンドガンタイプの機召銃・マグナバイザーで射撃した。しかし、やはりオーズの高速移動を捉えられず、オーズの攻撃が襲いかかる。

「ハッ!」

高速でゾルダの横を通り過ぎる。それと同時に展開したトラクローでゾルダを引っ掻きつけた。

「うわっ!」

「くらえ!」

オーズは頭部の鬣を太陽の如く発光させた。

「うっ、目が!!」

ゾルダは、眩い閃光により視界を奪われてしまった。

「あのデッキを狙えば…!」

オーズは、カードデッキがライダーの力の根源であるという手塚の話を思いだし、狙いを定めた。

 

スキャニングチャージ!

 

オーズはオースキャナーでメダルをスキャンし、一撃に備えた。

「ハァァァァァ!!!!」

オーズが再び高速でゾルダに駆け迫る。

「見えないからって!」

ゾルダはカードを引き抜き、マグナバイザーに装填した。

 

HOMING VENT!

 

再びマグナバイザーから火が吹く。放たれた弾丸は、今度は、オーズの後を追うように着弾した。

「うっ!」

それからもオーズは高速移動をするも、カードの効力で追尾性を得た弾が、次から次へとオーズに吸い込まれていくように着弾していった。

「うわっ!」

オーズは攻撃を中断させられてしまった。

「小賢しいマネをしちゃって!」

視界が戻ったゾルダは再びカードをマグナバイザーに装填した。

 

SPLIT VENT!

 

「ぐっ…、うわっ!!」

さらに、マグナバイザーから散弾が飛び散り、オーズを追い詰めていく。

そして、完全に足を止めたオーズに対し、ゾルダは自身のクレストが描かれたカードを引き抜いた。

 

FINAL VENT!

 

ゾルダの前にロボットのような巨大な牛型モンスター・マグナギガが召還された。

そして、ゾルダはマグナギガの背中にあるコネクタにマグナバイザーを連結させる。

「じゃあな!」

ゾルダがトリガーを引く。マグナギガの胸部装甲が左右に展開し、数十発のミサイルが放たれた。それと同時に、マグナギガの頭部、両腕、両膝、全身に備えられた砲から射撃が始まった。その全ての弾道がオーズに向かっていた。

 

ドオオオオオオオオオオオン!!!!

 

ゾルダのファイナルベントが、射線上にあるありとあらゆるものを灰に変えた。

「火野君!!」

「余所見してる場合か!?」

ベルデが龍騎を襲った。

 

ター!ジャー!!ドルー!!!

 

「はあああ!!」

赤い鳥系コンボ・オーズ タジャドルコンボが上空からゾルダに迫った。

「あの状態から逃げた!?」

飛翔してくるオーズを避けきれず、ゾルダはオーズの突進をかわせなかった。

「うおっ!?」

そして、オーズとゾルダはそのまま組み付いた状態になった。

 

 

「あのライダー、一体何なんだ!?」

ベルデはゾルダが圧されていることに驚いていた。

現在徒党を組んでいる中で、ゾルダ、北岡は特に頭の切れる男だ。ある弱点さえなければ、自分と張り合えるくらいの実力の持ち主なのだ。そんな男を追い詰めるオーズの存在に、ベルデは少し興味が沸いていた。

「榊原!!」

ナイト、ライア、ファムが駆けつけた。

「みんな!」

龍騎が息を切らせながら言った。

「あっれぇ?あんまり戦局変わって無ぇじゃん。」

ガイ、シザース、アビスも続いて現れた。

「いいねぇ、両陣営ともに総出か。」

ベルデが楽しそうに言った。

「ならば、我々も出場権があると考えていいですね?」

さらにタイガ、インペラー、黒いコオロギの騎士・オルタナティブ、そして、眼鏡をかけた男性が現れた。

「香川陣営…!こんな時に!!」

龍騎が言った。

「ほう。まさか貴様まで現れるとはな。」

ベルデが眼鏡の男・香川英行に向かって言った。

「こちらもあまり時間をかけたくないものでね。ましてや、榊原君の所に新たなライダーが加わったとなれば…。」

香川が言った。

「香川。俺達はあんた達と戦いたくない!俺達もこんな戦いを止めたい!それはあんた達も同じだろ?」

榊原が訴えた。

「確かに、我々もこんな馬鹿げた戦いは止めるべきと考えていますよ。しかし、その為には不確定要素は排除せねばなりませんからね!」

香川はそう言うと、カードデッキをかざし、真上に高く投げた。

「変身!」

投げたカードデッキを掴み、バックルに装填すると、香川もまた黒いコオロギの騎士・オルタナティブ・ゼロに変身した。

「どうする、榊原!?」

ライアが龍騎に言った。

「…俺達は、絶対にライダーを殺さない。生き延びることを考えるんだ!」

「この状況で、まだそんなことを!」

ナイトが言った。

「はん!結局は、戦わなければ生き延びられねぇんだよぉ!」

ベルデの一言で、シザース、ガイ、アビスが動いた。

「初めてですよ。貴方と意見が合うのは!」

オルタナティブ・ゼロの言葉でタイガ、インペラー、オルタナティブも動いた。

「く…、何とか突破口を開くぞ!」

そして、龍騎、ナイト、ライア、ファムも動き出した。

 

 

「あー、あー。向こうも始めちゃって。どっちかっていうと、あーゆうごちゃごちゃした戦いは好きじゃないんだよ、俺は。」

12人のライダーが戦い始めたことを横目にゾルダが言った。

「なら、何で戦うんだ!」

オーズは、迫り来るゾルダの攻撃を受け流しながら言った。

「そんなの簡単だ。自分の願いを叶える為さ!」

 

STRIKE VENT!

 

マグナギガの頭部を模した手甲を装備したゾルダは、手甲に付いた二本の鋭い角をオーズに向けて振りかざした。

「うわっ!」

オーズは左腕に装備された円形の盾・タジャスピナーで受け止めるも、勢いの付いた攻撃によって、大きく弾かれてしまった。

「…だからって、誰かの命を奪ってまで願いを叶えるなんて…。」

「可笑しいか?」

ゾルダが遮るように言った。

「お前、ライダーバトルの意味を本当に知らないんだな。そうじゃなきゃ、ただの馬鹿だ。」

ゾルダが呆れるように言った。

「どういうことだ。」

オーズが言った。

「…俺の願いは、永遠の命だ。」

「え?」

「俺は現実世界じゃ、スーパー弁護士・北岡秀一として名を馳せていた。どんなに黒い判決だとしても白に変える男としてな。」

ゾルダは言葉を続けた。

「だが、そんな才能に神様が嫉妬したのか知らないが、俺は難病にかかった。それも現代医療じゃどうすることもできないレベルのな。」

「!?」

「まだ倒れる訳には行かないんだよ。俺の弁護を待つ人の為にもな。どうせ何もしなくたって俺の命は近い内に、いや、下手すれば今日明日にでも尽きるんだ。だったら、この戦いで永遠の命を手にするしか解決しないじゃないか…!」

動揺しているオーズに対し、ゾルダは銃弾を撃ち込んだ。

「ぐっ…!」

「まぁ、中には、ライダーの頂点を目指すとか、英雄になりたいとか、そんなくだらない願いを掲げてるヤツもいるけどな。一方で、死んでしまった大切な人間を生き返らせたいって願うヤツもいる。そいつらの意思を無視してでも戦いを止めたいのか?」

「っ…、それは…。」

オーズはすぐに答えを出せなかった。

「…ふん。」

 

LAUNCH VENT!

 

ゾルダの肩にキャノン砲が二門装備された。

「結局、お前も甘ちゃんなんだよ!」

「うわあああ!!!!」

キャノン砲が火を吹く。オーズは回避を試みるも、砲撃の爆風に吹き飛ばされてしまった。そして、地面に叩きつけられる直前に映司の姿に戻ってしまった。

 

ザッ、ザッ、ザッ…。

カチャ…。

 

ゾルダは、倒れている映司に近づき、マグナバイザーの銃口を向けた。

「じゃあな。」

ゾルダは引き金に指を掛けた。映司は息を呑んだ。しかし、マグナバイザーから銃弾は放たれることは無かった。

何かの気配を察知したゾルダが視線を上げた。

「…おいおいおい。今お前はお呼びじゃないんだよ…!」

ゾルダは怖じ気づいたように言った。

映司は何とか身体を持ち上げゾルダと同じ方向に目線を送った。

 

所々、金の縁取りがされた全身漆黒の鎧を纏う、色以外龍騎に良く似た黒い龍の騎士。それが、ゾルダと映司の方にゆっくりと近づいていたのだ。

「…。」

マスクから覗く赤く発光した複眼は、目に映るもの全てを睨み付けるようにつり上がっていた。

 

SWORD VENT!

 

黒い龍の騎士が左腕の黒いドラグバイザーにカードを装填すると、黒いドラグセイバーが右手に収まるように現れた。

「ちぃ!」

ゾルダはマグナバイザーを発砲した。しかし、黒い龍の騎士はその弾道を見極め、小さな動きで剣を振るいながら弾丸を弾き落とした。

「はぁぁ…!!」

低い唸り声を出しながら黒い龍の騎士はゾルダめがけて駆け出した。

「くそっ!」

「ゔっ!」

ゾルダは映司を蹴り飛ばして退けると、黒い龍の騎士に立ち向かった。

ゾルダは素手による肉弾戦を仕掛けた。そして隙あらばマグナバイザーによる射撃を交えていく。しかし、黒い龍の騎士は、向けられる銃口を手にした剣で払いのけながら受け流していた。

「うわっ!」

そして、一閃、また一閃と、ゾルダに斬撃を与えていた。

 

STRIKE VENT!

 

ゾルダから距離が離れた黒い龍の騎士は、黒いドラグクローを装備し、最後の一撃に備えた。

「まずい…!」

 

GUARD VENT!

 

体制を整えたゾルダはマグナギガの胸部を模した盾・ギガアーマーを呼び出し構えた。

「はぁぁぁぁ…、ハアっ!!」

黒い龍の騎士が黒いドラグクローを正面に突き出す。それと同時にドラグクローから放たれた黒炎の火球がゾルダに襲いかかった。

「うわっ!!」

ゾルダはギガアーマーごと吹き飛ばされた。しかし、何とか身体を起こし黒い龍の騎士を睨み付けていた。

「はぁ…、はぁ…。ここらが潮時か。ここで殺られるわけにはいかないんでね。」

ゾルダはそう言うとこの場を後にした。

リュウガはゾルダを追わず、倒れている映司へゆっくりと振り向いた。

「あれが…、リュウ、ガ…。」

映司の目に、こちらに近づく黒い龍の騎士・仮面ライダーリュウガの姿を捉えていた。しかし、体力の限界に達した映司は、リュウガが近づいて来ているにも関わらず、意識を手放してしまった。




第5話、いかがでしたでしょうか。

前半、龍騎VSベルデ、オーズVSゾルダの戦いを描きました。ベルデは新たにSTEAL VENT、ゾルダはHOMING VENTとSPLIT VENTを所持しています。

今回で、オーズは、ライダー達の叶えたい願いについて、改めて知ることとなります。死ぬ運命に抗う為に、永遠の命を求めるゾルダこと北岡。他者の命を奪ってまで叶える願いに意味はないと信じる映司が、それを知ったことで動揺してしまいます。そこへ畳み掛けるように攻撃を加えていくゾルダ。絶体絶命のピンチの所に現れたのは、変身者不明のライダー・リュウガ。ゾルダを圧倒し、さらに映司にも近づいていく。映司の運命は…。

そして、龍騎とベルデの所に、両陣営のライダー達、さらに香川英行の一派も現れました。ちゃっかりオルタナティブもいます。仲村君です。笑
ついに出揃う三陣営。

次回、ライダー達による三つ巴の激戦が繰り広げられます。お楽しみに!
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