「うわっ!?」
「何っ!?」
オーズとタイガは、突然のファムとインペラーの攻撃を避けきれず、その身を晒してしまった。
「霧島、どういうつもりだ!」
ナイトが言った。
「私のやるべき事を思い出したの。悪く思わないでね…!」
ファムが言った。
「ごめんね、先生。あの弁護士さんが示してくれた条件良くてさぁ~。」
インペラーもまた言った。
「くくく…、ハーッハッハッハ!!ざまぁねぇな!」
高見沢は高笑いしながらカードデッキを掲げた。それにならい、北岡と芝浦もデッキを構えた。
「「「変身!!!」」」
高見沢達もそれぞれライダーの姿に変わった。
「行けっ!」
ベルデの指示でライダー達は龍騎達やオルタナティブ・ゼロ達へ襲いかかった。
「霧島、よせっ!戦いを止めるんじゃなかったのか!?」
龍騎はファムの猛攻を凌ぎながら言った。
「言ったでしょ!私のやるべき事を思い出したって!」
「…君の姉さんのことか。」
「ええ、そうよ!」
龍騎とファムは距離を取った。
「姉ちゃんは、浅倉に殺された。だから、この戦いでヤツを討って姉ちゃんを生き返らせる!」
ファムが言った。
「でも、それは無意味だって、手塚が気づかせてくれたじゃないか!お前が愛した男が。」
龍騎はファムに訴えかけた。
「…そうね。私は、彼を愛してた。彼がいることで復讐心なんて忘れてたの。一緒に生き残ることが出来れば…。でも現実はそう甘くない!それを気づかせてくれたのも海之なのよ!」
SWORD VENT!
ファムはウイングスラッシャーを呼び出した。
「結局は、生き残った者の願いが叶うのよ。だったら、私は私の願いの為に戦う!」
ファムが龍騎に迫った。
「血迷ったか!」
SWORD VENT!
「ハイぃ!!」
龍騎はドラグセイバーを呼び出し、ファムに向け剣を振るった。
STRIKE VENT!
SPIN VENT!
タイガはデストクローを、インペラーはガゼルスタッブを手に、交戦し始めた。
「東條、お前もこっちにどお?なかなか悪くない条件だったぜ?」
インペラーがタイガを誘ったが、タイガはフンと鼻を鳴らした。
「先生を裏切る?それは英雄に程遠い行為だよ!」
「ですよね。言うと思った!」
インペラーはタイガから距離を取り、カードを引いた。
TRICK VENT!
数体に分身したインペラーが一斉にタイガに襲いかかった。
「ちぃ!」
「榊原!」
ナイトが龍騎の援護に動こうとした。
「させるかよ!」
しかし、ガイがナイトの行く手を阻んだ。
「邪魔をするなら、容赦はしない!」
SWORD VENT!
「おっと、そうはさせねぇよ!」
CONFINE VENT!
「ちっ!」
ナイトが武器を呼び出そうとしたが、ガイのカードの効果により、無効化されてしまった。
STRIKE VENT!
「行くぜぇ!」
ガイはメタルホーンを手に、ナイトに迫った。
「はっ!」
ナイトはダークバイザーを手に取り、応戦した。
「全く…。迷える子羊くんは、まだ戦うって?」
ゾルダはマグナバイザーを撃ちながらオーズに迫った。
「くっ…。」
オーズはゾルダの射撃に耐えながら、青いコアメダルを装填した。
タカ!ウナギ!バッタ!
オーズの胸と両腕が青いウナギアームに変化し、その両手に鰻を模したムチ・ウナギウィップを持った。
「また姿を変えた所で!」
HOMING VENT!
ゾルダは追尾性能を付与した弾丸をオーズに撃ち込む。
「はっ!はっ!!」
しかし、オーズは両手のムチを振り回し、銃弾を弾き落とす。
「チッ!」
SPLIT VENT!
続いて散弾をオーズに浴びせようとした。が、オーズはムチを円を描くように振り回しその全てを防いでみせた。
「マジかよ!」
「はっ!」
オーズはゾルダに攻撃をしかける。しかし、ゾルダに攻撃は届かない。むしろ…。
「…お前、まさか!」
LAUNCH VENT!
ゾルダはオーズに向けキャノン砲を撃ち込んだ。さすがのオーズもゾルダから距離を取って攻撃を避けた。
「北岡さん…。戦うのは止めましょう!貴方とは戦いたくない!」
オーズはゾルダに訴えかけた。
それを聞いたゾルダは、頭に血が昇るような苛立ちを覚えた。
「それは、余命幾ばくもない哀れな弁護士への情けってやつ?ふざけんな!」
ゾルダは再びキャノン砲を撃つ。
「そうじゃない!」
オーズは攻撃を避けながら言った。
「貴方は、人を殺めてはいけないんだ!」
「はぁ?」
「貴方は、何の為に弁護士になったんですか!?」
オーズは言った。
「何言って…。」
ゾルダはふと、攻撃の手を止めた。
ー俺は、何で弁護士になったんだ…?
ゾルダは突然、思考の渦に飲まれてしまった。
「貴方の弁護を待つ人がいるんでしょう?」
「ああ…、そうだ!だから、ここで死ぬ訳には…、永遠の命を…!」
「それは、誰かが助けを求めて差し出した手を掴む為。それなのに、その人達の為に誰かの命を奪っていいはずがない!」
「…っ!?」
ゾルダは、オーズに向けていたマグナバイザーを下ろした。
「っ!?北岡ぁ!」
ゾルダの様子が変化したのを見たベルデが怒りを露にした。そんなベルデにオルタナティブ・ゼロの大剣が振り下ろされる。
「ちっ!」
ベルデは迫りくる斬撃を辛うじて避け、カードを装填した。
HOLD VENT!
ベルデはバイオワインダーをオルタナティブ・ゼロに投げつける。オルタナティブ・ゼロはそれを剣で弾き返した。
「おや。先程の威勢はどこへ行きましたか。」
オルタナティブ・ゼロが挑発するように言った。
「はん、戦いはまだ終わってねぇ。お前を倒して、北岡には相応の裁きを下してやる!それに、変わらず劣勢なのはお前達の方だ!全滅も時間の問題なんだよ!」
確かに、ファムとインペラーが裏切り、三陣営のパワーバランスとしては、高見沢陣営に歩がある。しかし。
「それはどうでしょうねぇ。」
「何?」
「はっ!」
「そらっ!」
「ふっ!」
三体のインペラーの攻撃にタイガは圧されていた。
「くっ、本体はどれだ!」
FREEZE VENT!
タイガのカードが発動されると、インペラーの分身の動きが止まった。
「ちっ、バレたか。」
「逃がさないよ!」
タイガが本物のインペラーに迫る。
「ちっ!これでもくらえ!」
インペラーは迫るタイガに向けて、ガゼルスピアを投げつけた。すると、タイガはそれを待っていたかのようにスピアを避けた。
メタルホーンを振りかざすガイに対し、ナイトは剣裁きで攻撃をあしらう。
「こんの…!」
SONIC VENT!
ガイはメタルホーンをもう一度振りかざした。ナイトは、ダークバイザーでそれを受け止めたが、その瞬間、メタルホーンから凄まじい衝撃波が発せられた。
「うわっ!」
衝撃波により、ナイトは大きく吹き飛ばされてしまった。また、ダークバイザーも手から離れてしまい、最早丸腰状態だった。
「覚悟しな。おたくは、これでリタイアだ!」
ガイは、自身のクレストが描かれたカードを引いた。
その時だった。
「ぐはっ!?」
ガイが突然苦しみだした。
「…何だ!?」
ナイトは、ガイの背中に何かが突き刺さっているのを確認した。それは、インペラーがタイガに向けて投げたガゼルスピアだった。
「あれ。当たっちゃった?ごめーん。」
インペラーはガイに平謝りをした。
「ふ、ざけんな…。どういうつもりだ…!」
ガイは背に刺さったスピアを引き抜こうとした。しかし、それは深く刺さっており、抜き取ることができなかった。
「いやだって、東條が避けるから。」
「ははっ。君だって、僕を狙った訳じゃないじゃないか。」
タイガが笑って言った。
「な、に…!?」
「じゃ、お前はもう消えていいよ。」
タイガが、自身のクレストと同じカードを引き抜いた。
FINAL VENT!
「させるか…!」
ガイは手の感覚が鈍くなりながらも、カードを引き抜きバイザーに装填した。
CONFINE VENT!
デストワイルダーがガイに飛びかかろうとしたが、カードの効力により、寸での所で姿が消された。
「今ので二枚目だよね!」
FINAL VENT!
インペラーも同じくカードを装填した。すると、ギガゼールを筆頭に無数のレイヨウ型モンスターがガイに迫っていった。
「ちくしょう…!」
METAL VENT!
ガイはインペラーの攻撃に備えた。
そして、無数のレイヨウ型モンスター達が、それぞれガイに向かって飛びかかった。
「ぐっ、うっ…!」
次々と飛び交う攻撃にガイは耐えた。が、攻撃は止まる様子を見せず、むしろ激しさが増していった。
「ま、ずい…!」
間もなくカードの効力が薄れ、モンスター達の攻撃によってガイの装甲が砕けていく。
「はぁ!!!!」
そして、モンスター達の猛攻の最後に、インペラーが飛び膝蹴りをガイに放った。
「うわああああ!!!!」
大きく蹴り上げられたガイは地面に叩きつけられた。そして、再び起き上がることなく、砂のように消えていった。
「どういうことだ、佐野!!」
ベルデがインペラーに言った。
「ごめんねぇ、高見沢さん。向こうの方がさらに良い条件で雇ってくれちゃってさぁ!」
インペラーがヘラヘラと言った。
「そう言うことですよ、高見沢さん。貴方に勝ち目はありません!」
オルタナティブ・ゼロが言った。
「裏切り者がぁ!!」
今度はファムが龍騎との戦いを切り上げ、自身のクレストと同じカードを引き抜いた。
FINAL VENT!
「ファァァァン!!!!」
ファムが契約した白い鳥形モンスター・ブランウイングが飛翔し、インペラーの前に現れた。
「え?」
ブランウイングが翼を大きく扇ぐ。
「うわっ!?」
すると、そこから凄まじい突風が生まれ、レイヨウ型モンスターもろともインペラーをファムの方へ吹き飛ばした。
「はあああ!!!!」
ウイングスラッシャーを手にしたファムは飛ばされてきたレイヨウ型モンスターを次々と斬り伏せて行った。
「霧島、よせ!!」
龍騎がファムに言った。しかし、ファムは聞く耳を持たず、最後に飛んできたインペラーに刃を向けた。
「はあ!!!!」
「ぐはぁ!!」
インペラーはファムによって身体を二つに切り裂かれた。そしてモンスター達の爆発に飲み込まれ、その姿を消した。
「佐野君!!このぉ!!」
タイガがファムに迫った。
「邪魔しないで!」
ファムは手にした武器でタイガの攻撃を弾いていく。
「もう誰も、何も信じられない。私は、私の願いの為に…!」
ACCEL VENT!
ファムが言葉を言い切る前に、加速したオルタナティブ・ゼロの攻撃を受けてしまった。
「うっ!」
「結局、貴方も欲望に捕らわれた道化ですね…!」
オルタナティブ・ゼロが言った。
そして、カードを引き抜きリードさせようとした。
「やめろ、香川!!」
龍騎がオルタナティブ・ゼロを止めようと迫った。
しかし、オルタナティブ・ゼロは龍騎の攻撃を簡単に避け、カードをリードさせた。
FINAL VENT!
契約モンスター・サイコローグがバイク形態となって現れ、オルタナティブ・ゼロはそれに跨がった。
「させるか!」
ナイトもまた、オルタナティブ・ゼロの攻撃を阻止する為に迫るがタイガがその行く手を阻んだ。
オルタナティブ・ゼロは駒のようにバイクを高速回転させ、そのままファムに突撃した。
「ああ!!」
ファムは、成す術もなくオルタナティブ・ゼロの攻撃を受け、大きく吹き飛ばされた。やがて、軽く弾みつつ、地面に伏せてしまった。
「霧島ぁ!!」
龍騎が叫んだ。
「ご、め…。ね、ちゃ…。」
ファムの言葉は、最後まで言い終えることはなかった。
「そんな…。どうして、こんな…!」
全てを目の当たりにしたオーズは絶句した。
「バカな…。こんなはずが…!!」
ベルデもまた、自身の計画が打ち砕かれてしまい、言葉を失っていた。
しかし、戦いはまだ終わらなかった。
「でやぁ!!」
黒い影が呆然としている龍騎に襲いかかった。
「何!?」
龍騎は間一髪でそれをかわした。
「お前は…!」
ナイトがその正体を見抜いた。
「リュウガ…!」
オーズもまた、その名を口にした。
SWORD VENT!
リュウガは黒いドラグセイバーを手にすると、オーズに目をくれず、龍騎に襲いかかった。
「ちぃ!」
龍騎もまた、手にした剣でリュウガの斬撃を受け止める。が、リュウガによって押し込まれ、洞窟の外に追いやられた。
「榊原!」
「榊原さん!!」
ナイトとオーズは龍騎とリュウガの後を追った。
「こちらもそろそろ退き時ですか。」
オルタナティブ・ゼロの合図でタイガもその場から離れて言った。
「…で、どうするの?」
ゾルダがベルデに言った。
「…このまま終わらせやしない!」
ベルデは、洞窟の奥に進んでいった。
第9話、いかがでしたでしょうか。
ファムとインペラーの裏切り。それは、彼らが各陣営に戻る前に、北岡が接触し、裏切るように図った為です。これにより、再び高見沢陣営にパワーバランスが傾いた。かと思いきや。
実際にインペラーは裏切っておらず、隙を見せていたガイを倒しました。が、ファムによりインペラーもまたやられ、因果報応か、ファムもオルタナティブ・ゼロにより倒されてしまいました。これにより、生き残ったライダーは、オーズを含め10人。
裏切りが裏切りを呼び、混沌とする戦いを描きたかったですが、そう上手くは表現できませんでした。難しい…。
そして、最後にリュウガが乱入し龍騎、ナイト、オーズがこれと交戦していきます。
残されたベルデとゾルダが取る行動とは…。
次回をお楽しみに!