ガールズバンドは○○したい   作:ぽぽろ

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番外編みたいもの
山吹沙綾に膝枕をしてもらいたい


皆、というか人間には疲れた時などのふとした時に誰かに甘えたいと思う時は無いだろうか

男は疲れた時には母性を求める。

そしてバブみでおぎゃっておギャル丸に変身する

 

何が言いたいかと言うと、僕は山吹沙綾ちゃんに膝枕をしてもらいたいのだ。

丁度用事が重なってあまり休む暇も無く、精神的にも肉体的にもとっても疲れている状態だ。

更にそこから万年人不足のcircleに毎日のように駆り出され、ヘトヘトだ。

その疲れを女の子の膝枕で癒そうと思う。

疲れた時は女の子の膝枕が効くって古事記にも薄い本にも書いてあるしね!

 

膝枕をしてもらう予定の沙綾ちゃんの詳しい説明は省くが山吹沙綾ちゃんは、身体が弱い彼女の母、千紘さんの代わりにお店を手伝い、弟の純くんと妹の紗南ちゃんのお世話もしている面倒見のいい女の子だ。

それは僕、桐生千夏(きりゅう ちなつ)にも当てはまる。

ていうか誰にでも分け隔てなく優しい。

だから頼めば膝枕をしてくれそうな気がする

今、その作戦を実行する。

 

───────────

 

そして、僕は今山吹ベーカリーでせっせと店先を掃除している

身体と肉体的の疲れを癒すために肉体と精神に疲れを増やすって何か皮肉……

 

「お疲れ様。千夏疲れたでしょ」

「うん、全然大丈夫だよ。」

「……今日みんなの仕事殆ど1人でやってたのに?」

「まぁ…その……あはは……」

「あははじゃない。休んでいいよっていうか休んで」

 

エプロン姿でプクッと頬を膨らませ、お玉を持っている手を腰に当て怒っているようだが、僕にとってはただの可愛い仕草にしか見えない。

あと沙綾ちゃんには僕が下心満載でこんなに頑張っているのは分からないんだろなぁ……

 

「いや、まだ少し仕事残ってるし……」

 

働けば働く程膝枕をしている可能性が高くなるし。

働けば働く程可愛い女の子に膝枕をして貰えるってなれば世の中は変わるんじゃなかろうか。

皆喜んで残業しちゃうね

そしたらブラックもホワイトも無い幸せな世界に変わっちゃうね!

よし、今度偉い人に相談をしてみよう

 

「もうそれはお父さんに任せてさ、ご飯食べなよ。」

「いや、流石にそれは悪いよ。」

 

女の子の料理を食べられるとはいえ流石にそれは気が引けると言うもの。

ならなんで僕は膝枕を頼もうとしているのだろう。そっちの方がハードル高いのにね

 

「あ~あ、そしたら折角作ったのに無駄になっちゃうな~純も紗南も一緒に食べたいって言ってたのになぁ~残念だな~」

 

わざとらしく大きな声で独り言を零す沙綾ちゃん

まぁ、そういう事なら

早く膝枕して貰って帰ろうと思ったのに……

家にもしかしたらある人がいるかもしれないし。

 

やった!

 

小さくガッツポーズをしている沙綾ちゃん。なぜ?

 

─────────

 

その後は沙綾ちゃんが作ったという夜ご飯を頂き、

『帰るの遅くない?家に入ってもうご飯作ったんだけど?』と言ういつもの人の怒りのこもったメールに返答し、必死に宥めて過ごした。

ご飯も食べ終え後片付けをしている沙綾ちゃんに僕はチャンスだとばかりに本来の目的を果たすべくこう言った

 

「沙綾ちゃん。」

「ん?何?」

「僕に膝枕をしてください!」

 

床に頭をつけ完璧に地に伏せる。所謂土下座という奴だ。

 

「ふぇ!?」

 

どこぞの迷子少女の様な反応をした後、顔が茹でダコの様に真っ赤に染まる。

 

……もしかして引かれた?

 

いや、それが当たり前か。

同学年の女の子に膝枕を頼み込む男子高校生…

完全に通報案件ですありがとうございました。

次回は鋼の檻で囲まれた場所でお会いしましょう。

 

「ぃぃょ………」

「え?」

「……いいよ?」

「いいの!?」

 

まさかのOKでした。これで檻の中に入って生活をするになるのが少し遅くなったね!

いや、入る予定は無いけど

沙綾ちゃんの部屋へとその後通された。

お顔真っ赤っかで。

 

────────

 

人の……特に異性の部屋に入るのは緊張するものである

しかし僕は膝枕をして貰えるという嬉しさでルンルンしていた。

可愛らしいぬいぐるみ等が飾られた女の子らしい部屋に通された僕。

彼女は深呼吸をして気持ちを落ち着けていた。

よしっ!と小さく意気込んで正座して座り、こちらを向きポンポンと自分の膝を叩いた。

準備は出来たみたいだ。

 

彼女に近づき失礼しますと一言断ってからエデンへと寝転んだ。

女の子らしいすべすべのハリのある太ももの柔らかい感触が何とも言えない。

更に漂ってくる女の子の甘い匂い、下から見える少し恥ずかしがっている表情が合わさり僕はもう瀕死だ。

 

暫くするとある程度慣れたのか白く細い、透き通った綺麗な手で僕の頭を撫でてくれた。

 

「ねぇ、なんで膝枕なんて頼んだの?」

 

優しく撫でながらそう尋ねてきた。

 

「最近ちょっと疲れててさ。」

「ふ~ん。」

「なんで笑ってるの……」

「別に~人に頼るのはいい事だよ。また疲れたら私を頼ってね。また膝枕してあげる。」

微笑みながら、彼女はそう言った。

その笑みは聖母の様に僕を包み込み、心が暖かくなる様な気がした。これが包容力だろうか。

流石ポピパのママは違うや……

あの個性の塊みたいなメンバーを纏めるだけの事はある。

そしてつい眠気が来た僕はそのまま寝てしまった……

起きた時には疲れなんて吹っ飛び、魔剤なんて飲むより身体が軽くまた1ヶ月くらい元気に働けそうな気がした。

 


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