サンサンと照りつける太陽、白い砂浜、青い海。そしてそこにはその場所に似つかない黒いスーツを来た人達と水着姿の男女。
そう……僕はいつの間にか連れ去られていた……
いつも通り家で寝てたと思ったら次に目を開けたらこれだよ?
トンネルを抜けるとそこは雪国であったでは無くて、
この事の元凶の人物は今僕の隣でニコニコしながら立っている彼女だろう。
眩しい太陽の光に照らされて彼女の金色の美しい髪を照らしている。
皆さんも知っているであろう彼女、弦巻こころ。
弦巻グループの一人娘であり、彼女のボディーガード的な存在の黒服の人によって彼女の願いの殆どは叶えられる。
彼女を簡単に言うとしたら破天荒、天真爛漫辺りだろう。
彼女の父は世界を股に掛ける弦巻グループの創設者であり、顔も広く人脈も豊富だ。
ずっと辿って行ったらもしかして世界の闇にまで届くかもしれない。
6人くらいを経由すれば世界中の人と繋がることが出来るというスモールワールド現象もきっとここを経由すると1発だろう。
そんな父の一人娘なのだ。破天荒極まりない。
「ね、ねぇ、何で僕はここにいるの? ここは何処?」
「あたしが連れて来たからよ! あたしは貴方とここに来たかったの! そして、ここはお父様の持っているある島よ!」
元気いっぱいにそう答えてくれた。
島を所有かぁ……金持ちのやる事は違うね。
って、へ、へぇ~僕と来たかったんだ……
おっと、深く考えては行けない。
きっと友達をお気に入りの場所に連れてきたいとかそんな事だろう。
全く! 思わせぶりな態度しちゃってさ!
「もぅ……! 全くとってもニブチンさんだわ……」
そんな事を考えていると呆れる様な表情をしたこころちゃんが。
あれ……? 僕何かしたっけ?
そしてこころちゃんはこちらに手を差し出してきた。
「一緒に遊びましょ?」
今僕達を照らす太陽よりも明るく暖かい笑顔でそう言った彼女。
その笑顔につい見蕩れてしまっていた。
「ん? あたしの顔に何かついてるのかしら?」
こてんと首を傾げる彼女。
「別に何もないよ。こころちゃんは可愛いなって思っただけ」
「ふふっ、貴方だってとってもキラキラしててカッコイイわ!」
「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」
「お世辞じゃないわ、あたしの本心よ。あたし、お世辞って堅苦しくて嫌いなの」
「へへっ、ありがとう。こころちゃん」
「さぁ! 遊びましょ?」
そして、僕達は海に駆けた。
泳いだり、水を掛け合ったり、黒服さんが用意してくれたココナッツジュースを飲んだり、高級な昼ごはんに舌鼓を打ったりと中々に充実していた。
優雅な休日の過ごし方だ。
***
楽しい時はあっという間に過ぎるもので、いつの間にか日は沈みかけ、さっきまでの綺麗なマリンブルーの海は沈みかけた太陽に照らされ真っ赤に染まっていた。
「今日は楽しかったかしら?」
「うん、色々楽しめたよ。いい気分転換になったかもね」
「そう……! それなら良かったわ! 貴方今とっても素敵な笑顔をしてるわ!」
「無理やりだったけど連れてきてくれてありがとう」
綺麗な夕日をバックにこころちゃんに感謝を述べる。
しかし、何故かこころちゃんは俯いていた。
少しすると意を決した様に顔を上げた。
「とっても大事なお話があるんだけどいいかしら?」
「うん。何か悩み事?」
「そうじゃないわ。あのね……実はあたし……貴方の事が……」
んあ? 足に痛みを感じたから下を見てみると何と小さいカニが僕の足を立派なハサミで挟んでいた。
痛いなこの野郎。
しゃがんででカニを捕まえた。
案外可愛いなこいつ。
「見て! こころちゃん。カニだよ! カニ好きだよね! カニ「の事が好きなの!」やっぱり?」
やっぱりこころちゃんカニ好きだよね。
こころちゃんに好かれるカニ羨ましいなぁ……
羨ましいぞ! カニオ
「貴方の鈍感さは天才的ね……
普通はあんな風にならないわ……練習したのに」
「ん? やっぱりカニ嫌い?」
「いいえ! あたし、貴方の隣に立てるようにこれから頑張るわ!」
「え? あぁ、頑張って……?」
何故僕の隣に立つ必要があるんだ……
いつでも空いてるよ? よく一人でいるし。
そんな感じで僕の1日は終わった。
***
家に帰った後、美咲にこころちゃんがカニに告白してた事を話したら
「はぁ? 本当に最低。今日ご飯無しね」
「えぇ! そんなぁ! 謝るからそれだけはご勘弁を!」
「人の気持ちを聞かない人には食べさせない。っていうかこころ約束破ったなぁ」
約束……?
その後は謝り倒してご飯を食べた。
最近、何か僕ご飯よく抜かれそうになるなぁ……
でもちゃんと準備してくれる美咲好き。
そして、さっき『こころにちゃんと謝る事』と言われたから
『今日何かごめんね?』
と送ったら
『全然大丈夫だわ! 今日は急ぎすぎたわ。
逆に聞かれたら美咲に怒られてしまうわ』
と返信された。
美咲に怒られる……? なんだそりゃ
今回の裏話
弦巻こころ
美咲と告白する時は雰囲気に流されないで2人一緒にという約束をしている。
千夏の隣を虎視眈々と狙っている。
最近、料理を勉強し始めた。大好きな人に食べて貰いたいから
おや…?黒服の人達の様子が……